< 座談会 >

師弟の大道を歩む

新しい力で時代を開け!

 

<51>
<52>
<53>
<54>
<55>
<56>
<57>
<58>
<59>
<60>

生命尊厳の哲学を社会へ!
教師の人間革命が子供の成長に
自行化他の実践が故人への回向
師弟の道が「正義の人生」
才能の芽を伸ばす励ましを
心からの「納得」が前進の勢いに
壮年の底力で勝利の決定打を
現場の知恵$カかす討議を
創立者の心*ャ打つ教育に評価
リーダーは同志を明るく元気に

 

 

 

<51> 生命尊厳の哲学を社会へ!
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

杉本 8月6日は広島、9日は長崎の原爆忌(げんばくき)であり、15日は終戦の日です。
原田 仏法者として、原爆および戦争で犠牲になられた方々に、心から追善(ついぜん)の題目をお送りしたい。
棚野 今年も、原爆犠牲者と戦没者を追悼する勤行法要を各地で行います。
吉井 先日、広島・長崎・沖縄の青年部による伝統の「3県平和サミット(青年平和連絡協議会)」を沖縄で開催し、戦争を知らない私たち青年世代で「不戦の誓い」を固めました。
橋元 「戦争の歴史は人間そのものの歴史」とさえ言われます。人間が争い、傷つけ合う悲劇が、幾度となく続いてきました。この人類の宿命を転換するために、学会は世界で平和運動を展開してきました。

創価三代の大闘争

原田 学会の平和運動は三代会長の不惜身命(ふしゃくしんみょう)の闘争そのものです。池田先生はこう語っておられます。
 「戦争は、絶対に反対だ! ゆえに私は、戦争の犠牲となり、入獄(にゅうごく)された牧口先生、戸田先生を、『正義の中の正義の人』と、心から尊敬する。そして、進んで創価の師≠フ弟子となった。何にもまして、『永遠の平和』の(ほとけ)たる、日蓮大聖人を信奉(しんぽう)するために、殉教(じゅんきょう)なされた両会長に続くことを、私は誇りに思う」
棚野 軍国主義と戦い抜き、殉教された牧口常三郎初代会長の獄中(ごくちゅう)闘争。生きて牢獄(ろうごく)を出られた戸田城聖第2代会長による折伏行(しゃくぶくぎょう)と「原水爆禁止宣言」「地球民族主義」の発信。人権弾圧と戦い、全世界に平和の対話を広げてこられた池田先生の大闘争。創価三代の師弟の行動は、人間生命を抑圧(よくあつ)する魔性(ましょう)との戦い、恒久(こうきゅう)平和を開く歴史です。
正木 今年は「原水爆禁止宣言」の発表55周年。戸田先生の「遺訓(いくん)の第一」を受け継ぎ、池田先生が核兵器廃絶へ対話の潮流(ちょうりゅう)を起こされてきた精神を、弟子が力強く継承(けいしょう)しゆく時です。
杉本 「創価ファミリー月間」の最中ですので、子どもたちにも、平和の大切さを語っていきたいですね。小さな子には、池田先生の幼少期から少年時代にかけての思い出をもとにした創作童話『ざくろの(うた)』も、いい教材になります。心豊かな物語を通して子や孫と一緒に平和の尊さを学べましたという声が、多く寄せられています。
吉井 先生は先日の「平和サミット」へのメッセージで、「持続可能な地球社会を展望する時、その前進を(はば)一凶(いっきょう)≠ニは何か」「多くの人々の生命を犠牲にし、かけがえのない生態系を破壊してまでも、自らの欲望を満たそうという非人道性に(ほか)なりません」と述べられました。
橋元 戦争が生命の尊厳を踏みにじる魔の働きから生じると(とら)えるなら、心ない言葉で人を傷つけ、暴力を振るうこともその一つ。深刻化が指摘される「いじめ」もそうでしょう。
原田 そうした非人道性と戦うのが、皆に等しく仏性(ぶっしょう)の存在を見いだす生命尊厳の大法たる日蓮仏法です。大聖人は「いのちと(もう)す物は一切の(たから)の中に第一の財なり……三千大千世界(さんぜんだいせんせかい)にみてて(そうろう)財も・いのちには・かへぬ事に候なり」(御書1596n)と説かれています。生命は、一切の財宝の中で第一の宝であり、全宇宙に満ちた財宝であっても生命に代えることはできない、との御教示(ごきょうじ)です。
棚野 大聖人は、不軽菩薩(ふきょうぼさつ)の修行を通して、こう(つづ)られています。
 「過去の不軽菩薩は一切衆生(しゅじょう)に仏性あり法華経(ほけきょう)(たも)たば(かなら)成仏(じょうぶつ)すべし、()れを(かろ)んじては仏を軽んずるになるべしとて礼拝(らいはい)(ぎょう)をば立てさせ(たま)いしなり」(同1382n)――過去の不軽菩薩は「一切衆生には皆、仏性がある。法華経を持つならば必ず成仏する。その一切衆生を軽蔑(けいべつ)することは、仏を軽蔑することになる」と言って、一切衆生に向かって礼拝の行を立てられた――と。
吉井 また、「不軽菩薩の人を(うやま)いしは・いかなる事ぞ教主(きょうしゅ)釈尊(しゃくそん)出世(しゅっせ)本懐(ほんかい)は人の振舞(ふるまい)にて(そうらい)けるぞ」(同1174n)ともあります。いかなる相手をも尊重し抜く振る舞いが最も大切と仰せです。
杉本 池田先生は平和を論じたエッセーで、こう(しる)されています。
 「人が見ようが見まいが、自らの命を一生懸命に生き切ること、自分が今いる家庭や職場や郷土を良くするためにベストを尽くすこと。その(かげ)の勇気と努力ありてこそ、生命は黄金の光を発する」と。
 私たち一人一人が自分の使命に生き、そして今いる場所で(ほが)らかに友情を広げることですね。

根底に人格の尊重

吉井 先ほど「いじめ」の話が出ましたが、先生は連載「わが教育者に贈る」でも断言されています。
 「『いじめられてもいい子』など、断じておりません。『いじめられる側にも原因がある』などと、いじめを正当化させても決してならない。『いじめは、いじめる側が100%悪い』――この本質を絶対に見失ってはなりません」と。
 また「『人格の尊重』『生命の尊厳』を、すべての根底にしなければならない」と述べられています。
正木 大人社会の(ゆが)みが子どもの世界に反映されているとの指摘も多い。ならば社会の根底とすべき生命尊厳の哲学を私たちが広げるしかありません。
原田 平和をつくるのも地域の繁栄を築くのも、友情を広げる語らいの積み重ねです。その使命感をもって対話の花を咲かせたい。

(2012. 8. 2. 聖教新聞)

 

 

