ベクトルと複素数
(例題)
*
を
OA
と表しています。
例題−3
複素平面上の互いに異なる3点 A,B,C の表す複素数をそれぞれ、
α
,
β
,
γ
とするとき、
次のことを証明せよ。
(1)三角形ABCが正三角形のとき、
α
2
+
β
2
+
γ
2
−
αβ
−
βγ
−
γα
=0 である。
(2)
α
2
+
β
2
+
γ
2
−
αβ
−
βγ
−
γα
=0 が成り立つとき、三角形ABCは正三角形である。
(1)点C(
γ
)が原点にくるように平行移動したときのA(
α
),B(
β
)の移る点をA’(
α
’),B’(
β
’)とする。
このとき
α
’=
β
’(cos60゜+
i
sin60゜),または
α
’=
β
’(cos(−60゜)+
i
sin(−60゜))
よって、
α
’
β
’
=
1
2
(1±
i
) より
α
’
β
’
−
1
2
=±
1
2
i
の両辺を平方して整理すると、
(
α
’
β
’
)
2
−
α
’
β
’
+1=0 よって、
α
’
2
−
α
’
β
’+
β
’
2
=0 となる。
こごで、
α
’=
α
−
γ
,
β
’=
β
−
γ
であるから、
(
α
−
γ
)
2
−(
α
−
γ
)(
β
−
γ
)+(
β
−
γ
)
2
=0 となり、与式は成り立つ。
(2) 与式は、(
α
−
γ
)
2
−(
α
−
γ
)(
β
−
γ
)+(
β
−
γ
)
2
=0 と変形できる。
また、A,B,Cは全て異なる点なので、
β
−
γ
≠0 であるから、(
β
−
γ
)
2
で割って、
.
(
α
−
γ
)
2
(
β
−
γ
)
2
−
(
α
−
γ
)(
β
−
γ
)
(
β
−
γ
)
2
+
(
β
−
γ
)
2
(
β
−
γ
)
2
=0 となり、
これを
α
−
γ
β
−
γ
の二次方程式と考えて解くと、
α
−
γ
β
−
γ
=
1
2
(1±
i
) となる。
これより、
α
は
γ
を中心にして
β
を、60゜または−60゜回転したものであるから、
三角形ABCは正三角形になる。