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変化に富んだ焼石岳登山 (6.06.11)
6月11日、宮城と岩手・秋田の県境にある標高1547.9mの焼石岳に登ってきました。
■すぱあおご泊

昨年、ご一緒させていただいたY氏からメールきて良かったら焼石岳に登りませんかとお誘いを受けました。午前7時に中沼登山口を出発する予定を立て現地集合としました。当日の朝に行っては早い時間に家を出なければならないため、前日、焼石岳の麓にある温泉宿に泊まることにしました。
泊まった宿泊先は「すぱおあご」という平屋建ての温泉宿でした。翌日の朝と昼の2食分のおにぎりを注文し早めに寝ることにしました。それでも子供の遠足のように寝付けず暫く布団の中でうとうとしていました。

翌日、午前4時30分頃には目を覚まし真っ先に天気の様子を伺いました。温泉宿付近は朝もやが立ち込めていたものの少し青空が見えたことからどうにか天気に恵まれほっとしました。
■まわり道の林道 新緑が眩しく

国道397号線を胆沢ダム方面に走ると温泉宿から約15分のところに中沼登山口コースへ向かうまわり道の標識が見えました。従来の中沼登山口へ向かう尿前林道は平成15年6月10日より胆沢ダム建設工事に伴い通行止めになっていました。
中沼登山口までは砂利道を8キロほど走る林道で鮮やかな新緑に心が癒されました。情報によると林道は悪路もあり四輪駆動車や車高のある車で走ったほうが良いとのことでしたが車高の低い私の車でも大丈夫でした。
■駐車場は満車

中沼登山口に行くと既に多くの車が駐車していました。人気の山と聞いていたことから登山客も多かろうと思っていましたが予想以上の混雑振りでした。午前6時過ぎには満車の状態になっていて少し遅れてきた車は林道を利用して駐車することになるだろうと思いました。

一緒に登る予定のメンバーは既に到着していました。車の中で朝食を済ませ予定通り午前7時出発としました。頂上までは約3時間半、遅くても午前11時には山頂へ到着という計画を立てました。計画通りの時間にならなかった場合は、天候具合も加味しながら途中でも引き返す条件で安全に登ることにしました。
■中沼登山口

登山口にはツアー客と思しきメンバーが準備を整え集合していました。私たちはお先に失礼することで一路中沼へと向かいました。
■新緑と残雪のコントラスト

登山口から中沼までは滑りやすい坂道や木道で整備された登山道で変化に富んでいました。まばゆいばかりの新緑に心が癒されました。途中、雪渓もあり慎重に歩いていきました。木々の緑と残雪のコントラストは美しく、大自然に浸りながら歩く至福の境地を味わってきました。
■木道に咲く可憐な水芭蕉

登山道の脇には大きく成長した水芭蕉の葉が目に付きました。いたるところに水が流れていて水芭蕉の季節には可憐な花を見ることができたのではないかと思いました。登っていくに従い標高差のせいか水芭蕉は小粒で可憐な水芭蕉を見ることが出来ました。
■中沼に浮かぶ焼石連峰

登山口から約40分で中沼に到着しました。雪解けの水を満々と湛え湖面には焼石岳連邦と新緑を鏡のように写した静かな風景が飛び込んできました。沼の岸を慎重に歩き木道に入ると広々とした沼地にリュウキンカ(?)が一面に咲き乱れていました。
■美しい静かな上沼

中沼から上沼に到着しました。焼石岳の登山ルートは沼や沢、雪融けの水が登山道を流れるなど変化に富んでいて飽きることの無い自然に浸ることが出来ました。
■冷たかった銀明水

中沼から約2時間弱で銀明水に着きました。既に数組の登山客が小休憩をしていました。登山を開始してから程よい時間に水のみ場と立派な避難小屋のあるところで小休憩にはもってこいの場所と思いました。銀名水は手を入れると痛いほど冷たく、早速、、喉を潤しました。焼石連峰の冷たい水を飲んだ後、汗で汚れた顔を洗い小休憩をした後、一路、姥石平へと向かいました。
■雪渓を越えて

銀名水の場所から雪渓を一気に上る登山道に入りました。数箇所の雪渓を踏みしめ滑落に注意し一歩一歩登っていきました。気温の変化もあり雪渓からゆらゆらと立ち上る煙は幻想的でした。
■姥石平の花畑

登山道の所々にシラネアオイやハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ等の高山植物が咲いていました。
姥石平は広い平原が続き焼石岳、東焼石岳、横岳を眺めることのできる絶好の場所でした。付近一帯は高山植物が咲き乱れる花畑になっていました。東焼石岳の分岐を過ぎて小沼を通り一気に山頂へと向かいました。
■雪融けを湛えた小沼

小沼は少し雪に覆われていました。標高1,400m付近にある小沼は神秘的でした。周りには残雪があり水の潤う最高の季節を迎えているようでした。
■アクシデントが・・・

小沼を通り過ぎて間もなくして太ももが硬直するアクシデントに見舞われました。歩き過ぎたのか痛みと硬直で登ることさえも困難になりました。それでも小休憩を繰り返して揉み解しながら歩きました。途中、Yしへリックを預けながら身軽な状態で登ることになりました。私の分までリックを背負ったY氏には何とお礼を言ってよいか恐縮するとともに私の不甲斐無さを反省しつつ感謝感激でした。
■地獄坂の入口と焼石岳の山頂

山頂へ向かう登山道は最後の急登になり一歩一歩足場を固めながら登っていきました。
やっとの思いで山頂に到着することができました。山頂は360度の大パノラマでした。晴れた日には遠く鳥海山、栗駒山、飯豊連邦を眺めることができるそうですが、遠くに雲が漂い残念ながらそれらの山々を見ることができませんでした。それでも山頂から見る景色は素晴らしく山を征服した爽快な気分に浸ってきました。時間があれば東焼石岳を経由してお花畑を見ながら姥石平へ向かう方法もありましたが体調のことを考えながら登ってきた道を帰ることにしました。
■雪渓で滑降

銀名水避難小屋付近の雪渓では尻にシートを敷いて滑走を楽しんでいる登山グループもいて、今の季節でしか味わえない登山の楽しさを満喫していました。
■銀明水避難小屋

避難小屋付近は気温が高く一段と靄に包まれていました。
小屋に入って昼食をとることにしました。新しい小屋は小奇麗で登山客のマナーの良さに感心したところでした。沢の水の音を聞きながら食べる昼食は大自然をどっぷり浸る気持ちになり心地よい時間が過ぎていきました。
■空いていた中沼登山口駐車場

駐車場に到着したのが午後2時を回っていました。今回の登山は約7時間の行程でした。途中、アクシデントに見舞われたり写真を撮ったりゆっくりした時間を過ごした割には予定通りの時間になりました。

中沼登山入口の駐車場はがらんとしていました。小鳥のさえずりも聞こえ静かな空気が流れていました。
■やけいし館の温泉

帰りは、胆沢ダム付近にあるやけいし館で温泉に入り登山の疲れをとってきました。
■変化に富んだ焼石岳登山

今回の登山はいつもと違い変化に富んだ経験をすることができました。
水芭蕉を見ながら大小の沼を通り、数箇所の雪渓を登り、高山植物に触れ、立派な避難小屋で休憩し、新緑と残雪を見ながらの登山になりました。アクシデントがなかったらもっと楽しい登山ができたと思いつつハプニングがあったことにより忘れられない登山になったと感慨を新たにしました。
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