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黄金色の田園地帯を走るくりはら田園鉄道(06.9.23)
秋晴れの爽やかなお天気でした。
黄金色の田園地帯を走るのどかな朱色の電車くりはら田園鉄道(くりでん)へ行ってきました。。
くりはら田園鉄道線は、宮城県の登米市・石越から栗原市の細倉マインパーク駅までの25.7キロを結ぶローカル鉄道です。
くりでんが来年の3月で廃線になるということを今年の春に知りました。それ以来、くりはら田園鉄道線を走る春夏秋冬の電車の写真を撮りたいと思っていました。今まで週末に予定が入ったり天候が悪かっりとなかなかその機会がありませんでした。9月23日、春からの思いを実行することができました。目的は、黄金色に輝く田園地帯を走る電車に会うことでした。
■稲刈りが始まったのどかな風景
 
午前6時30分に家を出て東北自動車道を北上し築館ICから国道4号線に入りました。県道42号線の分岐点でコンビニに立ち寄り朝食のおにぎりと大崎地方の地図を買いました。42号線に入ると黄金色に輝く田んぼが広がってきました。既に稲刈りが終わり杭がけをしているところもありました。ゆったりとした雰囲気が漂い絵になる秋の風景でした。今年の稲作の状態はどうなのかと思いながら目的地へと向かいました。

  
■栗原田町駅のくりでん

17号線から457号線に入りました。最初に着いた駅は457号線沿いの直ぐ右手にある栗原田町駅でした。早速、待合室に掲示している電車の時刻表を書き写しました。時刻表を書いていると電車の音が聞こえてきました。慌てながらホームへと駆け込みました。朱色の電車がスーッとホームへ滑り込んでいました。初めてみるくりはら田園鉄道の電車でした。この春からの思いがあり恋人に出会ったときのようにときめきを感じました。乗っている乗客も分からないほど興奮状態であっという間に電車は発車しました。
時刻表を書き写していていると自分の不甲斐無さを感じました。電車の発着時間を調べもせずに電車を見に来る無防備さを反省しました。インターネットで時刻表や電車が見られる絶景ポイントを検索し用意周到な準備をすることができたのにと思い悔やみなした。今回、唯一頼れるのはコンビで買った「大崎・栗原・登米市」の地図と栗原田町駅発着の時刻表でした。

  
■黄金色に輝く田園を走るくりでん 

地図を頼りに田園地帯を走ると思われる場所を探しました。栗原田町駅から鴬沢駅に向かう457号線を一つのポイントとしてみつけました。早速、車を走らせると黄金色に輝く田園地帯が広がってきました。遠くには栗駒山がくっきりとその姿を見せてくれました。1台の白い乗用車が道路わきに停まっていました。運転手がいなかったことから私と同じ目的の人が既にきているのかと思いながら電車を待ちました。田んぼのあぜ道を通り恰好の撮影場所を探しました。たわわに実った稲穂が爽やかな秋の風に揺れていました。暫く待つとカンカンカンという音と共に踏み切りの遮断機が下り電車の走る音と重なりながら聞こえてきました。シャッターチャンスを逃すまいと身構えました。青い空と栗駒山の雄姿、たわわに実った稲穂、田園の中を朱色のくりでんが走ってくるのを見ると胸の高ぶりが最高潮に達しました。念願が叶った一瞬でした。くりでんはゆっくりと田園地帯を通り過ぎていきました。絵を見ている風景に感動しました。写真を撮り終え車へ戻ると先ほどの白い車の人が帰ってきました。やはり同じ田園地帯のくりでんを撮っていたと言っていました。春には栗駒山を背に水を張った田んぼに写るくりでんが素晴らしいと言っていました。今年もチャレンジしたものの天気に左右されてその写真を撮ることができなかった。来年はその光景を見ることができなくて残念ですと言っていました。初めて来たことからくりでんの写真を撮るポイントを尋ねました。金田森公園の鉄塔から見えるS字カーブもポイントの一つと教えていただきました。早速、その場所へと車を走らせました。

