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8時間行程の大東岳登山(1,261.7m) (05.11.03)


二口登山口〜立石沢五合目船形連峰展望所〜鹿打コース分岐点・標高点1,019m〜鼻こすり峠〜大東岳山頂〜
弥吉ころばし〜樋の沢出合〜北石橋分岐〜ケヤキ沢〜梯子滝〜裏盤司〜雨滝〜白滝〜二口登山口〜二口温泉




11月3日、好天に恵まれた晩秋の大東岳(1,365.6m)へ行ってきました。
船形山で出会った大学の先生からお誘いを受け学生3人とともに計5人で登山して来ました。

■二口渓谷の登山口

午前6時30分、国道286号線秋保温泉郷の分岐を過ぎたところにある赤石駐車場で合流し二口林道の登山口へと向かいました。登山口には既に数台の車が駐車していました。
登山計画は表コースと裏コースの2ルートの中で表コースを歩くこととし、午前7時30分に出発、休憩を挟んで同じコースを戻り午後3時30分頃には登山口へ帰ってくることにしました。登山を開始する前に先生から話しがありました。全員初めて登る山なので時間配分によっては何時でも戻る体制で登ろうということになりまし
た。
杉木立の中の登山道

杉木立の登山道を暫く歩くと1合目と書かれた立派な石柱がありました。その後は、〇合目という標識が整備されていて目標がしっかりした分かりやすい登山道になっていました。晩秋の登山道は落ち葉で敷き詰められ絨毯の上を歩くような感触でした。暫く歩くと左手から沢水が流れる音が聞こえてきました。無風状態の中で歩くほどに汗ばんできましたが、サーサーと水の流れる音が少しの爽快感を感じさせてくれました。
■立石沢

立石沢という道標がありました。登山道は険しい上り坂になりただひたすらに一歩一歩と足を運ぶのみでした。
■5号目の船形連峰展望所

やっとの思いで到達したところが尾根の場所で5合目の標識がありました。大東岳の中間地点で、そこには「船形連邦展望所」と書かれた標識がありました。10月16日に登った船形山が蘇ってきて感無量でしたが、展望といっても前方の木が邪魔をして残念ながら全貌を見ることができませでした。木々の間からかろうじて山並の雰囲気は感じ取ることができました。
■鹿打コース分岐点・標高点(1019m)

5合目を過ぎると低木の明るい登山道に抜けました。鹿打コースの道標を抜けると「こぶし平」という平坦な登山道になりました。その後、東清水分岐点まで緩やかな上りになりました。標高点1,019mの標識と大東岳1.6qの標識が見えてきました。山頂までの距離はまだまだと気を引き締めました。
■「鼻こすり」峠

東清水分岐点を過ぎると再び急な登り坂になりました。
8合目には「鼻こすり」と書かれた標識があり、その下には「山頂まで0.6km がんばってね」という文字も書かれていました。地面に鼻をこすりつけるほどに険しい上り坂で良くぞ命名してくれたものと感心しながら、「がんばってね」という励ましの言葉に踏ん張りながら上っていきました。「よいしょ」と声をかけながら一歩一歩足を運ぶ登山になりました。学生さんは後ろを振り返りゆっくりと登っていきました。気を使いながら登ってくれることに感謝しました。
■9合目

9合目の道標が見えました。緩やかな傾斜が続きました。登山道は潅木と笹の繁る道で心なしか足どりも軽くなった気がしました。尾根伝いを歩いている感じで比較的歩きやすかったのですが、背丈以上のある潅木が続き景色を見て歩くという状態ではなくいつ山頂へ到達するのかと思うほどでした。
■とうとう大東岳の山頂へ

午前11時、大東岳の山頂に到着しました。広々とした山頂には方位盤や祠がありました。既に登山客が数人休憩をしていました。山並みはどこまでも続き素晴らしい眺望でした。
少し早めの昼食をとることにしました。先生は味噌汁を私はコーヒーを準備することにしました。早速、持ってきたガスに点火しお湯を沸かしました。味噌汁は一つのナベで回して飲み、コーヒーは人数分の紙コップを用意し飲みました。山頂で飲む味噌汁とコーヒーの味はいつも家庭で味わっているものとは違ったコクのあるものでした。
■裏コースへ

