HOME 2004徒然なるままに 2005徒然なるままに |
||||||
カモシカと出遭った禿岳登山(1,261.7m) (05.10.24) | ||||||
奥羽山脈のほぼ中間に位置し別名「小鏑山」と言われる秀峰「禿岳(かむろだけ)」へ行ってきました。 今回の登山は、まだ行ったことの無い山で比較的登りやすい山、程ほどに高く紅葉も楽しめる山という計画を立てました。 仙台から車で2時間、登山口までの標高は796m、今まで通ったことのない峠、1261.7m・360度の大パノラマの山頂、眼下に見える宮城県側の高原、米どころ山形県側の田園風景、リトル谷川岳とも呼ばれ、山頂からのアルペン的景観が魅力と全てに興味を誘う禿岳でした。 登山ルートは花立峠からの「花立コース」、ゴルフ場脇からの「中峰コース」「新コース」、山形県最上町からの4コースがあり、私の目的にかなった比較的登りやすい「花立コース」が一番という結論になりました。 午前5時起床。午前5時30分出発。国道4号線から羽後街道を色麻、加美、岩出山と抜け国道48号線から鳴子温泉郷を通り国道108号線に入りました。鳴子ダムを通り荒雄湖畔を過ぎて間もなく左手に山形県最上という標識があり、県道最上鬼首線63号線を花立峠へと向かいました。 |
||||||
|
||||||
■宮城・山形の県境花立峠 花立峠は宮城・山形の県境に位置し、標高796mと高くヘヤピンカーブの多い道路でした。 午前8時、登山口の花立峠に着きました。途中、鳴子温泉郷付近で雨にあったことから天候の心配をしましたが、峠に着く頃には晴れて青空も見えてきました。 山形県側から吹き上げてくる風が冷たく、昨日1日、蔵王エコーラインは雪のため通行止めになったというニュースもうなずけました。 早朝のためか駐車している車は私だけという状況でした。登山するものは一人だけと思いながら準備をしていると1台の車が着きました。登山客はご夫婦の一組でした。朝の挨拶を交わした後、禿岳の登山ですかと尋ねたところきのこを採りながらゆっくり頂上まで登ると言っていました。そうしているうちにまた1台の車が着きました。単独登山の方でした。 |
|
|||||
■禿岳花立峠登山口と賽の河原 登山の準備を完了し登山口へと向かいました。先ずは、初登山の花立コースの記念写真を撮りました。 緩やかな斜面を登りきると遠く禿岳の山頂と鬼首高原、最上地方の平野が飛び込んできました。大パノラマの展望でした。 |
||||||
|
||||||
■ブナ林の登山道 平坦な登山道を歩いていくとブナ林に入りました。登山道は落ち葉で敷き詰められていました。朝露に濡れた落ち葉を踏みしめながら歩きました。ブナ林の紅葉は終わりを告げ、茶褐色の葉っぱが風に揺られひらひらと落ちていました。 |
|
|||||
■1合目付近 1合目の道標が見えいよいよ本格的な登山道に入りました。 花立コースには1合目から9合目までの道標が整備されており目標がはっきりして登りやすい登山道になっていました。 |
|
|||||
■4合目から5合目付近 4合目から5合目の急な登りにははロープを張っていました。足場を確保しロープに捕まりながら慎重に登っていきました。 5合目を過ぎると見晴らしの良い尾根道に変わりました。眼下に鬼首高原が広がり牧草地の平原と山並みが一望にできました。これが、アルペン的景観かと思いながらシャッターを切りました。 |
||||||
|
||||||
■禿岳の主・カモシカとの出遭い(7合目〜8合目の尾根) 鬼首側は尾根から直ぐ右側が崖になっている登山道でした。細い道を慎重に歩いていきました。 7合目を過ぎて尾根伝いを歩いた時でした。ふと遠くを見ると灰色がかった白い物体が目に飛び込んできました。駐車場で熊の話しが話題になったことを思い出し足がすくみました。 「灰色の物体は何だろう。」 「熊では無いようだ。」 「カモシカだ!!」 カモシカと確認するまで数秒の時間が過ぎました。 カモシカは不思議そうな顔をしてこちらをジッと見ていました。 咄嗟のことなので写真を撮ろうとする気持ちも何処かに飛んでしまいました。少し冷静になった後、写真を撮らなければと焦りました。この時程ディジカメの電源の入る時間が遅いと感じたことはありませんでした。普通に撮っては小さい画面になると思いズームにしてシャッターを切りました。その間の時間も長く感じました。1枚の写真を撮った後の私の行動が未だにはっきりしません。何を思ったのか後を振り返り再びもう1枚写真を撮ろうとして前方を見直すと既にカモシカは視界から消えていました。下山途中でカモシカの写真を確認したところカモシカの目線がきちんとレンズを見ていることに気がつきました。凛々しい顔立ちとグレーのふさふさした毛並みを見て禿岳の主に会ったと思いました。 カモシカと出遭った禿岳登山の記念すべきたった1枚の写真が私の手許に残りました。 |
