< 第3代会長就任50周年記念座談会 >

世界広布の勝利の並木道

 

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師弟勝利の「5・3」を世界が慶祝
師弟こそ前進、拡大の力
歴史を変えたSGI会長の民間外交
平和を創る壮大な文化交流
地球を包む創価教育の大光
「声の届く政治」の実現を
太陽の婦人部 女子部が躍動
弟子が全責任を担い戦う時
公明党の打った景気策が効果発揮
対話の力が社会を変える

 

<1> 師弟勝利の「5・3」を世界が慶祝
出席者:原田会長、正木理事長、大場SGI理事長、浅野SGI女性部長、杉本婦人部長、佐藤青年部長

原田 5月3日から、創立80周年の創価完勝へ、全国・全世界の同志が晴れ晴れと出発しました!
佐藤 なにより池田先生の第3代会長就任50周年の「5・3」です。
 ひときわ意義深い、特別な「創価学会の日」「創価学会母の日」となりました。
浅野 信濃町の学会本部周辺も、連休中は大変な賑わいでした。どの方の表情も喜びであふれていましたね。
正木 テレビ報道などによれば、ゴールデンウイークにこれだけ晴天が続いたのは記録的とのことだった。
大場 まさに天も晴れ、地も晴れ、半世紀にわたる先生の大闘争を諸天も慶祝している証しです。
佐藤 5月3日を中心に、全国各地では青年部の音楽隊・鼓笛隊の友が地域のイベントに出演しました。
浅野 「5・3」と大きく書かれた横断幕を堂々と掲げ、さっそうとパレードする姿に、同志も友人の方も、拍手を贈っていました。
杉本 「ザ よこはまパレード」には鼓笛隊が出場し、「華陽(かよう)の誓い」などを奏でながら神奈川文化会館の前も行進。地元のテレビでも生中継されました。
 アナウンサーの方が「みんな楽しそうに演奏・演技をしていて、こちらにも楽しさが伝わってきますね」「まっすぐな姿勢や表情が素晴らしいです!」と実況されていたのが印象的でした。
原田 さわやかに振る舞う学会青年部の姿が、どれほど社会に希望を広げているか。
 合唱団とともに、先生は先月の青年部幹部会・本部幹部会で讃えられた。
 「今や世界が絶讃する音楽隊、鼓笛隊、合唱団になった。有名です。上手です。その素晴らしい演奏と合唱を聴けば、皆、元気が出る」と。
正木 先生の手作りの文化運動です。全国で活躍する創価文化の旗手の皆さんに、大喝采を贈りたい(大拍手)。

仏法思想への共感

浅野 50周年の今年は、まさしく世界が慶祝する「5月3日」でした。
 ブラジルでは、首都ブラジリアやサンパウロ州、リオデジャネイロ市をはじめ、たくさんの州や市などで「慶祝議会」が盛大に行われました。
大場 アメリカ・カリフォルニア州オレンジ郡のガーデングローブ市は、この5月3日を「SGI(創価学会インタナショナル)の日」として宣言。
 ダルトン市長が「池田会長は、世界の人々の生命の尊厳を守るため、平和と文化と教育を促進するために、その生涯を捧げてこられました」と評価しておられました。
杉本 全世界が、学会のことを知り、仏法思想に共感し、池田先生を賞讃する時代です!
正木 「仏法西還(せいかん)」という未来記が現実のものとなった。仏教史上に永遠に刻まれる大偉業です。
原田 そうです。50年前、これほどの広宣流布の世界的発展を誰が展望し、予想したか。池田先生のお力そのものです。恩師のご構想を違えることなく、その言葉の通りに実現してこられた先生がいらっしゃったからだ。
 創価三代の師弟、なかんずく池田先生の不惜身命(ふしゃくしんみょう)の大闘争に、どれほど感謝してもしきれるものではありません。
大場 先生の大闘争で「5月3日」は、もはや世界的な記念日になったといっても過言ではありません。
 私たちの同志はもちろん、先生が半世紀にわたって進めてこられた平和・文化・教育の大運動に共感するさまざまな人々が、最大にお祝いしてくださっています。

「地球市民の模範」

正木 4日の「創価教育同窓の集い」で贈られたカナダ・ラバル大学「名誉教育学博士号」も、その象徴です。
浅野 創立は1663年。フランス語系で北米最古の歴史があり、世界に名の轟く総合学府です。
杉本 24万人の卒業生は、カナダの歴代首相、最高裁判事をはじめ、各界で活躍しています。
 南北アメリカにある諸大学の中でも五指に入る伝統校と言われています。
佐藤 この最高学府が池田先生を讃えているポイントの一つが、「先生のリーダーシップ」でした。
大場 そうです。創価学園生との懇談会で、ブリエール学長が力説されていた。
 「リーダーの要件とは何か?」との問いかけに、「一つの目標に対して皆を一致団結させる力」「社会や世界、人々のための明確なビジョンを持っていること」と答えられました。
佐藤 ラバル大学は「社会貢献」を伝統として重んじている。象牙の塔≠ニして社会から遊離するのではなく、社会に知識を還元することを大学の使命としている。
 その目指すリーダー像が、世界平和のために尽力する先生の姿に合致すると、学長は語っておられた。
杉本 授章の辞でも、対話の力で世界を結んでこられた先生を「地球市民の模範」と讃えておられました。
浅野 先生の謝辞に対し、「心から感動しました」と、学長がわざわざ演壇まで握手を求めに行かれたシーンは、本当に心を打たれましたね。
佐藤 そもそも名誉学術称号の授与は、大学が威信をかけて行うものだと聞きました。卒業式などの学内行事で贈るのが一般的です。
大場 そう。実際にブリエール学長も語られた。
 「大学外での授与は、本学の歴史上、異例中の異例です。池田会長だからこそ、今回の形での授与を決定いたしました」と。
 この一事をもってしても、どれだけ先生への信頼が深いかを物語っています。
原田 池田先生に贈られた名誉学術称号は、287となりました。間違いなく、世界第一、人類史に燦然と輝く不滅の栄誉です。
杉本 287に至る第1号となったのは、ロシア・モスクワ大学からの名誉博士号です。今月27日は、その授与から35周年を迎えます。
佐藤 1975年(昭和50年)5月、先生の第2次訪ソでのことでした。大学側から、教授会での名誉博士号授与の決定を告げられました。
 しかし先生は「おつきあいも、まだまだ短い。これからの私の行動を見ていてください」と固辞されました。
浅野 そうです。重ねて熱願する大学側に対し、「そこまで言われるのであれば」と最終的に受諾されたのです。
正木 名誉学位記には「文化と教育の分野における実り多い活動、並びに諸国民の平和と友好の深まりをめざす積極的な活動を讃え、モスクワ大学名誉博士号を授与する」と記されています。
原田 287に及ぶ称号すべてに、深い学術・教育貢献の裏付けとドラマがある。先生の哲学・人格、平和行動に対する尊敬が光っている。想像を絶するものです。

「自業自得」の末路

佐藤 それにしても仏法の因果は厳しい。嫉妬に狂ってさんざんデマを流し、悪事を重ねた日顕は相承(そうじょう)を詐称し、法主(ほっす)の座を盗み取ったこともバレた。自業自得の哀れな末路だ。「こんなことになるとは」と、今では地団駄を踏んでいるだろう(笑い)。
大場 日顕自身は最高裁で2回も断罪され、宗門として8回も大敗北。信者は昔の2%にまで激減し、まさに衰亡の一途をたどっている。
杉本 そうです。
 「末法(まっぽう)法華経(ほけきょう)行者(ぎょうじゃ)軽賤(きょうせん)する王臣(おうしん)万民(ばんみん)(はじ)めは(こと)なきやうにて(つい)にほろびざるは(そうら)はず」(御書1190n)との御金言(ごきんげん)通りですね。
正木 学会は勝った。正義だから勝った。学会は広宣流布の団体だ。どこまでも清浄な信心の世界だ。だから、うす汚い野心を持った連中も、いられなくなる。自ら正体を現し、出ていった。
佐藤 恐喝事件を起こし懲役3年の実刑を受けた極悪ペテン師! カネに目がくらんだ元教学部長もいた。そして公明党には、権力の魔性に食い破られ、支持者の大恩を踏みにじる議員もいた。
原田 こういう輩の本質は「(とん)(じん)()」の「貧」、「(むさぼ)り」なんだ。結局、私利私欲に溺れて堕落し、同志を裏切っていった。断じて許せない!
佐藤 「報恩抄」には、「()老狐(ろうこ)(つか)をあとにせず白亀(はくき)毛宝(もうほう)(おん)をほうず畜生(ちくしょう)すらかくのごとしいわうや人倫(じんりん)をや」(同293n)とあります。恩知らずは畜生以下です。
原田 こういう連中に限って、デマ雑誌と結託してデマを流す。しかし学会はそうしたデマをすべて打ち破り、完全勝利した。社会も、大きく認識し、見方も変わった。学会の真実を分かるようになった。彼らの悪辣(あくらつ)な正体も社会に知れ渡っている。
佐藤 卑劣な裏切り者はウソにウソを重ねても必ず馬脚を現し、惨めな姿を白日の下にさらしていくものだ。
正木 後世のためにも、その末路をしっかりと見届け、歴史に刻んでおかねばならない。それはわれわれ弟子の責務である!
浅野 私たちは、池田先生の指揮のもと、日々、広宣流布に前進し、無上の幸福と勝利の人生軌道を歩むことができます。感謝の思いでいっぱいです。
原田 報恩感謝こそ正しい人生だ。われわれは、勝利、勝利の勝鬨を上げていこうじゃないか!

