< 座談会 >

創立100周年へ――  

  希望の橋を架ける

 


 

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「師弟」こそ広布前進の力に
師と共に異体同心で進む
試練への応戦が無限の成長に
人間主義の哲理発信する聖教
「挑戦の人」が真の後継の人材
世界平和への連帯を広く強く
聡明に勇敢に今日も一歩前進
真剣な祈りと明確な目標
若き世界市民のスクラム!
学会が仏の未来記を現実に

 

 

 

 

<1> 「師弟」こそ広布前進の力に
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 永石 大感動の箱根駅伝では、創価大学が往路優勝を果たし、総合で第2位に輝きました。希望あふれる大勝利でした。
 大串 4回目の出場での往路優勝、総合第2位は戦後最短の記録です。創大卒業生として、これ以上うれしいことはありません。
 長谷川 創大は、本年4月2日に開学50年の佳節(かせつ)を刻みます。創立者である池田先生も、「我らの創価大学駅伝部は見事なチームワークで、感激の(ドラマ)を創ってくれた。開学50周年という佳節(かせつ)に、皆で心を一つに勝ち開いた壮挙(そうきょ)(まこと)におめでとう!」と大変に喜んでおられました。
 原田 総合3位の目標を(かか)げた選手たちはチーム全員で、どうすれば達成できるか≠考え、これまで以上の練習に励みました。学生としても、人間としても、一流になることを目指し、規則正しい生活をはじめ、寮の清掃、近隣の小学生のための交通誘導などにも取り組んだそうです。そうした努力の結果の快挙に深く感動しました。
 希望と勇気をくれた創大生たちの奮闘に続けとばかりに、私たちも本年を勢いよく出発していきたいと思います。

三障四魔打ち破る

 長谷川 今年は、聖教新聞の創刊、戸田先生の第2代会長就任、婦人部と男女青年部の結成から70年の節目(ふしめ)となります。
 永石 70周年に当たり、婦人部は、後継(こうけい)の人材を(はぐく)み、新たな師弟勝利の歴史を築いていく決意です。
 西方 学会の歴史にとって、一大転換点となった1951年(昭和26年)、池田先生は、どのように新年を迎えられたのか。その模様が小説『人間革命』第5巻にも(しる)されています。
 大串 年明け早々の1月6日、池田先生は戸田先生に呼ばれ、ご自宅を訪問されます。戸田先生は前年、事業が暗礁(あんしょう)に乗り上げ、絶体絶命の窮地(きゅうち)の中で、新年を迎えておられました。
 西方 その場で戸田先生は語ります。「私に、もし万一のことがあったら、学会のことも、組合のことも、また、大東商工のことも、一切、君に任せるから、引き受けてくれまいか。そして、できることなら、私の家族のこともだ」と。
 原田 第2代会長の誕生、聖教新聞の創刊、各部の結成と、燦然(さんぜん)たる広布史を刻む年の正月は、実は先の全く見えない暗闇のような状況でした。この四面楚歌(しめんそか)の中で戸田先生は、後事の一切を若き23歳の愛弟子(まなでし)に託されたのです。
 西方 さらに戸田先生は「私の、この世に生まれた使命は、また君の使命なんだよ」「私と君とが、使命に生きるならば、きっと大聖人様の御遺命(ごゆいめい)も達成する時が来るだろう。誰がなんと言おうと、強く、強く、一緒に前へ進むのだ!」と言われました。
 大串 この日の日記に、池田先生はつづられています。「先生は、正成(まさしげ)(ごと)く、()れは、正行(まさつら)の如くなり。奥様は、落涙(らくるい)()の日の、感動、厳粛(げんしゅく)感涙(かんるい)、使命、因縁(いんねん)、生き甲斐(がい)は、生涯(しょうがい)、忘るることはない。後継者(こうけいしゃ)は、私であることが決まった。激越(げきえつ)の、年も刻々(こっこく)と明けて来た。いかなる苦悩にも打ち勝ちて、男らしく、青年らしく、若人(わこうど)らしく、本年も戦いきろう。学会も、会社も、黎明(れいめい)の年であれ」
 原田 その言葉の通り、池田先生は題目を唱えに唱え、自らの病魔(びょうま)とも戦われながら、阿修羅(あしゅら)のごとく進まれました。そして、師匠(ししょう)を守り抜かれたのです。
 戸田先生と池田先生の師弟は、仏意仏勅(ぶっちょく)である広宣流布の達成へ、何があろうと、一体で前進されました。そして短日月(たんじつげつ)で、学会の黎明(れいめい)を勝ち開き、広布の盤石(ばんじゃく)基盤(きばん)を築いてくださったのです。
 西方 70年後の今、次元は異なりますが、私たちの眼前にも、未聞(みもん)の試練が続き、混沌(こんとん)とした状況が広がっています。
 長谷川 池田先生は先日、(いと)おしい全同志を断じて守り、全人類を幸福にしていかなくてはならない。そのために命をなげうとうと思うと、力が出る。元気になる。怖いものなど、何もなくなるんだよ≠ニ戸田先生が語られていたことを通し、「これが、我ら創価の師弟の(たましい)」であると教えてくださいました。
 困難に立ち向かい、勝ち開くために大切なものは、「師弟」にほかならないのです。
 原田 70年前、障魔(しょうま)と戦い、一切を変毒為薬(へんどくいやく)し、広宣流布の大道を切り開いてくださった、戸田先生・池田先生に(つら)なる弟子らしく、2021年を、学会と世界広布の新たな「黎明(れいめい)の年」にしてみせる――この決意で祈り抜き、智慧(ちえ)を出し、広布の前進を(さまた)げる三障四魔(さんしょうしま)を打ち破ってまいりたい。まずは、4・20「聖教新聞創刊記念日」、5・3「創価学会の日」を明確な勝利の実証で祝賀すべく、皆で大前進していきましょう。

電話等を活用して

 長谷川 なお、新型コロナウイルスの感染拡大に(ともな)い、「緊急事態宣言」が再び発令された、東京、埼玉、千葉、神奈川については、会館や個人宅等に集まっての会合は原則、行わないこととします。また、訪問による激励(げきれい)についても、相手からの依頼があった場合などを除き、なるべく控えることとします。
 永石 該当(がいとう)の地域の方は、電話やオンラインを活用して、一人一人に励ましを送っていきましょう。
 原田 65年前、まさかを実現≠ウせた「大阪の戦い」において、池田先生が徹底して実践(じっせん)されたのは「一対一の対話」による励ましです。大きな会合で人を集めて話をするのではなく、現場の最前線で、徹底して一人一人の話に耳を傾け、励ましを送ったのです。これが勝利の推進力となりました。
 永石 「一は万が母」(御書498ページ)との御聖訓(ごせいくん)(はい)し、先生は、「広布の拡大は、常に『一人への励まし』から始まる」と教えてくださっています。
 原田 医療従事者、エッセンシャルワーカーなど、筆舌(ひつぜつ)に尽くせぬ苦労をされている方もいます。感謝は尽きません。私たちは、感染拡大の一日も早い終息(しゅうそく)を祈るとともに、「一人への励まし」に(てっ)し抜き、広宣流布を前へ前へと進めていきましょう。

(2021. 1. 8. 聖教新聞)

 

 

<2> 師と共に異体同心で進む
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、志賀青年部長、大串女子部長

 永石 学会創立100周年の2030年へ、希望あふれる本部幹部会が開催されました。
 原田 幾重(いくえ)にも意義深き本年の出発に当たり、池田先生からご提案をいただき、本部幹部会も「第1回」と心機一転スタートしました。「異体同心(いたいどうしん)なれば万事(ばんじ)(じょう)じ」(御書1463ページ)との御金言通り、池田門下が団結して、広布拡大と立正安国の新たな大闘争を起こしていきたい。
 長谷川 本部幹部会へのメッセージの中で、今から60年前の1961年、第3代会長に就任されてから初めて迎えた元日に、先生ご自身が学会常住の御本尊の前で「力の限り、戦いましょう! 私は、この一年で百年分の歴史をつくります」と宣言されたことを教えてくださいました。
 志賀 この宣言(せんげん)のままに、先生は同年の年頭から全国各地を(めぐ)り、その後、初のアジア訪問に出発されています。また、秋には初めてのヨーロッパ広布の旅に出られました。自らの行動で広布の突破口(とっぱこう)を開いていかれたのです。
 原田 先生は、「私の先駆(せんく)の行動は、題目を唱え抜き、心で戸田先生と常に対話しながらの『不二の旅』でした」と述べられています。私たちも、池田門下の誇りも高く、先生と心を合わせて、師弟不二、そして異体同心(いたいどうしん)の広布旅に勇んで前進していきましょう。

