< 座談会 >

師弟の大道を歩む

新しい力で時代を開け!

 

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知性と人格の力で社会に飛翔
使命の場所で勝利の旗を!
わが地域に人間主義の哲学を
世界が創価の哲学を求める時代
女性の力で社会は豊かに!
わが地域で友好拡大の行動を
各家庭で信心継承の語らいを
親子で成長する有意義な夏を
学会は「信心の団結」で前進!
対話の基本は「聞く」こと

 

 

 

<41> 知性と人格の力で社会に飛翔
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、西方学生部長、栗原女子学生部長

原田 このたびの台風、大雨により被害に遭われた地域の皆さまに、心からお見舞い申し上げます。
杉本 学生部は、今月30日の「結成記念日」で55周年ですね。
西方 男子学生部では、55周年の佳節かせつを目指し、陣列拡大に力を入れてきました。全国で各部の皆さまに協力していただき、大幅な部員増加ができました。
栗原 女子学生部では「勝利の青春 実践項目」を掲げ、「一、幸福勝利のリズム! 『勤行・唱題』の実践」「一、友に希望を! 『若き友情100人』の拡大」「一、友を幸福に! 『歓喜かんき折伏しゃくぶく』に勝利」「一、後継こうけいの弟子の道! 『新・人間革命』の熟読」の取り組みに、(ほが)らかに挑戦しています。
正木 将来に飛躍するための大切な土台を築く学生時代です。ともすれば世間の流行に目を奪われがちですが、この時に学び抜き、自身を鍛え抜いたことが、(みずか)らの力となります。
原田 大学や専門学校で学業に励むことが、学生の本分です。勉学第一のうえで勇んで学会活動も行い、友のために行動するのは、本当に尊いことです。

「学会の生命線」

棚野 1957年(昭和32年)、学生部結成の時に学会を取り巻いていた環境が、学生部の永遠の使命を物語っています。
西方 広布拡大に前進していた学会を弾圧する二つの事件――夕張炭労事件と大阪事件が起きました。
 いずれも、庶民の幸福を願い、学会が連帯を広げていたことに対し、既成きせいの権力が脅威を感じて学会を攻撃してきたものです。永遠に民衆の(がわ)に立ち、庶民を守る――これが学生部の揺るぎない使命です。
棚野 当時、青年部の室長だった池田先生が最前線で学会の同志を守ってくださいました。そのなか、東京での学生部結成大会に夕張から電報を打ち、祝福してくださったのです。
栗原 池田先生はかつて、語っておられました。
 「学生部は学会の生命線であり、学生部が成功するならば創価学会は大きく広宣流布の軌道にのる……もしだめなら、学会のみならず、いじめられっぱなしの無名の民衆は永遠にしいたげられたままであろう。――いわば創価学会がその前途を、また民衆幸福の前途を学生部に託したんだ。だから、僕はなんとしても成功させたい、発展させたい、そう祈るような気持ちで電報を打ったんだ」
原田 庶民の汗と労苦で築かれた学会が、社会の第一線で活躍するリーダーを育成するために作ったのが学生部です。ゆえに「学会の生命線」なのです。
正木 当時、大学で学ぶのは、今よりも少ない限られた人≠ナした。その一握りの人たちが社会の指導者層を担います。一方、世間では、いくら立派な大学を出て名誉ある地位についたとしても、庶民の心や苦労が分からず、自分の保身に走ったり、中には不正を行い社会に多大な迷惑を掛けたりする人もいます。
杉本 池田先生が「大学は大学に行けなかった人のためにある」と言われた通り、いつの世も庶民のために働く指導者が求められています。妙法をたもった青年が、庶民のために尽くすリーダーとして、あらゆる分野で活躍する。そうした人材になりゆく学生部の存在は、全同志の希望です。
西方 社会に有為(ゆうい)な人材、広布一筋(ひとすじ)の力あるリーダーに成長していきます。

負けない心≠ナ

栗原 自分の使命の舞台で活躍しているメンバーが全国にたくさんいます。
 音楽大学に通う東京・文京総区の女子学生部メンバーは本年、「ショパン国際ピアノコンクール in ASIA」の大学生部門で上位入賞を果たしました。入学以来、演奏技術を磨くとともに、対話を重ねて友人へ弘教。友人は池田華陽会5期生となりました。東日本大震災で福島県いわき市の実家が被災しましたが、被災地の方々のためにも負けない心≠ナ進もうと決心。音楽で多くの人に喜びを与えられるようにと頑張っています。
西方 福岡・博多県のある男子学生部員は、博士課程で乳酸菌が作る抗菌性のペプチド(低分子タンパク質)を研究し、毎年、海外で成果を発表しています。海外留学もするなかで、彼の研究するペプチドに特定のウイルスの増殖を抑制する効果が判明。学術機関から奨学金をもらえることになり、より充実した環境で研究できるようになりました。毎晩、学会活動の後で研究に励み、人命を守る研究者にと誓っています。
棚野 依然、就職難が続いていますが、学業で(つちか)った知性と、学会活動で養われた人格の力で、難関を突破する学生部員がいます。
栗原 佐賀・鳥栖先駆県の女子学生部員は、就活でなかなか結果が出ませんでしたが、信心根本に挑戦し抜き、大手靴メーカーの入社試験に合格しました。そのひたむきな姿が大学関係者の目にとまり、学内の就職支援課で後輩たちのアドバイザーを任されるようになりました。
西方 東京・北総区のある男子学生部員は、母親と姉に続き、4年前に入会。純真に学会活動に励み、仏法対話にも挑戦して友人の入会が決まりました。就職活動では高倍率のなかで航空関係の企業の試験に合格しました。
杉本 信心の素晴らしい実証(じっしょう)ですね。学生部の方々の活躍は、同志の皆さんの大きな喜びとなります。
栗原 池田先生は女子学生部に、福運(ふくうん)智慧(ちえ)の豊かなリーダーへの成長を期待されています。そのために全員が(てっ)して「行学(ぎょうがく)二道(にどう)」(御書1361n)に励んでいきます。
西方 学生部の55年は、先生が直々(じきじき)薫陶(くんとう)してくださった歴史です。「先生と自分」という師匠直結の心で、社会の変革のために、ただただ学び、戦い、力をつけていきます!
原田 「先駆」の使命を担う学生部員は、大切な精鋭です。同志の皆さんで大成長をしっかりと祈り、応援していきましょう。

(2012. 6.25. 聖教新聞)

 

 