(2010. 5.13. 聖教新聞)

 

 

<2> 師弟こそ前進、拡大の力
出席者:原田会長、正木理事長、大場SGI理事長、浅野SGI女性部長、杉本婦人部長、佐藤青年部長

佐藤 中国の誇る最高学府・清華大学から、池田先生に「名誉教授」称号が贈られました。
 日中友好への多大な貢献と、人類の平和と幸福への行動を讃えての栄誉です。
浅野 清華大学は北京大学と並んで世界中で名声を博する、文字通り中国最高の大学です。中国の国家教育委員会が発表したランキングでも1位に輝いています。
原田 池田先生と3度の語らいを重ねてこられた故錦濤(こきんとう)国家主席の母校としても有名です。政界、経済界、教育界など各分野に一級の人材を輩出し続けています。
正木 清華大学出身者は、大臣クラスが300人、大学学長も280人を超すと伺いました。
大場 当日は中国の程永華(ていえいか)駐日大使も駆けつけ、お祝いしてくださいました。深く美しい友誼(ゆうぎ)の心かおる、感動的な式典でしたね!
原田 授与式の終了後、清華大学の顧秉林(こへいりん)学長が語っておられた。
 「池田先生のスピーチには、本当に『呼びかける力』があります。だから終了後、『わが大学の学生に講演を』とお願いしました。先生にご講演いただければ、清華大学の歴史で一番、影響力のある講演になると思います」
正木 芳名録には「今日のこの時について、心の中の感動は、どのような言葉でも言い表せません。中日友好の新しい曲が綴られました」と記されました。どれほど感銘しておられたか。

「師匠との出会い」

杉本 この授与式は本部幹部会に続いて行われました。式典の模様も、衛星・インターネット中継で見られる予定です。
 婦人部の皆さんも「晴れの儀式に列席≠ナきます。今から楽しみです!」と喜びを語っていました。
正木 北海道から沖縄まで、離島・山間部から都市部まで、全国いたるところで会員の皆さんが喜々として先生の指導を求めている。
 毎月の本部幹部会の中継行事を、師匠のもとから出発する勝利のリズムとして刻んでおられる。
浅野 日本だけではありません! 海外のSGI(創価学会インタナショナル)メンバーも同じです!
 昨年、南米に行かせていただきましたが、チリを訪問して驚いたことがありました。それは皆さんが「『師匠との出会い』に行く!」と話しておられたことです。
大場 「師匠との出会い」とは、池田先生の本部幹部会等のスピーチを放映する集いの名前です。チリの国土は南北約4200`、日本列島の約1.4倍にもなります。
 そのなかを「師匠との出会い」のため、はるばる集ってこられるのです。
原田 なんと尊い姿でしょうか。師匠を求める心に国境はない。民族も距離も関係ない。一人一人が心と命で師と直結し、進んでいきたい。
佐藤 聖教新聞で報じられる各国の大発展の模様や、本部幹部会に参加するSGIメンバーの姿を見て、世界広布が勢いを増して進んでいることを感じます。
浅野 今年は池田先生の初の海外指導からも50年です。会長就任から5カ月後の1960年(昭和35年)10月2日のことでした。
大場 アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国9都市を24日間で回る強行軍でした。
 仏教とは縁遠い地で苦労を重ねている同志を心から激励され、先生は各地で世界広布の礎を築かれた。
正木 「君は世界に行くんだ。この私に代わって」との戸田先生の師子吼(ししく)に応えた師弟不二(ふに)の旅でした。
杉本 その「源流」が50年を経たいま、192カ国・地域という妙法(みょうほう)流布(るふ)の「奔流(ほんりゅう)」となったわけですね!
浅野 会長就任50周年に際し、ある芸術家の方が、こうおっしゃっていました。
 「『50年』『平和』など、人々は簡単に言いますが、そのプロセスがいかに大変か。それは、『忍耐』の一言に尽きると思います」
 「名誉会長が生涯にわたる崇高な目的をもって、今日まで50年間、一歩一歩、進んでこられたこと、これからも進んでいかれることに、感嘆(かんたん)と喜びを感じました」
原田 私たち弟子は、肝に銘じなければならない。先生の堅忍不抜(けんにんふばつ)の指揮があって、学会は幾多の険難の峰を乗り越えてこられた。そして今日の大隆昌(だいりゅうしょう)があるのだ。
大場 この師匠の心をわが心とし、世界広布の開拓者の皆さんは、岩に爪を立てるような思いで、広宣流布のために懸命に戦われました。だからこそ、現在のSGIの大前進があります。
正木 海外の友の苦労を思えば、日本はあまりにも恵まれている。
 御聖訓(ごせいくん)に「()(くに)の仏法は貴辺(きへん)にまかせたてまつり(そうろう)ぞ」(御書1467n)とある。私たちも自らの天地で、使命感と責任感を燃え上がらせ、広布拡大の一歩一歩を積み重ねていきたい。

問われる自浄能力

佐藤 さて、国政に目を転じれば、依然としてドタバタが続いています。
 「政治とカネ」や普天間基地の問題、高速道路の新料金体系で右往左往している。
杉本 国民生活は大変です。実感として経済不況は相変わらず深刻で、雇用情勢も明るい兆しがありません。
大場 そうです。読売新聞の世論調査(5月10日付)では、参議院選挙で最も重視したい政策・争点として「景気や雇用」が第1位にあがっていました。こうして庶民が苦しんでいるときに、あまりに無為無策だ。
正木 ゆえに国民の政治への不満は募る一方です。「支持政党なし」が6割に迫るという調査結果もあります。
 二大政党への不信は深く、乱立する新党も支持を十分に得てはいないようです。
浅野 調査では「政治とカネ」の問題について、国民がいまだ強い不信感を抱いていることも浮き彫りになっています。
佐藤 ところが、先日の報道では、政治資金規正法の改正を今度の参院選後に先送りするとのことだ。
 民主党は昨年の衆議院選挙のマニフェストで企業・団体献金の禁止について明記していたにもかかわらずだ。
杉本 「法改正先送りで、民主党の自浄能力が問われるのは必至だ」(4月29日付、朝日新聞)とも書かれていましたね。

責任逃れは許さず

原田 その一方、「政治とカネ」の問題に一貫して取り組んできたのが公明党だ。
 政治家個人の資金管理団体などへの企業・団体献金を禁止させた。
大場 政治家らが口利きの見返りに報酬を得ることを禁じた「あっせん利得処罰法」も成立させた。さらに私設秘書も対象とするなど強化させましたね。
 1円以上のすべての政治資金支出で領収書を公開するようにもしました。
佐藤 公務員が業者間の談合に関与する不正行為を禁じた「官製談合防止法」も制定しました。
 これらは全部、この10年、公明党が強力に推進したからこそできた実績です。
浅野 いま公明党は企業・団体献金の全面禁止を訴え続けていますね。
 さらに、秘書などの会計責任者が有罪になれば議員も公民権(選挙権や被選挙権)を停止させる。すなわち秘書がやった≠ネどと責任逃れを許さない仕組み作りに取り組もうとしています。
正木 大いにやるべきだ。いいじゃないか! 失い続けてきた政治への信頼を取り戻してもらいたい。
杉本 悪事を許さず、自ら戒めていくのは、当然のことです。
 どんな組織・団体でも、そうした「自浄能力」が強く求められる時代です。
佐藤 まして庶民の血税で生活する「国民の公僕」たる議員や政党が、カネの不祥事など言語道断だ!
原田 「クリーンな政治」は公明党の代名詞だ。政治腐敗と戦う最前線で、議員には奮闘してもらいたい。

(2010. 5.17. 聖教新聞)

 

 

<3> 歴史を変えたSGI会長の民間外交
出席者:原田会長、正木理事長、大場SGI理事長、浅野SGI女性部長、杉本婦人部長、佐藤青年部長

杉本 先日、お会いした友人が、聖教新聞に掲載された「5・3」の特集記事への感動を語っていました。
 「池田先生は世界から、本当にたくさん表彰されています。それはなぜか、その理由が分かりました。教育・文化・芸術など幅広い国際交流で、地道に、誠実に、勇敢に平和のために尽力してこられたからですね!」と。
正木 たしかに、会員であるなしにかかわらず特集への反響は大変なものでした。
浅野 5月3日付に掲載された池田先生の長編詩「輝き光れ! 我らの五月三日」は、ひときわ感動がわき起こりましたね。
佐藤 また「池田先生と私」というテーマの投稿欄も大好評でした。多宝会の皆さんから青年部まで、一人一人が師匠と心で直結し、生涯の原点を刻み、それを大切にしながら勝利の人生を歩んでいることが胸に迫ります。
原田 これが学会の強さだ。常勝の伝統です。皆が師を求め、師のために戦い、師に人生の勝利を報告する。
 この師弟不二(ふに)の前進にこそ、あらゆる困難を打ち破る無限の力がある。
大場 戸田先生のご期待に池田先生は応えられた。2月闘争や大阪の戦い、夕張炭労事件、山口開拓闘争もそうです。「師匠のために絶対に負けない」という先生の一念が、いかなる逆境にあっても勝利に導いてくださった。
 この不二の師弟の闘争ありて今日の学会があることを、絶対に忘れてはならない。

