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花の名山 南蔵王を縦走して(05.06.24)


蔵王エコーライン刈田岳駐車スペース〜南蔵王登山口〜前山〜杉が峰〜屏風岳〜南屏風岳〜不忘山
歩行時間:6時間35分



■花の名山蔵王連峰を目指して

6月18日、高山植物の花の名山南蔵王(前山、芝草平、杉が峰、屏風岳、南屏風岳、不忘山)を縦走してきました。
当日の朝、仙台はガスがかかりすっきりしない天気でしたが、天気予報によると曇りのち晴れだったことから計画通り実行することにしました。
予想どおり蔵王エコーライン三階の滝付近からガスが晴れ太陽の光が差し込んできました。
■南蔵王登山口にて

刈田岳駐車スペースを少し歩くと案内板の立つ南蔵王登山口が見えてきました。登山口付近で壮年の登山グループ10数名が食事をとっていました。腹ごしらえをした後は不忘山まで行き白石スキー場へ抜けるコースを歩くと言っていました。登山口までは同僚から車で送っていただいたようです。親しい友人がいるとそんなこともできると羨ましい気がしました。

■いよいよ登山開始=高山植物がちらほらと=

インターネットで高山植物の花が見ごろになっているという情報を得てきたことから初めて経験する春の登山を楽しみにしていました。登山口を下りていくと木道になり湿原を過ぎると刈田岳避難小屋への分岐が見えてきました。前山方面の標識に従い歩いていくと潅木が茂り最初のガレ場が見えてきました。ガレ場は展望が良く刈田岳山頂が良く見えました。


コバイケイソウ

チングルマ

ムシカリ?

イワカガミ

ツツジ科?
■ガレバのご夫婦

ガレ場には壮年のご夫婦が休んでいました。私も小休憩をすることにしました。ご夫婦との会話が弾みました。2年前にご夫婦で登山を始めて今まで100名山のうち32名山を制覇し、今年の登山は今回の南蔵王で13回目、月山にも登りたいし白山にも登りたいと言っていました。今年は車高の高い車を買い換えて本格的に登山をしているそうです。車高の低い車は林道の悪路に車の下腹をこすってしまうと言っていました。車を買い換えてまで登山できるご夫婦を羨ましいと思いました。今日は余り無理をしないで屏風岳まで行くと言っていました。のんびりとした登山を楽しんでいるそうです。お互いの健闘を祈りながら一路前山へと向かいました。

■最初の山 前山(1,684m)

展望の良いガレ場を抜け、潅木の中をひと登りすると西側がひらける最初のピーク前山にたどり着きました。前山の頂上はうっかりすると見落としそうで登山道の中にありました


■視界良好の杉が峰山頂(1,745.3m)

前山から杉が峰へは少々きつめの坂が続き息を切らせながら一気に登りました。杉が峰山頂は平坦で広く刈田岳の山並みや屏風岳も一望することができました。

■杉が峰から芝草平=湿原に咲くチングルマ=

杉が峰を後に湿原の芝草平へ向かいました。緩やかな下り坂を歩いていくと木製の遊歩道が見えてきました。湿原は高山植物の保護地域となっていてしっかりとロープが張られていました。真っ白なチングルマが一面に咲いていました。チングルマと遠くに見える残雪の山々に感動し春の登山をした喜びを身体一杯に味わいました。





ツツジ科?

ミネズオウ

ヤマサクラ?
■きつかった屏風岳登山(1817.1m)

屏風岳に向けていよいよ本格的な山登りの雰囲気になってきました。
岩場の道にさしかかりぬかるみに足を取られないように気をつけながら登りました。
シャクナゲはまだつぼみでこれからという感じでした。烏帽子岳との分岐を過ぎ歩きやすい道になり間もなくして屏風岳山頂に着きました。
屏風岳は潅木と笹が多く部分的な眺望でした。山頂は南屏風岳から不忘山へ向かうための休憩場所になっていました。


■シャクナゲの咲き乱れる南屏風岳(1817.1m)