<42> 使命の場所で勝利の旗を!
出席者:原田会長、正木理事長、清水信越長、杉本婦人部長、日比信越青年部長、吉井女子部長

日比 さあ、間もなく「師弟の月」「青年の月」7月です。梅雨空を吹き飛ばす勢いで、張りきって友好拡大に進んでいきたい。
杉本 7月は男子部と女子部の結成記念日、白蓮(びゃくれん)グループや鼓笛隊の日などがあり、戸田城聖第2代会長と池田先生が、青年に渾身(こんしん)の激励を贈ってくださった記念日が重なります。
正木 牧口常三郎初代会長と共に軍部政府と対峙(たいじ)して戦時中の悪法で捕らえられた戸田会長が出獄(しゅつごく)し、また池田先生が無実にもかかわらず不当逮捕された「7・3」。拘置所を出た池田先生が大阪大会で最後は、信心しきったものが、また、正しい仏法が、必ず勝つ≠ニ師子吼(ししく)された「7・17」。ともに重大な意義をもつ創価の師弟原点の日です。
清水 今年は、その裁判の無罪判決から50年。池田先生は戸田先生を守り、学会と同志を守るため、一身(いっしん)に難を受け、道なき道を切り開いてくださいました。今日(こんにち)の世界192カ国・地域に広がる学会の姿を、誰が想像したでしょうか。
原田 「師弟」といっても弟子で決まります。学会の大発展は、師の教え通りに戦い、一人一人を励ますなかで広布を拡大し、師の構想を具体的に実現した弟子の勝利の(あか)しです。
清水 日蓮大聖人は「(そう)じて日蓮が弟子と()って法華経(ほけきょう)修行(しゅぎょう)せん人人は日蓮が(ごと)くにし(そうら)へ」(御書989n)と(おお)せです。弟子に「日蓮が如く」と呼びかけ、(みずか)妙法(みょうほう)流布(るふ)の先頭に立たれました。師弟が同じ心で進むなかに、拡大の突破口があります。
吉井 池田先生は、若き日からの闘争を、こう振り返っておられます。
 「(戸田)先生ならどうされるか≠ニ、心で師弟の対話をしながら、壮大な構想を練り、祈りに祈り、戦いを起こした。誓いを忘れず、自分の使命の場所で、師弟の勝利の旗を掲げ抜いてこそ、真の弟子であるからだ」と。
清水 私たちも毎日、聖教新聞の小説『新・人間革命』や各連載などを読み、師匠の指導を学んでいます。師を求める心と広布拡大の情熱がある人は、成長の日々を送れます。
日比 多宝会の皆さんは、「大変なときもあったけど、池田先生と一緒に頑張ってきて本当によかった」と語られます。
杉本 師匠にお応えしようと祈るなかで勇気と智慧(ちえ)が湧きます。「今日は充実した一日だった。明日も頑張ろう」と思える毎日を過ごしていきたいですね。

新会員が意気盛ん

日比 池田先生の「信越から青年革命を」との呼び掛けに、多くのメンバーが立ち上がっています。とくに、意気盛んな新会員の活躍が光っています。
 長野・駒ヶ根圏の男子部ニュー・リーダーは昨年、入会しました。入会前、男子部員である同級生やまわりの男子部メンバーの温かな振る舞いに接して、信心で自身の経済苦を乗り越えようと決意。「創価青年大会」に向けた練習と唱題を重ねるなかで確信をつかみ入会しました。長野では「創価信濃大学校」というグループで先生の小説『新・人間革命』を研鑚(けんさん)していますが、彼もそこで「師弟の精神」を学び、率先して友好拡大を進めています。そして願い通りの就職も勝ち取ることができました。
吉井 新潟・南圏の女子部ヤング・リーダーは1年半前に入会しました。先に入会したお母さんと弟が明るく変わる姿にひかれて学会の会合に参加。さらに会友として弟と共に教学部任用試験の受験を志すと、女子部の方が毎週、丁寧に教えてくれました。いつも元気な笑顔に触れ、その女子部の方のようになりたいと思い入会。学会活動に励むと、職場の上司や同僚から「明るくなったね」と言われるようになりました。
 さらに職場の推薦で中国への交流に派遣され、また、大学院に通わせてもらえるなど、責任ある立場を任されるようになりました。「自身を変え、環境も変える素晴らしい仏法に出あえて感謝しています」と語っています。

麗しい同志の連帯

原田 いま婦女(ふじょ)一体≠竍壮男(そうだん)一体≠ネど、壮年・婦人部が男子部、女子部、学生部と一緒に活動する取り組みが定着してきました。そこで大切なのは「あくまで青年部の主体性を生かす」という点です。
正木 大事な視点ですね。若い人と関わると、先輩はどうしても「われわれが男子部の時はこうだった」とか、「昔はこのようにやっていた」などと言ってしまいがちです。壮年・婦人が青年部時代に戦っていた思いや精神性を伝えるのは重要なことです。しかし、昔の考え方や形式まで押しつけてはいけません。時代は変わっています。
杉本 そうですね。創価青年学会の主役は青年部です。青年の無限の力をどう引き出し、生かしていくかを考え、祈り、励ましていくのが私たちの使命です。そして自分たちも青年の息吹(いぶき)で進んでいくことです。
清水 池田先生は、こう指導されています。
 「(学会の)大発展の力こそ、『青年が大事だ』『青年を大切にしよう』との戸田先生の一念であった。先輩の幹部は、青年を叱り飛ばしたり、アゴで使うようなことがあってはならない。もちろん、青年には訓練が必要である。しかし、何よりも、学会のため、地域のため、日本の平和、世界の平和のために働いてもらいたい。大きく伸びてもらいたい=\―そういう祈りをもって青年を育てていくことだ。慈愛じあいの心で、温かく励ましていくことだ」と。
原田 青年が伸び伸びと活動できるよう、皆で心を配っていきたい。各部の垣根を越えて、(うるわ)しい同志の連帯を築いていきたい。
清水 信越では「信越ダイヤモンド・プロジェクト」に取り組んでいます。青年の新会員や新たな人材が陸続(りくぞく)と誕生した地区を「青年前進地区」としてたたえ、その波動が各地に広がっています。青年を先頭にした団結で、「師弟の信越」の誇りを胸に広布新時代を開いていきます!

(2012. 6.28. 聖教新聞)

 

 

<43> わが地域に人間主義の哲学を
出席者:原田会長、正木理事長、清水信越長、杉本婦人部長、日比信越青年部長、吉井女子部長

日比 7月3日、新潟・長岡で東京富士美術館が企画する「地上の天宮(てんきゅう) 北京・故宮(こきゅう)博物院展」が開幕します。
清水 6月17日付の「新潟日報」には池田先生の特別寄稿が掲載されました。新潟を「強く美しき人間の(きずな)で幾多の試練を勝ち越えてこられた『希望の(みやこ)』」と呼んでくださり、感動が広がりました。
日比 中国・華東(かとう)理工大学教授、新潟大学准教授の兪慰剛(ゆいごう)氏は、寄稿への感銘を語り、「池田先生のご尽力によって開催される今回の展示会を契機に、多くの県民が中国文化に触れ、中日友好を実感し、理解を深め、『文化と友情の翼』が大きく広がればと、念願しています」と語っておられました。
杉本 故宮展は、日本の国宝にあたる「国家一級文物(ぶんぶつ)」が数多く出展されます。昨年から日本各地を巡回し、90万人以上の方々が鑑賞するなど大好評です。