試練の闇を照らす

 永石 きょう11日は「成人の日」ですね。門出を迎えられた新成人の皆さんを心から祝福いたします。
 長谷川 池田先生は「21世紀の夜明けとともに、この地球に(おど)り出てきた皆さんこそ、人類の試練の(やみ)を照らし晴らしゆく『希望・勝利』の太陽です」と、真心あふれるメッセージを贈られました。
 志賀 私たち青年部は試練の時代だからこそ、最高峰の哲理(てつり)(かか)げる創価の運動が輝きを増していく時だと確信し、地域に、社会に勇気と希望を送る対話を広げていきます。
 原田 今年は、新型コロナウイルスの感染拡大で、例年のような記念のイベントなどが行われない地域も多い。だからこそ、一人一人が困難に打ち勝つための、希望の出発となるよう最大に励ましていきたいと思います。
 永石 草創(そうそう)以来、学会は未来を(にな)う子どもたちにも光を当て、育んできました。その取り組みの一つが優良図書の贈呈(ぞうてい)運動です。先日も岩手・久慈市の小学校の話題が聖教新聞に掲載されていました(6日付)。
 大串 この小学校では、図書室に「創価文庫」と名付けたコーナーが設けられ、保護者らによる読み聞かせも行われているそうですね。
 長谷川 学会の第1回となる図書贈呈(ぞうてい)は、1974年2月3日のこと。池田先生自ら、沖縄・石垣島で行われた同・西表島の中学校への贈呈式に出席し、校長に目録を手渡されました。
 原田 先生は「本を開くことは、未来への(とびら)を開くこと」と述べられています。書籍(しょせき)が、どれほど未来を(にな)う子どもたちの心の滋養(じよう)となるか。また、コロナ()にあって、良書は人々の精神的な(かて)にもなっています。学会は、活字文化の復興のためにも、書籍(しょせき)贈呈(ぞうてい)をはじめ、精神の光をもたらす、さまざまな運動をさらに推進していきたい。

専門性と常識感覚

 大串 新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。私たちは、改めて「マスクの着用」「身体的距離の確保」「手洗いの励行(れいこう)」「小まめな換気」等の基本的な感染対策を徹底していきたいと思います。
 長谷川 特に先日、緊急事態宣言が再び発令された首都圏の1都3県においては、一人一人が一層、強い意識で感染拡大の防止に努めていく必要があります。
 大串 こうした中、政府はワクチンを「感染対策の決め手」として、2月下旬までには接種を開始する方針を表明しました。
 志賀 ワクチン確保に向けては、早くから公明党が推進し、今回の接種開始の見込みまで、こぎ着けた経緯があります。実は当初、政府は、国内での開発支援などを重視し、先行する海外開発品の確保への交渉は遅れていました。ワクチン確保に対する財源の見直しが不透明だったからです。
 長谷川 それに対し、医師でもある公明党の参議院議員が、昨年7月の参院予算委員会での質問として、ワクチンの確保や治療薬開発など、取り組みの強化を強く訴えました。この答弁として、政府は、財源について「予備費の活用」を初めて明言し、ここから海外の製薬会社のワクチン確保へ向けて局面が大きく変わっていったのです。
 大串 その後、海外の大手製薬会社が政府の答弁を歓迎。イギリスのアストラゼネカ社の日本法人の役員は「整備の後押しとなり、ありがたい」と公明党の会議で述べていましたね。
 志賀 そしてイギリスだけでなく、アメリカの製薬会社とも交渉が進展。各社と契約や合意を結ぶことができました。これにより、大国のワクチン獲得競争に遅れを取ることなく、日本も一定数のワクチンを確保する見通しを立てることができました。
 原田 公明党は、ワクチン接種の体制整備や国産ワクチンの開発などにも力を入れています。人々が安心して暮らせるよう奮闘する姿に、多くの識者からも賛同の声が相次いでいます。
 永石 医学博士で、新型コロナウイルスのワクチン開発に携わる森下竜一氏は、「連立政権の一角を(にな)う公明党は、医学や科学技術の分野における専門性と、常識的な感覚を合わせもった議員を(よう)しています。そうした政治リーダーと手を(たずさ)えながら、新型コロナのワクチンを一日も早く皆さんにお届けできるよう、さらに力を尽くしていきます」と語っています(月刊誌「潮」2月号)。
 原田 生命尊厳(そんげん)の思想を(かか)げる公明党は、これからも大衆に寄り添い、議員一人一人が力を発揮し、コロナ()を乗り越える政策実現に全力を挙げてほしい。

(2021. 1.11. 聖教新聞)

 

 

<3> 試練への応戦が無限の成長に
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 長谷川 学会創立100周年へ出発する、「第1回本部幹部会」が明15日から配信されます。
 原田 「会館」をはじめ、「モバイルSTB」や「SOKAnet」で視聴が可能です。皆で声を掛け合いながら、それぞれの場所で工夫して視聴していきましょう(配信の会場と時間等は各県・区で決定)。
 永石 記念すべき「第1回」の本部幹部会のメッセージの中で池田先生は、重要な指針(ししん)を示してくださいました。
 大串 はい。まず「『青年』こそ『希望』の異名(いみょう)」であると強調され、「いかなる試練の挑戦があろうとも、青年がたくましく応戦し、成長してくれるならば、無限の希望が生まれ広がる」と教えてくださいました。
 西方 「希望・勝利の年」の出発に当たり、「青年の使命」を明確にしていただきました。この指導を胸に、必ずや青年部は、「希望」と「勝利」を拡大していく決意です。

心の免疫力高める

 永石 また、「太陽と月の光明(こうみょう)諸々(もろもろ)(やみ)(のぞ)くことができるように、妙法を受持(じゅじ)弘通(ぐつう)する地涌(じゆ)菩薩(ぼさつ)は、世間(せけん)の中で行動して、衆生(しゅじょう)の闇を(めっ)することができる」(御書903ページ、趣意)との御文(ごもん)(はい)し、泥沼のごとき現実社会の中で、民衆の苦悩を万年先、尽未来際(じんみらいさい)まで照らし晴らすのが、「太陽の仏法」であるとも言及(げんきゅう)されています。
 原田 日蓮大聖人御在世(ございせ)の当時、疫病(えきびょう)等が社会にまん延し、民衆は苦しみ、時代の闇は深まっていました。その中で大聖人は、大難(だいなん)を勝ち越え、万年にわたる平和と社会の安穏(あんのん)、民衆の幸福のための大法を確立し、弘めてくださいました。その御本仏(ごほんぶつ)に直結し、人々の心に希望と勇気を送っている学会員の行動が、どれほど尊いか。
 長谷川 社会心理学を専門とする新潟青陵大学大学院の碓井(うすい)真史(まふみ)教授は、聖教新聞の連載「危機の時代を生きる」の中で、「ウイルスの感染を防ぐためには、体の免疫力を上げることが有効」であり、同様に、「『心の免疫力』を高めることが大切」であると語っています。
 そして、「創価学会のような地域に根差したネットワークの存在は、ソーシャルサポート(社会的支援)の役割も期待できます。悩みを相談できる存在が身近にいること、また自分自身も人のために行動できるという感覚も、『心の免疫力』を高める」と述べています(昨年9月26日付)。
 原田 御書に(おお)せの「衆生の闇」を照らしていくことは、「太陽の仏法」を(たも)った私たち「地涌(じゆ)菩薩(ぼさつ)」の使命です。
 先生は、「『立正安国』『立正安世界』の信念の行動を貫きながら、地域へ社会へ未来へ『太陽の仏法』の大光(たいこう)を、いよいよ、たゆまず明るく温かく、そして(あまね)く惜しみなく贈っていこう」と呼び掛けてくださっています。
 永石 本年は、これからの10年を決しゆく勝負の一年です。先生と共に、「希望・勝利の年」の不二の旅を、明るく(ほが)らかに進んでいきたいと思います。