<52> 教師の人間革命が子供の成長に
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

杉本 子どもたちは夏休み真っ盛り。部活動の成果を発揮する大会やコンクールも目白押しです。
吉井 東京と関西の創価学園生も大活躍しています。「全国高等学校ダンスドリル選手権大会2012」では、関西創価高校のダンス部が晴れて、総合1位となる「文部科学大臣賞」と「審査員特別賞」を受賞し、3年ぶり4度目の日本一に輝きました!
棚野 同じ大会で東京高の男子ダンス部は堂々の部門1位となり、東京高の女子ダンス部と関西高の学園鼓笛隊も躍動の演技を披露しました。また「全国中学校ダンスドリル選手権大会」に初出場した関西中ダンス部は部門1位で審査員特別賞を受けています。
橋元 東京高の書道部も「全国高等学校書道パフォーマンス選手権大会(書道パフォーマンス甲子園)」に初出場し、関西高の陸上部員は「全国高等学校総合体育大会(インターハイ)」で力走。関西高の合気道部は「全国高等学校合気道演武大会」、関西中の囲碁部員は「少年少女囲碁大会」全国大会に参加しました。
棚野 今月中旬には、関西高の筝曲部(そうきょくぶ)が富山で「全国高等学校総合文化祭」日本音楽部門に出場し、東京の中学・高校の創価雄弁会(ゆうべんかい)と関西中のディベート部は東京で「全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)」に出ます。また東京高の生徒が、中東イスラエルで開かれる「アジアサイエンスキャンプ2012」に参加します。
正木 文武両道の多彩な分野で、日本・世界を舞台に大きく羽ばたいていますね! うれしいことです。
原田 未来部員には、このように不断(ふだん)の努力が報われ、華々(はなばな)しい活躍をしている子がいれば、自身の目標に向かって地道に頑張っているメンバーも大勢います。また中学・高校ともなれば、さまざまに葛藤(かっとう)し、悩みにぶつかって、なかなか前に進めない子もいるでしょう。しかし皆それぞれに使命があります。家族や周りの私たちは、その無限の可能性を信じ、成長を祈り、激励していきたい。

基盤に慈悲の精神

杉本 一方、「いじめ」をはじめとして教育現場の抱える課題があらためて浮き彫りになり、多くの皆さんが胸を痛めています。そのなか、学会の教育本部の方々は「教育革命」のため全力を尽くしています。
棚野 8月12日は「教育原点の日」です。その淵源(えんげん)は1975年(昭和50年)のこの日に、池田先生が教育部の夏季講習会に出席し、激励されたことです。
橋元 昨年、連載された小説『新・人間革命』「人間教育」の章で詳しく描かれています。人間教育の理想は、「()」「(じょう)」「()」の円満と調和――「知性」「感情」「意志」という三つの精神作用を一人の人間に開花させていくことであり、その基盤が「自己の人間としての向上(こうじょう)、完成をめざす主体性」と「すべての人に対する慈悲(じひ)の精神」であると強調されています。
原田 教師にとって必要な自己の完成≠ニ他者(たしゃ)への慈悲≠ヘ、なかなか両立できるものではありません。しかし妙法の哲理(てつり)によってこそ、これらを一体化できます。池田先生は教育部の友に、「御義口伝(おんぎくでん)」の「()とは自他共(じたとも)(よろこ)(こと)なり」「自他共に智慧(ちえ)と慈悲と()るを喜とは()うなり」(御書761n)との御文を引き、日蓮仏法の哲学によって、他者に対する慈悲の菩薩道(ぼさつどう)がそのまま自分自身の向上になると励まされました。
正木 この「(とも)に」という姿勢が、どれほど大切か。教育現場でもそうですが、広宣流布における人材育成でも同じです。

勇気と信念と希望

吉井 聖教新聞で連載されている「わが教育者に贈る」でも、池田先生はこう述べておられます。
 「一人の『個人の成長』が『他者の成長』を(うなが)し、周囲や社会の成長をも促していく――まさに、偉大なる『人間革命』の原理です。ゆえに、教師自身が成長すれば、子どもたちも必ず成長します。また、教師自身が成長するためには、子どもたちの成長に学ぶことです。教育は『共育(きょういく)』――教師も生徒も共に育って、成長していくことなのです」と。
橋元 「教師こそ最大の教育環境」ですね。
棚野 いじめ、ひきこもり、児童虐待、モンスターペアレントなど、子どもたちや教育を取り巻く問題は山積(さんせき)しています。そのなかで奮闘する青年教育者のメンバーは、「教員としての使命の自覚を促し、あるべき姿を具体的に指し示し、激励してくださる池田先生に心から感謝したい」と話していました。
杉本 教育本部の皆さんへの期待は、いやまして高まっています。武蔵大学の黒澤英典名誉教授は、かつて「教育原点の日」に寄せて、こう述べられました。
 「教育本部の皆さんの実践は、まぎれもなく人間教育の王道を行っています」
 「牧口先生、その弟子であられる戸田城聖先生の民衆を守る闘争、池田先生の世界平和へのご尽力、それこそ生命を賭けて戦い抜かれたのだと思います。教育本部の皆さんが創価三代の師に学び、生命の限りに行動し、勇気と信念と希望をもって、子どもたちが平和で心豊かに生きられる『教育の世紀』を実現するために、ますます活躍されることを願ってやみません」
原田 未来の宝≠(はぐく)聖業(せいぎょう)に尽くす教育本部の友に、心からエールを送りたい。私たちも、真心をもってわが地域での人材育成に取り組んでいこう。

(2012. 8. 6. 聖教新聞)

 

 

<53> 自行化他の実践が故人への回向
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

杉本 もうすぐお盆の時期を迎えます。全国各地にある学会の墓地公園・納骨堂で追善(ついぜん)の勤行法要が営まれます。また、会館で諸精霊追善勤行法要を行う地域もあります。心から故人へ追善回向(えこう)の題目を送っていきたいと思います。
吉井 お盆≠ニは「盂蘭盆会(うらぼんえ)」のことで、もともとは旧暦7月15日を中心に行われていましたが、日本では月遅れの8月15日ごろが一般的になっています。
橋元 「成仏(じょうぶつ)」について御書には「南無妙法蓮華経とばかり(とな)へて(ほとけ)になるべき(こと)(もっと)も大切なり」(1244n)とあります。
吉井 また池田先生は、こう指導されています。
 「『成仏』を決定づけるのは、正しき法を正しく実践するかどうかである」
 「題目を唱え、題目を広めることに(まさ)る追善供養は、絶対にない。広宣流布に戦う人生こそが、亡き家族への究極の回向となっていることを、晴れ晴れと大確信していくことだ」と。
棚野 大聖人は「盂蘭盆(うらぼん)御書で、「自身仏にならずしては父母をだにもすくいがたし・いわうや他人をや」(御書1429n)とも(おお)せです。自身が仏になる≠ニは、妙法を(たも)って自行化他(じぎょうけた)の実践に励むことにほかなりません。
杉本 広宣流布の決意に燃えて日々題目を唱え、学会活動に励んでいくことで得られる功徳(くどく)を、故人や先祖に回し向ける。これが追善回向の本義ですね。
正木 そうです。お盆の機会に墓参して追善回向することなどとあわせて、日々の勤行・唱題で故人を追善回向すること、さらには故人の後を継いで(ほが)らかに生き抜いていくこと、広布のために献身していくことが大切ですね。
原田 日蓮仏法では毎日の勤行が追善回向の場で、「常盆(じょうぼん)」「常彼岸(ひがん)」です。

