等差・等比数列とΣ(no.3)
 
この章の締めくくりです。
Σという記号が表す内容を掴んで、公式を覚えてください。まず、よく勘違いする例です。
       1    .
1+2+・・・+n
  と 

+・・・+
  ですが、この二つは全く違う式です。これらを、Σで表すと
前者は、  となり、 後者は、  となります。また、次のような式もよく間違います。
(1+2+・・・+n)(12

+22

+・・・+n2

)= ( ) ( 2

)   と   1・12

+2・22

+・・・+n・n2

(k・k2

ある程度慣れても、Σ は厄介な箇所があります。そのようなときこそ、n=1,2,・・・として、どのような数列
なのかを確認します。自分が理解できる形に変形するようにしましょう。

さて、次は個数です。これが意外な落とし穴になっています。
次の例題をちょっとだけ注意して考えて下さい。(等差、等比数列の一般項のn−1の部分も同じ理由)
例題 (1)30人の生徒が 2m 間隔でまっすぐ並んでいます。先頭から最後尾までの距離を求めなさい。
    (2)30人の生徒が 2m 間隔で並んで輪を作りました。この輪の周の長さはいくらですか。
    (3)1≦X≦100 となる整数 X の個数を求めなさい。
    (4)50≦X≦100 となる整数 X の個数を求めなさい。
    (5)n≦X≦m となる整数 X の個数を求めなさい。(n,mは整数)
    解答例
    (1)58m(60mではありません)
    (2)60m(多角形、円周の区別をしていません)
    (3)100個
    (4)51個(50個ではありません)
    (5)m−n+1個(m−nではありません。この結果は特に重要です

では、連続する整数の個数の求め方が理解できたところで、次の例題を解いて下さい。
数列 m
は、次の条件を満たす。
, ,mは自然数で、mと5は互いに素である。
この条件を満たす数列 m の和を求めよ。
   解答例
      5a
..
,b= 5b
..
 と考えて、 5a
..
5a+1
.  5
5a+2
.  5
+・・・+ 5b−2
.  5
5b−1
.  5
5b
..
 を考える。
     この和をS1とする。S1は初項 5a
..
,末項 5b
..
,項数5−5+1 の等差数列の和であるから、
     S1
(5−5+1) ( 5a
..
5b
..
)
)(5−5+1)
     ここで、S1には mと5が互いに素でないものが含まれている。これは、mが 5 の倍数であるから、
     これの和は、 5a
..
5a+5
. 
5a+10
.  5
+・・・+ 5b−10
.  5
5b−5
.  5
5b
..
=S2 とする。
     S2+(+1)+(+2)+・・・+(−1)+(−2)+b=
)(+1)
     求める和は、S1−S2
{ (5−5+1)−(+1) } =2(2

2


次は、Σの表し方の問題です。文字と括弧に注意してください。ただし、それぞれの文字は全て独立です。
が独立とは、=2 のように一方が定まれば他方はそれに依存して定まるような関係でないことです。)

(1) +2)  (2) +2  (3) +2)  (4) +2  (5) )  (6)
解答例
(1)  +2)=(1+2)+(2+2)+(3+2)+・・・+(n−1+2)+(n+2)=
n(n+1)+2n
           =
n(n+5)   (j+2)に対してのΣ計算です
(2)  +2=(1+2+3+・・・+n)+2=
n(n+1)+2=
(n2

+n+4)   j に対してのΣ計算です
(3)  +2)=(+2)+(+2)+(+2)+・・・+(+2)=+2)
       (n+2)に対してのΣ計算ですが、n が j に依存しないので(n+2)は定数として扱います。
(4)  +2=(+・・・+)+2=n2

+2   定数 n に対してのΣ計算で2にはΣは関係ありません
(5)  )=(1+2+3+・・・+n)+(+・・・+)=
n(n+1)+n2


n(3n+1)
       (j+n)に対してのΣ計算ですが、n が j に依存しないので n は定数として扱います。
(6)  =(1+2+3+・・・+n)+
n(n+1)+n=
n(n+3)