最前線の声を実現

 原田 コロナ()の中でも日々、聖教新聞を配達してくださっている全ての方々に心から感謝申し上げます。先生は、「師弟の心を(かよ)い合わせ、同志の心を結び合わせて」くださっている「無冠(むかん)の友」の方々こそ、「異体同心(いたいどうしん)の前進の生命線であり、信仰の歓喜(かんき)津々浦々(つつうらうら)にまで生き生きと脈動(みゃくどう)させる広宣流布の大動脈なのであります」とたたえられています。
 永石 皆さまが健康で無事故で幸福であるよう、深く強く祈念(きねん)しています。悪天候の際には無理をされないよう、お願いします。
 長谷川 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、「パルスオキシメーター」という医療機器が注目されています。先日も朝のNHKのニュース番組が取り上げ、マスコミ各社も報道をしています。
 大串 指先に(はさ)む小さなクリップ状の装置で、動脈血酸素飽和度(ほうわど)と脈拍数を測定することができるものですね。
 西方 新型コロナの感染者のうち、入院の必要がないと判断された、軽症・無症状者は現在、療養ホテルや自宅で待機しています。その際、突然の症状の悪化の兆候をつかむために有益なのが、この「パルスオキシメーター」です。
 大串 実はこの装置は、昨年春から、公明党の提案で軽症等の方が療養するホテルに配備されています。
 西方 そうです。昨年4月3日、東京都内の感染症指定医療機関で働く一人の青年医師から、「症状悪化時には酸素飽和度の低下が見られる。パルスオキシメーターで連続的に計測すれば容易に把握(はあく)できる。ぜひホテルに配備すべきだ」との声が、党の青年委員会に届けられました。
 原田 公明党は、医療の最前線からの訴えを重く受け止め、青年委員会の国会議員や医療免許をもつ国会議員が、厚労副大臣を務める党の国会議員、呼吸器内科の専門家と連携した上で、厚労省幹部らに、「重症化の目安が分かるパルスオキシメーターをホテルなどに常備し、医療機関に搬送できる態勢を併せて整えてもらいたい」と強く訴えました(同月6日)。
 長谷川 その結果、厚労省は7日に、公明党の訴えを反映した方針を発表し、14日に各都道府県で配備を進めるよう連絡しました。
 大串 そうした国政での動きに各地の公明議員も反応し、たとえば都議会公明党は10日、感染者が療養するホテルへの配備を都知事に提言。医師の訴えから、わずか19日後の同月22日に、その費用が計上された補正予算が成立しました。
 西方 全国でも、公明党の議員の訴えで配備が進んでいます。最近では、自宅療養となった著名人が装置の重要性をSNSで訴え、話題です。都議会公明党は今月12日、自宅で療養・待機している人への貸与の態勢も整えるよう、都知事に要請しています。
 原田 公明党へ声を届けた青年医師は語っていたそうです。「公明党はスピード感がすごい。命を守るために大切なことをきちんと実現していける政党だと実感した」と。
 そもそもコロナ対策において公明党は、昨年2月に政府の専門家会議の設置を提案し実現させ、今話題のワクチン確保を先導し、治療薬の承認も強力に後押ししてきました。
 これからも公明党は、国民の命を守るための政策を迅速(じんそく)に打ち出し、実行してもらいたい。

(2021. 1.14. 聖教新聞)

 

 

<4> 人間主義の哲理発信する聖教
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、志賀青年部長、大串女子部長

 永石 コロナ()の中、「聖教新聞をこれまで以上に熟読しています」という声をよく伺います。先が見えない時代状況にあって、聖教新聞が読者に希望と励ましを送り続けていることを感じます。
 原田 池田先生が「世界が(いま)だかつてない試練に直面する今、一人一人の不屈(ふくつ)の生命力を呼び覚まし、幸福勝利への智慧(ちえ)を光らせ、正義と希望の連帯を広げゆく聖教新聞の使命は、計り知れません」と述べられている通りです。生命尊厳(そんげん)哲理(てつり)を基調とする聖教が、どれほど蘇生(そせい)と結合の力になっているか。
 志賀 識者のインタビューなどを通して困難を生き抜く視点を提供する連載「危機の時代を生きる」も好評ですね。「テレビやインターネットのニュースは一面的な情報ばかりな中、良質な話が聞けてありがたい」との声が読者から寄せられています。
 長谷川 信仰体験にも感動が広がっています。ある地区部長は、コロナ()による苦境の中、同じ境遇(きょうぐう)の友が奮闘する体験談に触れ、私も負けられない。今こそ信心の基本に立ち返ろう≠ニ決意。懸命に祈る中、好待遇(こうたいぐう)の転職が決まったそうです。その中で、10人を超える友人への購読推進も実っています。
 原田 体験ほど強いものはありません。牧口先生は「今までの宗教は観念論ばかりで実験証明はなかった」と指摘されました。真実の宗教は人生に生き生きと脈動してゆくものです。

今年は創刊70周年

 永石 聖教新聞を通して学会理解の輪も広がっています。友人読者の方々からも多くの感想が届きます。
 長谷川 「この新聞には人を勇気づける言葉がありますね。『私も負けずに頑張ろう。冬は必ず春となる≠フだから』と、いつも励まされています」との声もありました。御書には「仏は文字に()って衆生(しゅじょう)()(たも)うなり」(153ページ)とあります。聖教新聞は人々に寄り添い、生きる活力を与える言葉に満ちています。
 大串 好評だった聖教の記事を友人にまとめてお渡しできるのが原則、毎月1週目の日曜付5〜8面に掲載される「Seikyo(セイキョウ) Gift(ギフト)」ですね。抜き取ればそのまま活用でき、電子版のトップページから、PDFデータをダウンロードし、印刷も可能です。
 原田 本年4月20日、聖教新聞は創刊70周年を迎えます。電子版は205カ国・地域からアクセスがあります。「海外にいながら、リアルタイムで新聞を見られるなんて、すごい時代ですね! 先生の記事、日本の活動の様子に元気をもらっています」といった反響も届いています。「聖教新聞を日本中、世界中の人に読ませたい」との戸田先生の熱願が池田先生によって実現されました。聖教新聞を日々、熟読(じゅくどく)、活用しながら、さらに創価の人間主義の哲学を広げていきたい。