供養収奪の日顕宗

橋元 毎年この時期になると日顕宗の坊主たちが金集めにうごめきます。まさに「袈裟(けさ)(ちゃく)すと(いえど)(なお)猟師(りょうし)(ほそ)めに()(しずか)に行くが(ごと)(ねこ)(ねずみ)(うかが)うが如し」(同21n)です。
棚野 坊主が拝まないと故人が成仏しない≠ネどと言い、ころも権威(けんい)≠ナだまし、供養の収奪に躍起になっている。しかし、そんなことは、釈尊(しゃくそん)も言ってなければ、日蓮大聖人の御書にもない。まったくの邪義(じゃぎ)だ。
橋元 日顕宗の坊主の腐敗(ふはい)堕落(だらく)した姿にあきれかえって、今年も多くの法華講員が脱講(だっこう)している。
棚野 大聖人は、こう仰せです。
 「出家となりて仏法を(ひろ)むる人・我は法を()けば人尊敬するなんど(おも)ひて名聞名利(みょうもんみょうり)の心を(もっ)て人にすぐれんと思うて今生(こんじょう)をわたり衆生をたすけず父母をすくふべき心もなき人を食法(じきほう)がきとて法をくらふがきと申すなり」(同1111n)
 まさに日顕宗も坊主そのものだ。法を食い物にする悪辣あくらつな坊主は、てっして責めなければならない。
原田 真心のこもった友人葬など、「創価の宗教改革」には大きな共感が広がっています。(にな)い手となってくださっている儀典(ぎてん)部の皆さまには、本当にお世話になっています。地道な(かげ)労苦(ろうく)に、心から御礼申し上げます。

地域に信頼と友情

正木 各地で地域の祭りが開かれる季節です。地域部・団地部の皆さんを先頭に、同志の方々が、日ごろの信頼も厚く、地域行事でも中核となって尽力してくださっている場合が多い。「学会の青年がいないと祭りが成り立たない」と語る地域の有力者もいます。
吉井 学会の会館が地域の祭りの休憩所として活用されている例もあります。
原田 あらためて確認しますが、たとえ地域の祭りに宗教的な色合いがあったとしても、それに参加したり、運営に関わったりすること自体は、他宗を信じて拝むのでない限り、謗法(ほうぼう)ではありません。
正木 地域行事への寄付も同様です。その行事を運営する町会や自治会等に出すものであり、社寺へ直接に出すものでなければ、問題ありません。それは地域行事への参加費として、運営に使われるからです。
原田 そうですね。「謗法と申すは違背(いはい)の義」(同4n)とある通り、「謗法」とは、日蓮仏法に違背することを指します。地域の発展のためという一点で近隣の皆さんと協力していくことは、仏法者として当然の振る舞いです。
杉本 先生は小説『新・人間革命』「春嵐(しゅんらん)」の章で、「地域の祭りなどの場合、現代では、宗教的な意味合いは薄く、文化・社会的な習俗となり、地域の親睦の場となっていることが少なくない。したがって、祭りなども、信仰として参加するのでなければ、直ちに謗法となるわけではない」と(つづ)られています。
原田 仏法の本義と矛盾しない限り、国や土地の文化・風習を尊重すべきであるという「随方毘尼(ずいほうびに)」の考えもあります。大切なのは私たち一人一人の御本尊への信心です。
正木 学会は謗法厳誡(げんかい)の精神を重んじ、御書の通りに実践し、192カ国・地域への世界広布を果たしてきました。その上で、大聖人の御精神を(はい)しながら、地域と社会のために尽くしていくことこそ、大切な取り組みです。
原田 その通りです。御本尊への強盛(ごうじょう)信力(しんりき)行力(ぎょうりき)()だして広布拡大に取り組みながら、地域にあっても常識的かつ聡明な振る舞いで、信頼と友情を広げていきたい。

(2012. 8. 9. 聖教新聞)

 

 

<54> 師弟の道が「正義の人生」
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

吉井 8月14日は、池田先生が第2代会長の戸田先生と出会われた日です。今年で65周年となります。
杉本 1947年(昭和22年)のことです。戦後の混乱の中、人生の哲学を探し求めていた池田先生が、東京・蒲田での座談会に誘われ、そこで戸田先生と初めて会われました。
正木 師弟の出会いから10日後、24日に池田先生は入信。以来、この65年にわたる池田先生の大闘争があって、現在の世界広宣流布の大拡大があります。
原田 「8・14」「8・24」は、今日こんにちの192カ国・地域への世界広布という人類史の壮挙(そうきょ)における偉大な「原点」です。
棚野 座談会が、師弟の出会いの場となったことも特徴的です。折伏(しゃくぶく)弘教(ぐきょう)も、教学の研鑚(けんさん)も、同志の団結の深化(しんか)も、全ての舞台は座談会であり、この座談会を積み重ねることで学会は発展してきました。
正木 そうです。老若男女が垣根(かきね)なく集い、友人も参加し、体験を語りながら信心の確信を深める。この草の根≠フ語らいを通して学会の陣列は拡大し、妙法が伝わってきました。
原田 初代会長牧口先生の時代から、学会は常に座談会を基盤としてきました。いろいろな情報技術が発達しようとも、顔をあわせた対話による「納得」と「共感」こそ、広布拡大の根本であることは変わりません。

