戻る
戻る
直前のページへ
直前のページへ


家系に流れる法則性

1.三段階の法則
 地球上には3という数で成り立っている例が多いのです。色の3原色、3大栄養素、気体・液体・気体の三態、青年・中年・晩年期、頭・胴・四肢、陸・海・空、白人・黒人・黄色人などなど、挙げたらキリがありません。人間の一生も青年期、中年期、晩年期と3段階であり、旅館や会社なども3代目が相続すると安定感が出てくると言われます。家系も親、子、孫の3代で結実を見ます。

 離婚や再婚、不倫、別居など愛情問題の多い家系では、長男の運気が良くありません。たとえば、祖父母の代に夫婦仲が悪く、離婚、再婚などがある「離婚再婚家系」では、その孫の男の子(長男)に未婚、破産や倒産、離婚といったことが頻出します。つまり、祖父母の代の報いは孫の代で結実するということです。

 極端な場合は、平均より寿命が短くなることもあります。孫の代に出ないで、稀に子の代で、あるいは曾孫の代で影響が現れる場合もあります。

 なぜ、こうなってしまうのでしょうか? 遺伝子が与える影響か、人間の持つ潜在意識からの影響か、あるいは霊界といった別の世界からの影響か、よく分かってはいません。ただ、原因は明らかでないにしても、日本家系調査会が長年にわたって調査した統計から、これはたしかに言える事実なのです。

 また、「死別再婚家系」においても孫の代に現れてくる現象はあります。「離婚再婚家系」のケースよりやや緩やかながら、やはり平均よりわずかに短命の傾向があります。(必ずしも短命という訳ではありません)
 

2.長男に出やすい法則
 最近は、少子化によってほとんどの男子は長男であり一人息子というケースが多いものです。しかし、子供の数が全国平均3人以上だった時代には、家系図を見ると、長男だけが困難な問題を抱えているケースが、多く見受けられました。家系学的には、長男は先祖からの影響を一番受けやすい立場です。長男を見ると、その家系の運勢が分かります。

 長男が夭逝するケースや、亡くなっていなくても長男が家系を相続しないケースが生じます。長男がきちんと跡継ぎをするのが理想ですが、現代ではなかなかうまくいかないことが多いようです。

 長男は特に父方先祖の影響を受けやすく、父方先祖が悪い場合は、長男の運気がたいへんです。ですから、長男が成功している家系は、よほど先祖の功労が高い家系と言えます。

 女性の中に一人だけ男子が生まれる場合があります。大事な跡継ぎが生まれたとして、親は大事に育てる傾向があります。この場合、家系に問題が多いと、男子はさまざまなことで悩まされます。生まれてこなかったほうが良かったというくらい運が悪く、気の毒な人生を歩むことが多々あります。

 特に長男の家庭は、結婚運や子宝運にも大きな影響を受けてしまいます。家系学では「結婚運」と「子宝運」が一番重要なポイントです。なぜ重要かというと、これらは絶家という問題と直結するからです。絶家にならないためにも、跡継ぎとして長子を立てていかなければなりません。長男を立てるということに、決して無頓着であってはならないのです。
 


3.末っ子はどう?
 一方、末っ子はどうかというと、末っ子は先祖の影響を受けにくい軽い立場です。いつかテレビで「なぞの末っ子パワー」と題して特集していましたが、有名人やタレントには末っ子が多く、オリンピック選手の65パーセント以上が末っ子という統計もあります。

 その理由として、末っ子は人生を自由に選択できる立場で、長男にありがちな「跡継ぎ」という制約もないからという説があります。

ところが、長男や二男はまともなのに末っ子だけは……というケースもあります。じつは家系の流れを見ると、親の夫婦仲が末っ子の運気に大きく影響しているように、私には思えます。末っ子は、親の夫婦仲のバロメーターと言ってもよいでしょう。


4.庶子のいる家系に見られる法則
 日本において、夫婦関係は当然ながら一夫一婦制です。しかし、家庭が二つあったり、夫に愛人がいるなどということは、実際よくある話です。ところが、この問題が家系に大きな影響を与えることを、知る人は少ないでしょう。

 特に一人の男性をめぐって二つの家庭が存在するパターンに、面倒な問題が生じます。単なる浮気でなく、浮気相手に子供(庶子)まで生まれてしまったパターンです。この場合、本妻の家庭の長男が多くのものを背負ってしまうのです。