先生から帰りのルートをどうするか話しがありました。標識によると裏コースは8.4km。時間にして約4時間。山頂にいた登山客によると山頂から約10分位下がったところに山形県側を一望にできる素晴らしい場所がある。途中、相当きつい下り坂があると話していました。同じコースを歩くより少々時間がかかっても違ったコースを歩いた方が良いという結論になり裏コースを歩くことにしました。
■吸い込まれそうな谷底

山頂から少し下ると南面白山に通じる一直線の登山道を見ることが出来ました。更に平坦な道を10分ほど歩くと周囲が開け切れ落ちた尾根に出ました。目の前に立ちはだかる山と奥深く続く山並、吸い込まれそうな谷底に目を奪われました。見晴らしの良い場所では山頂を通り過ぎていったグループが食事をしていました。山頂で食事をするよりもこの場所のほうが良かったと思いながら山を良く知っている人のみが知る休憩場所と思いました。

■「弥吉ころばし」要注意

先生はこれから大行沢にある樋の沢避難小屋まで下りることになると言っていました。あの谷底まで一気に下りるのかと気持ちを引き締めました。
「弥吉ころばし」という標識のある場所では石がゴロゴロし足場も悪く細心の注意が必要でした。一歩足を運ぶたびにズシンとした感触が頭へ通り抜け慌てずゆっくり下ることにしました。
先頭を切って歩いていた学生はズルッと滑っていたことから登山の先頭は一番大変であり重要な役割を担っていると思いました。というのは先頭の人が滑ったところは注意を払って歩くことがででき何とも有り難いことでした。
■谷底の景色

急な下り坂から谷底まで下りたときはホッとするものがありました。石のゴロゴロした沢を何度か渡り、山頂から下に降りるまで自然の色合い等景色の移り変わりを肌で感じながら歩きました。
■樋の沢避難小屋

樋の沢避難小屋付近の紅葉は見事でした。もみじや楓、ブナの葉っぱは彩りも鮮やかに燃えていました。真っ白な壁面で2階建ての避難小屋は燃える大自然の中にひっそりとたたずんでいました。
早速、避難小屋を見学することにしました。避難小屋では2人の若い男女が休憩をしていました。南面白山から縦走してきたと言っていました。重装備の姿だったので泊りがけの登山客と思いました。
避難小屋には布団や毛布-が干してありました。こういう避難小屋もあるのかと感心したところでした。
■避難小屋を後に

避難小屋から登山口まで6km。延々と続く平坦な距離でした。途中、梯子滝、雨滝などの滝がありました。北石橋という標識もありました。
途中、ガサガサとした音やボキボキと枝を折る音がしました。一番後ろを歩いていた先生は何だろうという顔をしていました。暫く足を止めました。熊だったら大変だと思いました。良く見ると一頭の山猿でした。直ぐディジカメを構えて撮った写真は木にしっかり捕まりこちらを伺っている様子の写真を撮りました。そのうち移動したと思ったら夢中になってブナの実を食べていました。木の実を食べるサルは葉っぱに覆われていて良く見ることができませんでしたが、雰囲気だけはきちんと写真に納めてきました。
■無事登山口へ到着

登山口に到着したのが午後3時30分、丁度8時間の総行程でした。時計で計ったように全て予定通りの行動でした。
先生からのメールでは温泉に入れる準備をしてくるようにとのことでしたが、登山口の近くにある二口温泉の磐司荘で温泉に入ってきました。
登山の疲れを癒す場所としては最高で久々に本格的な温泉に入ってきました。
■二口温泉盤司荘

帰りは予定通り温泉に入っていくことにしました。登山口から一番近いところにある二口温泉盤司荘で入ることにしました。こじんまりとした温泉で登山した後に入る境地は至福そのものでした。
今日は先生と学生の5名の登山だったことから単独行動と違って安心、安全の登山になりました。学生さんはみんな礼儀正しく元気そのもので楽しい登山になりました。若いって素晴らしいと思いました。皆さんはただ登るだけでなく大学の研究テーマの一環として山に登っているいる雰囲気でした。私は小休憩を繰り返しながらマイペースの登山と写真を撮りながらだったことから若い人に迷惑をかけたのではないかと心配していました。これからも機会があればご一緒したいと思っています。足手まといにならない程度に・・・・。

冬の季節を迎えることで今年の登山はこれで終わりなのかと思いました。冬の間は体力づくりをして来年に備えようと心に決めました。
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