リーダーの愛読書

佐藤 50年前、先生は32歳という若さで、広宣流布の一切の指揮を執られました。
 一青年の全生命を賭した戦いで奇跡の世界広布ができあがったことを、青年部は命に刻みつけて戦います。
原田 その通りです。私たち壮年部も模範となる戦いをしていきたい。先生は、青年を励ます壮年部の使命を、このように教えてくださった。
 「広布のため、同志のために、たとえ自分はどうなっても、『この私の姿を見てくれ!』という戦いを、青年の胸に残していくのである」
大場 「年は・わかうなり福はかさなり(そうろう)べし」(御書1135n)です。
 仏法を(ぎょう)じる人は心が老いない。生き生きと若々しくなり、福運に満ちていきます。
杉本 5月3日は、一般紙にも大きく創価学会の全面広告が掲載され、話題になりましたね!
浅野 そうです。南アフリカ・マンデラ元大統領との会見の写真が載ったものです。「一言一言、平和に近づく」との大きな文字が躍っていました。大統領が獄中で読んだ池田先生のエッセーに励まされ、解放後に先生のもとへ会いに来られた歴史が紹介されていましたね。
正木 広告を見たマスコミ関係者が感嘆(かんたん)しておられた。
 「人間の根源にある善の力。暴力ではない言葉の力。対話による平和運動――創価学会が、一宗教団体の教義に基づく戦略、戦術ではなく、普遍的価値を目指して社会活動をする団体であることに、あらためて感銘を受けました」と。
原田 大学教授の方も語っておられた。
 「名誉会長が世界のさまざまな国の、いろいろな宗教や思想を持つ賢人たちと対話され、それを文章として発信されてきたことは、世界平和のために大きな貢献をなされてきたものだと思います」
浅野 平和を追求される先生の著作は、多くの世界の指導者に読まれています。
佐藤 20世紀を代表する歴史家アーノルド・J・トインビー博士と池田先生の対談集『21世紀への対話』(英語版タイトル『生への選択』)は、国連のガリ元事務総長ら世界的リーダーの愛読書となってきました。現在、28言語で出版されています。

日中友好への尽力

大場 先生は勇気ある信念の行動で世界の歴史を変えてこられました。
 その一つが日中国交正常化提言(1968年)に象徴される日中友好への尽力です。
杉本 当時の日本は中国敵視政策をとり、中国を正式な国として認めていなかった。「中国とつきあう」と言うだけで白眼視され、命も狙われかねなかった時代です。
正木 中国の民衆との友好を願い、国交正常化を訴えた提言は反響を呼びました。
 中国文学者の竹内(よしみ)氏が「光りはあったのだ」と絶賛し、日中関係の発展に尽力してきた政治家の松村謙三氏は「百万の味方を得た」と感激されました。
原田 そして74年(昭和49年)12月、先生と会見された周恩来総理は感慨を込めて語られました。
 「池田会長は中日両国人民の友好関係の発展はどんなことをしても必要であるということを何度も提唱されている。そのことが私にはとてもうれしい」
 60年代前半からいち早く、池田先生の指揮される創価学会に着目し、そして国交正常化提言にも注目していたのが周総理でした。
杉本 困難な時代から一貫して友好を訴えてこられたからこそ、中国の歴代国家指導者の方々も先生との友情、信義を大切にされてきたわけですね。
大場 今年3月の会見で中日友好協会の唐家?(とうかせん)名誉顧問が、「歴史の変遷を見れば、中日関係の肝心な節目の時に、池田先生がいつも先頭に立って友好を訴え、支持してくださったことが分かります」と述べられた通りです。

他者、社会のため

正木 1974年は、中国とソ連の関係改善に奔走された時期でもあります。
原田 そうです。当時の両国は、激しい対立関係にありました。
 この年の5月の初訪中で、先生は中学校を訪問され、ソ連からの攻撃に備えて地下室をつくる生徒の姿を目の当たりにされた。
浅野 小説『新・人間革命』の「友誼(ゆうぎ)の道」の章にも描かれていますね。
 この事実を、必ずソ連の指導者に伝え、平和のための道を歩むように訴え抜くのだ。中ソの争いは、私の生命を投げ出しても、絶対にやめさせなければならない!≠ニ誓っておられます。
杉本 そして同じ年の9月、初めてソ連を訪問され、コスイギン首相に直接、問いかけられました。「ソ連は中国を攻めるつもりがあるのですか」と。
原田 首相は「ソ連は中国を攻撃するつもりも、孤立化させるつもりもありません」と回答。
 池田先生は「それを中国の首脳に、そのまま伝えてよろしいですか」と念を押され、12月の第2次訪中で伝えておられる。
大場 89年、中ソ関係は30年ぶりに正常化した。
 モスクワ大学のサドーヴニチィ総長は当時を述懐されています。
 「振り返るに、歴史が、池田先生のご決断の正しさを見事に証明しています」と。
杉本 中国・南開大学の孔繁豊(こうはんほう)元副学長も「名誉会長を通じてソ連の態度を知り、周総理は『中ソ開戦はありえない』との確信を深め、国家の再建計画を大胆に実行することができた」と指摘されていますね。
佐藤 また先生は、90年代、アメリカとキューバの緊張緩和のためにも両国間を奔走しておられます。
原田 ゴルバチョフ元ソ連大統領は語っていました。
 「池田会長は、民間外交の第一人者です。それゆえ、私たちも、すぐに信頼関係を築き、心を開いて対話することができました。すぐに、分かり合えることができたのです。池田会長は、開かれた対話の精神を持たれ、その貢献には、絶大なるものがあります」
大場 他者のため、社会のため、平和のために行動することこそ、仏法者の当然の生き方です。
 その範を先生が示してくださっています。
正木 「勇敢な行動」「誠実な対話」が歴史を開く。
 私たち池田門下の弟子も、よき市民として地域に思う存分に友情を広げ、創価の哲学を勇気凛々と語りに語っていきたい。

(2010. 5.20. 聖教新聞)

 

 

<4> 平和を創る壮大な文化交流
出席者:原田会長、正木理事長、大場SGI理事長、浅野SGI女性部長、杉本婦人部長、佐藤青年部長

正木 前回は、池田先生の民間外交の軌跡について語り合いました。一民間人でありながら驚くほどのスケールで行動されてきた事実に、あらためて感銘しました。
原田 先生は仏法者として、世界の平和のため、人類の幸福のために「誠実」の限りを尽くして対話を続けてこられた。
浅野 まさしく、一人一人の仏性(ぶっしょう)を信じ、呼び覚まさんとする、気迫の励ましを贈り続けておられます。
大場 国家レベルでなく、生命の変革に光を当て、世界の安定と平和を追求する行動を、海外の有識者も、他に例を見ないものとして賞讃されています。
佐藤 たとえば、核兵器廃絶を訴える科学者の集い「パグウォッシュ会議」の会長を務められたスワミナサン博士も、その一人です。
 今年の5月3日に寄せ、先生の平和行動を讃えておられました。
 「恒久平和への確かな道であり、人々の心の中の憎悪を慈愛へと転換させるための道標であります」と。
杉本 「諸問題を抱えた我らの地球が、これから何年にもわたり、教育と対話を通じた恒久平和の構築のための池田博士のリーダーシップを享受できることを念願しています」とも語っておられます。

人類を結ぶ共通語

原田 会長就任以来の50年、先生は世界を結ぶ共通語≠ニしての文化の交流にも手を打たれてきました。
浅野 50年前の初の海外指導(1960年10月)に続いて、先生は翌年、アジア広布へ第一歩をしるされます。
 インドからミャンマー(旧ビルマ)を経て、タイ、カンボジアへ向かう際、民主音楽協会(民音)の創立を構想されました。
大場 ミャンマーは、先生の長兄が戦死された地です。
 人類が戦争と決別するためには、民衆と民衆の相互理解が不可欠であり、そのために音楽などの芸術、文化交流が大切となる――平和を希求する思いから、創価の文化事業は出発しました。
杉本 民音の創立は63年(昭和38年)10月ですね。昨年12月にラオスの舞踊団を招き、海外との交流は102カ国・地域となりました。
 これまでの公演は約7万3000回を数え、鑑賞者は累計でなんと1億1000万人です!
正木 創立の当初は、先生の深い構想を、ほとんどの人が分からなかった。それが今では日本を代表する世界的な文化団体となりました。
原田 もちろん規模だけではありません。これまで世界最高の芸術を日本に紹介してきた。80年にはオーストリア・ウィーン国立歌劇場の初来日公演が実現しています。
佐藤 その翌年には、イタリアのミラノ・スカラ座が初来日し、公演を行っています。これも池田先生による大誠実の民間外交の結晶です。
杉本 ウィーン国立歌劇場もスカラ座も、世界最高の舞台です。日本文化史にも特筆される公演でした。
原田 スカラ座の事務総長や副総裁を務めてきたエルナーニ氏も、「日本のオペラの興隆は、池田先生がつくられた」とまでおっしゃっていたそうです。
正木 今年も中国雑技団の公演などが大好評です。きょうも全国各地で民音のステージが繰り広げられている。本当に壮大な事業です。