多様な「声」を反映

 志賀 新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。今こそ、皆で感染拡大を防いでいこうという「社会の一体感」と具体的行動が求められています。
 大串 自分は無症状者であり、知らないうちに感染させてしまうかもしれないという意識、また、医療従事者の方々が筆舌に尽くせぬ苦労をしていることに思いをはせる。そうした想像力と共感力をもつことが大事だといわれていますね。
 原田 いま一重、感染防止の意識を高め、マスクの着用、手指の消毒、「3密」の回避など基本を徹底していきたい。皆で協力し、何としても感染拡大を抑えなければなりません。
 長谷川 最近、ワクチンと共に、治療薬についても新しい動きがありました。これまで厚生労働省は「レムデシビル」の投与を認める患者を、人工呼吸器を使うなどしている重症者に限定していましたが、新型コロナウイルスによる肺炎患者全般に広げたことがニュースになっていました。
 志賀 当初、レムデシビルについては、候補とされていた他の治療薬などと比べ、少量で効果が出やすい分析結果があるにもかかわらず、国立感染症研究所の文書などであまり取り上げられていませんでした。それを、公明党の議員が昨年3月の参院予算委員会で指摘し「(治療薬の)候補に入れて使ってもらうことが重要だ」と提案しました。これに対し、政府は「米国と共に国際共同治験を実施する予定であり、しっかり進める」と答弁しました。
 原田 感染症の専門家も「この答弁を(さかい)に、承認へ向けた治験が動きだした」と述べていたことが報道されていましたね。公明党の迅速な行動が、治療法の幅を広げたのです。
 大串 そしてこのたび、製薬企業から臨床試験のデータが追加で提出され、厚労省は「重症患者以外でも有効性が確認された」などとして、対象の拡大につながったのですね。
 永石 また、東京都は今月9日、コロナ()における子育て支援の一環(いっかん)として2021年度から2年間、出産した家庭に対し、独自に10万円分の子育て支援サービスや育児用品などを提供する方針を明らかにしました。これも都議会公明党の訴えで実現したものです。
 志賀 昨年12月24日、公明党は都知事に21年度予算の編成に関する要望書を提出。その際の「最重点要望」の一つが出産家庭への独自の支援でした。東京都では、出産費用が全国平均よりも10万円以上高いという調査もあり、都議会公明党は、都独自の手厚い支援策を求めていました。
 原田 公明議員が地域に根を張り、実情を的確に(とら)えた政治活動に努めていることについて、一橋大学の中北浩爾教授は公明新聞元日号で「新型コロナの影響は地域や年齢、性別、職業などでも異なります。政治への信頼を高めるのは、政治家が一人一人と直接会い、そうした多様な声を吸い上げ、政治に反映していく地道な取り組みです」と評価していました。
 公明党はさらに「一人に寄り添う」政治を(つらぬ)き、地域に貢献してもらいたい。

(2021. 1.18. 聖教新聞)

 

 

<5> 「挑戦の人」が真の後継の人材
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 長谷川 今月末に開催される、第1回の「青年部幹部会」を目指し、今、各地の青年部が新たな歴史を開く闘争に挑戦しています。頼もしい限りです。
 永石 青年部の皆さんが進める「新・人間革命」世代プロジェクトの(はしら)となる大会ですね。
 原田 会合映像の配信期間は、2月6日から14日です。「会館」(会場と時間は各県・区で決定)をはじめ、「モバイルSTB」や「SOKAnet」で視聴が可能です。わが家の青年、地域の青年が一人でも多く参加できるよう、皆で応援していきましょう。
 西方 青年部は当日を目標に、小説『新・人間革命』第17巻「本陣(ほんじん)」の章の研さんに取り組んでいます。師弟の精神を心肝(しんかん)に染め、人材育成と友好拡大に挑んでまいります。
 大串 この章には、青年に対する、いくつもの重要な指針(ししん)(しる)されています。
 「開拓(かいたく)とは、新たなる挑戦であり、死闘(しとう)によってのみ切り開くことができる(いばら)の道である」
 「師弟とは、弟子の自発的な意志があってこそ成り立つ(たましい)の結合といえる」
 「師弟の精神が脈動(みゃくどう)している限り、学会は、永遠に、常に大発展していきます」
 原田 私が大切だと思うのは、「いかなる嵐にも、烈風(れっぷう)にも、決して、ひるんではならない。あきらめてはならない。忍耐(にんたい)強く、柔軟に、繰り返し、繰り返し、挑戦し続けていくことです。その挑戦の人こそが、(しん)後継(こうけい)の人材であり、最後の勝利者なんです」との一節です。コロナ()の現在にも通じる重要な指導です。

一対一による触発

 西方 実は昨年、このような状況の中でも、人材の拡大を果たした地域が数多くありました。3倍の活動者となった、ある地域では、リーダーたちが「電話」をはじめ、オンラインや手紙等を通じ、全メンバーに連絡を取りました。困っていることや、悩んでいることに耳を傾け、全員に励ましを送ったのです。
 原田 学会の発展の要諦(ようてい)は、どんな状況になろうとも、「一対一」による信心の触発(しょくはつ)です。池田先生は、「一対一」の対話こそが、壁を破り、新しい道を開く」と何度も教えてくださっています。この基本を大切にしていく中でこそ、「共に戦う」人材は育ちます。
 西方 発展している地域では、オンラインを利用して、メンバーとリーダーが一緒に勤行・唱題をし、懇談を重ねています。また、オンラインなどで定期的に「部の活動者会」を実施し、着実に人材の裾野(すその)を広げています。
 大串 女子部は、今月31日まで行う「マイ ロマン総会」を通じ、希望の連帯を大きく広げています。あるリーダーは、1日5人の友への励まし≠決意し、電話やオンライン、手紙等を利用しながら、1カ月で150人以上の友と語らっています。
 原田 その中で、(みずか)弘教(ぐきょう)を実らせることができた方もいるそうですね。素晴らしいことです。
 長谷川 コロナ()であっても、長年の対話が実り、弘教を成就(じょうじゅ)できたとの婦人部の方の報告も、毎日のように寄せられています。
 永石 昨年2人の友人を折伏(しゃくぶく)した栃木のある副本部長さんは語っていました。
 「こんな状況だから、何もできないのは仕方ないと思うのか。それとも、こんな状況だからこそ、やれることがあると挑戦するのか。その一念次第で、結果は(おの)ずと変わってきます」と。世界的な苦境(くきょう)の日々でも、私は成長することができた≠ニ胸を張れるよう、挑戦を続け、自他共(じたとも)の幸福の輪を広げています。
 原田 先生は、「本陣(ほんじん)」の章の中で、「よき弟子をもつときんば師弟・仏果(ぶっか)にいたり・あしき弟子をたくはひぬれば師弟・地獄(じごく)にをつといへり、師弟相違(そうい)せばなに(ごと)(なす)べからず」(御書900ページ)との御聖訓(ごせいくん)(はい)し、「創価学会のこれまでの大発展は、師弟不二の、金剛不壊(こんごうふえ)の団結によって勝ち得たものです」と指導されました。
 創立100周年への勝利の突破口(とっぱこう)を私たちの手で!≠ニの気概(きがい)に燃える青年部と共に、「師弟の心」で広宣流布の未来を必ずや開いていきましょう。

4度にわたる提言

 長谷川 コロナ()において、公明党の青年委員会は4度にわたり、総理大臣や官房長官らに、青年政策を提言しています。
 大串 これは、オンラインによるユーストークミーティングや、Twitterを活用した調査を通じて得た「現場の(なま)の声」を反映したものです。
 永石 日本若者協議会・室橋祐貴(ゆうき)代表理事は、提言を一読(いちどく)して、自分たちの問題意識と合致(がっち)していることに驚きましたと言われ、「表面的に若い世代の意見を聞くフリをする団体はいくらでもあるのですが、その真意をつかみ、これほどまで政策に反映しているのは公明党以外に考えられません」と述べていました。
 原田 同代表理事は、コロナ()の中で、公明党が主導して実現した、年齢制限のない一律(いちりつ)10万円の特別定額給付金は、「学び」を続け、「暮らし」の不安を(やわ)らげるために大きな役割を果たしたと評価。
 さらに、経済的に困窮(こんきゅう)している学生に対し、追加で最大20万円の学生支援緊急給付金がLINE申請できるようになったことで、救われた学生の数はとても多かったと論じていました。
 大串 文部科学省の調査によると、昨年4月から10月の大学の中退率は、前年度と比較して、わずかに低下しています。
 長谷川 また、公明党が推進してきた、不妊治療の公費助成や、携帯電話料金の引き下げも、大変に喜ばれています。
 永石 全国289市町村で実施している、新婚世帯への生活支援の適用要件の緩和(かんわ)と、29歳以下は上限額が30万円から60万円に倍増される計画も発表され、話題になっていますね。
 西方 新型コロナの影響で休業した中小企業で働く方(アルバイトを含む)への「休業支援金」や、住まいの家賃が払えない方への「住居確保給付金」、生活資金に苦しむ方への「生活福祉資金」など、公明党は、若い世代はもちろん、あらゆる方への支援体制を確立しています。そして、こうした仕組みが、より多くの人に伝わるよう、努力を重ねています。
 原田 これからも公明党は、若い世代の心に響く政策を実行し続け、社会の未来を開く青年を守り、(はぐく)んでもらいたい。