信心とは求道の姿

橋元 池田先生は、仏法における師弟の重要性と、その峻厳(しゅんげん)(たましい)を、何度も繰り返し、私たち青年部に教え続けてくださっています。65年前の出会いを、こう述懐(じゅっかい)されています。
 「私は、人生の道を模索する、平凡な青年の一人にすぎなかった。その私が、師弟の道に徹したからこそ、最高無上(むじょう)の『正義の人生』を生き抜くことができたと確信している」
 「人間だけが師弟をもつことができる。師弟の道によって自分を高めていける。ここに人間の究極がある。後継の青年たちには、伝え(のこ)せる限り、私のもっているものをすべて伝えたい。一切の後事(こうじ)を託したい。その私の心を、弟子たる君たちは深く知ってほしいのだ」と。
原田 弟子が師匠を定め、誓いを立てる。師匠の指導のままに戦い、勝利の(あか)しを打ち立てる――弟子が師匠への報恩(ほうおん)の思いをもって奮闘するとき、自身の(から)を破り、大きく成長することができます。
棚野 日蓮大聖人は、こう(おお)せです。
 「人の師と(もう)すは弟子のしらぬ(こと)を教えたるが師にては(そうろう)なり」(御書208n)――人の師というのは弟子の知らないことを教えるのが師である、と。
 常に師の指導をはいし、学んでいこうという求道の姿が、真の弟子の姿勢です。
杉本 研修会のためにはるばる来日するSGI(創価学会インタナショナル)の同志とお会いすると、大変な求道心に胸を打たれます。師匠を求める心に、信心の年数や物理的な距離、直接の出会いの有無は、まったく関係ありません。
吉井 御聖訓(ごせいくん)に「人(みち)をつくる路に(まよ)う者あり作る者の罪となるべしや」(同257n)とあります。
 ある人が道を作る。その道に迷う人がいる。それは道を作った人の罪になるだろうか。そうではなく、それは迷う人の罪である――という趣旨です。師匠が教えてくださった通りに、真っすぐ進むことが幸福と勝利への道です。
正木 退転者たいてんしゃたちに共通しているのは、師を求める心を(うしな)い、慢心(まんしん)を起こしたことです。大聖人が「をくびやう(臆病)物をぼへず・よく(欲)ふか(深)く・うたがい多き者ども」(同1191n)と喝破(かっぱ)されている通りです。

破和合僧の日顕宗

原田 仏法の根幹(こんかん)、学会の真髄(しんずい)は「師弟」です。池田先生が戸田先生の遺志(いし)を受け継ぎ、不惜身命(ふしゃくしんみょう)で戦ってくださったからこそ、今の学会があり、私たちがあります。この恩を、断じて忘れてはいけません。
杉本 池田先生は、こう語っておられます。
 「師と同じ正道(せいどう)をまっしぐらに進んできた。一日たりとも、休むことはなかった。わが同志も、同じく戦ってくださった。私たちは戦った。そして勝った。一つも後悔がない。私は、慈愛(じあい)に満ちた人生の師である戸田先生に、第一の弟子としての誇りをもって、いつでも、三世(さんぜ)にわたって、お会いできることを最極(さいごく)(ほま)れとして、生き抜いている」と。
橋元 私たちも日々、池田先生と共に世界広布へと邁進(まいしん)していくことができます。聖教新聞などを通して、みずみずしい思いで先生の指導を拝し、師と共に歩む一日一日を送っていきたいですね。
棚野 一方、大聖人の御聖訓通りに世界広布を成し遂げてきた創価の師弟に、あろうことか嫉妬(しっと)し、分断を図ったのが日顕宗です。
正木 日顕宗の坊主は、自分たちが僧侶であるというだけで偉いと思い込み、慢心し、信徒を見下した。大慈大悲(だいじだいひ)の大聖人の御精神に、完全に違背(いはい)してしまった。だから崇高(すうこう)な学会の世界や師弟の精神を理解することができず、破和合僧(はわごうそう)を企てたのだ。
橋元 仏法の因果(いんが)は厳しく、その現証(げんしょう)として、日顕宗は最盛期の2%にまで信者が減り、衰亡の坂を転がり落ちている。
原田 哀れな邪宗門を歯牙(しが)にもかけず、私たちは大聖人直結の大道、師弟不二(ふに)の王道を真っすぐに進んでいきたい。

(2012. 8.13. 聖教新聞)

 

 

<55> 才能の芽を伸ばす励ましを
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

杉本 「創価ファミリー月間」にあたり、いま未来部の皆さんは、夏休みの宿題への取り組みとともに、各種コンクールへの応募にも挑戦しています。
吉井 中等部・高等部は、「読書感想文コンクール」「英語スピーチコンテスト」、少年少女部は「きぼう作文コンクール」「少年少女希望絵画展」が行われます。応募の締め切りは、いずれも8月31日です。
橋元 聖教新聞の7月2日から7日に、応募要項と用紙、英語スピーチコンテストの課題文(課題・会話部門)が掲載されています。同じものは未来部担当者向けのホームページ「未来部希望ネット」(http://www.miraibu.net/)にも載っており、応募用紙などをダウンロードすることができます。さらに、このホームページでは、英語スピーチコンテストの模範スピーチ≠聴くこともできます。
棚野 未来部員の挑戦を応援するため、地域によっては絵画教室や作文講座を開いているところがあります。また青年部の「21世紀使命会」、壮年・婦人部の「未来部育成部長」の皆さんが、未来部員のお宅を一軒一軒、地道に訪ね、画用紙や原稿用紙、応募要領などを手渡しながら、子どもたちを励ましてくださっています。本当にありがとうございます。
橋元 コンクールへの応募は、単に作文や絵画の作成に取り組むことだけにとどまりません。絵や文章の得意不得意にかかわらず、むしろ苦手であるほど、自身に挑戦した歴史が残ります。それが子どもたちの自信になります。
杉本 池田先生が小学生のころ、「つづり方」(作文)について学校の先生に、「とても、じょうずに書けています」と、全学年で2人だけ選ばれて、ほめられたことがあったそうです。
 池田先生は体の弱かった私が、文筆の道で生きていきたいと思うようになったのも、先生にほめられた影響が大きいのかもしれない≠ニ語っておられます。そして、「『心からほめられる』ことは、だれでもうれしい。『自信』になる」と述懐じゅっかいされています。
棚野 大切なのは、子どもたちのチャレンジを励まし、その頑張りを最大にほめたたえてあげることですね。未来部員が才能の芽を伸ばせるよう、挑戦の心と自信をもてるようにしていきたい。

広がる夢と可能性

吉井 池田先生は「未来ジャーナル」に連載中の「未来対話」で、こう語っておられます。
 「若くして妙法を(たも)った皆さん自身が人類の希望であり、夢です。その皆さんが、『世界を平和にしよう』という夢に生き抜けば、必ず、世界へ平和へ近づくのです。夢があれば、どこまでも成長できる。夢は、自らの可能性を最大限に発揮し、未来を開く宝の鍵≠ネのです」と。
 未来部の夢と可能性が広がるよう、心からエールを送り、大成長を祈っていきたいと思います。
原田 夏の取り組みもそうですが、一年を通して常に未来部員の成長と健康・無事故を祈り、励ましの言葉をかけてくださる同志の皆さんには、本当にお世話になっています。
正木 未来部員に対する一つ一つの声かけと祈りが、広宣流布と世界の未来をつくっていきます。どれほど尊い振る舞いでしょうか。
橋元 未来部は人生の土台を築く時期です。どんな豪華な建物も、基礎がしっかりしていなければ砂上(さじょう)楼閣(ろうかく)≠ナす。大切な未来部のときに信心の骨格≠養うことができれば、将来にわたっての大きな財産となります。
杉本 そうですね。大人が思っている以上に、子どもたちは信心についても純粋な心をもっています。親や家族が活動に励む姿、信心への姿勢を、日常的に目に焼き付けています。たとえストレートに伝わらないように思えても、信心の原点と確信、そして師匠をもつ人生の喜びを語っていくことは、子どもたちの心に必ず刻まれます。