芸術を庶民の中へ

浅野 八王子の東京富士美術館も「ハプスブルク帝国の栄光――華麗なるオーストリア大宮殿展」が好評を博しました。岡山、神戸でも巡回展を行い、記録的な大盛況でしたね。
杉本 8月からは「ポーランドの至宝――レンブラントと珠玉の王室コレクション」の展覧会が開かれます。ポーランド文化省、駐日ポーランド大使館が支援する日本初の本格的ポーランド美術展で、各界から大きな期待の声が寄せられています。
佐藤 海外の美術品を紹介する展覧会は、これまで17カ国・地域の39回に及びます。
大場 東京富士美術館が所蔵する美術品は約3万点。とくにルネサンス期から現代に至る西洋絵画の数々は、「東洋屈指」とまで評価されている。各国の政府・文化機関から要請され、これら所蔵品などを海外で展示したのは、18カ国・地域28都市に達しているそうです。
正木 素晴らしい歴史です。ブラジル・サンパウロ美術館のマガリャンエス元館長も讃えておられた。
 「池田会長が美術作品を通して人類の調和と融合を図り、世界平和に貢献することを目的とした東京富士美術館は、短い歴史において、大きな業績を残されました」
浅野 民音や東京富士美術館を通して世界最高の芸術に触れられるのも、創立者の池田先生のおかげです。
 先生が示された最高の芸術を庶民の中に≠ニの理念に共鳴された世界の芸術関係者が、絶大なる信頼をもって交流してくださっています。
原田 識者が注目する先生の世界的な平和・文化・教育事業。それに連なるのが私たちの日々の対話運動です。
 「日蓮は()法門(ほうもん)(もう)(そうら)へば他人にはに(似)ず多くの人に(まみえ)て」(御書1418n)とある。一人でも多くの友と会い、最高の誇りと喜びをもって対話に取り組んでいきたい。

進む二大政党離れ

佐藤 さて、今月、イギリスで行われた総選挙が日本でも大きく注目されました。
浅野 日本が二大政党制のモデルとしてきたのがイギリスであることは有名な話です。その本家の国で、二大政党のどちらも過半数に達せず、戦後初の連立政権が発足しました。
大場 二大政党離れが進む象徴で、「英国総選挙 2大政党が負った疑問符」(朝日新聞5月8日付)、「英総選挙 伝統の2大政党制に試練の時」(読売新聞同9日付)など各紙がこぞって社説で取り上げました。
正木 二大政党離れの一つの理由は、多様な民意を吸い上げきれていないことだ。大政党の不祥事に国民が嫌気が差したということもあった。
原田 だからこそ、日本の現状と比較し、「2大政党がともに政治不信を招き、有権者の離反を招いている構図は英国と重なる」(朝日新聞同8日付)との論評もある。
杉本 その通りですね。民主党は、マニフェスト違反≠フ数々で迷走してフラフラ。片や自民党は内部分裂が相次ぎゴタゴタ。国民の多くはあきれ果てています。
大場 こうした民主、自民に失望した民意の受け皿になろうと、新党が次々と名乗りをあげました。
佐藤 大事なのは、国民のために何をしてくれるかだ。いま求められているのは「声の届く政治」だ。誰が本当に国民のことを真剣に考えているのか、鋭く見極めていくことだ。私たちが賢明にならなければいけない。
正木 そうだ! だからこそ「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」公明党が、その真価を発揮する時だ。
浅野 北海道大学大学院の吉田徹・准教授は次のように述べておられました。
 「日本に求められる政治は、生活現場で困っている部分をどれだけ手当てできるかだ。公明党はこれまで日常生活に根差した政策を実現してきている。派手さで国が大きく変わるものではなく、これが本来の政治だ」
 「地に足がついた政治が必要だ。それができるのは、地方を合わせて3000人を超える議院のいる公明党だ」(公明新聞5月11日付)
杉本 そのうち女性議員が約900人を数え、3割を占めるのも強みです。女性の声を大切にして、きめ細かな視点で、生活を守る数多くの政策を実現してきました。
原田 全国3000人もの議員ネットワークがある政党は公明党だけだ。
 国民の声を聴く日本の第一党だ。議員は庶民のために大いに働き、「さすが公明党だな!」と支持を得られる活躍を見せてほしい。

(2010. 5.24. 聖教新聞)

 

 

<5> 地球を包む創価教育の大光
出席者:原田会長、正木理事長、大場SGI理事長、浅野SGI女性部長、杉本婦人部長、佐藤青年部長

正木 今月21日の早朝、日本中が沸きました。
 創価大学工学部の学生が開発した超小型人工衛星「Negai☆″」を搭載したH2Aロケットが、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げに成功しました!(大拍手)
佐藤 私もテレビニュースで見ました。
 金星探査機「あかつき」を載せたロケットで、創大などの人工衛星等も一緒に飛び立った。感動しました。
大場 各紙やテレビの情報番組でも、創大の人工衛星が紹介されるなど、大きな反響を呼びましたね。
原田 地上約300`の軌道を約20日間にわたって周回し、情報処理実験を行っています。
 宇宙から発信した「SOKA」のモールス信号は、海外でも受信されています。
浅野 しかも、「子どもの夢、応援プロジェクト」として、全国の子どもたち8000人から寄せられた、願いごとを書いたはがきをマイクロフィルムに収め、衛星に載せています。
杉本 そうですね。開発にかかわった黒木聖司研究室のホームページでも、子どもたちが描いたはがきの一部が紹介されています。
 「わたしの夢は地球の平和です」「天文学者になりたいです!」など、将来への夢が大きくふくらんでいます。

希望の芽育む土壌

大場 夢とロマンにあふれるプロジェクトですね!
 優れた科学技術とともに、子どもたちに希望を贈る創価教育の心が光っています。創価大学の学問分野での発展は目覚ましい。
正木 その通りです。同じく工学部の2学科が、2年連続で文部科学省の「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に選定されました。これは、私大の特色を生かした研究を国が支援するものです。「先端的な研究で、今後の発展が期待できる事業」「優れた研究実績をあげ、今後とも継続的に発展が期待できる事業」等として選ばれました。
浅野 「経済学理論同好会」は、経済学検定試験「EREミクロ・マクロ」の大学対抗戦で優勝し、5回連続の日本一に輝きました!(大拍手)
正木 これまでの記録は早稲田大学の4連覇だった。こうした伝統校の記録を、創大が塗り替えることができた。
杉本 英語で経済学を学ぶ「インターナショナルプログラム」等も、文部科学省などから評価を受けました。
 質の高い教育が、実力ある逸材を育てている証しです。
原田 少子化がますます進み、大学も淘汰される時代に入った。
 そうしたなか、歴史は比較的浅くても、崇高な「建学の精神」を掲げ、さまざまな方面で学生・卒業生が活躍する創価大学が、ますます注目を集めている。
浅野 創価女子短期大学も、資格の取得や就職に高い実績を残しています。
 卒業生のスクラムも、実に麗しいです。
佐藤 東京と関西の創価学園生も元気です。
 先日、ギリシャ・アテネで行われた「国際哲学オリンピック」に、関西創価高校生が日本代表で出場しました!(大拍手)
大場 同大会は、高校生が自国語以外の言語で哲学に関するエッセーを書くもので、大変な難関です。
原田 東西の創価学園生が日本代表となったのは7回目です。この一点をとっても、教育水準の高さが分かる。
正木 国立大学の教員が語っていました。
 同大会は「高度な『論理力』と『語学力』」が必要であり、「そのような素地は個人的な努力だけでなく、勉学、クラブ、友人との交流で培われるもの」「創立者のもと未来へ希望の芽を育む創価学園の教育的土壌が、いかに豊かであるかを示しています」と。
浅野 これまで、「国際科学オリンピック」「国際地理オリンピック」でも、東西の学園生が日本代表になっていますね。
佐藤 また関西校は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の教育プログラム「アースカム」に31回連続で参加し、世界一の記録を更新し続けています。

現代に必要な人材

原田 学園生の活躍の舞台は世界だ。
 創立者の期待のままに成長する姿は、私たちにもうれしい限りです。
杉本 その他の分野でも毎年、全国大会に多くのメンバーが出場しています。
 今年も東西の創価高校箏曲部は、8月に行われる全国大会にそろって出場します。関西校は9年連続9回目、東京校は2年ぶり10回目です。
大場 今月、池田先生に「名誉教育学博士号」を授与したカナダ・ラバル大学のブリエール学長が、東京の創価学園を訪問された際、懇談した学園生にこう語っておられました。
 「世界が大きく変革していくこの時に必要な、選ばれし方々が皆さんです」
 「皆さんの瞳の中に、世界のため、社会のために貢献したいとの熱い情熱を感じます。生涯、その情熱を持ち続けてください。それが皆さんのためであり、世界のためです!」
正木 学園卒業生の一人としても、本当に頼もしい限りです。学園生の活躍に心からエールを贈りたい。
佐藤 東西の創価小学校もこれまで、クラブや書道・絵画などで、日本一に輝いています。
大場 札幌創価幼稚園の卒業生からも、博士や弁護士など、各分野の英才が誕生しています。
 また香港、シンガポール、マレーシア、ブラジル、韓国にもネットワークは広がりました!

