三角関数(種々の公式)-no1

加法定理、倍角、半角、和→積、積→和、合成、と多くの公式がありますが、すべて加法定理から発展したもの
ですから、加法定理をどのように扱って導いたかを知ることから勉強を始めてください。この過程を知ることで、
数式の関連付けが強まって、実力を高めます。また、加法定理は、理屈抜きで、覚えてください。
文系選択者で数学がセンター試験のみの人は、加法定理、倍角、半角、合成、を確実にマスターして下さい。
その他の人は、和→積、積→和、までマスターして下さい。特に、理系では、和→積、積→和、が出来ないと、
微分・積分で苦労します。

加法定理でよくする間違い
  sin(α+β)=sinα+sinβ 括弧を外す計算をしてしまう。sin(α+β)はsin×(α+β)ではありません。
                     f (X) と同じで、sinα,cosα,tanα,などの sin,cos,tan,関数記号です。

                     例として、sin(60゜+30゜) で考えます。(  )内を計算すれば、90゜ですから、
                           sin(60゜+30゜)=sin90゜となります。sin90゜=1です。
                           sin60゜+sin30゜=
 となり間違いが確認できます。
      このような計算方法が正しか、どうか判断できるようになることも大切です。
例題 sin(α+β)=sinα+sinβ が成り立つときα,βの関係式を求めよ。(α,βは一般角)
    解答例
          sin(α+β)=sin2 α+β
  2
=2sin α+β
  2
・cos α+β
  2
(倍角の公式です。θ= α+β
  2
          sinα+sinβ=2sin α+β
  2
cos α−β
  2
 (和→積公式) であるから、
          sin(α+β)−(sinα+sinβ)=2sin α+β
  2
( cos α+β
  2
−cos α−β
  2
) =0
          よって、sin α+β
  2
=0  ・・・[T]   cos α+β
  2
−cos α−β
  2
=0 ・・・[U]
          [T]の場合   α+β
  2
=180゜×n
          [U] の場合  cos α+β
  2
−cos α−β
  2
=−2sin α
.
sin β
.
=0 となるので
                   . α
.
=180゜×n ,or  β
.
=180゜×n
        以上のことから求める条件は、α=360゜×n ,β=360゜×n ,α+β=360゜×n
合成
これは、加法定理の応用ですが、逆の計算をしているだけですので、この仕組みを理解して下さい。
数学ではこのような、逆の計算を理解することがよくあり、これができるようになることが大切なのです。

  sinαcosβ+cosαsinβ=sin(α+β) ,cosαsinβ−sinαsinβ=cos(α+β)
  sinαcosβ−cosαsinβ=sin(α−β) ,cosαsinβ+sinαsinβ=cos(α−β)
  普通は、sin の合成ですが、cos の合成も理解してください。
(T) (sinα)・ +(cosα)・
 について考えます。まず、 =cos30゜,
=sin30゜ なので、
    与式=sinαcos30゜+cosαsin30゜=sin(α+30゜)  

    次にこれを cos で合成します。このとき、項の順番を入れ替えて考えたら理解し易い。
    (cosα)・
+(sinα)・ =cosαcos60゜+sinαsin60゜=cos(α−60゜)
   また、これらは (sinα)・ −(cosα)・
 
(cosα)・
−(sinα)・  として、
        sin(α−330゜) , cos(α+300゜) のようにも合成でます。
        これらは、前の結果と違うようですが、330゜と同じ動径が−30゜ ,300゜と同じ動径が−60゜
        であることから同一の結果であることが理解できます。
係数の平方和が 1 でない場合の説明