地道だが偉大な道

原田 池田先生の写真展や、平和・文化・教育をテーマにした学会の展示活動も、全国・全世界で反響を呼んでいます。
正木 聖教新聞でも大きく紹介されていますね。アルメニアの首都エレバンでは、「自然との対話――池田大作写真展」が開かれました。
吉井 ロシア・芸術家同盟国際連合のファトクーリン執行委員長は「池田会長の写真展がアルメニアで行われることに深い意義を感じます。会長の作品は『(ぜん)の思想』であり、『光を放つ思想』です。この思想こそ、全人類に共通する普遍的な価値です」と語っておられました。
清水 ブラジル・リオデジャネイロでは、「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)にあわせて、SGI(創価学会インタナショナル)と地球憲章インタナショナルが共同企画・制作した環境展「希望の種子(しゅし)――持続可能性のビジョンと変革へのステップ」が行われています。
吉井 ブラジル哲学アカデミーのジョアン・ヒカルド・モデルノ総裁は、こう感想を述べられました。
 「池田会長の偉大な思想をいたるところで実感しました。SGIの普遍的な善の哲学に多くの市民が触れ、その思想が社会に広がることによって、持続可能な社会の形成に貢献していくことは間違いありません」
原田 学会の展示活動を深く理解していただき、本当にありがたいことです。
 恒久(こうきゅう)平和を訴える展示の世界的な広がりといえば、1982年にアメリカ・ニューヨークの国連本部で行われた「核兵器――現代世界の脅威」展が一つの原点です。当時のデクエヤル国連事務総長が来場し、メディアも大きく取り上げ、大変な反響でした。
正木 世界唯一の被爆国・日本から核兵器の残酷さを伝え、しかもアメリカにおいて、各国の代表が集う国連で展示を開催したわけですから、大きなインパクトがありました。
吉井 東西冷戦のなか核の脅威展≠ヘ旧ソ連など東側諸国でも開かれました。イデオロギーの違いを超えて、平和の大切さとそのための身近な行動を訴える展示は、人間主義の平和運動の象徴ですね。
杉本 日本各地で開催されている「平和の文化と子ども展」「平和の文化と女性展」「世界の書籍展」なども同じです。地域から平和と幸福を築きゆく大切な取り組みです。
原田 核廃絶であれ、環境問題であれ、市民社会の声を結集していくことが、前進の大きな(かぎ)です。私たちは心ある人々と協力し、平和・文化・教育運動を進めていきたい。
日比 池田先生はかつて展示活動について、こう語ってくださいました。
 「地道(じみち)な活動である。しかし、確実に『偉大な道』をつくっておられる。粘り強い努力。たゆまぬ実行。これしかない。これが盤石(ばんじゃく)()建設への道である」と。
原田 地道に粘り強く行動し抜く――学会活動すべてに通じる指導です。

本幹は共戦の集い

清水 新潟・西圏の平島(へいじま)地区では15年前から、近隣友好のため皆さんが自発的かつ地道に、公園の草取りを行い、地域行事の運営に関わってきました。5月には、毎年行われている地域の自主防災会で、学会の同志が防災コーナーを設け、参加者約200人と防災の取り組みを学ぶことができ、町内会の役員からも絶賛(ぜっさん)の声があがりました。
 この地区では各部一体の祈りと励ましで、ヤング・ミセスのご主人や子どもたちが入会し、また地区部長が幹部率先(そっせん)弘教(ぐきょう)を達成するなど、「青年前進地区」として輝いています。
杉本 「水は昼夜(ちゅうや)不退(ふたい)(なが)るるなり少しもやむ(こと)なし」(御書841n)です。大きな友情も、小さな積み重ねを長年にわたって続けてこそ広がります。
清水 7月の15日は新潟、26日は長野の婦人部の日です。婦人部の皆さんは地域友好を一歩一歩、力強く進めてくださり、感謝の思いでいっぱいです。
 日蓮大聖人有縁うえん・新潟の離島の同志も地域友好の模範です。村上圏の粟島地区は、粟島全体で1地区。皆さんが日々、生き生きと近隣友好を進めています。最近では地区部長が先頭に立ち、命を守る防災のポイントを地域の皆さんと確認。島の全軒の方々と交流を深めています。
日比 長野には、毎回の本部幹部会の中継行事を師弟共戦きょうせんの集いと位置づけ、参加を推進していく「ネットワーク長」がいます。塩尻圏・高出(たかいで)西地区では、ネットワーク長を中心に一人でも多くの方が参加できるよう祈り、とにかく一人一人への激励を重ねた結果、3回連続で出席者が大幅に増加。人材育成が進み、若い力が増えています。
正木 どのような時であろうと、どのような運動を展開していようと、私たちの学会活動の根本は、他者への「励まし」です。ある時は広布へ(とも)に進む同志を励まし、またある時は友人との語らいで相手をたたえながら私たちの信念も語っていく。いついかなる時も、皆を敬い、毀謗を広げていく「励ましの対話」に(てっ)していきたい。

(2012. 7. 2. 聖教新聞)

 

 

<44> 世界が創価の哲学を求める時代
出席者:原田会長、正木理事長、平山中部長、桑村中部婦人部長、棚野青年部長、吉井女子部長

原田 九州で豪雨の被害が続いています。災害に遭われた地域の皆さまに心からお見舞い申し上げます。
正木 今後も各地で警戒が必要です。決して油断せず、気象情報に注意しながら、近隣で無事故の声かけを行っていきたい。
吉井 先月、アルメニアと台湾で池田先生に顕彰が贈られ、さまざまな行事が開かれました。
桑村 聖教新聞の読者、とくに友人の皆さんが、「学会の文化運動は海外でもすごいですね」と驚いています。
棚野 アルメニアは約20年前、ソ連邦の崩壊で独立。今年は日本との外交関係の樹立から20周年です。
吉井 首都エレバンは世界最古の都市の一つで、西暦301年に世界で初めてキリスト教を国教にしたことで知られています。
正木 6月、まずアルメニアのセルジ・サルグシャン大統領が、東京の創価大学を訪問。エレバンでは「自然との対話――池田大作写真展」が開かれ、先生にアルメニア共和国文化省から同省最高栄誉の「金メダル」が贈られました。
平山 サミュエリアン文化副大臣は「池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長の『生きた声』を、このような形でアルメニアに届けることができました」「精神世界の豊かな巨匠をアルメニアに迎え、『人類の遺産』ともいうべき写真展を開催できたことは、最高の栄誉です」と語っておられました。
棚野 台湾では先生に、台湾師範大学が「芸術学院名誉教授」称号を贈り、新竹(しんちく)市は「文化の光」賞を授与。馬英九(ばえいきゅう)総統は、池田SGI副会長と会見した際、台湾SGIが「社会優良団体賞」「社会教育功労団体賞」などに輝いてきた歴史を(みずか)ら紹介し、賞讃(しょうさん)されていましたね。
桑村 総統は「台湾SGIの社会貢献を支えるのは池田会長の卓越した理念です」と語りつつ、1999年の台湾大地震などでのSGIの救援活動に触れて「あの時、台湾も、人の苦しみをわが苦しみとするSGI会長の援助の精神≠教えていただいた」と述べ、先生の哲学に敬意を表しておられました。
原田 これら二つは対照的です。アルメニアの写真展は、学会員ではない芸術家の国際ネットワークにより先生への共感が広がり、実現しました。片や台湾は、SGIメンバーの長年にわたる地域貢献で友情が花開いた姿です。状況は違っても、いずれも先生と学会への信頼は極めて深い。
正木 前者では、ウズベキスタン芸術アカデミー総裁だった同国のクジーエフ文化・スポーツ大臣をはじめ、旧ソ連・中央アジア地域の識者が先生を知り、平和・文化・教育運動に共鳴し、その感動が国境を超えて共感を呼んでいます。
桑村 そしてアルメニア芸術家同盟のアガミャン総裁、エレバン国立芸術アカデミーのイサベキャン総長らが先生と会見し、人柄に感動。同国の識者やメディア等に対し、自ら先生の業績を語るなかで、写真展が実現したと伺いました。
原田 海外の識者が多宝たほうの証明≠ニなり、先生の平和思想と学会への理解が広がる時代です。世界がどれだけ先生の哲学、創価の理念を求めているか。