(2021. 1.21. 聖教新聞)

 

 

<6> 世界平和への連帯を広く強く
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、志賀青年部長、大串女子部長

 長谷川 今月22日、「核兵器禁止条約」が国際法として発効しました。この条約は、開発、製造から保有、使用に(いた)るまで、核兵器を「全面的に」禁止する初めての国際法です。その意義は大きい。
 原田 今回の条約発効は「核兵器なき世界」に向けての大きな一歩≠ナあるといえます。創価学会として心から歓迎します。核廃絶への、学会の運動の原点は、1957年に戸田先生が発表された「原水爆禁止宣言」にあります。
 核兵器を、人類の「生存の権利」を(おびや)かすものと断じた恩師の遺訓(いくん)を胸に、池田先生は世界の識者と対話を重ね、平和のための行動を(つらぬ)かれました。そして、学会・SGIは先生のリーダーシップのもと広範(こうはん)な市民運動を展開してきました。
 永石 世界各地の諸団体とも手を(たずさ)えながら、反核の展示や署名活動、また被爆証言集の発刊など、幅広く取り組んできました。
 志賀 禁止条約の発効は、広島・長崎の被爆者の方々、また、核実験等による世界のヒバクシャの方々をはじめ、市民社会が長年にわたり実現を訴え、望み続けてきたものです。
 原田 御書には「(なんじ)(すべから)く一身の安堵(あんど)を思わば()四表(しひょう)静謐(せいひつ)?(いの)らん者か」(31ページ)と(おお)せです。「世界の平和なくして、本当の意味での社会の繁栄も個人の幸せもない。ゆえに、世界平和の実現こそ、われら仏法者の使命である」と、池田先生はつづられています。核兵器廃絶に向けての運動に、仏法者としても、市民社会の一員としても、いっそう真剣に取り組んでまいります。

主導的な役割担う

 大串 核問題に取り組んできた識者が、今回の発効を前に聖教新聞の取材に応じ、SGIの運動にも評価の声を寄せていますね。
 永石 ドゥアルテ元国連軍縮担当上級代表は、今後、条約の意義についてさらに多くの市民からの支持が不可欠であると指摘。その上で、「SGIの皆さん一人一人が、これまでの協働作業を継続し、この条約が普遍化(ふへんか)されることの重要性を、語り広げていかれることを期待しています」とも語っています(1月15日付)。
 原田 SGIの展示活動についてはIPPNW(核戦争防止国際医師会議)のラフ共同会長がこのような声を寄せています。「人と関わりを結び、教育の機会を提供し、希望を送る。こうしたSGIの取り組みは単なる展示活動ではなく、大きな広がりをもつ平和運動です」(同20日付)
 永石 ICAN(核兵器廃絶の国際キャンペーン)のフィン事務局長はこれまで、SGIが国際パートナーとして協力を重ねてきたことに言及(げんきゅう)し「私たちのキャンペーンにおいて、SGIは主導的な役割を果たしてきました」と語っています(同22日付)。
 志賀 特に、同事務局長は、「大きな成果を上げた協働の一つが、カリブ海地域での取り組みです」と述べ、2019年にガイアナ共和国で条約の発効促進のための地域会合が開催され、その運営をSGIとICANが担ったことに触れていました。そして、「こうした尽力(じんりょく)もあり、カリブ海諸国の批准(ひじゅん)が加速し、条約発効に向けた(はず)みがつきました。あの会議がなければ、まだ50カ国の批准(ひじゅん)に至っていないでしょう」と明言していました。
 原田 重要な証言です。同事務局長は「引き続きSGIと協力を深め、さまざまな活動に取り組んでいきたい」とも語っていました。学会としても、核兵器廃絶への運動を一段と力強く展開していきたい。ともあれ、日本は世界で唯一(ゆいいつ)の戦争被爆国です。世界に果たすべき使命は極めて大きい。創価学会としても、日本が批准(ひじゅん)を視野に、締約国(ていやくこく)会議にオブザーバーとして参加すること、そして、核保有国および依存国と、非保有国との「橋渡し」役を担うことを念願したい。

38回もの緊急要望

 長谷川 新型コロナウイルスの感染者の急増を受け、大きな問題となっているのが医療機関の逼迫(ひっぱく)です。特に、感染者数が最も多い東京都では深刻です。
 大串 この問題の解決に向けて、都議会公明党も全力を尽くしてきました。昨年6月の定例会代表質問で、「都内に新型コロナの専門病院を開設」すべきと訴え、渋谷区の東海大学医学部付属東京病院に加えて、府中市に新型コロナウイルス感染症専門医療施設が開設されました。
 長谷川 また、8月には患者がさらに増えた場合に備え、都立・公社病院の一部分を専門病院へ転用することも提言。年明け早々の今月2日には、都立・公社病院の受け入れ体制の抜本的な強化を都知事に緊急要望しました。
 そして、13日には、都知事が、都立・公社の3病院でコロナ入院患者を重点的に受け入れることを表明しました。都立広尾病院(渋谷区)、公社荏原(えばら)病院(大田区)、公社豊島病院(板橋区)です。
 志賀 このことについて、17日放送のNHK「日曜討論」でも日本感染症学会理事長の舘田一博氏が、非常に大事な動きであることを指摘し、評価していました。
 大串 昨年来、都議会公明党はコロナ()から都民を守るため、38回もの緊急要望を都知事らに提出しています。元東京都副知事の青山?(やすし)氏も、公明党議員の着実な活動が「今回のコロナ対策で非常に成果を上げた」(月刊誌「潮」20年11月号)と評価しています。
 志賀 公明党は、コロナ患者用ではない病床(びょうしょう)を、症状が軽快した感染者の受け入れに活用するための財政支援なども訴えています。先日、政府はこれらの推進を発表しました。さらなる病床(びょうしょう)確保が期待されます。
 原田 昼夜を分かたず奮闘されている医療従事者の方々のためにも、公明党には、支援策の拡充にいっそう励んでもらいたい。
 地方議員から国会議員まで、公明党がネットワークの力を生かしてあらゆる角度から試練と戦う人々の力になっていくことを、望んでいます。

(2021. 1.25. 聖教新聞)

 

 

<7> 聡明に勇敢に今日も一歩前進
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 大串 全国各地で工夫をこらして、1月度の「座談会」が開催されています。
 長谷川 「座談会」といえば、聖教新聞では現在、「世界広布のわが舞台」と題して、各国での座談会の様子などを伝える企画が連載されています。25日付の「ドイツ」編も、大変に感動的でした。
 永石 ドイツは今、2度目のロックダウン(都市封鎖)の最中で、食料品店を除く商店、レストラン、学校などが閉鎖されています。そうした中で、今回紹介されている支部は、勢いを増して広布を進めていました。
 原田 原動力は、毎月オンラインで行っている「折伏(しゃくぶく)座談会」です。常時10人ほどの友人が参加し、昨年11月にも2人の青年が御本尊を受持(じゅじ)しています。
 長谷川 この座談会を通じて入会した、ベネズエラ出身のチェロ奏者の方は、「SGIの会合からは、いつも大きな触発(しょくはつ)と感動をもらいます。音楽大学を無事に卒業できたのも、皆さんが一緒に祈ってくれたから。皆さんと直接会える日が待ち遠しいです」と述べていました。
 原田 座談会は、オンラインで行われているため、120キロ離れた地に暮らす方も参加ができ、これまでにない数のメンバーが集い合っているそうです。「まさに変毒為薬(へんどくいやく)です」と語る姿が印象的でした。
 大串 また、月ごとにメンバーが入れ替わる、会合の企画・運営チームを立ち上げたことで、「内容がいつも新鮮で感動にあふれています」とも言われていましたね。
 原田 会合では、「不安」「希望」「友情」などのテーマを設け、仏法哲理(てつり)の紹介や、体験発表、ディスカッションを活発に行っています。リーダーの方は、価値観の変革の時を迎えた世界にあって、自他共(じたとも)尊厳(そんげん)を輝かすため、「仏法の思想と実践を着実に広げていきます」と誇らしげに語っていました。