 本妻の長男は、いかにも生命力が弱そうな男性であることが多く、登校拒否に陥ったり、就職しても仕事が続かなかったり、結婚願望がなかったり、存在感がない人になる傾向です。さらに、短命の傾向が出る場合もあります。
 そういう男性に限って、縁を持つ女性は強いタイプになる傾向があります。すると、強い嫁と姑との間でいわゆる「嫁姑問題」が出てきます。姑さんは、夫に浮気をされていますので非常に寂しい方です。その寂しいお母さんの慰めは、他ならぬ長男ですから、姑さんからは、強いお嫁さんがじゃま者に見えてしまいます。

 嫁姑問題が激化すると、強い嫁に押されて跡継ぎの長男が家を出てしまいます。この長男さんは、家を出て後継ぎの立場から外れると、不思議と元気になり、また意外と長生きする場合が多いです。

 しかし、長男が出てしまった場合、長男としての使命や立場から外れてしまうため、この家系は長くは続かなかったりします。長男が家を捨て、先祖供養をしなくなると、その子供の代で絶家になりやすい傾向があります。男の子がいても若死にしてしまったり、海外に行って帰って来なかったりというケースが見られます。

 仮に、この長男が跡を継いでから短命で亡くなってしまうと、二男、もしくは三男が跡継ぎの立場に立ちます。しかし、ここにも不思議と再び嫁姑問題が起こり、結果的に家を出て行く傾向があります。では、どの人で落ち着くでしょうか。これはなかなか難しく、一番下の男性が何とか跡を継ぐような立場に立ちます。当たらずとも遠からずで、今まで調査した家系はこれに似た傾向が多く存在しました。

 
結婚は先祖の穴埋めである
 長男が跡を継がず、一番下の男性が跡継ぎの立場になる家系に来る嫁は、不思議と離婚歴があり、連れ子で来るという傾向があります。図を見ると、先代のお妾さんの子供の問題を、穴埋めするかのようにして、血のつながっていない子供を迎えるようになります。

 ここでもし、血のつながっていない連れ子を大切に扱う場合には、家系における「恨み」が消えていくのか、この家系も持ち返してくるのです。考え方によっては離婚歴があって連れ子とともに入る嫁こそが、一番、穴埋めをしてくれる嫁ということになります。

 ですから、家系において「もうこれで終わり」と思えばその通りになってしまいますが、必ず解決の道がありますので、諦めてはいけません。図の結婚は、家系の穴埋めとして意味があります。



「嫁姑争い」…すればするほど、家運を下げる
 女性の悩みの中でも、「嫁姑争い」は、非常に多く見られます。嫁姑問題で仮にどんなに厳しい試練を受けても、もしも恨みを持たずに、感謝に転換して乗り越えていけるならば、子供たちは素晴しい運勢のもとに成長します。

 しかし、心の中で消化できずに嫁姑争いに終始したら、どうなるでしょう。もともと家系の運勢が弱い場合、長男も病弱になったり働く意欲がなくなったり、結婚願望を失ったり、ますます運勢は下がります。やっと長男が結婚できたと思ったら、相手はかなり強い女性で、完全に夫を尻に敷き、再び嫁姑問題が生じる可能性が大です。嫁姑問題は世代連鎖するのです。

 嫁姑の問題で対立した嫁が、思い余って、もし跡継ぎである夫とともに家を出たりすると、さらに運勢が落ち込んでいきます。やっと落ち着いたなどと安心していると、子供が非行に走ったり夫が浮気や酒に走るなど、以前とは違う問題に悩まされることがあります。

 もし、姑が「三男夫婦のほうが優しいから、老後の面倒を見てもらう」と言ったとしても、「これは好都合だ」とばかり、長男夫婦が姑を出してしまったら、これもまた、子孫の運勢を失う行為です。

 嫁姑の問題は本人同士の問題ではなく、家系の問題です。目に見えない家系の「穴」がどこかにあるわけですから、穴埋めが必要です。家系の問題を解決せずに逃げるだけでは、決して何も解決しません。


5.関係性が薄い家系に見られる法則
 次は、違うパターンの話です。離婚や再婚、不倫などの事実はなさそうで、一見きれいな家系図のように見えるけれど、実際、男子が生まれず、女子ばかりという家系があります。しかも、その女の子がお嫁に行って絶家状態だとか、残った女の子に結婚願望がまったくなく、このままでは間違いなく家が絶える。このような家系も少なくありません。