冬は必ず春となる

正木 台湾では1963年、学会組織に解散命令が出されました。戒厳令下で自由に活動できない、まさに冬の時代=B20年間で32回も出頭を求められた婦人部員さえいました。
棚野 しかし、そんななかでも台湾の同志は、先生から贈られた「冬は(かなら)ず春となる」(御書1253n)との指針、そして「本当の勝負は、30年、40年先です。最後は必ず勝ちます」との励ましを心の支えとしてきました。
吉井 また、ハーモニカ隊、合唱団、鼓笛隊を結成し、文化運動で社会に尽くしてきました。
平山 解散から27年後の90年、ついに団体登録が認められ、その後は数々の表彰を受けています。先生の指導通りの勝利の姿です。
正木 こうした長年にわたり築かれた信頼だからこそ揺るぎないものがあります。私たちも「よき市民」として地道に、友好を広げていきたいですね。
平山 中部にも社会貢献の模範の同志が数多くいます。愛知・一宮平和圏のある副支部長は、地元ソフトボールクラブの監督を10年も務め、また地域行事の運営にも携わってきました。そうした草の根の活動で友情が広がり、約10人の友人が壮年部の会合に参加。さらにその方々が聖教新聞も購読。地域に尽くす生き方に共感が広がっています。

自身の境涯革命を

原田 海外でも日本でも、勝利の春を迎えた同志の姿は晴れやかです。学会活動を通して自分自身の境涯(きょうがい)革命・宿命転換を果たし、友人や地域社会へ喜びを広げていくのが、この信心です。「これだけ幸せになれた」「願った通りに悩みを克服できた」と歓喜(かんき)できる人間革命の大法(だいほう)が、学会の信仰です。
正木 そうですね。「何のため」との一点が大切です。学会活動を通して自分が何を目指すのか、また、どう人間革命していくのかを定めていくことです。いかなる活動も、一生成仏のための尊き仏道修行であり、自身の生命を鍛え、幸福へ進んでいくための直道(じきどう)です。その前進を皆でたたえ合い、支え合うために同志がいます。
桑村 仲の良い団結こそ大事ですね。
 7・27「中部の日」の淵源(えんげん)である1976年(昭和51年)7月27日、池田先生は中部の幹部会で、「自他彼此じたひしの心なく水魚(すいぎょ)(おもい)()して異体同心(いたいどうしん)にして南無妙法蓮華経と(とな)(たてまつ)(ところ)生死一大事(しょうじいちだいじ)血脈(けつみゃく)とは()うなり」(同1337n)との御文を引きながら、団結の大切さを強調されました。
平山 7月は「青年の月」「師弟の月」「立正安国の月」、そして「中部の月」です。愛知、三重、岐阜の異体同心の団結で「師弟の中部 対話拡大月間」を大前進し、師恩(しおん)(むく)いる勝利を打ち立てます!

(2012. 7. 5. 聖教新聞)

 

 

<45> 女性の力で社会は豊かに!
出席者:原田会長、正木理事長、平山中部長、桑村中部婦人部長、棚野青年部長、吉井女子部長

正木 7月15日を中心に全国で「諸精霊追善(ついぜん)勤行法要」が開催されます。
原田 日蓮大聖人が「南無妙法蓮華経と(とな)(たてまつ)る時・題目の(ひかり)無間(むけん)(いた)りて即身成仏(そくしんじょうぶつ)せしむ、廻向(えこう)の文()れより(こと)(おこ)るなり」(御書712n)と明快に(おお)せのように、故人を追善する、真心からの題目を送ってまいりたい。
棚野 一方、この時期になると坊主が(おが)まないと故人は地獄行き≠ネどと、遺族を脅して、供養(くよう)を取るのが日顕宗の坊主だ。
平山 そんなことは御書のどこにもない。1円でも多く供養を集めたい坊主がとってつけた盲説(もうせつ)でしかない。本当に悪辣(あくらつ)な連中だ。
原田 妙法への強き信に基づいて私たち一人一人が歓喜(かんき)と充実の人生を歩む姿を示すことこそ、最高の追善回向(えこう)です。新たな広布の誓いに立つ法要としたい。

大切な「心の財」

桑村 池田先生のエッセー集『ハッピーロード――希望の(ひかり) (よろこ)びの(うた)』が発刊され、感動が広がっています。
吉井 月刊誌「パンプキン」の連載をまとめたものです。テーマは、友情、仕事と夢、家族、母の慈愛(じあい)、エコ、家計、家族との死別、思春期の子育て、夫婦の(きずな)、老いと介護、健康、食など、生活に密着した具体的なものばかりです。
正木 誰しも日々の生活で、さまざまな悩みや(かっとう)が出てきます。成長していくための壁にぶつかります。その一つ一つをどう受けとめて、どう前進していくか、仏法の視点を交え、先生と奥様の振る舞いも紹介しながら、分かりやすく(つづ)ってくださっています。
吉井 連載中から学会員だけでなく友人の方からも反響が大きく、「身も心も軽くなりました」「『人間としての生き方』を学べました」と、たくさんの感想が寄せられたそうです。
桑村 健康がテーマのエッセーを読んだ愛知の女性は、こう語っていました。
 『何があっても富士のごとく!』との言葉通り、青空に()える富士山のように、どっしりと構えていれば、人生はもっと楽しくなると思いました。『絶対病気を治すぞ!』という思いで、一日一日を大切にしていきます≠ニ。
原田 先生は「まえがき」で昨年の大震災に触れ、「心の(たから)」の大切さを強調し、綴られました。
 「どんなに暗い厳しい時代にあったとしても、この『心の財』を光らせながら、強く(ほが)らかに歩み続けていく女性たちがいる限り、家庭は幸福に、社会は豊かに、世界は平和に輝いていくことを、私は確信してやみません」と。
 何があっても負けない心≠ナ進む女性への尊敬と励ましに満ちた一書です。
平山 中部でも婦人部・女子部の皆さんが友情拡大の大きな(ちから)となってくださっています。
桑村 名古屋市宝城(ほうじょう)区のある婦人は、5年前から地域の清掃ボランティアで学会員と交流が深まり、聖教新聞を購読し、本部幹部会の中継行事や座談会に参加。学会員の生き生きとした姿に感銘して入会しました。「やる限りは真剣に」と素直に学会活動に励むなかで、持病の神経痛が快方へと向かいました。その喜びを皆に伝えたいと思い、家族や近所の友人に「私、学会に入ったの」と語り、仏法対話を続けています。「あなたが入ったのなら」と入会した友人もいます。
正木 信心の偉大さは、言葉だけではなく、自然とにじみ出る振る舞いを通して伝わります。
原田 そうした日常からの信頼があってこそ、共感が広がるものです。
棚野 学会活動、とくに祈る姿勢で大切なのは、「確信」です。大聖人は「あひかまへて御信心を(いだ)()の御本尊に祈念(きねん)せしめ(たま)へ、何事(なにごと)成就(じょうじゅ)せざるべき」(同1124n)――心して信心を(ふる)い起こし、この御本尊に祈念していきなさい。何事か成就しないことがあろうか――と仰せです。漫然(まんぜん)と御本尊に向かうのではなく、祈る目標を具体的かつ明確にし、絶対にこうするんだ≠ニの「誓願(せいがん)の祈り」で題目を(とな)えることですね。