「私の最後の事業」

杉本 そして21世紀の創価教育の希望が、アメリカ創価大学です。
 開学から9年、卒業生は各国最高峰の大学院へ進学するなど、世界中で使命の道を歩んでいますね。
浅野 そうです!
 SGI(創価学会インタナショナル)各国の青年部、日本の学生部・未来部のリーダーにも、アメリカ創価大学の出身者がいます。新しい力が続々と誕生しています。
原田 今日の創価教育の大興隆は、教育者である牧口先生、戸田先生の遺志を受け継いだ池田先生の大闘争のたまものです。
 師弟不二(ふに)の結晶です。
佐藤 池田先生は、50年前の第3代会長就任に先駆けて、創価学園の建設候補地を視察されました。
 半世紀にわたり教育に捧げてこられた先生の思いは、想像を絶するものです。
杉本 札幌創価幼稚園の開園などを描いた、小説『新・人間革命』の「未来」の章を、先生は次の言葉で結ばれました。
 「教育の種を植えれば、未来は、幸いの花園になる。教育の道を開けば、未来は、平和の沃野(よくや)へつながる。私は、種を蒔く。今日も、明日も。私は、この道を開く。全精魂を注いで。生命(いのち)ある限り、生命ある限り……」と。
 先生は「教育は私の最後の事業である」と何度も語っておられます。
正木 多忙な中でも創価学園、創価大学の卒業式や入学式に出席し、激励の言葉を贈ってくださる。たとえ出席できなくても、メッセージや伝言を通して励まし続けておられる。
 私も学園、大学を通して、折あるごとに激励していただいた。一生徒、一学生を励ます創立者の慈愛は、どこまでも深い。
原田 思えば、学会の淵源(えんげん)は創価教育学会です。学会も、社会のため、未来のために、有為な人材をどれだけ育成できるかだ。
 リーダーにとって大事なのは、目の前の「一人」を育てることです。御書にも「大海(たいかい)一H(いったい)の水に一切(いっさい)(かわ)の水を(おさ)め」(御書944n)とあります。「一人」ですべてが決まる。
大場 先生の「人材育成」に学びながら、私たちも目の前の一人を大切にし、励まし、語り抜く戦いを貫いていきます。

(2010. 5.27. 聖教新聞)

 

 

<6> 「声の届く政治」の実現を
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

正木 全国の同志が創価完勝に向け、大きく動き、語りに語っている。日夜の奮闘に心から感謝したい。
熊沢 地域によっては真夏のような暑さとなる日も多くなってきました。熱中症の予防など体調の管理には、くれぐれも留意したいですね。
杉本 忙しい中でも十分な睡眠、きちんとした食事をとることが大切です。
 多くの地域でこれから梅雨となり、雨の日も増えます。とくに食中毒にも注意が必要です。
原田 「法華経(ほけきょう)(もう)御経(おんきょう)身心(しんしん)諸病(しょびょう)良薬(りょうやく)なり」(御書1015n)と日蓮大聖人は仰せだ。
 生き生きとした活動で心身ともに充実し、健康な日々を過ごしていきたい。
佐藤 池田先生も語っておられます。
 「学会活動は最高の健康法です。会合に参加する、友の激励に歩く、弘教(ぐきょう)に励む――そこには常に『行動』があります」と。
熊沢 健康は智慧です。
 信仰しているからこそ智慧を出し、はつらつと進んでいきたいですね。

一貫して国民本位

杉本 さて、イギリスの総選挙の結果、二大政党制から戦後初の連立政権の時代に移ったことが、世界で大きな話題になっていますね。
棚野 日本でも7月、参院選が予定されています。
 我々は日本のため、未来のために政治を鋭く監視していきたい。
正木 そう。政治に対しても積極的にかかわるのが宗教者の使命であり、責務であり、時代の潮流だ。
原田 歴史上の先哲もそう言っている。
 インド独立の父・ガンジーは、こう述べています。
 「宗教というものは、すべての活動の根っこにあるべきもの、その中心に据えるべきものであると私は考える。ゆえに私は、政治と切り離して宗教にだけ専念することはできないし、宗教と切り離した政治を行なうこともできない」
佐藤 我々が支持する公明党には、利害などのしがらみにとらわれず、平和と生命尊厳のため、苦しんでいる人を守るため、庶民の声をダイレクトに政策として実現できる「実行力」がある。
熊沢 白血病などの血液疾患に有効な「さい帯血移植」への取り組みもそうです。
 公明党は1990年代後半から、治療法の保険適用と公的バンクの設立の運動を支援。全国で200万人を超える署名を集めました。
棚野 公明党の女性議員が国会で初めて取り上げ、移植の保険適用が98年、公的バングの設立が99年に実現。
 多くの移植手術が行われ、「白血病は不治の病ではなくなった」とも言われるようになりました。
正木 公明党の女性議員がこの問題を知ったきっかけは、主婦からの一本の電話だったそうだ。
 議員自ら、さい帯血バンク支援ボランティアの大会に出席し、協力を約束した。
杉本 日本さい帯血バンク支援ボランティアの会代表の有田美智世さんが、次のように振り返っておられました。
 「私は既に200人を超す国会議員らに協力を訴えていましたが、進んで動こうとする議員は誰一人いなかった」
 「国会議員は、利権に縛られ何もできないと思い込んでいました。しかし、公明党だけは違いました」と。
熊沢 また、このようにも評されていました。
 「票にもお金にもならない私たちの小さな運動を理解し、共に行動し、力強く応援してくれたのは公明党でした。公明党は『本気の政治家』の集まりでした」
 「口先だけの政党や政治家が多いなか、公明党のこうした国民本位、住民本位の姿勢は、一貫して変わっていません」
原田 国民の命を守る、優れた実績だ!

庶民の目線で行動

佐藤 「預金者保護法」も国民の声から実現しました。6年ほど前、キャッシュカードの偽造・盗難、暗証番号等の情報を盗む「スキミング」による不正引き出しの被害が社会問題となった。
棚野 そこで立ち上がったのが公明党の議員でした。
 被害者の方に電話し、実態調査に乗り出した。実際に被害者の会の集いにも駆けつけ、「生の声」を聴いた。
杉本 庶民の目線に立つ姿勢が素晴らしいですね。
正木 その議員が金融庁に出向いたが、被害者救済の仕組み作りには腰が重かった。彼は奮起して、議員立法に取り組み始めた。
 そして幾多の壁を突破して2005年、「預金者保護法」が可決・成立し、原則として金融機関が被害を補償することになった。
熊沢 被害者の会の方も、一国民の小さな声が、本当に国会に届けられ、法律ができて世の中が実際に動くということを、そして、一人の国会議員が、こんなにも働いてくれるということを、私は、はじめて知ることができた≠ニ語っておられたそうです。
佐藤 政策研究大学院大学の飯尾潤教授は語っている。
 「支持者や一般有権者から、いかに多くの声を聞き、その意見をどのように効果的に議会で問題提起できるか――これが政党の果たすべき役割です」と(「第三文明」6月号)。
 その意味で公明党こそ、最も仕事をする政党です。
原田 「声の届く政治」は公明党の魂だ。
 国民の声をどんどん聴き、どの党よりも庶民のために奮闘してもらいたい。

使い古しの難癖

正木 選挙が近づくと、懲りもせず政教一致≠ネどと言い出す者がいる。もはや、破折(はしゃく)し尽くされた使い古しの難癖です。
 こんなことを言ったら、憲法第20条が定めた政教分離とは何かが分かっていない、と笑われるだけです(笑い)。
杉本 その通りです。少しでも憲法を勉強すれば、まったくの的外れの批判だとすぐに分かります。
佐藤 だいたい、政教一致だ≠ネんて言う者に限って、そのバックには他の宗教団体がついていたりするものです。
棚野 あえて確認しておくが、憲法第20条には次のようにある。
 「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」
 この意味は、国民の「信教の自由」を保障するため、国が宗教的中立性を保ち、特定の宗教に特権を与えてはならないということだ。
熊沢 すなわち、宗教団体や宗教者の政治活動を制限するという意味ではまったくありませんね。
 「政」とは「政治」や「政党」のことではなく、「国家」のことです。
佐藤 英語でも「政教分離」は、「セパレーション・オブ・チャーチ・アンド・ステート(=教会と国家の分離)」と表現されます。
棚野 宗教者の政治活動を制限するなら、それこそ憲法が謳った「法の下の平等」「表現の自由」「言論の自由」に反する。憲法違反だ。
 宗教者の政党支援は、憲法で保障された権利だ。
杉本 世界の碩学も同じ考えを表明されています。
 アメリカの名門タフツ大学のハンター名誉教授は語っておられます。
 「宗教の政治へのかかわりに遠慮が必要などと考えるのは、まったくバカげています」と。
正木 宗教学者の山折哲雄氏も近著で、高校生に対し、明快に答えておられる。
 「宗教的な信念というものと、政治活動というものは、やはりどこかで内面的に関わりがあるんですね。むしろ、本来結びついていたものだとさえ僕は思っている」
 そして、学会の公明党支援についても、そこから学べることがある≠ニ述べられている(『17歳からの死生観 高校生との問答集』毎日新聞社)。
原田 選挙は国民の権利であり、義務とも言える。
 よりよき社会の建設へ、我々も大いに対話し、行動していこう!