生き生きした体験

 永石 聖教では、世界各国の新入会者の声を伝える「新メンバーが語るSOKA」という連載もあります。そこでも、多くの方が「『座談会』が入会の動機です」と言われています。
 西方 たとえば、あるアメリカの青年は、プロの演奏家になりたいとの夢をもっていたものの、競争の激しい音楽の世界で生計を立てることに限界を感じ、悩んでいました。そんな時、日蓮仏法の話を聞き、学会の座談会に参加。多様な人たちが、生き生きと体験や決意を語り合う姿に感銘(かんめい)を受け、何度か会合に出た後に入会しました。
 永石 その方は、小説『人間革命』第1巻を読み進め、「師子は伴侶(はんりょ)(もと)めず」「師子には、絶対、孤独感はない」との言葉が強く印象に残ったそうです。私も環境に負けずに、師子のように「一人立つ」精神で前に進もう!≠ニ決心し、これまで以上の唱題に挑戦しました。
 西方 祈る中で、(あきら)めかけた音楽の道を再び進もうと決意し、オンラインでの教室をスタート。試行錯誤(しこうさくご)の結果、生徒の数が増え、音楽で希望を広げる誇りを一層持てるようになったそうです。今、男子地区リーダーとして広布の最前線を駆けています。
 原田 65年前の1月、歴史的な「大阪の戦い」の出発に当たり、池田先生は、「なにの兵法(へいほう)よりも法華経の兵法をもちひ(たも)うべし」(御書1192ページ)との一節を、同志と共に(はい)されました。
 そして、いかなる活動においても、法華経の兵法、つまり信心から出た作戦・行動を用いることであり、「刻々(こっこく)推移(すいい)する情勢を、誰よりも敏感にとらえ、的確に行動する知恵は、信心から出る」と指導されています。私たちは、コロナ()にあっても、立正(りっしょう)安国の祈りを強め、聡明(そうめい)勇敢(ゆうかん)に、一歩前進の戦いを進めていきたい。

「苦しむ人を守る」

 長谷川 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、公明党は「10万円の一律(いちりつ)給付」をはじめ、売り上げが大幅に減少した中小企業への「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の創設をリードし、苦しんでいる人を助けるための支援策を数多く打ち出してきました。
 大串 最近では、従業員を解雇(かいこ)せず、手当を支払って休業させるなどした企業に支給する「雇用(こよう)調整助成金」の特例措置が延長されることになりました。
 長谷川 昨年来、公明党が強力に推進し、行われてきた「雇用を守る」ための重要な政策です。それが今回、公明党の主張で、日額の上限が1万5000円となる特例措置を、緊急事態宣言が解除された月の翌月末まで延長することが発表されたのです。
 永石 公明党の訴えで、休業手当をもらえない中小企業の労働者の方に、休業前賃金の8割を、直接給付する「休業支援金」も創設されていますね。
 原田 そもそも公明党は生活に困る人を支えるための法整備を実現し、各地に相談窓口が設置されるようになりました。これが現在のコロナ()にあって、失業や休業により、生活に苦しむ方を守るためのセーフティーネット(非常時の安全網)となっています。
 西方 今月22日には、コロナの影響等で収入が減り、住居を失う可能性がある方に対して行ってきた「住居確保給付金」の「再申請」が可能になることが発表されました。
 大串 この制度はこれまで、原則として人生で1度しか利用できないものでしたが、長引くコロナ()の影響で苦しむ人を助けるため、公明党が強く訴え、実現の運びとなりましたね。
 原田 生活が大変に苦しい世帯への、生活福祉資金(緊急小口資金、総合支援資金)の貸し付けの特例措置も充実させています。
 西方 東京大学特任教授の湯浅(まこと)氏は、非正規労働者、生活困窮者、住まいを失った人への各種支援策など、弱い立場にある人に焦点を当てていることは、公明党の姿勢を象徴していると語り、「コロナ()をみんなで乗り切るためには、取り残される人がいてはいけない。弱者に寄り添う公明党の本領が発揮されるべき時です」と言われています(公明新聞1月24日付)。
 原田 一人に寄り添い、声なき声を形にしていく。これこそ公明党の真骨頂(しんこっちょう)です。これからも、人々の希望の灯台となることを目指し、公明党は大衆のために働き抜いてもらいたい。

(2021. 1.28. 聖教新聞)

 

 

<8> 真剣な祈りと明確な目標
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、志賀青年部長、大串女子部長

 長谷川 学会伝統の「二月闘争」がスタートしました。各人が目標を明確にし、自行化他(けた)の祈り強く、励ましの連帯を広げていきたいと思います。
 永石 工夫をこらして、1月度の座談会を開催した各地から、決意あふれる声が届いています。最も冷え込みが厳しい北海道の方は、「会館で皆に会うことができて元気が出ました」「勇んで折伏(しゃくぶく)に挑戦する2月にしていきます!」などと語っていました。
 原田 私たちは今、学会創立100周年となる2030年に向けての「勝負の10年」の出発を切ったばかりです。一人一人が「私の二月闘争」に挑戦し、「希望と勝利」の春を開いていきましょう。
 大串 1952年(昭和27年)2月、24歳の池田先生は蒲田支部で折伏の金字塔(きんじとう)を打ち立てられます。この二月闘争が始まる際、同志に「祈りから始めよう」と真っ先に訴えられたことは有名です。
 原田 その史実は、1月30日付の聖教新聞でも詳しく紹介されていました(新企画「君も立て――若き日の挑戦に学ぶ」第1回)。
 また、池田先生は「大白蓮華」2月号の講義の中で、「日月天(にちがってん)四天下(してんげ)をめぐり(たも)うは仏法の(ちから)なり」(御書1146ページ)との御文(ごもん)(はい)し、このように述べられています。
 「南無妙法蓮華経と(とな)えゆく時、わが生命が宇宙の根本法と合致(がっち)して、幸福への価値創造(そうぞう)をしていくことができる。希望を(つむ)ぎ出し、安穏(あんのん)な世界の創出(そうしゅつ)へ、大いなる貢献(こうけん)をしていけるのです。それが『創価の祈り』です」と。
 志賀 池田先生は、戸田先生の「いかなる大難(だいなん)があろうとも、私は広宣流布の大願(だいがん)を絶対に捨てません」との言葉も紹介してくださいました。青年部は、どんな逆境(ぎゃっきょう)にあっても、真剣な祈りを根本に、広布拡大への歩みを止めることなく進めてまいります。
 原田 青年こそ社会の希望です。世の中に、不安と不透明感が蔓延(まんえん)している今だからこそ、青年の使命は、ますます大きくなっています。6日から、第1回「青年部幹部会」の配信も始まります。私たちは、青年に惜しみなく励ましを送り、共に青年の気概(きがい)で進んでいきたい。

苦しむ友のもとへ

 永石 池田先生の「SGIの日」記念提言(「危機の時代に価値創造(そうぞう)の光を」)が大きな反響を呼んでいますね。
 志賀 今年も、国内の新聞各紙やテレビ番組が報じ、海外の多数のメディアが紹介していました。
 原田 提言では、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う社会的・経済的な混乱に言及し、この試練にいかに立ち向かうべきなのか。総合的な対処とともに、「さまざまな困難を抱えた人たち」の存在に目を向け、その苦しみを取り除く大切さを、仏法の視座(しざ)から強調されています。
 大串 肝要(かんよう)となるのは、そうした人々を「置き去りにせず、『悲惨(ひさん)』の二字をなくすための基盤を社会で築き上げていくこと」と示されていました。
 長谷川 その精神は、「『立正安国論(りっしょうあんこくろん)』を(あらわ)し、民衆の苦悩と(なげ)きを取り除く≠ニいう一点に立って行動する重要性を訴えた」日蓮大聖人の仏法にも、力強く脈打っていると述べられています。
 原田 これこそ、学会精神の根幹(こんかん)です。悩み苦しむ庶民の真っただ中に飛び込み、蘇生(そせい)の光を送ってきたのが学会なのです。
 かつて先生は「SGIはなぜ、これほど世界的に広がったのでしょうか」との海外の識者の問い掛けに、「それは『徹して一人の人を大切にしてきた』からです。私の人生は、そのためにありましたし、リーダーにも、そう言い続けてきました」と答えられました。
 SGIの結成から46年。先生がどれだけのメンバーを励まし、希望と勇気を送られてきたことか。私たちは今回の提言を真剣に学び、それぞれの立場で、目の前の一人を大切にする行動を始めていきたい。

