数学的帰納法と漸化式の応用-U
n≧1で定義できる{
a
n
}の初項から n項までの和S
n
が、 S
n
=2
a
n
+n
2
の関係を満たすとき、
a
n
を求めよ。
解答例
n≧2
a
n
=S
n
−S
n-1
=2
a
n
+n
2
−{2
a
n-1
+(n−1)
2
}=2
a
n
−2
a
n-1
+2n−1
より、
a
n
=2
a
n-1
−2n+1 ・・・@ となる。
これは、n≧2で成立するので、
a
2
=2
a
1
−1 も成立する。,
(n≧2は
a
2
からを定義するのでなく、
a
1
,
a
2
の関係から定義できることに注意)
@を変形して、
a
n
−2n=2{
a
n-1
−2(n−1)}−3
(まず、n に着目。
f(n)を求めてもよい
)
さらに、
a
n
−2n−3=2{
a
n-1
−2(n−1)−3} となるので、
数列
a
n
−2n−3 は、初項
a
1
−5,公比 2 の等比数列である。
また、
a
1
は、S
n
=2
a
n
+n
2
に n=1 として、
a
1
=−1
よって、
a
n
−2n−3=2
n-1
・(−6) より、
a
n
=2n−3・2
n
+3 となる。
n≧1で定義できる{
a
n
}の初項から n項までの和S
n
が、 S
n
=2
a
n+1
+n
2
の関係を満たすとき、
a
n
を求めよ。
必要ならば、
a
1
,
a
2
を用いてもよい。
解答例
n≧2 において、
a
n
=S
n
−S
n-1
=2
a
n+1
+n
2
−{2
a
n
+(n−1)
2
}=2
a
n+1
−2
a
n
+2n−1
よって、 2
a
n+1
=3
a
n
−2n+1=3
a
n
+4(n+1)−6n−3
2
a
n+1
−4(n+1)=3
a
n
−6n−3=3
a
n
−6n+6−9
(−3を変形)
2
a
n+1
−4(n+1)−6=3
a
n
−6n−9
a
n+1
−2(n+1)−3=
3
2
(
a
n
−2n−3) ・・・@ となる。
@式はn≧2の隣接二項間について成り立つので、
a
n
−n−3=
(
3
2
)
n-2
・(
a
2
−4−3)
よって、 n≧2で、
a
n
=
(
3
2
)
n-2
・(
a
2
−7)+2n+3 初項は
a
1
* 特に、上式でn=1として
(
3
2
)
-1
・(
a
2
−7)+2+3=
a
1
の関係が成り立てば、
全ての自然数で、
a
n
=
(
3
2
)
n-1
・(
a
1
−5)+2n+3
(2
+
)
n
=
a
n
+
b
n
(n=1,2,3,・・・・・) となる有理数
a
n
,b
n
を求めよ。
解答例
n=1 とすると、
a
1
=2,b
1
=1・・・[1]
ここで、(2
+
)
n+1
=(
a
n
+
b
n
)
n
(2
+
)=2
a
n
+3b
n
+
(
a
n
+2b
n
) より、
a
n+1
=2
a
n
+3b
n
,b
n+1
=
a
n
+2b
n
・・・[2]
(2
+
)
-n
=(
a
n
+
b
n
)
-1
=(
a
n
−
b
n
)・(
a
n
+
b
n
)
-1
・(
a
n
−
b
n
)
-1
・・・[3]
数式入力の関係で指数で記入しています。分数数式に直すと考えやすくなります。
ここで、(
a
n
+
b
n
)
-1
・(
a
n
−
b
n
)
-1
={(
a
n
+
b
n
)(
a
n
−
b
n
)}
-1
=(
a
n
2
−3b
n
2
)
-1
関係式[1],[2]より
a
n+1
2
−3b
n+1
2
=(2
a
n
+3b
n
)
2
−3(
a
n
+2b
n
)
2
=
a
n
2
−3b
n
2
=
a
n-1
2
−3b
n-1
2
=・・・=
a
1
2
−3b
1
2
=1
よって関係式[3]は、(2
−
)
n
=(2
+
)
-n
=
a
n
−
b
n
となる。
これと、与式を連立させると、
a
n
=
1
2
{(2
+
)
n
+(2
−
)
n
} ,b
n
=
{(2
+
)
n
−(2
−
)
n
}
これは入試でよく出題される問題です。