仏法の偉大さを証明

橋元 いま受験勉強に全力を注ぐメンバーがたくさんいます。順調に学習が進んでいる子もいれば、なかなか志望校合格の学力に届いていない子もいるでしょう。緊張や焦り、不安を感じる時期です。そういったとき、親や家族はもちろん、友人や同志の方々からの励ましも大きな(ちから)になることがあります。
吉井 激励するつもりが長居して勉強を邪魔してしまったり、プレッシャーばかりかけてしまっては本末転倒ですが、電話でも手紙でもメールでも一声でも、(かげ)で応援している≠ニいう気持ちを伝えられるといいですね。
棚野 一方、来春卒業予定の大学生・大学院生の就職内定率は、7月時点で58%という調査結果が発表されていました。就職活動に取り組むメンバーにとっても、大事な時期が続いています。
正木 まだ雇用情勢は厳しく、長期間にわたる就職活動を余儀なくされる人が少なくない。そのなかで信心根本に壁を破ろうと奮闘するメンバーが数多くいます。
原田 「(てん)()れぬれば()(あきら)かなり法華(ほっけ)()る者は世法(せほう)()()きか」(御書254n)です。未来部も学生部も、社会で仏法の偉大さを証明しゆく、使命深き大人材です。皆の勝利を真剣に祈り抜いていきたい。

(2012. 8.16. 聖教新聞)

 

 

<56> 心からの「納得」が前進の勢いに
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

原田 関西を中心に記録的な大雨による被害が発生しました。被災地域の皆さまに、衷心(ちゅうしん)よりお見舞い申し上げます。
正木 今後も警戒が必要です。気象情報を確認し、皆で声を掛け合い、細心の注意を払っていきたい。
杉本 さて、友好期間を通して、全国の同志が大いに友情を広げてきました。友人が初めて聖教新聞を購読してくれるなど、久々に会った友と対話が進み、思っていた以上に学会理解が深まったという話も、たくさん伺っています。
橋元 男子部では、創価班・牙城会の大学校生が意気盛んに、友人との対話拡大に走り抜いています。先輩たちも一緒になって、友の幸福のために祈り、行動し、折伏(しゃくぶく)弘教(ぐきょう)のドラマが相次いで誕生しています。

明確な目標で出発

原田 さあ心新たな決意で、元気よく、また勢いよくスタートを切る時です。友好期間で養った英気を発揮しながら、張り切って出発していきたい。
棚野 そのために大切なことは「目標を明確に」という一点に尽きます。
吉井 そうですね。何を目指し、どう頑張っていくのか定まっていないと、(ちから)が出ません。真剣な人は目標が常に具体的で、着実に前進しています。
正木 この週末を中心に、座談会を開催する地域が多いと思います。まずこの座談会で、友好期間の取り組みを報告し合いながら、どういう目標を掲げていくのか、お互いに確認していきたいですね。
原田 日蓮大聖人が「月月・日日につより(たま)へ・すこしもたゆむ心あらば魔たよりをうべし」(御書1190n)と(おお)せのように、日々たゆまず信心を強めることです。そのためにも明確な目標は不可欠です。
杉本 学会活動の目標とともに、自身の宿命転換・人間革命を果たすための家庭や社会での目標も立てていきたいですね。
橋元 池田先生は、「一つ一つ、一点一点、戦いを明確にし、目標を明確にすることである。(まと)があいまいで、矢が当たるはずがない。的を明確にしたら、迷わず全力で当たることである。全力で当たらずして的を射貫(いぬ)けるはずがない」と指導されています。
吉井 また、より具体的に、こう語ってくださったことがあります。
 「朝はまず、朗々(ろうろう)たる勤行・唱題でスタート。わが生命を大宇宙と交流させながら、その日の目標を明確にして、生き生きとした生命力で出発する。そして、目前の課題一つ一つに、決して手をぬかず、全力で取り組んでいく。そのように、一日一日を、一切の行動を大切にして生きぬいている。生き生きと動いているところが、必ず勝つ」
棚野 また組織の目標という点で、こう述べておられます。
 「目標が漠然(ばくぜん)としていては、誰もが自分の挑戦課題≠ニして受け止めることができない。ゆえに結局は、真剣になれないものである。また、目標を押しつけてはいけない。皆が『よし、やろう!』と納得できるようにすべきである。それには、中心者自身が、自分の責任で、たとえ一人になっても、掲げた目標を断じて達成するとの、決意を定めることだ。その決定(けつじょう)した心に燃え盛る情熱の炎が、皆の胸に、広布に戦う心を燃え上がらせていく」
原田 大切な指導です。リーダー自身の決意は、皆に波及します。ならば、ぜひ幹部率先(そっせん)で、強き一念に立っていきたい。一人立つ精神で「広宣流布は自分がやる!」と思い切って行動する時、皆にその思いが伝わっていきます。
正木 先生が「納得」を強調されていることは重要なポイントです。同志の皆さんが心から納得し、目標を共有できてはじめて、勢いと団結が生まれます。
杉本 先生は小説『新・人間革命』第2巻「先駆」の章でも(つづ)られています。
 「皆が、なんのための運動か、なぜ、今、それを行うのかを、よく納得、理解するならば、自主的に行動を開始していくものだ」「皆が意義、目的を心の底から納得していないにもかかわらず、目標の数や方法ばかりが強調されれば、押しつけられているような思いをいだくにちがいない。すると、皆の活動に取り組む姿勢は受け身になる。受け身の行動には歓喜(かんき)も躍動もなくなる。それでは、いかに高邁(こうまい)な運動も、やがては行き詰まってしまう」
原田 皆さんの心をくみ取りつつ、明快な目標を掲げ、取り組みの意義を分かりやすく語る。それがリーダーの務めです。「納得こそ(ちから)」「納得こそ勢い」と銘記していきたい。

熱中症対策怠らず

棚野 8月も後半ですが、残暑の厳しい日が続きます。引き続き、体調の管理に気をつけていきたい。
杉本 とくに多宝会(たほうかい)の方々は、暑い日中の会合は決して無理をしないよう、地域の皆さんで配慮をお願いします。
橋元 暑い日の会合は、うちわや扇子(せんす)、タオルを持参するなど、暑さを和らげる工夫を各自でしていきたいですね。
吉井 また、熱中症の危険性は高いままです。こまめに水分と塩分を取る、軽装で過ごす、戸外にいる時は帽子や日傘で日ざしに当たらないようにし、室内にいる時はエアコンや扇風機等を活用して暑さを避けるなど、対策が必要です。
正木 朝晩の勤行を中心に「信心(そく)健康」のリズムを作り、健康第一で進んでいきましょう!