立党精神を忘るな

 長谷川 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療現場のひっ迫が叫ばれています。この座談会(1月25日付)で、都議会公明党の強力な訴えにより、都内に二つの専門病院が開設され、さらに渋谷区の広尾病院など、三つの都立・公社病院でコロナ入院患者を重点的に受け入れることが話題になりました。
 永石 その上で今、さらなる病床(びょうしょう)確保が求められています。具体的な課題として、大きな病院などに入院し、症状が落ち着いた患者の転院先の不足があります。これまで、回復に向かっている人でも、他に受け入れてくれる一般の病院がなく、結果的に新たな患者の受け入れが難しくなるという状況がありました。
 志賀 こうした中、厚生労働省は1月22日、コロナ感染症から回復した後も、引き続き入院が必要な患者を転院で受け入れた医療機関へ、1日当たり9500円の診療報酬を加算するようにしました。療養病床などを、回復者等を受け入れる「後方支援病床」として活用し、感染者の治療を担う病院の病床を確保する狙いがあります。
 大串 実はここには、公明党の働き掛けがありました。昨年末、東京のある公明党市議会議員が地域の医療関係者と意見交換。その際、病床が不足する中で「慢性(まんせい)期を担う医療機関も財政面などで十分な支援があれば役割を果たせる」との声を聞きました。この声を1月5日に、市議が国会議員に届けたのです。
 永石 党は翌6日、この声を反映させた緊急要望を政府に提出。その結果、今回の診療報酬の加算となったのです。
 大串 今月2日には、東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知、岐阜、大阪、京都、兵庫、福岡の緊急事態宣言の延長が決定しました。
 長谷川 公明党の議員は今こそ、「大衆とともに」との立党精神を、改めて、深く深く胸に刻んでいく時です。常に自らを厳しく律し、国民のために尽くし抜いてもらいたい。
 永石 多くの党員・支持者らが、大変な状況の中で奮闘されています。皆さまが、どれだけ苦労して支援してくださっているか。その思いを断じて忘れてはならないと思います。
 志賀 戸田先生は「青年は心して政治を監視せよ」と厳命されました。青年部はこれからも、鋭く政治を見つめていきたい。ともかくも、目下のコロナ対策に全力で動き、衆望(しゅうぼう)を集める公明党議員であってもらいたい。
 原田 これからワクチンの接種も始まり、コロナを巡る状況は重大な局面を迎えていきます。公明党は一層、「現場の声」に耳を傾け、安心と希望を届ける政治に全力を挙げてほしい。

(2021. 2. 4. 聖教新聞)

 

 

<9> 若き世界市民のスクラム!
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 西方 「第1回青年部幹部会」の配信が始まっています(14日まで)。会館をはじめ、モバイルSTBやSOKAnetでも視聴できます。早速、各地から反響の声が届いています。
 永石 わが家、わが地域の青年部が、一人でも多く視聴できるよう、壮年・婦人部も全力で応援していきます。
 西方 福島の男子部のリーダーは30人の友に励ましの輪を広げ、青年幹に集いました。彼が住む地域は東日本大震災、一昨年の豪雨で被災。そのたびに池田先生からの励ましに触れ、立ち上がってきました。「多くの困難を経験した、励ましのネットワークを生かし、地域に希望の光を力強く送っていきます」と決意を新たにしています。
 大串 東京の女子部のリーダーは青年幹を目指し、小説『新・人間革命』を1日に1章ずつ研さんすることに挑戦。仕事や折伏(しゃくぶく)で行き詰まるたびに、師弟の精神に触れ、「悩みを使命に変えていこう、と心が広がっていきました」と語っています。池田先生との心の対話≠ェ前進の大きな原動力となっています。
 長谷川 先生はメッセージの中で、試練の時だからこそ「何があっても、そこから価値創造していく『智慧(ちえ)』を光らせ、どこまでも一人の人間を大切にする『慈悲(じひ)』をいよいよ深めながら、地域に社会に友情と信頼を結び、若き世界市民の友と『桜梅桃李(おうばいとうり)』のスクラムを広げていってください」と、万感の期待を寄せてくださいました。
 原田 青年部一人一人の大成長を、池田先生が期待し見守られています。「地涌(じゆ)(だい)歓喜(かんき)」の青春を歩む誇りを胸に、人間革命、広布拡大の挑戦をさらに続けていくことを願っています。

「大事業」を成功へ

 西方 新型コロナウイルスの感染拡大の終息へ、ワクチン接種に期待が高まっています。5日のWHOの発表によると、ワクチンの世界の接種回数が、感染者数およそ1億400万人を上回ったそうです。
 日本でも首相が「2月中旬に接種をスタートしたい」「必要な費用の全てを国が負担する」と表明しています。
 永石 ワクチン接種は、@医療従事者向け先行接種(約1万〜2万人)A医療従事者向け優先接種(約370万人)B65歳以上の高齢者(約3600万人)Cその他の人(基礎疾患のある人などを優先)――の順で進められる予定です。
 長谷川 希望する全ての国民にワクチンを接種するという、未曽有(みぞう)の国家プロジェクトになります。国と各自治体との緊密な連携(れんけい)なくして成功はありません。
 原田 公明党は1月20日に対策本部を発足。各都道府県にも同様に配置し、円滑な接種を目指しています。公明党のネットワークの力を生かし、大事業を成功に導いてもらいたい。

日本の全ての人に

 長谷川 そもそも昨年7月、海外ワクチンの確保に向けて交渉を急ぐよう強く提言したのが公明党です。当時、日本は、国内開発への支援に注力し、先行する海外開発品を確保する交渉が遅れていました。このままでは接種開始が遅くなってしまう――危機感をもった公明党は、関係者からの聞き取りなどを通じて、財源確保の先行きが不透明なことが交渉停滞の一因であることを突き止めました。
 そして同月、公明党の国会議員が、海外ワクチン確保のための予算措置を参院予算委員会で強く訴えました。これを受け、政府は初めて「予備費の活用」を明言。ワクチン確保への道が開かれていきました。
 大串 また(あわ)せて、公明党議員は、ワクチン投与の際、「副反応による健康被害の救済制度が必要だ」と主張。そこから、健康被害が出た際の費用も国が負担する方針となりました。これらを、ワクチンを開発している海外の製薬会社側が歓迎し、交渉が進むこととなりました。
 西方 同月、公明党は海外ワクチンの輸入だけでなく、ワクチン原液の国内製造も選択肢に入れるよう政府に訴えました。こうして、交渉が大きく前進し、日本は米ファイザー、英アストラゼネカなど3社と契約し、合計1億5700万人分の供給を受けることとなったのです。これで日本の全人口に行き渡る量のワクチンを確保できる見通しが立ったのです。
 長谷川 国内での製造についても先月28日、英製薬大手アストラゼネカが日本に供給するワクチン6000万人分のうち、4500万人分を日本国内で生産することが報道されました。
 原田 今、世界がワクチンの争奪戦≠ニもいえる状況にある中で、海外ワクチンの一定量を国内で生産することは、安定供給につながります。このように、ワクチン接種に向けての対応が着実に進んでいる背景には、公明党の迅速(じんそく)で粘り強い奮闘(ふんとう)があったのです。
 永石 また、日本は低所得国も含めてワクチンを広く供給する国際枠組み「COVAXファシリティー」にも、先進国の中でいち早く参加を表明しました。
 原田 これも昨年8月に公明党が提言し、主導したものです。政府は、翌9月15日に正式参加を発表。その後、ヨーロッパを中心とする国々の参加が相次いだのです。先日、初回供給を145カ国に行える見通しであることも発表されました。まさに、公明党が国際社会をリードした形となりました。
 大串 国際団体「Gaviワクチンアライアンス」のセス・バークレーCEOは、公明党の働き掛けが日本の正式参加と資金拠出につながったと謝意を表明。Gaviに資金を拠出する「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」も「貴党(きとう)の多大なるご支援は、日本政府が参加を決断する上での決定打になりました」と感謝を述べています。
 永石 このように、公明党はワクチン確保に向けて、政府に予算を確保させて、@海外メーカーとの交渉進展A海外ワクチンを国内生産して安定供給する体制の構築B低所得国と共同購入する枠組みづくりに積極的な貢献(こうけん)――の3点を実現したのです。
 原田 コロナ対策について、公明党は昨年2月に専門家会議の設置を、政府にいち早く要望して実現させて以来、国民の命と生活を守るために全力を挙げてきました。これからも、公明党の議員は「民衆とともに」との立党精神を片時(かたとき)も忘れず、先頭に立って仕事をしてほしい。