 このようなケースの家系図をみると、長男の家系は何とか子供が生まれ育っていくのですが、上の先祖の代で、二男や三男、あるいは嫁いだ女性に子供が生まれにくいという傾向が現れています。つまり、兄弟で年が下のほうが結婚運や子宝運が悪いのです。このような家系は、分家が拡がりにくい家系であり、先細りで絶家してしまうような状態になります。

 これは家族の情関係がきわめて薄い家系に出る特徴です。まず夫婦の情関係が薄ければ、親子の関係が、そして兄弟関係の情が薄くなりやすいのです。しかし、長男は親から見ると、老後の面倒を見てもらわなければならないということもあって、長男だけはよく愛され、他の兄弟と学歴その他で扱い方が違っていたりします。
 

愛は家系のエネルギー
 愛された人と愛されなかった人とでは、どちらが多く、人を愛せるでしょうか? また、どちらが結婚して夫婦関係をうまく保てるでしょうか? どちらが幸運に恵まれやすいでしょうか? 

個人差はあるでしょうけれど、愛されなかった人よりは、愛された人のほうが、より多く人を愛せるでしょう。また、運勢にも恵まれるでしょう。図で、長男の家系と次子以下の家系とに、子供の有無において差が生じるのは、愛された人と愛されなかった人の差ではないかと考えられます。

 愛を充分に受けることができなかった人の家系は、「愛のエネルギー」が希薄になり、徐々に家系の「元気」がなくなってしまい、やがてしぼんでしまいます。情関係が薄い家系における絶家は、家系に対する愛着心のなさの現れであると言い換えることもできます。


6.できるだけ避けたい、近親結婚
 近親結婚とは、先祖を共有する者同士の結婚のことです。日本は江戸時代に村人や女人の移動禁止令や五人組制度などがあったことにより、また貧しい時代には婚姻にともなって土地などの財産を分けると生きていけなかったことにより、やむを得ず土地を共有しやすい親族間結婚を行ってきたという経緯があります。現代の日本国内でもよく見受けます。これは外国では珍しいことで、低開発国でもそれだけは避けることが多いようです。なぜなら経験上それが一番、一族を滅ぼすことにつながると認識されているからです。

 近親結婚は、病的な単劣性遺伝子(劣性遺伝疾患)を発現せしめる割合が多くなり、生まれながらに、精神的なものも含めて病気や色盲、色弱、奇形児などの割合が多くなり、そのために血統が淘汰されてしまいます。学術的にも、言語障害や若白髪の男子が生まれると、家系が消える日が近いと主張している人もいます。また家系調査をしてみると、近親結婚から体格の小型化現象が起きてくることが分かりました。特に男子の身長、体重、寿命、能力までもが「小型化」してくるのです。

 近親結婚を避けたほうがよいことは医学的にも明らかであり、家系の存続という観点からも、可能な限り近親結婚は避けたいものです。


 以上の内容が、おもな「家系に流れる法則性」です。(じつはもっとたくさんあります。)


家系がくり返す原因とは?
 歴史はくり返すということについて、ヘーゲル(1770〜1831)も次のように述べています。
「すべての世界史的な大事件や大人物は、いわば二度現れるものだ」
たしかに歴史を見ると、過去の似たような局面に遭遇することは、随所にあり得ます。

 本書の冒頭で述べたトインビー博士は、これを「歴史はらせん階段に似ている」と言っています。歴史はスパイラルを描いているイメージだというのです。歴史の先頭に立っている私たちが、その「らせん階段」の足元からその一段下を見下ろすと、過去にも、私たちと同じような歴史を歩んでいた人々がいるというわけです。

 では、歴史や家系のくり返しは、なぜ起こるのでしょうか? 以下は私の持論ですが、家系の流れから、歴史がくり返す理由を考えてみましょう。

 家族関係が崩れると、先祖が失った課題を子孫が背負うようになります。たとえば夫婦仲が悪く、離婚をしてしまった家系は、世代連鎖のように、子や孫も同じような試練を受けやすくなります。子は親の夫婦仲を見て育つために、良い夫婦仲から育った子供はそれを手本として夫婦関係を保つ努力をしますが、両親の夫婦関係が悪い環境で育った子にとって、両親は良い手本にならず、夫婦の愛し方が分からないので、良い夫婦関係を築くのがより難しくなります。夫婦仲の、言わば「負け癖」のようなものが付いてしまいます。