(2012. 8.20. 聖教新聞)

 

 

<57> 壮年の底力で勝利の決定打を
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

棚野 8月24日は池田先生の入信記念日です。同時に、聖教新聞創刊原点の日であり、また壮年部の日でもあります。
原田 1950年(昭和25年)のこの日、戸田先生は池田先生に広布の機関紙の構想を語られました。またその日、戸田先生が(みずか)らの事業の悪化から当時の理事長職を辞任する意向を表明されています。翌年4月に創刊されることになる聖教新聞は、大変な苦境のなか、未来の広宣流布を思い描く師弟の語らいから誕生したのです。
橋元 理事長の辞任を発表された戸田先生に、池田先生は「先生が理事長を辞められると、これから、私の師匠は誰になるのでしょうか」と尋ねられました。それに対して戸田先生は「苦労ばかりかけるけれども、君の師匠は、この私だよ」と答えられたのです。
 池田先生はこう述懐(じゅっかい)されています。
 「当時、戸田先生の事業は最も困難な状況にあった。窮地に陥った先生を、(ののし)る人間もいた。先生のもとを去っていった人も数多くいた。しかし、私にとって師匠は戸田先生お一人であった。どんな状況になっても師匠は師匠である。師の偉大さは変わらない――私は、この信念で戦い抜いたのである」と。
正木 峻厳(しゅんげん)な創価の師弟の(たましい)が幾重にも刻まれた「8・24」です。そうした意義深い記念日が、壮年の日となっています。

黄金柱ここにあり

原田 日本社会は、いわゆる団塊(だんかい)の世代の退職という時代を迎え、その活力をどう生かしていくかが焦点になっています。学会も同様に、壮年部の皆さんが元気に活躍するほど、広布拡大は飛躍的に進みます。
杉本 各地の会館で、壮年部の皆さんが王城会などの役員として着任される姿を多く拝見します。「無冠(むかん)の友」として聖教を配達される壮年の方々も、たくさんいらっしゃいます。労苦(ろうく)のいとわず、勇んで広布を支えていただき、本当にありがとうございます。
正木 働き盛りの世代は、職場で重責にあったり、多くの仕事を任されたりして、会合に出たくても出られない状況が続くこともあります。一方で、この厳しい不況のなか、苦難に直面し、再起をかけている方もいます。それぞれの状況に応じた、温かな励ましを重ねていきたい。
吉井 女子部でも一家和楽の信心を目指し、お父さんと一緒に信心根本で乗り越えていきたいと、真剣に祈るメンバーがいます。
杉本 壮年部の皆さんが生き生きと広布のために奮闘されている姿は、家族や周りの同志にも勇気を送ります。本当にうれしいものです。
正木 池田先生は壮年に呼びかけておられます。
 「仏法は勝負だ。断じて勝たねばならない。その偉大な父の背に、青年が陸続(りくぞく)と続くのだ」
 「『黄金柱(おうごんばしら)ここにあり』との実証(じっしょう)を、子どもや後輩たちに示し切れ! その雄姿を皆が誇らしげに見つめ、頼もしく待っている」
 後半戦のスタートに当たり、新たな決勝点に向け、壮年の底力で勝利が決まった≠ニいえる大闘争を展開していきたい。壮年が広布勝利の決定打を放つ時は今です。
原田 日蓮大聖人は、壮年門下(もんか)の四条金吾に「(しゅ)(おん)ためにも仏法の御ためにも世間の心ね(根)もよ(吉)かりけり・よかりけりと鎌倉の人人の(くち)にうたはれ(たま)へ」(御書1173n)と訴えられました。地域にあっても、職場にあっても、創価の壮年らしく堂々と信頼を勝ち取っていきたい。

立党の精神を堅持

棚野 先日(らい)、国政の動きが慌ただしくなっています。私の友人は「政治家は、どこを向いて政治をやっているのか、まったく分からない。選挙のことしか考えていないのではないか」と嘆いていました。
吉井 政局を優先させた国民不在≠フ政界に、多くの有権者がしらけているのが現実です。
橋元 去る10日に参院で可決・成立した社会保障と税の一体改革関連法をめぐっては、各党の党利党略が絡んで揺れました。そのなかで、国民のためという大局観に立ち、政争の具にすべきではない≠ニ一貫して主張した公明党の姿勢に、一定の評価が寄せられています。
吉井 各紙の社説にも書かれていました。
 「(公明党は)法案採決前の不信任案提出などに慎重論を唱えている。これが正論である」(日本経済新聞8月7日付)
 「公明党が『一体改革を政局の道具にすべきでない』として自民党と一線を(かく)し、法案成立を優先しているのは、妥当(だとう)な姿勢だ。今の方針を堅持(けんじ)してもらいたい」(読売新聞同8日付)
 「(公明党は)『法案が成立するまでは内閣不信任決議案などを出すべきではない』と一貫して主張し、自民党に自制を促した。『内外への影響を配慮し、政治が機能することを示した』と語ったが、長年政権を担った政党としての矜持(きょうじ)を示した」(同9日付)
正木 政治家には国民生活を守る重い責任がある。「国民のため」との一点でぶれずに、「決められる政治」を進めることこそ、今、求められている。
原田 公明党の(たましい)も、まさにそこにある。「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との宣言から今年で50周年。この立党精神を堅持し、今後も国民のために働き抜いてもらいたい。

(2012. 8.23. 聖教新聞)

 

 

<58> 現場の知恵$カかす討議を
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

杉本 後半戦を元気に出発し、同志の皆さんが一丸(いちがん)となって、友好対話に、聖教新聞の拡大に取り組んでくださっています。地域によっては新たに人事があり、気鋭(きえい)のリーダーが誕生したところもあります。
原田 池田先生は先日、こう語っておられました。
 「新しい出発の時に(のぞ)んで、大事なことは何か。それは、勢いだ。明るさである。リーダーは、何があっても前向きに(とら)えて進むのだ。さあ、きょうも、明るく元気に『一歩前進!』の指揮をとるのだ。そこに、信頼が生まれ、団結が生まれる」と。
 幹部は、いつも(ほが)らかに、強い決意で皆の先頭に立って戦っていきたい。
棚野 もし、リーダーに元気がなく、難しい顔や疲れた表情をばかりしていれば、皆さんが気持ちよく活動できません。
正木 祈りが根本です。「南無妙法蓮華経とばかり(とな)へて仏になるべき事(もっと)も大切なり」(御書1244n)です。ありのままの姿で御本尊に向かい、題目を唱えるなかで、勇気と知恵と生命力を湧き(いだ)していきたい。

