9月2日前半へ

 

9月2日後半

 五所川原は思っていたより大きな街で、デパートなども多く建っていた。今朝の車の中でカメラのキャップをなくしてしまったので、カメラ店でキャップを買い、どうしても寒い(半袖の人は一人もいなかった)ので、デパートでブルゾンを買い求める。そして土産も買ったのであるが、多少の時間があいてしまい喫茶店に入るも注文のときと支払いのとき以外は私1人。どうも隣の食堂と裏がつながっていて、店員は両方をかけもちらしい。
 五所川原の駅ホームに戻ると、どうやらダイヤが乱れているらしく、18時15分の弘前行1739Dは8分遅れて出発した。この列車は川部に18時49分に着くが、進行方向が逆になり22分停車する。この間に、18時54分638レ大館行きと、616D急行「むつ6号」が先に発車してゆく。
 19時08分に黒石線黒石行き143Dが発車し、19時11分やっと自分の乗った列車が発車した。途中、撫牛子(ないじょうし)という難読な駅をすぎて、19時22分に弘前に到着した。ホームの反対側には先ほどの638レ大館行きが停車している。

 跨線橋をわたり、改札口近くのベンチに腰を下ろしていると、とっくに発車したはずの1833レ青森行き(18時43分発)が入線してきた。ほとんど1時間遅れである。私はこれには乗らず、改札口を出る。改札氏によると、大雨のため羽越本線経由の列車が遅れているとのことであった。案内板をみると、17時31分に出たはずの福井発青森行きの「白鳥1号」が、3時間遅れだそうだ。
 改札を出たのはいいが、外は雨でどこへも行けない。とりあえず青森23時59分発の上野行き「はくつる4号」の寝台券を手に入れようと、みどりの窓口に行く。窓口氏によると、下段はすべて売り切れで上段か中段しかないとのことで、上段にした。券は、3号車9番上段であった。
 駅の待合室からホームを見ていたら、まず秋田からの急行「むつ5号」が到着し、盛岡からの「よねしろ3号」を分割して発車して行った。そして20時30分頃、やっと「白鳥1号」が到着し、発車していった。
 そろそろなので、川部までの乗車券を購入してホームへ出る。向こうのホームには、上野行きの1006レ寝台特急「あけぼの6号」が入線してきた。この駅から乗車する人も、けっこう多そうである。あの列車だと、上野に明朝9時15分に着く。
 やっと21時発の1447レ青森行きの入線である。8両編成であるが、前4両はこの駅で切り離しらしい。定刻どおり発車したが、車内には中学生か高校生らしい女生徒が乗っている。川部をすぎ各駅に停まっていくが、真っ暗な駅に女生徒が1人、2人降りていくのを見ると、大丈夫かなという不安が出てくる。
 青森駅にはほぼ定刻(21時54分)に到着した。

 「はくつる4号」の入線までには時間があるので、まず青函連絡船のりばへ行ってみる。乗船客はまだ時間があるので、皆待合室のいすに座ってテレビ(欽どこらしい)を見ている。あまり面白くないのでホームへ戻る。
 今度は出口に向かい、途中下車印を押してもらって外に出た(右写真)。駅の裏のほうへ行くとホテルがあり、さらにその先へ行くと日本冷蔵の倉庫があって、海を一望できた(といっても夜だから見えた気になっただけ)。
 青森駅に戻ると、ちょうど21時13分着予定の上野から来た「鳥海」が到着。そろそろ改札が始まり、なま物の土産と雑誌、さっきの列車に置き忘れたタバコを買ってホームに出た。向こうのホームには「はくつる4号」の3分あとに出る上野行きの急行「八甲田」が停車していた。
 青函連絡船の24便が到着する23時30分頃、上野方向から「はくつる4号」が入線してきた。いよいよ寝台車初体験である。指定の3号車(左下写真)に入り、ベッドに登ってみたが狭い! それに座れない! 幅の70cmは我慢できても、高さの68cmには参った。座高より低いのだから、横になっているしかないのである。
 寝台に荷物を置いてホームに出ると、先ほどまで閉まっていたホームの売店がすべて開き、ジュースやつまみを積んだリヤカーが何台もみえた。とりあえず玉子うどんを食べ、ビールとつまみを買おうとしたが、ビールが冷えてないという。仕方がなく、つまみとジュースを買って寝台へ戻った。
 ホームのトイレに行って帰ってくると、ビールを積んだリヤカーがいたので、思わず買ってしまう。そうこうしているうちに発車時刻が近づいたので寝台にもぐりこむ。ベッドに上がっても着替えるのに一苦労である。
 カーテンを閉めると、カーテンに明かり取りの窓があることに気づく。開けてみたところ、目の前がクーラーで冷たい風がバンバン入ってくる。また、壁には外が見える小窓が付いていたが、これは小さすぎる。外を見ていたら閉所恐怖症になりそうになった。
 列車は定刻の23時59分になっても発車せず、その間に車掌が検札に来た。車内放送によると、大阪からの「白鳥3号」を待って発車とのことであった。
 結局0時18分に青森を発車。列車は相当なスピードで走り、ベッドの上段はよく揺れた。1時何分かの八戸までは覚えていたが、いつのまにか寝てしまった。八戸まで下段の寝台は2つとも空いたままであった。

 

9月3日

 目がさめると宇都宮の手前であった。上野まであと1時間半である。列車の遅れはすっかり取り戻したようだ。弁当販売が来たので、幕の内弁当とお茶を買う。が、座っては食べられないので、寝ながら食べる。弁当を買うときにチラッと見たら、下段のベッドはまだ2つとも空いていた。
 弁当を食べ終わってトイレに行ったが、帰っても身の置き所がない。タバコを吸ったりしていたが、結局またベッドに横になる。また眠ってしまい、再び気がつくと大宮を出たところであった。降りる支度をして下段のベッドに座っていた。
 「はくつる4号」は上野駅に定刻9時18分に到着。ホームに出ると、もわっとした暑さにつつまれた。東京はまだ真夏である。そういえばブルゾンを着たままであった。14番線から地上ホームに出て、大宮まで東北本線の普通列車に乗る。
 約27分で大宮駅に着き、切符に途中下車印を押してもらって外に出る。切符を手元に残すため、大宮に戻ってきたのである。駅の券売機で新宿までの切符を買い、京浜東北線の南行に乗車。汗がダラダラ流れてくるのでブルゾンを脱ぐ。窓を全開にしても入ってくるのは熱風だけである。
 田端で山手線に乗り換えて新宿に着いた。会津若松から鉄道便で送った荷物を取りに、タクシーで新宿手荷物取扱所へ。そしてアパートへ戻る。大家さんと、日頃お世話になっている近所のお店に土産を渡して、その日の夜に町田の自宅に帰った。
 翌日、新聞をみると、東京へ帰った昨日は、八王子で39.1度を記録した最暑の日であったそうである。

 

おわり

 

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