(2010. 5.31. 聖教新聞)

 

 

<7> 太陽の婦人部 女子部が躍動
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

杉本 今月6日は、創立の父・牧口常三郎先生の生誕の日です。
 1871年(明治4年)生まれですから、今年は生誕139年となります。
正木 軍国主義と戦い、立正安国の信念を貫き通して殉教された初代会長である。
 学会創立80周年の今日、世界192カ国・地域に広がる創価の大発展を、どれほど喜んでおられるか。
原田 牧口先生は青年に対し、「勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)したまえ! 仏法は実行だよ。精進だよ。老齢にはなったが、私も実践しています」と師子吼(ししく)された。口先ではない。学会は幹部率先の行動あるのみだ。
佐藤 また、「大善人になるには、強くならねばならぬ。決然と悪に対峙する山のごとき強さが、個人も社会も明朗にする」とも語られていました。
 私たち青年は社会のために、正義の声を恐れなく上げていきます。
棚野 立正安国の大闘争を貫かれた牧口先生、そして創価三代の師弟に続き、いま青年部は対話の大波を力強く広げています。
原田 「一生(いっしょう)(むな)しく(すご)して万歳(ばんさい)()ゆること(なか)れ」(御書970n)だ。
 今年は創立80周年、池田先生の第3代会長就任50周年という千載一遇の年である。
 いま戦わずして、いつ戦うのか。その決意で一日一日、勝利の歴史を刻んでいこう。

21世紀の希望の光

佐藤 6月は学会の記念日がたくさんあります。その一つ一つを重要な節目として進んでいきたい。
棚野 7日は「高等部結成記念日」です。次代を担う宝の未来部を、家庭でも地域でも大いに励ましていきたいですね。
正木 慈愛をもって未来部を激励される未来部育成部長、21世紀使命会等の皆さんに、心から感謝いたします。
杉本 4日は「世界池田華陽会(かようかい)の日」ですね。
熊沢 昨年、池田先生・奥様が信濃町の創価女子会館を訪問してくださった日です。
 この4日から、7・19「女子部結成記念日」を目指し、池田華陽会は「太陽の心♀g大勝利」期間として前進していきます!
原田 女子部の凛々しい姿を見て、新しい決意に立ち上がる方も多い。
 まさに「女子(おなご)(もん)をひらく」(同1566n)だ。
熊沢 海外でも続々と池田華陽会が結成されています。池田華陽会歌「華陽の誓い」は、日本語、英語、中国語、インドネシア語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語で歌われています。
正木 心美しき華陽のスクラムは、地球大のスケールですね。皆さんの活躍に心から喝采を贈りたい(大拍手)。
棚野 また10日は「婦人部の日」です。1951年(昭和26年)、戸田先生が婦人部を結成されたのが淵源(えんげん)です。
原田 男女青年部よりも壮年部よりも早く、戸田先生は婦人部をつくられた。池田先生が一貫して提唱されてきた「女性の世紀」の先頭を走るのが婦人部の皆様です。
杉本 ありがとうございます。私たちも「太陽の婦人部! 勇気・勝利月間」で、誰よりも祈りに祈り、語りに語り、先生・奥様とともに勝利の道を邁進(まいしん)します!
熊沢 聖教新聞に掲載された「随筆 我らの勝利の大道」<偉大なる母に幸あれ!>には感動が広がりました。
佐藤 紙面に掲載された「母桜」の書も反響が大きかった。ある婦人は、こう語っておられました。
 「いろいろと悩んでいたところ、『母桜』の書が目に飛び込んできました。なんとやさしく力強い、何ものをも包みこむような温かい字でしょうか。先生・奥様とともに戦える福運をかみしめ、完勝を目指して私も母桜を咲かせていきます!」
正木 こうした婦人部の皆さんの志が本当に尊い。
 先生と対談されたロシアの宇宙飛行士・セレブロフ博士は「創価の女性には、他の人々や次の世代のために貢献していこうとする、聡明で献身的な息吹が漲っていました。ここに21世紀を、よりよき世紀とする希望の光があります」と讃えておられた。
 世界の識者も心から期待し、賞讃されています。
原田 先生は随筆でこう綴られました。
 「真剣なる唱題で、『師子王(ししおう)(ごと)くなる心』を涌現させながら、信念の対話に打って出る女性ほど、尊貴(そんき)にして強靭なる存在はない。そこに、『広宣流布』の拡大も、『立正安国』の勝利も開かれてきたのだ」と。
 創価の女性の前進に最敬礼し、各部が団結して師弟勝利へ突き進んでいきたい。

根なし草は枯れる

棚野 さて今年に入り、民主、自民の二大政党に失望した民意の受け皿になろうと、新党が次々と誕生しました。
正木 しかし、こうした政治不信の中だからこそ、公明党に期待する声は多い。
 政治評論家の森田実氏は、公明党が「平和の党であり、福祉の党であり、環境重視の党でもある。絶対に政治腐敗を許さない党でもある」とし、「第三勢力として最もふさわしいのではないでしょうか」と評価しています(「第三文明」7月号)。
佐藤 北海道大学大学院の山口二郎教授も「一連の新党には、ともかく根っこが何もないのです」「たしかな根っこをもっているという意味では、公明党のような政党にこそ存在意義があります」と述べている。
棚野 山口教授は「真新しさに引かれて新党を選んだところで、幻滅に終わるだけだ」とも語っています(同)。
原田 公明党は地方から国会まで3000人を超える議員のうち、3割の約900人が女性議員であり、素晴らしい実績を積み重ねてきた。
正木 静岡出身の作家・木下杢太郎(もくたろう)は「根なし草は枯れる」と喝破した。
 公明党は、女性の大地に、確かな根を張っていることが強みだ。
熊沢 そうです。
 最近では子宮頸がんのワクチンの承認を推進しました。ワクチン接種の公費助成も、各地域の公明党議員が先頭に立って進めています。
杉本 女性特有のがん検診の無料クーポン事業にも取り組んできました。
 公明党の主張により、全額国庫負担で無料クーポンの配布が実現し、検診率の向上に大きな効果を挙げました。「公明党のおかげで、がんが早期発見できた」との感謝の声がよく聞かれます。
棚野 だが今年度予算で、この事業費は約3分の1に減額された。自治体の負担が必要となり、継続を断念するところも出てきてしまった。
佐藤 ひどい話だ。ここでも言うこととやることが違う。「命を守りたい」と首相自ら言っていたじゃないか!
正木 そこで公明党の地方議員が事業継続のために尽力した。調査では、何らかの形で事業を継続させる自治体が96.7%にものぼるそうだ。

現場の声を政策に

原田 本来、大政党がこうしたことに、スピーディーに取り組むべきだ。だが現実は庶民の声に応えていない。
 その現場の声を公明党が拾い上げ、大事にしてきた。そして政策に反映してきた。これこそあるべき政治の姿だ。
杉本 本当にそうです。
 「高齢社会をよくする女性の会」の樋口恵子理事長は語っておられました。
 「女性の参加が少ない場で議論して具体的な政策を決めると、きめ細かな点が抜け落ちてしまうことがあります。また、世界を見渡すと、女性議員が増えた国では汚職などの政治腐敗が減り、特に先進国では女性の社会・政治進出が進んでいる国ほど社会保障が充実しているという傾向があります」
熊沢 さらに公明党に多くの女性議員がいることを、「『清潔政治』『福祉』を掲げる公明党らしい特長」と評価しておられましたね。
正木 女性議員の活躍は本当に頼もしい。政治が身近になる。これからも公明党は、女性の活躍で、庶民のための政策を実現してほしい。

(2010. 6. 3. 聖教新聞)

 

 

<8> 弟子が全責任を担い戦う時
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

佐藤 池田門下の総決起の全国青年部幹部会・本部幹部会が盛大に行われました。
原田 池田先生は長文のメッセージを寄せてくださり、前日もこう語られた。
 「皆が、創価学会のすべての責任を担って戦う時が来ているのである。学会の将来にとって、今が一番大事な時である」
 「私を頼るのではなく、君たちが全責任をもって、やる時代である。私は、これからも君たちを見守っているから、安心して、総力を挙げて広宣流布を推進しなさい」
 なんと深い師匠の慈愛か。師匠の恩に応えるのが弟子ならば、その報恩の実証は「完勝」の二字以外にない!
正木 「開目抄(かいもくしょう)」の一節(いっせつ)が思い浮かびます。
 「(われ)(なら)びに()が弟子・諸難(しょなん)ありとも(うたが)う心なくば自然(じねん)仏界(ぶっかい)にいたるべし、天の加護(かご)なき事を疑はざれ現世(げんせ)安穏(あんのん)ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕(ちょうせき)(おし)えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたなき者のならひは約束(やくそく)せし事を・まことの時はわするるなるべし」(御書234n)
 何があろうとも、先生の連日のご指導通りに戦い、勝つのが弟子だ。その「まことの時」こそ今である。
杉本 本部幹部会は全国婦人部幹部会として開催されました。先生はメッセージで「偉大な創価の母たちに、私も妻も心からの祝福と感謝を捧げたい」と綴られましたが、感謝申し上げるのは私たちです。
 報恩感謝の心を広布前進の力にかえて、力強く祈り、朗らかに語り抜きます!
佐藤 われわれ青年部も、断固たる決意で戦いたい。
 「今まで生きて()りつるは()の事にあはん(ため)なりけり」(同1451n)です。
棚野 偉大な師匠のもとに生まれ合わせた(えにし)を自覚し、正義を師子吼(ししく)していきたい。
熊沢 先生は現在連載中の小説『新・人間革命』「敢闘」の章でも、女子部を激励してくださいました。幾重にも友情と信頼を広げ、「華陽(かよう)の誓い」を果たします!

