漸化式-T


[T]n+1n+d (dは定数)
   この関係式は等差数列を表します。また、nn-1+d  と表すこともあります。
[U]n+1ranは定数)
   この関係式は等比数列を表します。また、nran-1  と表すこともあります。
[V]n+1n(n) ((n)はn の関数)
   この関係式は{n}の階差数列が (n)で表せることを示します。また、nn-1g(n) と表すこともありま
   す。g(n)=(n−1) ですが、ここではこの関連は深く考えなくてもいいです。次の例題で、納得してください。

漸化式にはいろいろの形がありますが、適当な変形を施すことで[T],[U],[V] のどれかになるものが多い。
(なお、[V]で (n)が定数ならば、等差数列になります。)


n}が nn-1+2n の関係を満たすとき、n1を用いて表せ。
解答例
      nn-1=2n  で番号を順に下げていくと  
    n-1n-2=2(n−1)               
    n-2n-3=2(n−2)               
           ・        ====================> n1=2{n+(n−1)+(n−2)+・・・+2}
           ・          こららを全て加える     
           ・      (ここで、関係式 nn-1=2n の番号は、21=2・2 の番号以上である必要がある)
      21=2・2                          
                                    n≧2 の条件がつきます。
    よって n≧2 のとき、 n=2{n+(n−1)+(n−2)+・・・+2}+1  
                   =2・
(n−1)(n+2) 1 (ここでは、n は n≧2 で定義されています。)
    これに、n=1 とすると、n1 となり n=1でも成り立つ。
    よって全ての自然数(n=1,2,3,・・・・)で n=(n−1)(n+2)+1
    辺々加えた部分の計算の表し方は、普通Σを用いて表します。
     つまり   kk-1 2k   となります。漸化式の両辺に がついただけです。
                         この計算は、うえで示したものです。
                         この形は、教科書に載っている公式と違いますが、内容は同じです。
                         次の例題を解いてください。違いが理解できると思います。


n}が n+1n+2n の関係を満たすとき、n1を用いて表せ。
解答例
    n+1n+2n  より n+1n=2n  として、  k+1k)= 2k  ・・・@ ただし、n≧2  
                   (表現はよくないですが、Σ上の番号と下の番号の関係から、n−1≧1)
       ここで、 k+1k)=(21)+(32)+(43)+・・・+(nn-1)=n1  
        であるから、@より  n1
(n−1)n   よって、 n1=+
(n−1)n
        これに、n=1 としても成り立つので、 n1=+
(n−1)n
       すっきりした答案にするためにこのようにまとめていますが、慣れるまでは、前問の解答例のように       順に番号を  21=2  まで下げて、辺々加えてください。   
       また、@を計算して、整理したら、教科書にある公式になります。
       さらに、n+1n=2n の番号を下げた ann-1=2(n−1) として、
            両辺にΣを施した  kk-1)= 2(k−1)  としても @ と同じです。


以上の例題は、階差数列からの一般項の求め方です。次は、漸化式の典型:線形漸化式です。

n}が n+1=2n+2 の関係を満たすとき、n1を用いて表せ。
 ★ この形式の漸化式は、適当な変形で、等差、等比、階差などの形にもっていくことです。
    n+1−α=2(n−α) となるαが存在すれば、{n−α} は公比 2 の等比数列になる。
    n+1−α=2(n−α) を変形して、n+1=2(n−α)+α ・・・@
    この@と与えられた漸化式を比較して、 −2α+α=2  つまり  α=−2 
    よって、与えられた漸化式は、   n+1+2=2(n+2)  となるので、
      {n+2} は公比 2、初項 1+2  の等比数列になる。
          n +2=(1+2)2 n-1  よって、n=(1+2)2 n-1−2   
解法に慣れるまでは、an+2=bn と置換したほうが解きやすいかもしれませんが、
置換しないでも解答できるようにして下さい。



                 漸化式
PARTU