「声仏事を為す」

平山 壮年も「師弟不二(ふに)の中部に! 師弟一体の中部に!」との指針を胸に対話拡大を雄々(おお)しく進めています。そのなかで功徳(くどく)実証(じっしょう)が大きく表れています。
 今年、岐阜・長良(ながら)大勝圏のある堅塁(けんるい)長(ブロック長)が、同級生に弘教(ぐきょう)を実らせました。堅塁長は重度のリウマチで、友人は難病で片目が失明し、もう片方も視力が落ちている状態でした。新入会の友人は「自分も折伏しよう」と仏法対話に挑戦。すると、視力回復に成果が表れ、自動車運転免許を取れるまでになりました。
吉井 新会員の方の体験を(うかが)うと、純真な信心の大切さを心から感じます。
平山 また紹介者の堅塁長の(やまい)も劇的に回復しました。さらには2人とも、厳しい不況のなか体調や年齢のハンディキャップを乗り越え、願い通りに就職できました。
棚野 3月に入会した三重・名張(なばり)旭日圏の男子部員も、信心で人生を変革させました。当初は学会に偏見(へんけん)をもっていましたが、知人の語る信心の話に意識が変わり、題目に挑戦しました。日々自身が成長することを実感して、入会を希望。彼の家族も学会を批判的に見ていましたが、信心の体験を率直に語ると理解してくれ、御本尊を受持(じゅじ)することができました。
 悩んでいた職場の人間関係に対しても、「自分が変わることで環境を変えよう」と決意。すると仕事の姿勢が変わり、上司の信頼を勝ち取って昇格できました。いまは一家の宿命転換を目指し、対話拡大に励んでいます。
原田 青年の真剣な声は、皆の心に響きます。信心の喜びは語った分、同志にも友人にも広がっていきます。
正木 そうですね。だからこそ声を惜しんではいけません。「声仏事(ぶつじ)()す」(同708n)です。友と会い、語りに語り、友情をいっそう深めていきたい。

(2012. 7.12. 聖教新聞)

 

 

<46> わが地域で友好拡大の行動を
出席者:原田会長、正木理事長、韮沢東北長、杉本婦人部長、中川東北青年部長、吉井女子部長

韮沢 7・3「東北の日」を記念し、東北6県の同志は「新生(しんせい)・東北の福光(ふっこう)前進――人材・青年・地域♀g大月間」で、励ましの語らいを広げています。
中川 東日本大震災から1年の今年3月、池田先生は随筆で(つづ)られました。
 「(われ)ら創価の(きずな)は、今世(こんぜ)を超えて、三世(さんぜ)をもつなぐ金剛不壊(こんごうふえ)の絆である。わが胸中(きょうちゅう)に湧きあがる(ほとけ)の生命は、無限にして無窮(むきゅう)(ちから)を秘めている。『負げでたまっか!』と不撓不屈(ふとうふくつ)の不死鳥の(たましい)を持ちたる東北の友よ! 愛する皆様方の勝利が、『(みょう)とは蘇生(そせい)()』(御書947n)の永遠に輝く証明であり、人類の希望の夜明けである」
 この呼び掛けに、どれほど多くの同志が生き抜く勇気を頂いたでしょうか。
杉本 聖教新聞を通して東北の皆さまの姿は大感動を広げています。悩みを抱える人も「東北の方々の苦難を考えれば、こんなことに負けていられない」と決意を新たにしています。
原田 震災で犠牲になられた全ての方々に追善ついぜんの題目をお送りしています。復興は(ちょ)についたばかりで、とくに福島の皆さんは先の見えないなか戦っておられます。一日も早い復興と皆さんの健康・幸福を、より力強く祈っていきたい。
韮沢 今も多くの方々が各地で避難生活を送り、仕事も生活も課題ばかりです。しかし私たちは苦難を分かち合って同苦(どうく)し、心に寄り添い、手を(たずさ)えていくことができます。一人を大切にする振る舞いを通して池田先生が教えてくださった生き方です。一人も残らず皆が希望を胸に立ち上がれるまで、「励ましの絆」を広げていきます。
正木 一方、九州などで豪雨が続いています。被災者の皆さまに重ねてお見舞い申し上げます。

大難を覚悟で諌暁

吉井 7月16日は、文応(ぶんおう)元年(1260年)に日蓮大聖人が時の最高権力者・北条時頼(ときより)に「立正安国論(りっしょうあんこくろん)」を提出された日です。3年前の正嘉(しょうか)の大地震によって苦しんでいた人々や社会の惨状を目にし、大難を覚悟で国主(こくしゅ)諌暁(かんぎょう)されました。
正木 人々の(なげ)く姿を見て、立ち上がらずにはいられない――このやむにやまれぬ思いと大慈大悲(だいじだいひ)が、立正安国の根本です。
原田 また、一人だけの幸福を目指すのではなく、社会へと開き、その価値を発揮していくのが真の仏法です。私たち一人一人が、生命尊厳の仏法哲学を(みずか)体現(たいげん)し、友のために行動していくことですね。
杉本 日ごろからあいさつなどを通して友情を広げたり、いまの悩みや将来の希望について語り合うなど、私たちが日常的に実践している友好拡大の対話運動は、立正安国の精神にかなった行動です。
原田 自分の住む地域で「よき市民」として行動し、社会に貢献する。(えん)した方々に日蓮仏法の哲学を自分の言葉で語る。こうした取り組みが「(しょう)を立て国を(やす)んずる」直道(じきどう)です。
吉井 大聖人は別の御書で、権力者に「貴殿(きでん)一天(いってん)屋梁(おくりょう)()万民(ばんみん)の手足為り」(同171n)と述べておられます。為政者いせいしゃは庶民の手足となって働くべき≠ニ断言されたのです。
杉本 いつの時代も同じです。庶民の生活現場で「(なま)の声」を聞き、どうすることが本当に国民のためになるのか≠考えて行動することが、政治に求められています。人気取りのパフォーマンスに走り、聞こえのいい公約を唱えるだけで実行しない政治家は信用できません。

「国民本位」の政治

韮沢 大震災の対応を見れば明白です。私たちが支援する公明党議員は、被災者の命と暮らしを守るために現場を走り回り、実際に実績を積み重ねています。
中川 国会議員のある公明党幹部は震災発生後、東京から16時間をかけて被災地に駆けつけました。高速道路は規制され、新幹線もストップするなか、ひたすら一般道だけを走ってきたのです。その後も1カ月間、交通が寸断された被災地を駆け回り、30近い自治体で被害などを調査。救援の手を打ち続けました。
吉井 公明党は震災から半年で766項目にもわたる提言や申し入れを行い、たくさんの議員立法の成立を主導しました。
韮沢 また災害から72時間が命のタイムリミット≠ニ言われますが、その時間が迫っていた3月14日、壊滅的な打撃を受けた地域の市長から、被災地にいた公明党議員に「ガソリンがあれば救援活動ができ、救える命がある」と要請がありました。議員はすぐさま政府側に主張。ガソリンを被災地へ優先的に回せるようになりました。
中川 地方議員も昼夜を分かたず奮闘しました。率先して安否確認、救援活動を行い、炊き出しに参加しました。また、仮設住宅を訪問して、住民の方々から細かく要望を聞き取り、駐車場を確保したり、郵便ポストを設置したりするなど、具体的に対応してきたのです。
韮沢 公明党は水産業の復興にも尽くしています。ある漁業組合の幹部の方は、公明党のスピードには驚いた。何より、俺たちの苦労をわが苦労として感じ取ってくれたことが最高にうれしかった≠ニ語っていました。
正木 政治家の評価は、大局的な観点に立ちながら国民の「声」をどれだけ「形」にし、皆さんに喜んでもらえたかで決まるはずです。公明党には今後も、(てっ)して国民本位の政治を実行し抜いてもらいたい。

(2012. 7.16. 聖教新聞)

 

 