学会は「御書根本」

正木 今回のメッセージで先生は、勝利の要諦(ようてい)として3点を挙げられた。
杉本 「強盛(ごうじょう)なる祈りで勝て!」「異体同心(いたいどうしん)の団結で勝て!」「勇気と執念の行動で勝て!」ですね。
原田 「断じて勝つ」との深い祈りがあるか。勝利に向けて皆が心一つに団結しているか。貴重な一日一日を悔いなく行動できているか――日々、確認していきたい。
熊沢 先生は、その要諦の一つ一つを、御聖訓(ごせいくん)を拝しながら述べてくださいました。
正木 学会は「御書根本」だから勝利してきた。日蓮大聖人の御聖訓を拝し、実践してきたから、いかなる困難も乗り越えることができた。
杉本 教学を基盤にした広布拡大は、学会の伝統です。
 1956年(昭和31年)の「大阪の戦い」も、先生の早朝講義が勝利の(かて)でした。
佐藤 「御書と青年」<御書根本の常勝>でも触れてくださいました。
 「『不可能を可能』にできるのが信心です。強盛な祈りです。題目です。皆の心に、その大確信を燃え上がらせたかったのです」と。そのために御書を通し、信心の偉大な功力(くりき)を伝えられたのです。
棚野 先生の講義を受けた方が、こう語っていました。
 「先生の講義は、自然と勇気がわきました。『よし、頑張るぞ!』と決意ができ、勝手に体が動く感じでした」
正木 参加者は地元に帰ると、すぐ皆に内容を伝え、一日の活力としていたそうだ。先生の大確信が関西中に伝わり、「まさか≠ェ実現」の原動力となったのです。
棚野 先生は「御書と青年」で語っておられました。
 「何としても、皆を奮い立たせ、勝たせたい。この強き一念で御書を拝し、率先して祈り、行動していく中で、『随縁真如(ずいえんしんにょ)()』が滾々(こんこん)と湧き出てくるのです」
原田 いつの時代も信心の戦いは同じだ。私たちも御書根本、師弟直結で戦おう!

表紙¢ヨえただけ

佐藤 先日、鳩山政権が崩壊しました。政権交代への国民の期待を完全に裏切り、8カ月余で幕を閉じました。
熊沢 現在の憲法のもとでは6番目の短命政権です。
 「何物をも生まず、政治への失望と不信だけを残した」(日本経済新聞6月3日付)、「無責任な政権投げ出し」(朝日新聞同日付)など、各紙とも厳しい論調でした。
杉本 「絶望感でいっぱい」など、国民の怒りの声はやみません。
棚野 何より辞任表明の際の、「国民の皆さんが徐々に徐々に聞く耳を持たなくなってきてしまった」という発言には、本当にあきれた。
原田 まったくだ。「国民がほとんど耳を貸さなくなったのは、首相自らが招いた結果」「これだけ言行不一致を重ねれば、国民が首相の言葉を信じなくなるのは当たり前」(読売新聞同日付)と書かれていた通りだ。
正木 「国民に聞いてもらう」のではなく、「国民の声を聴く」姿こそ、政治家に必要じゃないか!
 それが国民不在の政治で混迷を招いた元凶だ。
佐藤 「政治とカネ」の問題も、辞任で解決するわけではない。なにせ説明責任をまったく果たしていない。「クリーンな党」というのなら、数々の疑惑について具体的に国民に説明するのが筋だ。
棚野 トップが辞めただけで「クリーンな党」だなんて、まったくのすり替えだ。
 「再出発をアピールしても……疑問が解消されたわけではない」(日本経済新聞6月9日付)、「クリーンな政治も口先だけとみなされよう」(産経新聞同日付)と指摘されている。
正木 この姿勢を改めない限り、いくら表紙≠替えても中身は変わらない。新しい内閣も、11人の閣僚は鳩山政権からの再任だ。
熊沢 マスコミもお見通しです。「首をすげ替えても問題の本質は何も変わらない」(産経新聞6月3日付)などと言われています。
佐藤 政治アナリストの伊藤惇夫氏は「選挙目当ての辞任劇であることは国民の目にも明らか」と述べていた(朝日新聞6月2日付夕刊)。
 われわれは賢明にならなければいけない。戸田先生の「青年よ、心して政治を監視せよ」との言葉が、いよいよ重みを増してきました。
原田 今こそ国民の声を聴き、国民のために動き、国民のための政策を実現する政党が必要だ。「大衆とともに」を立党精神とする公明党の出番だ。政界の浄化、信頼回復の先頭に立ってもらいたい。

(2010. 6.10. 聖教新聞)

 

 

<9> 公明党の打った景気策が効果発揮
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

熊沢 お隣・中国の名門大学から池田先生への顕彰が相次いでいますね!
棚野 この5月以降、清華(せいか)大学をはじめ、北京(ペキン)城市(じょうし)学院、寧波(ねいは)大学、浙江(せっこう)海洋(かいよう)学院の「名誉教授」称号が授与されました。
杉本 すでに名誉教授称号を授章された大連(だいれん)工業大学からは「国際教育貢献賞」が贈られました。池田先生に対する中国教育界の信頼は、何と大きく深いのでしょう!
正木 清華大学の顧秉林(こへいりん)学長は「私たちが特に忘れてはならないのは、池田先生が中日友好のために絶大な貢献をなされたこと」とおっしゃった。中国の最高学府の学長が「特に忘れてはならない」と強調されていたところに、深い深い敬意が表れています。
佐藤 浙江海洋学院の宋富軍(そうふぐん)副学長は、池田先生こそ「中日友好の『大使者』」「学問を学び尽くした『大学者』」「深く豊富な知恵を備えた『大先輩』」と讃えておられました。
原田 中国では、「池田先生に学べ!」との思いで、先生の哲学を研究する機関・団体を設立した大学が約20もある。すごい時代だ。
杉本 両国関係がいかに困難であろうと、先生が一貫して友好の先頭に立って行動されたからです。国家指導者も青年も庶民も分け隔てなく大事にし、友情を結んでこられたことが、揺るぎない信頼となって花開いています。
正木 先生の振る舞いから学ぶことは数限りない。
 私たちも先生の弟子らしく、どこまでも誠実一路で友と語り合おう!
原田 戦いはこれからだ。「いよいよ強盛(ごうじょう)信力(しんりき)をいたし(たま)へ」(御書1143n)との御金言(ごきんげん)(ごと)く、強き祈りで自身の壁を打ち破ろう!

個人消費を下支え

棚野 最近の世論調査で、参院選で最も重視したい争点として、「景気や雇用」がトップに挙がっていました。
杉本 とにかく私たち主婦の生活感としては、まだまだ不景気は続いています。公明党には、ますます頑張ってもらいたいです。
熊沢 先日、内閣府の研究会が、景気の後退が止まった時点、いわゆる「景気の谷」が昨年3月だったと判定しました。これも公明党の政策が功を奏しましたね。
佐藤 その通りです! 2009年春ごろには「個人消費にも持ち直しの動きが見られるようになった」とし、その要因の一つに「エコポイントなどの経済対策」を挙げていました。これは公明党の実績です。
正木 2008年9月のリーマンショックが日本にも影響を及ぼし、景気は急速に悪化。そうしたなか公明党が強力に推進、実現した対策の一つが「エコポイント」です。
原田 省エネ家電を購入した人にポイントを還元する制度で、家電量販店の売上高が大幅に伸びたと話題になっていた。多くの批判をくつがえし、波及効果は大きかった。
杉本 環境にいい製品をお得に買える――消費者の心を動かす制度です。
正木 「エコカー減税・補助金」もそうです。ハイブリッドカー等の次世代自動車や、排出ガスと燃費の基準をクリアした環境性能に優れた車の購入で、減税され、補助金も支給されます。
棚野 最近の新車販売でも、ハイブリッドカーが常にトップですね。
佐藤 その追い風を受けて、2009年度の軽自動車を除いた新車販売台数は、前年度に比べて10%増。台数の増加は7年ぶり、二けた増は20年ぶり。減税・補助金の効果が表れています。
原田 エコポイントもエコカー減税・補助金も、「環境保護」と「景気回復」の両方に効果がある。社会の現状にマッチした、大変に重要な政策だ。これらの制度を推進し、冷えていた個人消費を事実の上で下支えしたのが公明党です。
杉本 環境にも配慮しながら景気を回復させるという発想が、公明党らしくて、画期的です!

