この分野での公式は、覚えるものではなく数式の表す内容を把握して使いこなせるようにすることです。
X |
2 |
・X |
3 |
というなんでもない計算ですが、X |
2 |
は
Xを2回掛け算していることを表し、X |
3 |
は Xを2回掛け算 |
していることを表します。だから、この計算は、Xを5回掛け算することを表すので、X |
5 |
になるのです。 |
これから、自然数,a,b についてX |
a |
・X |
b |
=X |
a+b |
の関係式が成り立ちます。 |
次に割り算 X |
3 |
÷X |
2 |
,X |
2 |
÷X |
3 |
の計算です。まず、X |
3 |
÷X |
2 |
=X となることは、いまさら |
説明するまでもないのですが、指数法則の本質を理解してもらいたいので、説明します。この計算は、 |
X |
3
|
÷X |
2
|
= |
X・X・X
X・X |
の分数式で約分しています。 「そんなことは知っている」と思われる人もいる |
かもしれませんが、以外に、式が少し変わったら間違うのです。 |
例えば、 |
2X+Y
X+Y |
2 |
=2+Y などとしてしまいます。これはどのように計算をしたか見当はつくと |
思います。ここで大切なことは、「これは約分できない」などということを覚えるのではなく、
「なぜ間違えたか?」,「約分はどのようなときにできるのか?」という、
計算の決まりをもう一度知ることです。
少し話が横道にそれましたが、指数法則に戻します。 |
結局 X |
3
|
÷X |
2
|
= |
X・X・X
X・X |
=X となります。同様に考えて、X |
2
|
÷X |
3
|
= |
1
X |
となります。 |
さて、 X |
3 |
÷X |
2 |
の計算結果は X |
3-2 |
と考えることが出来ます。同じように |
X |
2
|
÷X |
3
|
の計算結果は X |
2-3
|
と考えることが出来るので、 X |
-1
|
= |
1
X |
と定義すれば都合がよいのです。(一般性を持たせることができる) |
この X |
-1
|
= |
1
X |
はどの教科書にもある公式ですが、この形のまま覚えるより、 |
”−乗は逆数” と覚えてください。つまり次数の符号を変えて(−を取って)逆数にする。 |
ここで、もう少し、この定義の一般性について説明します。 |
X |
2
|
÷X |
3
|
=X |
2
|
・ |
1
|
=X |
2
|
・X |
-3
|
=X |
2+(-3)
|
となり割り算と掛け算を同じものとみなせます。 |
これで、指数計算は掛け算も割り算も同一のものであることが理解できましたか?
ここまでは、指数が自然数でしたが、有理数の場合はどうでしょうか?
でも、指数の有理数について定義が必要になりますが、ここの説明は教科書を参照してください。
|
有理数の次数が定義できたので、 |
|
=2 |
1
2
|
, |
|
=3 |
1
2
|
|
=6 |
1
2
|
と表せるので、等式(ア) |
等式(ア)は、 |
2 |
1
2
|
X |
3 |
1
2
|
=6 |
1
2
|
となり、分数の次数についても a |
p
|
・b |
p
|
=(ab) |
p
|
が成り立っています。
このように、指数の定義域を拡張することでいろいろな計算ができるようになります。
この分野の公式を闇雲に覚えるのでなく、数や計算の基本的な仕組みを考えて、自分なりに考えて公式を理解して下さい。 |
対数についての説明は、省略しますが次の計算法則の対応を理解してください。
(ア) X |
a |
・X |
b |
=X |
a+b |
log |
p |
ab=log |
p |
a+log |
p |
b |
(イ) X |
a
|
÷X |
b
|
=X |
a-b
|
log |
p |
a
b |
=log |
p |
a−log |
p |
b |
|
続く
|