 一度失ったものを取り戻すためには、以前より大きな努力を払わなければ、なりません。親の代で離婚した経緯があると、子の代ではさらに夫婦関係が難しくなってしまうケースが多くあるのです。一度失敗すると、家系的にも後々、多くの「つけ」が蓄積されてくるのです。それを回復するにはそれ以上の努力をしなければ、健全な夫婦関係を築くことが難しいのです。どこかで「穴埋め」をしなければなりません。

家系の栄枯盛衰の流れから、ものごとの本質を悟り、わが人生の中に活かしていくことが重要です。そして、まずはわが家の家系の流れをしっかりと知る必要があります。



家庭内ストレスが家運を下げる
 男子が短命だとか、病人が多く出る家系というのはたしかに存在します。それはなぜでしょうか? 科学的根拠を考えてみましょう。夫婦や親子関係からくる家庭内ストレスと身体への影響を考えると、春山茂雄氏の著書『脳内革命』は非常に参考になります。



脳内物質の影響
 人が怒ったり、強いストレスを感じると、脳からホルモンの一種である「ノルアドレナリン」が分泌されます。この物質が、自然界の毒物では毒蛇に次ぐ毒性と言われ、日常的に怒りや強いストレスを感じる状態が続くと、病気になったり、老化が急激に進んでしまいます。

 逆に、心地よい状態、喜びや感謝の気持ちでいると、「βエンドルフィン」というホルモンが出てきます。このホルモンは脳内モルヒネとして一番効力のある物質です。脳内モルヒネは免疫細胞を元気にする力があるため、あらゆる病気に抵抗力が高まります。血管や心臓系の疾患、成人病にも脳内モルヒネは驚異的効果を発揮してくれるようです。【イラスト3-3】「ノルアドレナリン」と「βエンドルフィン」を擬人化する。「ノルアドレナリン」は悪役で意地悪な顔。横にいる人が弱っている。「βエンドルフィン」はアンパンマンのような顔。横にいる人が元気一杯になっている。

以上は春山氏の主張ですが、家庭においても夫婦や親子の仲が良く、毎日の生活が前向きでプラス思考になりやすい環境にいると、脳内モルヒネ(βエンドルフィンなど)が脳内から分泌されます。身体に良い影響を与え肉体的にも若返りや健康回復といった現象が起こってきます。逆に家庭内の情関係が悪く、常にイライラや不満などのマイナス思考が続くと、ノルアドレナリンなどが分泌され活性酸素(毒)を生み出し、血管の収縮、目詰まりや老化、ボケ、各種の病気などが派生し、短命や病気が多い家系になってしまうのでしょう。

「病は気から」というように、家庭内ストレスが身体面に病気となって現れ、それが家系の特徴となってしまいます。


家運は精神環境で決まる

人の持つ価値観も家系に影響
 思考がプラス思考か、マイナス思考かということは、親から子へと代を重ねるたびに、家系による差を生み出します。また、価値観の相違によっても、家系による差が開いてきます。

世のためにならず、人の恨みを買われるような欲望を持つと脳は滅びの方向に向かうと言われます。「自分さえ良ければ」という自己中心の価値観は親から子に影響するのですから、その家系は代々脳が滅びの方向に向かい、血統自体も滅びの方向に向かってしまうでしょう。

 しかし、人間らしい、真、善、美を求め、世のため、人のためにという価値観で生きていると、脳内モルヒネが無限大に出るというのです。人間は、食欲、性欲、睡眠欲などの「爬虫類脳」と、がまんやしつけなどを覚える「哺乳類脳」、そして高度な「人間脳」を持っています。人間脳とは前頭連合野に代表される高等脳であり、行動や思考をコントロールする司令塔です。判断力や思考力、想像力など高度なはたらきを司り、人間らしさを生み出す脳です。人間は、人間しか持たない崇高な価値観で生きると、すなわち、真、善、美を追求し、人のために生きたいという価値観で過ごすなら、脳内モルヒネが無限大に分泌されます。その結果、若返りや健康の回復という現象が生じます。

 人間の持つ知、情、意の側面は、「知」は真を求め、「意」は悪を退け、善を求め、「情」は美を求めるようになっています。そこから外れて真実でないもの、悪や醜に走ったり、肉欲や物欲のみに走ると、脳は自ずと滅びの方向に向かってしまいます。真、善、美を求め、ために生きる喜び、与える喜びを感じながら生きることが子孫繁栄のひけつです。価値観の持ち方しだいで代を重ねるごとに、家系に大きな差が生まれてくるのです。