■トンネルのくりでん

目的の金田森公園へと向かいました。右手の小高いところにカメラを持っている人影が見えました。早速、その場所もポイントと思い車を停めました。坂道を歩いていくとトンネルが見えてきました。くりはら田園鉄道線にある唯一のトンネルでした。カメラを片手にした人が一人いました。間もなくすると細倉マイパーク駅発石越駅行きの電車が来ると教えていただきました。先客のカメラマンの位置を確認し迷惑がかからないようにカメラを構えました。トンネルの先はカーブになっていて突然電車が表れてくると言っていました。シャッターチャンスを逃さないようにと注意してくれました。やはり電車は突然やってきました。その先はS字カーブになっていてゆっくり走ってくる場所でした。そのためか電車の音が余り聞こえないと思いました。先客の人の撮った写真を見せていただきました。芸術的な写真でトンネルに入る直前の電車が浮かんで見えました。そのアングルを狙って撮りにきたと言っていました。電車が好きで良く撮っていると言っていました。電車マニアのアングルと感心しました。

■S字カーブのくりでん

細倉マインパークを過ぎて金田森公園に行きました。鉄塔は公園の一番高いところにありました。約1200年の歴史がある細倉鉱山(昭和62年3月に採掘を中止)や
栗原平野が一望にできました。広々とした栗原地方の田園風景を眺めることができました。眼下にS字カーブの線路が見えました。望遠の少ないディジカメで電車が上手く撮れるかと心配でした。栗原田町駅で書き留めた細倉マインパーク駅の到着時刻を確認しながら今か今かと待ちました。電車はS字カーブをゆっくりとしたペースで走ってきました。山間を走るローカル電車の雰囲気がそこにありました。

■細倉マインパーク駅のくりでん

細倉マインパーク駅に寄りました。観光客の女性二人が記念写真を撮っていました。ホームには長く繋がった椅子が置いてありました。乗降客で賑わっていたであろうホームは静かでした。駅前には栗原電鉄時代に使用されていた電気機関車と貨車が保存されていました

■山間のくりでん

金田森公園で見たS字カーブに下りていきその場所でもう一度写真を撮ることにしました。
山を背にした電車が一段と朱色を鮮やかにして走っていました。秋雲が浮かび1両のみのくりでんはローカル色豊かで趣のあるものでした。

  
■再びトンネルのくりでん

先ほど見せていただいたトンネルに入る直前のくりでんが頭から離れず帰りに再びその場所に立ち寄りくりでんを待つことにしました。細倉マインパーク駅を出発する電車が間もなく通るはずと思いながら待ち続けました。かすかに電車の音が聞こえてきました。シャッターチャンスを逃すまいとディジカメを構えました。トンネルに入る直前の電車、間もなくしてトンネルに入った電車、トンネル一杯の電車と立て続けに写真を撮りました。我が腕前にしてはもったいない写真が撮れました。

■迫川の鉄橋を走るくりでん

くりでんの魅力は、田園地帯を走り、鉄橋を走り、トンネルを走るところではないかと思いました。三迫川の赤い鉄橋を走るポイントへ行ってきました。時折、魚が飛び跳ねる音が聞こえてくる静かな場所でした。くりでんはゴーゴーとけたたましい音を響かせながらあっという間に通り過ぎていきました


    
■すすきの穂が揺れるくりでん

午後の時間になり陽も高くなりました。
秋の風がたわわに実った稲穂をなびかせていました。沿線のすすきも揺れていました。田園の中を走るくりでん、すすきの穂を揺らしながら走るくりでん、全て絵になる風景でした。電車の走り去った後は風の音だけが聞こてきました。何処までも真っ直ぐに続く線路は来年の3月に廃線となっていずれは撤去されることでしょう。廃線を思うと一抹の寂しさを感じました。


■今日、最後のくりでん

くりでんのPRポスターにも使われているという絶景のポイントを紹介していただきました。若柳金成ICに程近いくりはら田園鉄道線と国道4号線の交差する高架橋がその場所でした。2人のカメラマンがいました。。既に陽が暮れていました。ディジカメの露出を開け、今日、最後のくりでんを撮りました。

   
■次回は電車に乗ってくりでんの駅巡り

今回は米どころの栗原平野を走るくりでんの見学でした。次回は実際にくりでんに乗ってみたいと思っています。木造建築の古い駅舎にも行ってみたいと思っています。その中にも新しい出会いと発見が待っているかもしれません。廃線を余儀なくされたローカルな鉄道を心の奥にしっかりと納めておきたいと思っています。

自宅に帰った後、インターネットでくりでんの情報を検索しました。『くりはら田園鉄道応援団 くりでん応援クラブwebサイト』のホームページを見つけました。くりでんの概要や時刻表、線路図、くりでんへのアクセス、沿線ガイド、イベント情報などくりでんのことなら何でも分かるホームページでした。次回はきちんと情報収集をして見学したいと思いました。

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