山頂から笹の多い登山道を進むと水引水道との分岐がありここからは南屏風岳の姿がよく見えました。南屏風岳までは比較的平坦な道で初夏の風を浴びながらの登山となりました。水引水道の分岐周辺はシャクナゲが綺麗に咲いていました。写真を撮っているご婦人に会いました。1週間前に来たときの花はもっと赤みを帯びていたと言っていました。時間が経ち少し花が開いたのかもしれません。しかし、初めて見るシャクナゲの群生地に感動しました。山好きの人は何度でも訪れる山と思いました。
時計は午前9時30分頃でしたが、既に目的の登山を終えて帰ってくる数人のグループに会いました。「こんにちは。もう帰るところですか。早い時間帯ですが何時ごろに登りましたか。」「不忘山まで行ってきました。今日は朝6時頃に登り始めました。」登山は早いほうが良いのかもしれません。朝の早い時間帯で爽やかな自然の空気を吸いながら登るべきかもしれません。午後になると気温も上がり、特に山登りはアクシデントがつきものです。夕方、人気の無いところで登るのも気がひけるものです。そんなことを感じながら分かれました。


■南屏風岳の花畑に感動(1,810m)

とうとう南屏風岳に着きました。南屏風岳山頂の端に立つとアップダウンが続く稜線が一望され、その奥に不忘山が見えました。体調もさほど悪くなかったことから不忘山まで行くことにしました。途中、登山客とすれ違いました。その人の話では、南屏風岳から不忘山まではいろいろな高山植物が花畑のように咲いていると言っていました。その話を聞いて胸を躍らせながら足取りも軽く歩き始めました。延々と続く山の稜線を歩くコースでこれぞ山登りの醍醐味と思いながら歩きました。稜線には、チングルマ、ハクサンイチゲ、イワカガミ、ハクサンチドリ、ミネズオウ等の花が咲き、初めて見る高山植物に感動しました。斜面一杯に這うようにして咲いている可憐な白い花ハクサンイチゲに心を躍らせました。疲れが一気に吹き飛んでしまいました。この喜びを味わうことができるからこそきつい山にも登るのかと改めて思ったところでした。花の名山、花の宝庫南蔵王ならではの光景でした。



ミヤマキンバイ

シラネアオイ

ムシカリ?

ハクサンチドリ

ハクサンイチゲ
■いよいよ最終目的地不忘山(御前岳)(1,705.3m)

いよいよ最終目的地不忘山です。最後の急な登りを越え不忘山神社を通り過ぎると不忘山頂が目の前に表れました。山頂に向かって最後の急な登山道を登ると360度の大パノラマが広がる不忘山頂に着きました。山頂は晴れていて見晴らしが良かったのですが、下の方はガスがかかり広大な裾野に広がる景色を見ることができませんでした。晴れた日には、遠く飯豊連峰、吾妻連峰、仙台市街地や仙台湾、直ぐ下の方には七ヶ宿ダム等を見ることができます。今度来るときには晴れてくれることを祈りました。
山頂には既に数組の登山グループがいて写真を撮る人食事をする人など思い思いの休憩をしていました。既に午前12時を回っていたことから持ってきたガスボンベをセットしラーメンを食べることにしました。山頂で食べるラーメンの味は至福の境地に浸り満足しました。それにしてもガスボンベというものは便利で山の中でも簡単に料理が楽しめると思いました。


ユキワリコザクラ

ミヤマオダマキ?

ハクサンイチゲ

ハクサンイチゲ

ハクサンイチゲ
■蔵王連峰を思い出に不忘山を後にして

不忘山頂の午後は、ぼちぼち登山客も帰る身支度をしていました。私も食事を終えた後、帰る準備をしました。往路は写真を撮り時間を費やしたが、復路は帰るのみなので余り時間もかからないだろうと思いながら山頂を後にしました。途中、白石スキー場方面に抜ける登山グループと会いましたが、その後、一組たりとも会うグループがいませんでした。不忘山の縦走は健脚な人のみ登る山ということで、普段、歩き慣れて
いると思っていたこともあり縦走を敢行したところでした。ところが途中から脹脛や足首が痛く小休憩を繰り返しながらの岐路になりました。既に時計は午後4時を過ぎ周りの景色も幾分寂しげな雰囲気になり心細くさえなりました。この山の中には一人もくもくと歩いている自分しかいないと思うと余計寂しさがこみ上げてきました。前山を過ぎた頃、蔵王エコーラインを通る車の音がかすかに聞こえてきました。少し安心をしながら足早に駐車場へと向かいました。駐車場には一台の車が見えました。やっぱり私が最後だったと思いながら無事下山できたことを感謝しました。

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