刈田岳と熊野岳の縦走初体験(05.04.30)
4月30日、快晴の日に蔵王連邦刈田岳と熊野岳を縦走してきた。
当日、朝早く起きてマンションから蔵王連邦を見ると蔵王の尾根がくっきりと見えたことから急遽計画をたてた。
◆ 湖面に映る蔵王連峰

国道286号線から川崎町経由国道47号線を抜け蔵王エコーラインへと向かうことにした。
釜房ダムに差し掛かると湖面に移る蔵王連邦がくっきりと見えた。青い空と太陽に反射した残雪の尾根は初春の絵画を見るようで感動的だった。


◆ 桜の花とグリーン、蔵王の山並

国道47号線に入ると急に車の量が少なくなった。すずらん峠の山道に差し掛かると対向車がすれ違うのもやっとの細い山道にかかった。運転に気をつけながら走行することにした。間もなくして宮城蔵王CCの看板が見えてきた。以前、このルートを通ったときにゴルフ場から見る蔵王連邦に感動したことがあった。更にこの時期桜の花も咲いていると思い寄ることにした。
想像していたとおりゴルフ場のグリーンと桜の花、蔵王連邦の山々はキャンバスに描いた絵のようだった。 

◆広葉樹と杉林シルエットと蔵王山麓

国道47号線にはもう一箇所蔵王連邦が綺麗に見える場所があった。そこは、ゴルフ場と違い広々とした畑のある風景だった。掘り起こしたばかりの茶褐色の畑と遠くに見える落葉樹と杉林のシルエットは残雪を擁いた蔵王の山並みとのコントラストを一段と引き立たせていて感動的だった。早速、写真を撮って一路蔵王エコーラインへと車を走らせた。

◆ 蔵王エコーラインの雪回廊

蔵王道に車が入ると交通量が多くなってきた。蔵王の雪壁を見る観光客だった。澄川スキー場を過ぎる頃から少しずつ雪が多くなってきた。刈田岳に近づくにつれ雪の壁が高くなっていくのがわかった。雪壁に圧倒されながら車を走らせた。
刈田岳の駐車場は車で一杯だった。車のプレートを見ると宮城、山形ナンバーだけでなく県外からの車が多かった。外人の会話も聞こえて世界からの観光客で賑わっていた。

◆ 刈田岳と非難小屋・お釜

登山靴に履き替えてた。先ず、刈田岳に登り、その後、熊野岳に行くことにした。去年、蔵王の屏風岳、不忘山を縦走したことがあったが、いつか熊野岳を走破してみたいと思っていた。
刈田岳は誰でも気軽に登れる山で蔵王のお釜を見た後に刈田嶺神社を参拝するのが通常ルートだった。今年の冬に雪上車で刈田岳の非難小屋まで行ったことがあった。その場所を再確認することにした。凍てつく厳冬期の非難小屋の面影は無かった。穏やかな春の日差しを浴びてひっそりとしていた。
刈田嶺神社は参拝客で賑わっていた。私も今日の無事を祈って参拝した。
刈田岳から見るお釜の湖面はまだ凍っていた。お釜は残雪と赤茶けた岩肌に包まれぱっくりと大きな口を開けていた。見慣れたお釜だったが厳しい冬を乗り越えてきた大自然に暫し見とれた。

◆ いよいよ熊野岳へ・熊野岳とお釜

いよいよ熊野岳へと足を運んだ。お釜を右手に見ながらどこまでも続く平坦な山道を春の風を受けながら歩いた。いつも見慣れていたお釜が違った雰囲気で見ることができた。お釜の裏側を見た感じだった。
熊野岳に登り帰ってくる登山客とすれ違った。これから頂上までどのくらいの時間がかかるのかと聞いた。一番近い雪渓を歩いて約30分位と言われた。月山も見えますよという話に一段と気持ちが高ぶった。
馬の背から熊野岳非難小屋を通っていくのが通常ルートだったが教えられたとおり雪渓を歩いて登ることにした。雪渓はぬかることも無く比較的歩きやすかった。きつい上り坂だったので滑落しないように注意しながら歩いた


◆ 熊野岳の山頂

やっとのことで熊野岳山頂にたどり着いた。早速、熊野岳蔵王山神社にお参りした。
熊野岳の山頂は比較的広々としていた。遠く月山、朝日連峰、飯豊連峰の山々が雄大に聳えていた。残雪を抱いて続く尾根は青い空に映えて美しかった。
山形側の地蔵岳から登ってきたというご夫婦がいた。中には新潟から来たという人もいた。

◆ 熊野岳非難小屋で小休憩

帰りは熊野岳非難小屋経由で下山することにした。非難小屋の前にはご夫婦がいて食事の準備をしていた。ガスバーナーをセットし大きな鍋に水を入れていた。インスタントラーメンでも作るのかと思いながら挨拶をかわして分かれた。


◆ 雪渓を登る登山グループ

遠く雪渓を登ってくる10数名のグループが見えた。重装備をしている服装で会話からすると高校生の山岳部かと思った。非難小屋で食事を取った後、一行は重い荷物をかつぎ  方面と登っていった。疲れを知らない若い学生の姿にうっとりした。

◆ ズボン姿の外国人

途中、幼稚園児を連れた親子と会った。子供は疲れたのかぐずついていた。それでもお父さんは叱咤激励をして登らせていた。山好きの家族と思った。更に半ズボン姿の外国人と会った。寒くないですかと聞いた。あっさりと寒くないよと言われた。初春の季節に半ズボン姿なのかと思ったが、里は7月頃の気温ということだったのでその延長線上にあるのかと疑った。

◆ こまくさ草群生地

至るところにこまくさ草の群生地という看板があった。
蔵王は高山植物の宝庫と聞いていた。次回は、高山植物の花が咲き乱れ季節に訪れたいと思った。小鳥のさえずりを聞きながら歩く蔵王山はきっと心を豊かにしてくれると思った。
いつの日か家内と一緒に熊野岳から地蔵岳を縦走したいと思った。


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