<47> 各家庭で信心継承の語らいを
出席者:原田会長、正木理事長、韮沢東北長、杉本婦人部長、中川東北青年部長、吉井女子部長

中川 「師弟の月」「青年の月」を飾る本部幹部会・青年部幹部会が晴れやかに開催されました。
吉井 今回は何といっても「創価ファミリー大会」です。マーチングバンドの演奏・演技、決意発表、朗読、合唱、オーケストラ、そしてピアノの演奏と、まさに未来部員が主役の、さわやかな会合でしたね。
韮沢 「創価ファミリー月間」も始まりました。とくに「未来部の日」である22日を中心に、親子そろって一家で中継行事に参加していきたいですね。
正木 昨年も創価ファミリー大会を開催し、親子だけでなく祖父母の方々が一緒に参加しました。親から子、祖父母から孫へと信心の確信を伝え、子どもたちがあらためて信心について学ぶ絶好の機会です。
原田 池田先生は、本部幹部会のメッセージで、こう述べられました。
 「『一人』の人材をてっして大切にし、育て上げていく。そのたゆまぬ積み重ねによって、今日(こんにち)の創価学会の大発展が築かれました。一人一人の生命を『(ほとけ)(ごと)く』大切にする学会精神を貫き通していく限り、はるかな未来まで、創価の勝利の勢いは加速するのであります」と。
 一人を大切にする振る舞いを重ねてこそ人材は育ちます。もちろん(たから)の未来部の育成も同じです。
正木 子どもたちはいよいよ夏休みに、学会全体は友好期間に入っていきます。今一度、「家族そろって信心を実践する」ことを確認していきたい。
杉本 一緒に勤行・唱題をする。聖教新聞や未来部の機関紙を読む。信心のことについて率直に語り合う。子どもたちは、どんどん成長していきますので、今というこの時を心から大切にし、信心で得た体験や思うことを、ありのままに語っていきたいですね。

師子奮迅の勢いで

韮沢 今回の本部幹部会の中継行事は、東北各県で「新生(しんせい)・東北 第2回総会」として開かれます。「福光(ふっこう)」の新時代へ出発を切る集いです。
原田 「東北福光新聞」など聖教新聞でも報道されていますが、筆舌(ひつぜつ)に尽くせぬほどの苦難から立ち上がる同志の大奮闘を(うかが)ってきました。一つ一つの蘇生(そせい)≠フドラマに接するたび、どれほどの困難に向き合っておられるかと、胸を強く打たれます。
中川 被災地の現実はまだまだ過酷で、とくに雇用事情は依然として厳しい状況です。そのなかで信心根本に苦境を乗り越えようと、皆が励まし合って戦っています。
韮沢 第3宮城総県の壮年部長が勤める職場も閉鎖となり、全従業員が解雇されました。壮年部長は60歳近いこともあり、新たな職場に何度応募しても不採用。しかし池田先生の激励に奮起し、「使命を果たせる職場に」と強盛(ごうじょう)に祈り抜きました。就職活動で知り合った方にも学会理解の輪を広げました。そのなか今年、51回目の応募でやっと試験が進み、さらに、幅広い年齢層の応募者のなかで最高齢の壮年部長だけが採用されました。4月から労務担当の責任者として働いています。ハローワークの職員も「類例のない素晴らしいケース」と驚いていました。
正木 皆さんに勇気を与える姿ですね。壮年らしい粘り強い奮闘は、まわりの同志を鼓舞(こぶ)します。壮年を支える家族の皆さんの祈りと苦労も、どれほど大きいものでしょうか。
吉井 池田先生は、今回の本部幹部会へのメッセージでも、題目で生命力を満々と()だし、「師子奮迅(ししふんじん)の勢い」「常勝破竹(じょうしょうはちく)の勢い」で進もうと呼び掛けておられました。
杉本 またかつて先生は、「日月天(にちがってん)四天下(してんげ)をめぐり(たま)うは仏法の(ちから)なり」(御書1146n)などの御文を引き、こう指導されたことがあります。
 「大宇宙を動かしゆく本源(ほんげん)のリズムこそ、南無妙法蓮華経なのである」「題目の音律(おんりつ)を響かせゆくところ、大宇宙のリズムに合致(がっち)しながら、無限の生命力を自他共(じたとも)(よみがえ)らせていける」
 題目根本の前進、ここに困難を乗り越えていく力があります。

同志の激励に奔走

中川 青年部も使命の舞台で活躍しています。
 岩手・盛岡創価圏の男子部書記長は、大手IT企業でシステム営業として働いています。彼が学会員であることを知っている同僚から心ない言葉を浴びせられることもありましたが、職場で共に働く後輩の男子部員のためにも、信仰の偉大さを証明しようと奮闘。好成績を収め、6月に最優秀として社長表彰を受けました。創価班の圏委員長としても会合運営や友の激励に奔走(ほんそう)するなかで、素晴らしい実証を示しています。
吉井 第2秋田総県の総県女子部長は、「池田華陽会 誓春(せいしゅん)大会」として開かれた今年5月の本部幹部会を目指し、最前線のリーダーと共にメンバーへの激励を重ねました。婦人部の皆さまの応援もいただき、数多くの女子部員が中継に参加。方面をリードする結集を達成できました。そのなかで彼女は、仕事にも全力を尽くし、新規契約の実績で見事、全国1位に輝きました。
原田 仏法(そく)社会、信心即生活の模範(もはん)ですね。青年部の激闘を心からたたえるとともに、壮年・婦人の皆さんで「わが地域から新たな人材よ、()でよ!」と真剣に祈り、励ましの声を掛けていきたい。

(2012. 7.19. 聖教新聞)

 

 

<48> 親子で成長する有意義な夏を
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

橋元 本部幹部会の中継行事が行われ、多くの未来部員が参加しています。
吉井 「創価ファミリー大会」として、各会場で未来部が合唱や決意発表をするなど、楽しく工夫した地域もあります。
原田 日ごろから青年部の21世紀使命会、壮年・婦人部の未来部育成部長、教育部や学生部をはじめ皆さんに尽力いただき、本当にありがとうございます。
棚野 高校野球で夏の甲子園の予選が行われていますが、西東京大会のある高校の話題が各紙で紹介されました。その野球部では昨年夏に上級生が引退した際、残った1、2年生がわずか4人。主将になったのは唯一の2年生だった高等部員でした。9人いないと試合に出られません。彼は高等部員として今いる場所で頑張ろうと決意。後輩のため、部の歴史を途絶えさせないため、4人で練習を続けながら部員の勧誘に走りました。断られても何度も誠実に頼み続ける姿を見て、部員が徐々に増え、春の試合に出場できました。
杉本 なんて素晴らしい執念でしょうか。一生懸命な心が伝わってきますね。
棚野 部員13人で迎えたこの夏の予選で彼が引いたくじは何と、神宮球場での開幕戦。神宮で試合ができるのは開幕試合とベスト16以上だけという、あこがれの舞台です。試合は敗れましたが、ピンチでも笑顔で部員を励ます姿が、さわやかな感動を呼びました。彼の父親は青年部時代に総区高等部長を務め、未来部を激励してきた方です。両親の励ましと祈り、同志の応援のなか、部活動に全力投球する青春を送れました。
原田 (きん)の思い出ですね。さまざまな部活動で大会が行われる夏です。頑張る子どもたちを皆でたたえていきたいですね。