皆の意見を尊重

原田 以前の座談会で「納得」の大切さがテーマとなりました。そのためには、何でも言い合える場≠ェ必要です。地区単位などで行われている協議会も一つの柱です。
橋元 そうですね。具体的な目標を立て、今週1週間どのように活動していくか、今月は何に(ちから)を入れていくかなどと、明快な取り組みを皆で決めていきたいですね。
正木 折伏(しゃくぶく)弘教(ぐきょう)、聖教新聞の拡大、地域友好、未来部・青年部の人材育成、教学の研鑚(けんさん)をはじめとして、学会の運動は多角的です。そのため協議会は、会合日程や報告事項など、事務的な内容を確認するだけで時間が掛かってしまうこともある。しかし、そのなかでもポイントを絞って、意見を出し合う場を作っていく工夫をお願いしたいと思います。
杉本 たとえば会合革命≠ニいう点も大きなテーマです。会合を開催する時間・場所だけでなく、開く目的を確認し、その通りに進んでいるかどうか、改善の余地がないか、根本から考えること自体にも意義があります。
吉井 池田先生は、こう語っておられます。
 「どうすれば、皆が戦いやすいか。歓喜(かんき)に燃えて動けるか。どうすれば、人材が育つか。結果が出るか。勝てるか。それは、現場で戦っている第一線の同志が一番よく知っている。真面目な婦人部の皆さん方が一番よく分かっている。その方々の意見を、しっかりと聴くことだ。現実に即した、いい意見を、どんどん出してもらうのだ」と。
原田 協議会の充実は、組織の勝利に直結します。現場≠ノこそ知恵があります。全同志の勝利へ、皆の意見を尊重しながら協議会で心を合わせ、団結して出発したいと思います。

無私の功労を称賛

棚野 29日は「国際部の日」です。1968年(昭和43年)8月29日に、海外から来日した同志のために通訳・翻訳を担当するメンバーを池田先生が激励されたのが淵源(えんげん)です。先生は世界広布を(かげ)で支える、尊い労苦(ろうく)をたたえられました。
正木 192カ国・地域に広がるSGI(創価学会インタナショナル)の連帯は、師匠の遺志を受け継いだ池田先生の不惜身命(ふしゃくしんみょう)の闘争で築かれました。同時に、御書や学会指導の通訳・翻訳などで、先生と共に奮闘してこられた方々の努力があってのことです。
杉本 拡大や勝利の実証の陰には、それを支える同志が必ずいます。その役割に光を当て、無私(むし)の功労を最大にたたえていくことの大切さを先生が教えてくださっています。
吉井 いま国際部は国際本部に発展し、21世紀の鳩摩羅什(くまらじゅう)≠ニして活躍する通訳翻訳部、人道支援などで世界の平和と安定のために貢献する国際ボランティア部、世界へ友情を拡大する国際交流部、そして仕事などで海外から来日したメンバーをサポートする在日外国人部があります。
橋元 長期間にわたって日本に滞在し、働いている外国人の方々も数多い。SGIメンバーにとっては、慣れない異国の地に同志の絆があることが、どれほど心強いことでしょうか。日本でSGIメンバーと知り合って日蓮仏法の哲学や学会の温かさに触れ、入会する友人もいます。
棚野 大都市圏や外国人の方々が多く居住する地域を中心に、英語やポルトガル語、スペイン語、韓国語、中国語、フランス語など言語別でメンバーが定期的に集い、座談会を開き、教学の研鑚も行っています。
橋元 東京や大阪、沖縄では、本部幹部会を同時通訳付きで中継する行事も開かれています。最も多いときには13言語で行われているそうです。
吉井 日本で活動したメンバーがやがて祖国に帰り、地域のリーダーとして活躍している例もたくさんあります。
杉本 聖教新聞でも海外の組織の発展を紹介した新企画が大好評です。海外のメンバーから信心を学び、共に進む時代ですね。
棚野 男子部・女子部の国際部のメンバーも、世界広布の後継者との自覚で、各分野で頑張っています。
原田 まさに広宣流布は世界同時進行です。これだけの壮大な広がりをもつ日蓮仏法を信仰できることに喜びを感じながら、私たちも、わが地域で使命を果たしていきたい。

(2012. 8.27. 聖教新聞)

 

 

<59> 創立者の心*ャ打つ教育に評価
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

棚野 海外初の創価幼稚園として創立された香港創価幼稚園が9月で開園20周年を迎えます。
原田 教育熱が高い香港で、最高の評価を受けています。香港政府教育局から「最優秀幼稚園」(2006年)に認定され、複数の教員が「行政長官卓越教学賞」(2009年)を受賞しました。
杉本 近年は入園の競争率が20倍を超えるといいます。メディアが紹介したり、母親の皆さんの口コミ≠ナ評判が広がったり、大変な人気です。
吉井 今年7月の卒園式では教育局の来賓が、こう語っていました。
 「20年にわたる香港創価幼稚園の傑出(けっしゅつ)人間主義の教育は、称賛(しょうさん)(あたい)します。園児の皆さんの自信に満ちた表情を拝見し、将来、必ずや全員が社会の(はしら)へと成長しゆくことを確信いたします」と。
正木 実際、そうした期待通りに、世界の名門大学への進学者をはじめ、公認会計士やエンジニアとして(ちから)を発揮するメンバーなど、香港にとどまらず世界に優れた人材を輩出しています。
橋元 教育局が厳しい審査の上で「最優秀幼稚園」に選んだ際、こう理由を述べています。
 「継続的な自己採点と自己改善を通し、多くの面にわたり、たゆみない向上を目指している。カリキュラムの設定にあっては『人間教育』に重点が置かれている。同幼稚園の指導者層は、教育の質と園児たちの精神的な健康を極めて重視している」と。
 人間教育という理念を大切に、教職員の皆さんが、どうすれば園児のためになるかを考え抜き、努力に努力を重ねた結晶として、今日(こんにち)の発展があります。
吉井 中国国家教育委員会幼児教育庁の首脳も、「ここには、園児一人一人を未来の宝≠ニして大切にする創立者・池田先生の精神が脈打っています。そこから、子どもたちの主体性、自主性、協調性が育まれている」とたたえていたそうです。
正木 札幌から始まった創価幼稚園は、香港、シンガポール、マレーシア、ブラジル、韓国と、世界に広がっています。どこも優れた教育で高い評価を受けています。創立者の心をわが心とする教職員の方々の情熱があってこそです。
原田 師の心をわが生命に刻み、行動を起こしていくことは、学会活動も同じです。そのなかで私たちは勝利へ進んでいくことができます。「よき弟子をもつときんば師弟・仏果(ぶっか)にいたり」(御書900n)との御文を銘記していきたい。

大震災を教訓に

棚野 9月1日は「防災の日」です。1923年の関東大震災を教訓に制定されました。昨年の東日本大震災から約1年半、あらためて災害への備えを点検する時でもあります。
杉本 今年の上半期、大震災から1年を迎えるなかで、多くの地域で学会の同志が防災に関するセミナーを開きました。友人の皆さんの関心が非常に高く、大好評でした。
正木 この夏も大雨などによる被害が相次いでいます。いつ災害に遭うかは誰にも分かりません。普段からの備えが肝心です。
橋元 大地震などが起きて避難しなければならなくなった場合、どこに集合するかを家族で決めておくことが大事です。災害時は携帯電話が通じないことが多い。連携が取れなくても、あらかじめ避難場所を決めておけば、そこで家族が会うことができます。
杉本 たとえば、単に小学校≠ニだけ決めるのではなく、小学校の体育館に入って左側≠ネどと、より具体的に決めている方もいますね。また避難場所自体に万が一のことがあった場合のために、いくつかの場所を候補として、優先順位を付けて選んでおくことも必要です。
吉井 避難する際に持っていくべき最小限のものをまとめておくと、いざというときにすぐ取り出せます。また、離れて暮らす家族の安否を確認するために、電話会社などが提供する災害用伝言ダイヤル・伝言板等の使い方も、皆で理解しておきたいですね。
正木 地域の同志の間で、避難場所の情報を共有することも役立ちます。

