くがにのいん 黄金犬

くがにのいん(黄金犬)

沖縄につたわるもので、一日の一合のごはんをたべると、決まった量の金を糞として出したというふしぎな犬。

むかし、悪い兄と良い弟の兄弟がいて、その親が亡くなったあと、遺言どおりに一合のお酒と一本のお線香をもって弟がお墓参りに行くと、この犬がじゃれついて来て、一緒に暮らすようになりました。金を出してくれるので弟はたちまちおかねもち。これを見た兄が犬をひったくって「大量にえさをやればそれだけ金を出すはずだ」と考えてえさを与えたところ、この犬はおだぶつしてしまいました。

弟が、これを悲しんで犬をていねいにとむらってあげたところ、そのお墓から知らない木の実をつける樹が生えてきたそうで、これが「クガニー」のはじまりだと言われています。

☆ 莱莉垣桜文 附註
「クガニー」は「シークワーサー」の仲間の柑橘類です。金の糞を出すのは「りゅうぐうのくろねこ」や「さんかん」がいます。また、「クガニー」のはじまりのはなしには、犬ではなく猫であったとするものもあります。

和漢百魅缶│2012.04.29
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