||||||
カモシカと出遭ったことから疲れも一気に吹き飛び爽快な気分で歩きました。 9合目のところに不動明王の祠がありました。北側以外は樹木が低く眺望を楽しめる場所でした。風除けにも良く休憩するには絶好の場所と思いました。無事、登山することをお参りし頂上へ向かいました。 笹の茂った低木林が続きました。暫く歩くと平坦な登山道になり草紅葉が秋風に揺れていました。 |
||||||
|
||||||
■禿岳山頂 低木林を登りきるとそこは禿岳山頂でした。 山頂には「禿岳山頂」と刻まれた立派な石柱がありました。山頂は広く360度の大パノラマを見ることができました。相変わらず風が強く立っているのも辛いほどでした。 山頂から中峰コースを20分位下がったところから見る禿岳も綺麗ということを聞いていたので行ってみる事にしました。登ってきた山の稜線を見ることができました。もう少し早ければ燃える山々を見ることができたのにと残念に思いました。 再び山頂へ戻ると登山口の駐車場で会ったご夫婦が休憩をしていました。 きのこの採れ具合を尋ねたところナメコとブナタケを採ってきたと言っていました。今の時期にナメコが採れるのは珍しいとも言っていました。木の葉が落ちてもう少し遅い時期にナメコが出るようでした。何度と無く禿岳に来ているがナメコを採ったのは初めてと言っていました。 |
||||||
|
||||||
■ナメコ汁に舌鼓 山頂は風が強くゆっくり休憩することができず不動明王の祠まで戻ることにし、ご夫婦と単独登山をしている方と一緒に休憩することにしました。 ご夫婦はガスボンベを持参していました。味噌汁を作るといって、早速、お湯を沸かしていました。おもむろにビニール袋から大きめのナメコを一つ取り出し調理を始めました。 香ばしい味噌の味が漂いナメコ汁が完成しました。コッヘルに入ったナメコ汁をすすめられました。豆腐とワカメとナメコの入った味噌汁でした。山の中で採れたてのナメコ汁を食べるとは予想もしていませんでした。冷えた身体に熱々のナメコ汁は最高の味でした。なんと贅沢な登山だろうと思いました。 |
||||||
|
||||||
■団体グループの休憩 昼食を取っていると団体のグループが来ました。 仙台から来たバスツアーの方で総勢30名と言っていました。登山の装備もしっかりしていて女性の登山客が多いと思いました。 |
|
|||||
■ブナタケ 下山は昼食を一緒に食べたご夫婦たちと帰ることにしました。 枯れたブナの木を見つけるとご主人は藪の中へ入っていきました。ご主人から声がかかりキノコの写真を撮りました。ご主人がみつけたキノコを私にプレゼントするというので有難くいただきました。先日、船形山に登って採ったことのあるブナタケでした。 |
||||||
|
||||||
■登山後の体操 下山途中に団体グループに先を越されました。急ぐ登山でもないと思いながら見送りました。駐車場では団体グループが体操をして体をほぐしていました。ツアーならではのしっかりした登山後の体操と感心しました。 ご夫婦とは今日1日お世話になったことや再びどこかの山でお会いすることがあるかもしれないと挨拶を交わし別れました。 |
|
|||||
■鬼首温泉「目の湯」 鬼首温泉の「目の湯」に入っていくことにしました。 先ほど禿岳で会った団体グループも温泉に入っていました。 「目の湯」は公衆温泉で一人400円と安く露天風呂のあるところでした。 温泉に入りながら登山してきた思い出を振り返りました。 ご夫婦と単独登山の方との出会い。カモシカとの出遭い。団体客との出会い。思いがけず食べたきのこの味噌汁。禿岳山頂からのアルペン的景観に感動など今日の登山もまたいろいろな出会いと感動があったと思いました。 温泉に入った後、「目の湯」自慢の「温泉たまご」を買っていくことにしました。1ケース6個入りを注文したところ団体さんへ全て売り切ってしまったと言っていました。 諦めていたところ1個だけ残っていると小皿に入れて持ってきてくれました。トロッとした黄味は温泉たまごならではの風味でした。代金はと聞きましたが結構ですといわれ無料で食べることができました。 最後の最後にいただいた出会いは、「目の湯」のおかみさんと「温泉たまご」でした。 |
|
|||||
このページのトップへ | ||||||