伝統の味を今に伝える創業明治17年兵藤飴老舗 (05.01.25) | |||
◆創業明治17年の老舗飴本舗 先日、創業明治17年の兵藤飴老舗に行ってきた。 この店は北三番丁通にあり昔懐かしいやわらかい太白飴を販売している。 兵藤飴老舗を訪れるきっかけがあった。 1月14日、大崎八幡宮のどんと祭に行った際、北三番丁通りを歩いて帰った。 午後9時30分頃だったと思うが通りの一角にポッカリ灯りのついた店があった。 明治17年創業の看板と太白飴本舗という看板が目についた。明治という名前と太白という名前に惹かれた。老舗の 店ということでどんな飴を売っているのか、また、私が太白区に住んでいる親近感があって店に入った。いろいろな 飴を販売していたが5種類の飴をミックスしているものとごまあめを買ってきた。 太白飴は白い切り飴だった。昔を思い出した。実家の隣の家で白い切り飴を作って卸していたことがあった。その飴 は白い粉をまぶしていたような気がした。 当日は時間も遅かったのでそのまま帰ったが、太白飴という名前の飴をもっと知りたいと思い再び訪問した。 ◆大崎八幡宮どんと祭と兵藤飴本舗 兵藤飴本舗のある北三番丁通は、昔、別名山形街道と言って大崎八幡宮のどんと祭へいく要路となっていた。どん と祭の当日は北三番丁通が通行止めになり参拝客で賑わっていた。当時は夜遅い午前1時くらいまで店を開けてい た。その名残もあり今では午後10時位まで店を開けている。賑わっていた頃はガラス戸を一斉に開け道路まで店を 広げて販売していた。近所へのお土産と言ってまとめ買いしていく客が多かった。お菓子の少なかった時代飴を買う ことを楽しみにしていた参拝客で賑わっていた。 ◆太白飴の由来と飴の種類 太白飴という名称の由来は仙台市内にある太白山がシンボルだった。その山の名前を取って太白飴と命名したそう だ。但し、この太白飴の歴史を聞くことができた。 元々太白飴という名前は東京の飴店が商標登録をしていたため仙台の飴店はその名前を使うことができなかった。 その後、東京の飴店のご主人が亡くなり仙台飴組合の代表がご主人のお通やへ参列した際、太白飴の名前を譲っ ていただけないかとご遺族に相談した。ご主人が「仙台の飴屋さんは太白飴の名前を使用しても良い。」という遺言 を残して亡くなった。早速、東京の飴店は太白飴の商標登録を取り消した。ところが一度商標登録をしたものは再び 商標登録をすることができなかったそうで遺言のこともありそのまま使用してもらうことにした。お通やの時は仙台の 飴店から集めた相当のご香典を差し上げた。 仙台の“ささかまぼこ”のようなもので、今ではどこの店でも太白飴の名前を使用できるようになっていると言ってい た。兵藤飴老舗のみ使える名前と思っていたが、兵藤飴老舗では太白飴本舗の看板を大きく掲げていた。 ◆兵藤飴老舗だけで販売する太白飴 兵藤飴老舗では昔は15種類の飴を作っていた。現在は太白飴、梅干あめ、ごまあめ、しょうゆあめ、おきな(翁)あ め、生姜飴、ハッカ飴、バター飴、ニッケ飴など10種類である。特にやわらかい飴は夕方になると形がくずれてしま うことから大量に作ることができない。そのためデパートなどには卸していない。卸すには溶けにくいように固い飴を 作らなければならないそうで昔からの形を変えない飴をお客さんに味わっていただくため卸売りは一切していない。 やわらかい飴は太白飴の他にごまあめ、しょうゆあめ、梅干あめなどがある。それぞれに一つの袋に入って販売し ている。但し、どんと祭の当日に限って太白飴、ごまあめ、しょうゆあめ等5種類のミックスした飴を販売している。確 かに今回ミックス飴を買おうとしたが無かった。一度に5種類の飴を食べることができる楽しみが崩れた。 自家製の飴だけを販売するこだわりの逸品だった。 ◆伝統の味を今に伝える兵藤飴老舗 「先代はこの店も私の代で終わりかと言っていたが作れるときまで美味しいやわらかい飴を作り続けていきたい。」と 4代目のご主人が言っていた。 過去に飴組合があり最盛期には15・6軒の飴専門店があった。現在、飴専門店は兵藤飴老舗の1軒だけだった。 私が店にお伺いしたときご年配のご婦人が2種類の飴を5組程買っていった。白い太白飴と黒いごまあめだった。お 土産に白黒のセットで大丈夫かと気にかけていたが店のご主人はあまり気を使わなくても良いのではと話していた。 そのご婦人は隣町の方で子供のときからこの店の飴を食べていた。自分の子供も買いにきていると言っていた。昔 ながらの懐かしい味をなじみの客が買いもとめに来ていた。客にとっても忘れられない味である。 一人でも二人でも兵藤飴老舗太白飴ファンが増えて欲しいと願わずにはいられなかった。 飴一筋にその伝統の味を今に伝えている創業明治17年兵藤飴老舗だった。 ◆「太白飴本舗」兵藤飴老舗(仙台市青葉区広瀬町5−30) 電話 022−222−7580 |
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