例題のページ

 

△ABCにおいて、∠B=30゜,BC=1+

,AC=

である。残りの辺、角を求めよ
 解答例の前に一言
   この問題に限らず、数学ではまず図を描いて概形を把握することが大切です。つまり、
   手を動かして、目で見てイメージをつかんで、頭で考える。
 
@) 線分BCを引く
A) ∠B=30゜となる直線を引きます。角の大きさは適当でよいが、
   30゜ぐらいに見える程度の線にする。どう見ても30゜ぐらいに
   は見えないような線は引かないように。
B) 点Cを中心に半径が の円を描く。
               このように、ある程度正確な図を描くことで、だいだいの形が掴めます。
解答例
   ∠Bを用いる余弦定理から  2=(1+ )2+AB2−2(1+ )ABcos30゜
      よって、AB2−(3+ )AB+2(1+ )=0 ・・・@
          @のような形(ABについて降べきの順)に整理するとき、むやみに展開
          してはいけない。AB2の項、ABの項、定数項と分けて計算する。
          また、@は因数分解できます。

       (AB−2)(AB−1−

)=0  よって AB=2,1+

   上の図から AB=2のとき、点AはA’になり、AB=1+

のとき、点AはA’’になる。
[T] AB=2のとき  A’からBCに垂線を引くと、内角が 30゜,60゜,90゜の直角三角形と、
              45゜,45゜,90゜の直角三角形ができるので ∠C=45゜、∠A=105゜
[U] AB=1+ のとき 三角形ABCはAB=BCの二等辺三角形になるので ∠C=∠A=75゜


[T]と[U]で、残りの∠A,∠Cを求めるときに正弦定理・余弦定理を利用しないように ! !
簡単に求めれる方法を見つけ出すことが数学の実力を高めます。
 
正の数a,b,cが、三角形の3辺となる条件
[考え方@]定規とコンパスを使って三角形を描くときの方法を思い出してください。
       まず、一辺を選んでその長さの線分を引きます。次に、この線分の両端から残りの2辺の
       長さを半径とする円を描きます。この二つの円が交われば三角形ができます。
       つまり、三角形ができる条件と、二つの円が交わる条件は同じであることになります。

[考え方A]余弦定理を用いて示します。
       cosA= ,−1<cosA<1 (0゜<A<180゜なので等号は付かない)より
       −1< <1 b,cは正なので −2bc<b2

+c2

−a2

<2bc  を変形して、
       b2+c2

−2bc<a2<b2+c2+2bc  より  |b−c|<a<b+c が得られる。