天の意思に沿う
 人間の脳は、はじめから崇高な価値観で生きるとき、最大限に能力を発揮するように「創られている」のです。脳内モルヒネが無限大に出てきます。

 春山氏はそこに大いなる「天の意思」を感じると言われます。そのような世界を目指しなさいという神様からのメッセージのような気がしてならないと。つまり「大自然の意思」や「宇宙の法則」に合致する者のみ生き残りが可能で、合わない者は消滅していくメカニズムが遺伝子の中に残されているのでしょう。【イラスト3-4】元気はつらつとした青年が、地球の上に立ち、両手を挙げて、生き生きとしている。文字で背後に「宇宙の法則に合うものが生き残る」と入れる

ところで「創られている」とは、いったい誰が創ったのでしょうか。村上和雄筑波大学名誉教授は著作の中で「サムシング・グレート」という言葉をたびたび使います。「great」は「偉大な」「比較にならない」という意味のほかに「崇高な」という概念を表します。人間の偉大な脳は、その「サムシング・グレート」が、偉大であるように創造されたのでしょう。

私たちが日ごろ目にしている自然の奧に、それを形成した目に見えない自然が存在しなければ、複雑で細微な遺伝子暗号を書けるわけがないのです。遺伝子暗号を書いた存在は、崇高な方向性と微細な法則、そして無限の理性に満ちています。

 人間は「サムシング・グレート」が書き込んでくれた人間としての生命の設計図に、合わせて生きることが、生命や能力を最大限に発揮できる道ではないかと思います。天が定めた、本来の人間としての生きるべき姿というものがあるのではないでしょうか。



遺伝子はプラス思考が大好き
 ここで少し、遺伝子の話をします。現代はヒトゲノムや遺伝子、DNAの研究が急速度で進んでいる時代です。村上和雄氏の講演内容によりますと、2001年で人の遺伝子の数は約3万と言われていますが、とうとう人間は自分の体の設計図を解読できるようになりました。人体を構成する細胞の一個の核には、30億の文字で書かれた遺伝子の基本情報があります。仮にそれらを書籍化したら、1000ページの本を千冊作ることになってしまいます。そう言っても、日常感覚ではピンときませんが、いずれ人間は、DNAに書き込まれた膨大な情報の指示を受けて生きています。

 人間の一つの遺伝子に書き込まれている情報は30億もあるのですが、実際に働いているのは、その5パーセントくらいと言われています。残りの95パーセントは何をしているのか、未だ分かっていません。その5パーセントがきちんと働くかどうかは、まさに「精神環境」で決まります。気持ちによい変化があると、今まで目覚めていなかった遺伝子が急に目覚めるので、病気の人が急に元気になったり、今までボォーっとしていた子が別人のように能力を発揮して、優秀になったりすることがあります。

 遺伝子はプラス思考が好きで、マイナス思考が嫌いといいます。夫婦や親子関係が良好で子供たちを取り巻く精神環境も良く、毎日がイキイキとして喜びに満ち、プラス思考で過ごしたら、先祖から受け継ぐ良好な遺伝子が目覚め、子孫がより健康で立派に育っていきます。

 逆に精神環境が悪く、毎日がイライラしたりストレス過剰になりマイナス思考が多くなってしまうと、悪い遺伝子が目覚め、早死にしたり、病気になったり、結果的に悲惨な人生を歩むようになってしまいます。また、ストレスから遺伝子に傷が入ると病気にかかりやすくなります。昔から「病は気から」と言いますが、まさにその通りです。

 では、どうして「長男が短命の家系」という癖を持つ家系が生じるのでしょうか? まず男子は、女子と比較して乳児死亡数が常に高い数値で示されます。厚生労働省の「人口動態統計」によると、たとえば平成16年の乳児死亡総数は3122人ですが、男子死亡数、1716人に対して女子は1406人です。なかでも一番大事にされ、デリケートに育つ長男に問題が出てきやすいと考えられます。しかも長男の立場は二男や三男と比較すると、跡継ぎ問題や両親の期待が重いことなど、何かとストレスを受けやすい立場にあるため、長男にますます起きやすくなるわけです。

 夫婦関係や親子関係が親から子へと受け継がれ、連鎖すると、その家系独特の流れができます。精神的な影響から、さらに肉体にも影響を及ぼします。したがって、「短命の家系」や「男子が弱い家系」といった家系の特徴や癖が、くり返し出てきます。

戻る
戻る
直前のページへ
直前のページへ