(2021. 2. 8. 聖教新聞)

 

 

<10> 学会が仏の未来記を現実に
出席者:原田会長、長谷川理事長、大場SGI理事長、永石婦人部長、大串女子部長

 大串 日蓮大聖人が安房国(あわのくに)(現在の千葉県南部)で御聖誕(ごせいたん)(1222年2月16日)されてから、数えで800年となります。
 永石 大聖人御在世(ございせ)の当時、地震や飢饉(ききん)疫病(えきびょう)等がまん延し、人々は苦しんでいました。その中で、民衆救済のため、万年の平和社会の建設のため、大難(だいなん)を耐え忍ばれ、大法を説き(ひろ)められたのが大聖人です。
 大場 それは、釈尊(しゃくそん)の法華経に説かれた「()五百歳(ちゅう)、広宣流布」という未来記を実現された御本仏の振る舞いでした。
 原田 そして今、創価学会によって、大聖人の太陽の仏法は世界192カ国・地域に広がり、「日は東より()づ日本の仏法の月氏(がっし)へかへるべき瑞相(ずいそう)なり」(御書589ページ)と予見(よけん)された通りとなりました。学会が「仏法西還(せいかん)」という大聖人の未来記を現実のものとしたのです。
 長谷川 御聖誕(ごせいたん)700年の時には、産声(うぶごえ)を上げていなかった学会が、1世紀足らずで、御遺命(ごゆいめい)である一閻浮提(いちえんぶだい)広宣流布を現実のものとした軌跡(きせき)は、仏法史に輝く壮挙(そうきょ)です。
 原田 牧口先生、戸田先生、池田先生という創価三代の会長が、御聖訓(ごせいくん)通りの死身弘法(ししんぐほう)の闘争を貫いてくださったからこそ成し得た(だい)偉業(いぎょう)です。

一人を励まし抜く

 大場 今年は、池田先生が初めてアジアを訪問されてから60年です。当時、アジアにはほとんどメンバーがいませんでした。
 それが今、100万人を超える地涌(じゆ)陣列(じんれつ)となっています。この間、池田先生がどれほどの激闘(げきとう)を重ね、メンバー一人一人を励ましてくださったことか。
 大串 アジア各国からの学会への高い評価の声を聞くにつけ、いつも感動しています。
 たとえば、シンガポールのナザン元大統領は「創価学会は、社会と国家に、素晴らしい貢献をしてくださっている」と言われ、マレーシアのマハティール前首相は大勢の市民に、「創価学会の皆さんの良き規律とスピリットを、ほかの団体の方も模範(もはん)≠ニして学んでいただきたい」と語っています。
 原田 シンガポールといえば、草創(そうそう)の中心者だった高健文(こうけんぶん)さんが来日されるたびに、池田先生は励ましを送り続けられました。そうした先生の真心に触れ、高さんは「こんな私さえも、先生は、仏の使いを迎えるように歓迎してくださる」と感激し、シンガポールに「当起遠迎(とうきおんごう)当如敬仏(とうにょきょうぶつ)」の理想の組織を築こうと決意。実直(じっちょく)に活動に励みます。
 大場 宗門(しゅうもん)(そう)や反逆者と結託(けったく)した(やから)暗躍(あんやく)し、組織に破和合僧(はわごうそう)障魔(しょうま)が吹き荒れたこともありましたが、師弟直結の同志の(きずな)は決して(こわ)されませんでした。
 原田 1988年のシンガポール指導の際、池田先生は語られました。「シンガポールの同志の方々は、障魔(しょうま)の激しい(あらし)の海≠、高健文理事長を中心に『団結』と『勇気』と『若き力』で堂々と乗り越えてこられた」と。私も同行させていただきましたが、すべてを分かった上で称賛(しょうさん)の言葉を寄せてくださる先生に対し、万感胸に迫る思いで聞かれていた高さんの姿は忘れられません。シンガポールは今、人口に対する会員の割合が、世界屈指(くっし)になっています。
 長谷川 マレーシアの草創(そうそう)の中心者は、75年のグアムでの世界平和会議にも参加した柯廷龍(コーテンロン)さんです。柯さんは、高さんから「信心をすれば、努力した分だけ幸せになれます」「この信心には、おまけ≠熈おつり≠烽ネい」と言われ、入会をした方です。
 大場 柯さんは、弟の柯謄芳(コーテンホン)さんを信心に導き、兄弟でマレーシア広布に尽くされました。先生は、この柯兄弟にも、折あるごとに励ましを送られました。
 原田 しかし82年、廷龍さんは50代で(やまい)のために他界されます。88年、マレーシアも訪問された先生は、廷龍さんの功労をたたえて記念の植樹をされました。同席した廷龍さんの奥さんは、「もう、なんの悔いもありません。先生がすべて分かってくださっているのですから」と涙を流しておられました。
 長谷川 マレーシア創価学会の理事長になっていた弟の謄芳さんも、さらに広布に戦い抜くことを誓っていました。「先生が全部、知ってくださっている。分かってくださっている」――この師弟の(きずな)で結ばれたマレーシアには今、全土で100もの会館が立っています。
 原田 こうした先生の「一人を大切にする行動」は、世界中で展開されています。この大闘争があってこそ、妙法は世界各地に広がっているのです。私たちも、今いる場所で、一人を大切にし、一人を励ます行動を貫いていきたい。

「今この時」選んで

 大串 本年の11月18日には、大聖人御聖誕(ごせいたん)800年を慶祝(けいしゅく)する意義を込めて、新版の御書全集が発刊されます。
 永石 これは池田先生の監修(かんしゅう)によるもので、現在の御書全集よりも文字が大きくなり、改行や句読点も増えます。会話文には、かぎかっこが付き、より読みやすくなります。
 長谷川 現在の御書全集が発刊された後などに発見された真筆(しんぴつ)御文(ごもん)も新たに収録します。
 今、2月度の御書講義の映像が、学会公式ホームページ「SOKAnet」で配信されています(28日まで)。私たちは、行学錬磨(れんま)の仏道修行に、一層まい進していきたいと思います。
 永石 先生は、先月開催された第1回の本部幹部会に、「今年は、大聖人の御聖誕(ごせいたん)800年――。私たちは不思議にも、『今この時』を選んで共に生まれ合わせ、『世界広宣流布』の戦いを起こしております。久遠(くおん)からのこの宿縁(しゅくえん)と使命を自覚するならば、何ものにも負けぬ偉大なる『地涌(じゆ)菩薩(ぼさつ)』の勇気と智慧(ちえ)慈悲(じひ)が、一人一人に滾々(こんこん)涌現(ゆげん)しないわけがありません」とメッセージを寄せてくださいました。
 原田 仏法において、「時」を鋭く見極めていくことは重要です。池田先生は、今という「時」に巡り合った私たちの使命の大きさを、常々語られています。偉大な師匠と共に、勇気の信心で、広布の大道を堂々と進んでいきたい。

(2021. 2.11. 聖教新聞)