命を守る公明党

棚野 「命を守る政治」といえば公明党です。国民の命と暮らしを支えるために、たくさんの実績を積み重ねてきました。
橋元 子どもたちの命を守り、また災害時の地域の避難場所として大切な公立小中学校の耐震化工事を強力に推進してきました。
吉井 空飛ぶ救命救急室≠ニ呼ばれるドクターヘリも、公明党の働きで実現しました。救急医療では1分1秒が生死を分けます。ドクターヘリのおかげで命が助かったケースが、各地で次々を生まれています。
杉本 今年に入って実現した実績もあります。妊娠しても流産を繰り返してしまう「不育症(ふいくしょう)」の一部治療法への保険適用や、乳児の胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)の早期発見のため母子健康手帳にチェック用カラーカードを追加することなどです。
吉井 どちらも、公明党の地方議員が関係者から要望を聞き、国会議員と連携して実現したものです。地域と国を結ぶ公明党の「チーム(りょく)」が光っています。
原田 現場の声≠聞き、地道に国民のために仕事をするのが公明党です。今後も、国民生活を守る政策の実現に期待したい。

(2012. 8.30. 聖教新聞)

 

 

<60> リーダーは同志を明るく元気に
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

原田 9月に入りました。まだまだ残暑が厳しいなかですが、この猛暑の季節も毎日、聖教新聞を配達してくださっている「無冠(むかん)の友」の皆さんに心から御礼申し上げます。
正木 連日の奮闘、本当にありがとうございます。引き続き、交通事故や熱中症に気をつけていただきたいと思います。
杉本 広宣流布を支える(かげ)功労(こうろう)に感謝し、絶対無事故と健康を真剣に祈っています。
棚野 池田先生は先日、リーダーのあるべき姿勢として、次のように述べておられました。
 「指導をする際に大切なのは、信心の確信にあふれていることだ。その上で、皆さんを()める。(たた)える。励ましていくことである。皆を元気にするのが指導であるからだ」と。
 しっかりと心肝(しんかん)に染めていきたいと思います。
橋元 皆を元気にする。それがリーダーの大事な務めです。「会うと元気になる」「勇気をもらえる」と言われるような、そういう存在でありたいですね。

友の心に寄り添う

正木 一方、「指導」という点について、草創期から頑張ってこられた方が、「いまは昔のように幹部に信心指導を受ける機会が少なくなってきた」と語っていました。
 貴重な指摘だと思います。忙しいなかですが、リーダーはもう一重(いちじゅう)、同志の心に寄り添うような触れ合いを大切にしていきたい。皆さんが自身の人間革命をかけて、より力強く学会活動に取り組めるよう、励ましていきたい。
原田 学会では「指導主義」の大切さが強調されてきました。号令をかけて指示するだけではなく、リーダーが先頭に立ち、決勝点を目指して同志と(とも)に祈り、共に活動していくことです。一人一人を大切にしていくことです。この指導主義が学会の伝統であり、これからも変わることはありません。
橋元 指導というと、何か強い言葉が連想されたり、やや固いものというイメージがあったりします。しかし先ほどの池田先生の言葉にあった通り、学会における指導とはすなわち「褒める」「讃える」「励ます」ことです。
正木 皆の心を軽くし、「これなら私にもできる」「また新たな決意で頑張ろう」と(ほが)らかに出発していけるよう、背中を押してあげることとも言えます。
杉本 そうですね。そして、同志一人一人のことをよく知り、よく話を聴き、その人の成長と幸福を祈り抜くことがなければ、相手の心に響く励ましはできません。
吉井 「(ことば)()うは心の思いを(ひび)かして声を(あらわ)すを云うなり」(御書563n)との御文通りです。

御書、指導を研鑚

杉本 日蓮大聖人の門下への心づかいも、私たちが学ぶべきものです。
 大聖人は、夫を亡くした妙一尼(みょういちあま)に対して、信心にあつかった夫の功徳(くどく)雪山童子(せっせんどうじ)薬王菩薩(やくおうぼさつ)と同じであると讃嘆(さんたん)し、「ご主人は必ず、見守ってくださっています。それも、きっと近くにいらっしゃっているはずです」と励まされています。さらに、いざというときには大聖人ご自身が幼い子どもたちのことも見守っていきますとまで述べておられました(同1254n、趣旨)。
橋元 子どもがいなかった国府入道(こうにゅうどう)夫妻へも、「釈尊(しゃくそん)は入道殿と尼御前(あまごぜん)慈父(じふ)であり、日蓮はあなた方の子です」と(おお)せになり、蒙古が襲来した時や、年を取った末には、私のいるところへ移ってきなさいと語っておられます(同1323n、趣旨)。
 こうした深い慈愛(じあい)と真心が、さまざまな不安を抱えていたであろう門下にとって、どれほど温かく感じられたことでしょうか。
棚野 いま経済不況で大変な状況にある青年部のメンバーも、御書はもちろん、聖教新聞に掲載される池田先生の指導や随筆を(はい)し、勇気を得ています。まさに現在の自分自身に与えられた指導だと胸に刻み、立ち上がっています。
正木 リーダーは御書を引き、先生の指導をもとにしながら、励ましの言葉を掛けていきたい。そのために誰よりも求道心をもって先生の指導を学び、その真心を皆さんに伝えていくことが求められます。
原田 もちろん、幹部が自身の個人的な体験談やさまざまな経験を話すことは極めて大事なことです。観念ではいけません。しかし、それだけでは独りよがりな話になってしまうこともある。信仰で大きな確信を得るなかで、原点となった御聖訓や先生の指導が誰にも必ずあります。そうした御文や指導をもって語ってこそ、皆が納得する話になります。
吉井 また、激励という点でいえば、会合に参加している人よりも、出席していない人、とくにいろいろな理由があって、出たくても出られない人に光を当てていくことが大切だと思います。
杉本 そうですね。広宣流布の活動は、全てが「励まし」といえます。同志の訪問激励はもちろん、折伏(しゃくぶく)弘教(ぐきょう)も、近隣友好の語らいも、相手を讃え、共感し、元気にすることから始まります。
原田 大事な視点です。御聖訓に「一は(まん)(はは)」(同498n)とあります。目の前の同志、そして友人と、心(かよ)い合う「励ましの対話」を重ねていきましょう。

(2012. 9. 3. 聖教新聞)