「育児」は「育自」

正木 一口(ひとくち)に未来部といっても当然、いろいろなメンバーがいます。勉強、スポーツに好き嫌いや得意不得意があり、趣味も多様です。勤行・唱題をとってみても、小さいころから一人で実践する子もいれば、なかなか毎日はできていない子もいるでしょう。それぞれの成長には違いがあり、個性があります。
杉本 池田先生は、思春期の子育てという観点で、こう語っておられます。
 「何より大切なのは、表面の姿に一喜一憂せず、どこまでも、わが子を信じ抜く『強さ』でしょう。つまずいて転んだり、回り道をしたりするようなことがあっても、子ども自身は、また起き上がって、前へ踏み出していく(ちから)を持っています。どんな時でも、母は『信じているよ』と言い切ってあげることが、子どもの揺るぎない支えになります」と。
原田 信心の継承(けいしょう)という面でいえば、子どもの心に寄り添いながら、その可能性を信じ抜き、成長を祈り抜き、信心の大切さを伝え抜くことが肝要です。
杉本 同時に、親が成長することが、子どもの成長につながります。まさに「育児(いくじ)」は「育自(いくじ)」です。大人が1センチ変われば、子どもは1メートル変わるといわれています。子どもに注意するばかりでなく、自分も一緒に成長しようという姿勢が大事ですね。
原田 夏休みは大切な時です。信心についてじっくり語り、一緒に実践する習慣をつくる機会です。親も初心(しょしん)を思い起こし、心新たに信仰に励みたい。

熱中症に要注意

橋元 さて、今月9日から15日の1週間、熱中症により救急搬送された人が、前の週に比べて約2.5倍に急増したそうです。
棚野 多くの地域で梅雨が明け、夏本番です。体調管理に十分、気をつけていきたい。
吉井 一般的に熱中症は、梅雨明けの7月下旬から8月上旬に多発するそうです。体が暑さに慣れておらず、うまく発汗できるようになっていません。とくに急に暑くなる日は注意が必要です。
杉本 熱中症は、暑さを避ける、服装を工夫する、こまめに水分を補給することが基本的な予防法です。
正木 外出する時は、帽子や日傘で日ざしを遮ることや、日陰を選んで歩くことですね。
吉井 油断しがちなのは室内で、部屋のなかで熱中症にかかる人が多いそうです。換気して風通しをよくする、すだれやブラインドを設置したり、植物をベランダに置いて「緑のカーテン」を作ったりすることも有効です。
棚野 節電が呼び掛けられていますが、エアコンを使う際はカーテンを閉めたり、扇風機を併用したりすることで、設定温度が高めでも快適に過ごせます。
原田 また高齢になると体温を調整する身体機能が低下するため、熱中症にかかりやすい。節電を気に掛けるあまり、体調不良に陥っては本末転倒です。無理しすぎてはいけません。
橋元 服装は、学会でも「クールビズ」を励行していますが、通気性のよい、軽めの服装が理想的です。
杉本 そして、こまめな水分補給も欠かせません。体温を下げるには汗をかくことが重要で、そのためにも水分や塩分を取ることです。のどが渇いたと思うときには、すでに脱水状態がかなり進行していることもありますので、意識的に水などを飲むことが大切になります。
正木 何ごとも「前前(さきざき)用心(ようじん)」(御書1192n)です。皆で何度も、しつこいぐらいに声を掛け合いながら、健康かつ価値的に過ごす夏としていきましょう。

(2012. 7.23. 聖教新聞)

 

 

<49> 学会は「信心の団結」で前進!
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

正木 先日、ある壮年からこんな声を聞きました。組織で年配の副役職の方が多くなり、なかには腰が重くなってしまう人もいる。また、若い副役職の人たちとは、意見が合わないことがある。幅広い世代で一緒に前進していくために何が大切か、また副役職として大事な姿勢とは何かをよく考えています、とのことでした。非常に重要な、そして本当に尊い悩みですね。
杉本 少子高齢社会のなか、学会では多宝会(たほうかい)の皆さんが生涯青春の気概で、青年学会の構築へ立ち上がってくださっています。
原田 本当にありがたいことです。その一方で、壮年部をとってみても、下は40歳ぐらいから上は90歳や100歳台まで年齢の差がある。親子どころか、祖父と孫ほどの開きがある。信心歴も、人生経験も、はたまた体力もそれぞれ違います。壮年部といっても、画一的に見ることはできません。
正木 また、仕事をしている方と退職した方では生活リズムが異なりますし、働いていても勤務時間がバラバラな時代です。会合の回数、時間、内容など、よく見直していかなければなりません。多宝会の方で体調が思わしくない方は、とくに猛暑の日中や夜の会合参加は控えることも必要です。
杉本 今まで以上にますます、リーダーには「一人を大切にする」姿勢が求められていますね。その第一歩は、同志の皆さんの状況に耳を傾けながら、生活のこと、家族のこと、仕事のことなどに細かく気を配っていくことにほかなりません。
吉井 池田先生は、かつてこうスピーチされたことがあります。
 「意見が合わない人もいるだろう。しかし、そういう時こそ謙虚になって、相手の話によく耳を傾けていくことだ。会員の皆さんは、本当に頑張ってくださっている。そうした方々を最大に(たた)え、ほめていくのがリーダーである」と。
橋元 また「はたらかさず・つくろわず・もとの(まま)」(御書759n)との御文を引きながら、こう指導されています。
 「仏法では『本有無作(ほんぬむさ)三身(さんじん)』を説く。形式ではない。変につくろったり、自分を偉く見せる必要もない。『心こそ大切』(同1192n)である。誠実に、ありのままの自分の良さを出していけばいいのだ。皆に心で訴える。心で感動を与える――そういう一人一人であっていただきたい」

「桜梅桃李」の個性

原田 リーダーは誰に対しても「誠実」「謙虚」に接する。偉大な同志の奮闘を心からたたえる。そして、自分のありのままの思いを皆さんに伝えていくことではないでしょうか。
杉本 その(かげ)には、同志に幸福になってもらいたい、何としても師匠にお応えしたいという、真剣な祈りが欠かせませんね。
棚野 庶民の団体である学会には、いろいろな方々がいます。そうした「桜梅桃李(おうばいとうり)」の個性をもった皆さんが、心一つに団結するということ自体、本来は並大抵のことではありません。しかしそれができるのは、ひとえに、「信心で結合した団結」だからです。「師匠のため」「広布のため」と皆が心から思えるからです。
原田 そうですね。御本尊のもと、師匠と(とも)に広布のために前進していくのが学会の組織です。そうやって団結しながら一人一人が戦うなかで、人間革命・境涯(きょうがい)革命を果たしていけます。
正木 一方で、幹部は皆が活動して当然≠ネどと決して思ってはいけません。同志の皆さんは、さまざまな悩みや葛藤(かっとう)を抱えながら、信心根本に宿命転換の道を歩んでいます。その行動のなかに込められた勇気と決意を称賛(しょうさん)していきたい。また、その同志の姿に、自分たちが学んでいくことです。