倒産防止にも全力

正木 公明党の実績には、中小企業の倒産防止もあります。中小企業の資金繰り支援のため、信用保証協会が100%債務保証する「緊急保証制度」を創設。多くの企業が倒産危機を乗り越えました。
 2009年には、企業の倒産件数が4年ぶりに減少しています。
佐藤 また雇用面では、「高年齢者雇用安定法」も改正しました。高年齢者の雇用機会の確保のため、事業主に継続雇用、定年延長、定年廃止のいずれかの導入を義務化しました。大きな効果をもたらしています。
原田 一方で政権交代後の政策はどうだったか。
 「(民主政権下の)8カ月間には、日本経済の活性化や基盤強化のための政策がほとんど何も示されていない」(産経新聞6月3日付)、「経済成長に対する認識が甘く、対策も後手」(朝日新聞同日付)という企業関係者の不満も紹介されていた。
杉本 「言うは(やす)く行うは(かた)し」です。「言うこと」より「やったこと」の方が大切です。各党がどのような手を打ってきたのか、具体的に見極める必要があります。
正木 公明党の景気・雇用策は実際に効果が出ている。財源を明確にせず、バラ色の公約を並べ、公約違反を繰り返す党とは訳が違う。
熊沢 いま日本経済は持ち直しの動きを見せていますが、それも「景気を上向かせた政策効果の多くは自公政権によるもの」(日本経済新聞6月3日付)と分析されていました。
棚野 公明党は5月、「早期のデフレ脱却」「福祉による経済成長」を柱とする景気対策・経済成長戦略を発表した。3年をめどに実質2%程度、名目3〜4%程度の経済成長の達成を掲げている。
佐藤 たとえばアジアの新興国などの成長を取り込み、新幹線などシステムとしてのインフラ(社会資本)の輸出、中小企業の海外販路の拡大を支援。高い需要が予想される医療、介護分野での雇用拡大などを挙げています。
熊沢 また雇用問題では、雇用保険が受けられない人に職業訓練中の生活費を給付する「訓練・生活支援給付金制度」の恒久化など、第2のセーフティーネット(安全網)の強化を主張しています。
原田 景気・雇用は国民生活に直結する。責任ある政党として公明党には、今後も着実に実力を発揮し、政策を遂行してほしい。

(2010. 6.14. 聖教新聞)

 

 

<10> 対話の力が社会を変える
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

正木 「創価完勝」を目指し、全国の同志が団結して進んでいる。とくに広布第一線の「地区」が元気だ。
熊沢 「随筆 我らの勝利の大道(だいどう)」<「地区」こそ創価家族の広布城>で、池田先生は綴ってくださいました。
 「地区が意気軒昂(いきけんこう)で、師弟の精神が脈動していくならば、必ず正義の拡大の波動は大きく広がる」
杉本 また「地区部長、地区婦人部長こそ、同志の幸福責任者であり、広布の勝利責任者だ」と記してくださっています。先生の万感のご期待に呼応し、地区部長、地区婦人部長が広布のために全力で走っておられます。
原田 「完勝」の焦点は地区だ。最高幹部を先頭に全員が徹して地区に入り、一人一人を励ましていくことだ。

現場の声を政策に

佐藤 いま地方選挙で公明党が大健闘している。2005年11月から55カ月連続で勝利した。議会定数の削減が進められているなか、一騎当千の素晴らしい勢いがある。
杉本 公明党の強みは、「チーム3000」と呼ばれるネットワーク力です。地方から国会まで全国3000人を超える議員がいます。
原田 皆が地域に根を張り、庶民の悩みや願いを吸い上げている。地道に積み重ねてきた市民相談は、なんと3900万件。本当に頑張っている。議員数が日本一なら、市民生活とのかかわりの深さも日本一だ。
熊沢 さらに女性議員が3割の約900人もいることが際立っています。最近の新党は、もっぱら男性の国会議員ばかりです。国民の生活に即した政策を進められるか、疑問視する声もあります。
棚野 もと東京都副知事である明治大学大学院の青山?(やすし)教授は公明党を讃えています。
 「現場から上がった市民の声をもとに政策を作るから、非常に説得力がある」
 「行政でさえなかなか調査が行き届かないところへ分け入り、常時彼らと接触し、さらにネットワークを組んで普遍的な政策にする。そういう仕組みを公明党は築き上げてきた。これは他の政党にはまったくない公明党だけの能力」(「潮」7月号)
原田 命を守る政治は、国会だけではできない。地方だけでもできない。この「声の届く政治」は、ネットワークをもつ公明党の真骨頂だ。
正木 また「クリーンな政治」にも全力です。
熊沢 「政治資金規正法」の改正、「あっせん利得処罰法」「官製談合防止法」の制定など、自民党と与党を組んだ時代にも推進しました。
佐藤 一方、政権交代が起きても相次ぐ不祥事で、政治への信頼は地に落ちた。トップが代わろうとも説明を避け続ける姿は、まったく反省していない証拠だ。
杉本 その通りです。トップが辞めたことで幕引きを図っており、「(辞任で)『一定のけじめ』をつけたと語ったが、一般国民の認識とは乖離(かいり)がある」(読売新聞6月9日付)と言われています。
熊沢 公明党は協議機関の設置を呼びかけ、企業・団体献金の全面禁止、議員の監督責任強化を訴え続けていますが、民主党、自民党は具体的に進めようとしません。
棚野 しかも新政権の発足早々、また「政治とカネ」の問題が浮上。総理側近とされる閣僚の事務所費の疑惑が取りざたされている。「どうなっているんだ!」と国民の怒りが高まっている。
正木 国会での論戦も、たった2日間で終わらせた新政権の対応は「『政治とカネ』をめぐる説明責任を何ら果たそうとしないことも国民を愚弄している」(産経新聞6月15日付)と指摘されている。
佐藤 同志社女子大学の大嶽秀夫教授は「『政治とカネ』の問題について、一貫して清潔だった政党は公明党しかない。この問題を全面に訴えることは、民主党にも自民党にもできない」と断言されました(「潮」7月号)。
原田 そしていま公明党は「新しい福祉」を打ち出した。社会が直面する新たな課題への対応をまとめた、公明党らしい視点の政策だ。
熊沢 そうです。250万人とも推定される「うつ病」や、年々、増加している「児童虐待」、被害が深刻さを増す「DV(ドメスティックバイオレンス)」、小・中学校で12万人を超える「不登校」、そして増え続ける「孤独死」と向き合うものです。
正木 どれも極めて根深い問題だ。真っ正面から切り込む政党はほかにはない。
佐藤 自殺者が年間3万人を超える時代です。その大きな原因の一つが「うつ病」である。公明党は2008年、他党に先んじて、ワーキングチームを設置した。
棚野 そして薬物療法と精神療法を併用する「認知行動療法」の普及などを柱とする総合うつ対策を政府に要請。今年4月、この療法の健康保険適用が実現しました。

堂々と正義を語れ

佐藤 今年2月には「新・介護公明ビジョン」を発表。全国の議員が実態調査を行い、約10万件にのぼる現場の声を聞き取り、介護政策をまとめたものです。
棚野 特別養護老人ホームなど施設の倍増、24時間365日利用できる在宅支援の強化、介護分野で働く人材の確保を提言しています。
熊沢 評論家の樋口恵子さんは「地域に根ざした政党だからできたことですし、これまで地域の福祉、介護、子育てなどに力を入れてきた公明党が、地方議員を総動員して介護総点検をしたことは、大きな意味がある」と述べておられます(「潮」7月号)。
杉本 「高齢社会」を「幸齢社会」に≠ニ語る公明党に、大きな期待が寄せられています。
原田 かつて大政党が「福祉は票にならない」と言って取り組まなかった時代、「大衆福祉の公明党」を掲げて政界に躍り出た。義務教育の教科書無償配布、イタイイタイ病の公害病認定を筆頭に、光の当たらない庶民の実生活に注目し、一人の声から政治を変えてきた歴史がある。
佐藤 作家の童門冬二氏も「公明党には、一人一人を大切にするという考え方と、地域に密着したネットワークを生かしながら、多くの国民の信頼を得て活躍してほしい」と語っておられました(公明グラフ臨時増刊号)。
正木 人間と社会を変える根本の力は「対話」である。「(ただ)()(しん)ずるのみに(あら)(また)他の(あやま)りをも(いまし)めんのみ」(御書33n)が、「立正安国論(りっしょうあんこくろん)」の結びの一節だ。
 堂々と正義を語ることだ。動きに動き、しゃべりにしゃべり、圧倒的な勢いで対話拡大に打って出よう!

(2010. 6.17. 聖教新聞)