副役職がポイント

吉井 副役職について先生は小説『新・人間革命』「福光(ふっこう)」の章で(つづ)られました。
 「すべての副役職者が、いかんなく(ちから)を発揮していくことがポイントです。そうなった時に、組織全体が回転していくんです。学会の組織は、次第に重層的になってきているので、副役職の人は、これからますます増えていきます。世代交代のための人事もあるので、副役職者の方が、正役職者より活動経験も豊富で、力もあり、年齢も上というケースも多くなっていくでしょう」
 「副役職の方々の力をお借りするのだ≠ニいう姿勢で接し、尊敬していくことが大事です」
 「人間は、自分は期待もされていないし、軽んじられている≠ニ思えば、力を出そうとはしません。また、副役職者の役割分担や責任を明確にしていくことも必要でしょう」
正木 副役職の先輩に対しては経験や知恵に学びながらその力を十二分に引き出し、また後輩たちには自分が(はん)を示して引っ張っていく。そういうリーダーがいるところは、和気あいあいとした団結で輝いています。
原田 学会の役職は責任職であり、同志は皆が平等です。役職も信心の年数も関係ありません。広宣流布のために地道(じみち)に行動する人が最も尊いのです。
橋元 役職は組織を発展させていく上での役割の違いです。だからこそ正役職も副役職も、何のために自分がいるのか、自分の立場で何をすることが組織の勝利と同志の幸福につながっていくかを考え、よく相談しながら行動していくことですね。
原田 また先生はよく、役職を後輩に譲る友に「去って去らず≠フ心で」と語られます。たとえ役割として一歩引いた形になっていても、「戦う心」まで引いてはいけません。
正木 その意味では、正役職から離れた時に、その人の信心の真価(しんか)が出るといえるかもしれません。先生は「役職が、人を輝かすのでは断じてない。人が、役職を光り輝かせるのだ」とも述べておられます。いかなる役職であろうとも、いよいよ不退転の決意で広布への情熱を燃え上がらせていきたい。
吉井 学会の同志は、打算や利害ではなく、心で結ばれています。日蓮大聖人が門下(もんか)を心から大切にされたように、皆で励まし合い、支え合う連帯です。

僧俗差別の邪宗門

棚野 一方、日顕宗は、僧侶が上、信徒が下≠ニいう時代錯誤の僧俗(そうぞく)差別に凝り固まり、大聖人の精神に真っ向から違背(いはい)している。
橋元 先日の創価新報にも、30年以上にわたって大石寺の従業員として働いてきた方の生々(なまなま)しい証言が出ていた。邪宗門(じゃしゅうもん)は学会員の真心からの供養(くよう)で守られてきたにもかかわらず、陰では見下(みくだ)し、悪口の限りを尽くしていた。この元従業員の方は「結局、学会を利用するだけ利用して、本心では、感謝の心などかけらもない。これが坊主らの醜い本性なのです」と断言していました。
棚野 日顕宗の坊主は、あまりにも冷酷・無慈悲だ。信徒を金集めの道具としか考えていない。ほとほと呆れ果て、愛想を尽かす脱講(だっこう)者が後を絶たない。
杉本 学会は、権威主義の邪宗門と別れて本当によかったですね。だからこそ人間主義の仏法を全世界へ広げることができました。
原田 学会は心通い合う温かな団結を大切に、御本仏・大聖人直結の仏意仏勅(ぶついぶっちょく)の大道を、堂々と進んでいこう。

(2012. 7.26. 聖教新聞)

 

 

<50> 対話の基本は「聞く」こと
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

正木 友好期間に入りました。暑さの厳しい毎日ですので、しっかりと英気を養いながらも、張り切って友好対話を進めたい。
橋元 男子部では創価班・牙城会大学校生を先頭に夏の暑さを吹き飛ばす勢いで、仏法対話を展開しています。各地で入会する友が誕生しています。
吉井 女子部では「ヤング・リーダー」が新たに「華陽(かよう)リーダー」となり、喜びが広がっています。その歓喜をもって(ほが)らかに友情の輪を拡大しています。
棚野 学生部は9月初頭に行われる教学実力試験を目指して教学の研鑚(けんさん)により(ちから)を入れ、日蓮仏法への確信を深めながら友人との語らいを広げています。
杉本 「青年の夏」「成長の夏」ですね! 自行化他(じぎょうけた)の実践に励むこと、とくに友人の幸福を祈り、勇気を出して対話を広げることは、本当に尊い姿です。
原田 壮年・婦人部は、青年の対話拡大を心から応援していきたい。また青年部から元気と勇気をもらい、私たちも友好を深める充実した夏としたい。

「抜苦与楽」の実践

吉井 普段は忙しくて会えない人、遠く離れて住む友人、故郷の知人など夏だからこそ会える友≠ニ交流していきたいですね。
正木 「対話」は相手があって成り立ちます。一方的に話していては対話にならない。つまり「聞く」という姿勢が大切です。
橋元 たしかに、せっかく会ったのに、自分の話を聞いてもらえなかった≠ニ相手に思わせるようなことがあっては、失礼です。
吉井 池田先生と会見された「核戦争防止国際医師会議」共同創設者のラウン博士は、医療は「聞く芸術」であると述べ、こう語っておられます。
 「人の心を知るには、何よりも心から謙虚に接しなければなりません。細心の親切心をもって接し、自己防衛的になる必要はないと安心させてあげることです。それを通して友情が結ばれれば、真の心の交流の道が開かれていくのです」
杉本 先生も、こう述べておられます。
 「『聞く』ことは、どんな悩みを抱え苦しんでいる人をも、癒す力となる」
 「相手の言うことに、じっと耳を傾ける。じっくりと話を聞いてあげる。それだけで、スッキリする。心が軽くなる場合が多い。『聞いてあげる』こと自体が、仏法で説く慈悲(じひ)の実践、『抜苦与楽(ばっくよらく)(苦を抜き、楽を与える)』の『抜苦』となるのだ」と。
原田 これまで池田先生と識者との会見に、数多く同席してきました。先生は、相手の経歴や家族、専門分野や趣味のことなど、あらゆることを頭に入れ、十分な準備をして会見に臨まれます。相手の近況や人生の哲学などを一つ一つ尋ねながら、時には励まし、時にはたたえる。そうして仏法の生命哲学と共鳴する深遠(しんえん)な語らいを進められます。つまり、先生の対話は、相手のことを深く知り、よく聞くことから始まるのです。
正木 こちらが心を開き、謙虚かつ誠実に接しなければ、本当の意味で「聞く」ことはできません。私たちも池田先生の対話に学び、心の交流を深める有意義な語らいを広げていきたいですね。

交通ルールを順守

棚野 一方で夏といえば、さまざまな事件・事故に気をつけなければいけません。まずは交通事故。帰省や遠出をすることが多くなりますので、十分な注意が必要です。
橋元 長距離、長時間で車を運転することも多い。移動のスケジュールを考える段階で、無理な計画を立てないことです。適度に休憩を取る。時間的な余裕をもつ。交通事故は、焦り、油断、疲労から生じやすいものです。
原田 制限速度の順守、後部座席も含めたシートベルトの着用などの基本もあらためて確認したい。
杉本 自転車やバイク、歩行時も注意しなければいけません。交通ルールを守ることは当然です。
吉井 近年、自転車で移動する人が増え、歩行者などと接触する事故が後を絶ちません。よくまわりを見て確認していきたいですね。携帯電話を操作しながら、音楽を聴きながらの歩行も危険です。
正木 車といえば、車上荒らしにも警戒したい。少しでも車から離れる時は鍵を掛ける。貴重品や大事なものを置いたままにしない。「これぐらい大丈夫」という油断に魔がつけいります。
棚野 また、水の事故も多発します。海や川に出かける際、とくに小さな子どもと一緒の時は絶対に目を離してはいけません。
橋元 いわゆるゲリラ豪雨が起きやすい季節です。雷の音が聞こえたり、空模様が怪しくなったりした時は、すみやかに川などから遠ざかることです。
杉本 振り込め詐欺にも注意しましょう。子どもなど親族を(かた)って「電話番号が変わった」などと言ってきても、一度は落ち着いて電話を切る、その親族が元々使っていた電話番号に掛けてみる、まわりの同志や友人に相談する、こういったことで被害を未然に防げます。大切なのは「落ち着いて確認」です。
原田 「敵と申す者はわす(忘)れさせてねら(狙)ふものなり」(御書1185n)です。「事故がないことが勝利」ですから、油断を排して、無事故第一の夏を過ごしていきましょう。

(2012. 7.30. 聖教新聞)