Q & A

お店でよく聞かれる質問、疑問にお答えします。その他の質問にも、

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 デッサン編
クレヨン



クレパス



パステル
Q.クレヨン、クレパスとパステルの違いを教えてください。

A.クレヨン、パス
(オイルパステル)は、主に顔料、油脂、蝋などを適宜配合して棒状に押し固めたものです。パスはクレヨンより蜜蝋を少なくし、代わりに少量のやし油などを加えた蝋で練り、固めたものなので、クレヨンよりも柔らかく、重ね塗り、指先で色を混ぜるなど容易にでき、わずかな盛り上げ塗りも可能です。クレヨン、パスの利点は、使用の際に水や油の必要がなく、棒状の色と塗った色に差がない事や、固形で携帯にも便利なので、スケッチにも適していることです。難点は、使用中に「カス」が出たり、長期間日光に当てると色が褪せたり、長い間に含まれた油が紙に浸出して紙にヤケ色が強く出るなどがあります。(一流メーカー品は、退色があまりなく、塗りむらやカスが出ない等工夫されています)

パステルは、よくクレパスと混同されますが、まったく別物です。パスは蝋や油を含んで油気と粘りがあるのに対して、パステルは、顔料を水で溶き、トラガカントゴム、アラビアゴムなどの薄い溶液を固着剤として加え、よく練って棒状に固め、乾燥したものです。固着剤は棒状にした物が崩れないよう顔料どうしを固めておくためで、紙に描いたときの定着力は、まったくありません。定着は紙にこすりつけて顔料を付着させます。混ざり物が少ないということは、顔料本来のもつ色の美しさを発揮できますが、その一方で固着力が弱いので、完成した後はフキサチーフをかけて定着する必要があります。

*パスは日本では「クレパス」の名前で良く知られていますが、(サクラクレパス社の商品名)国際的には、「パス」「オイルパステル」という品物名が通用しています。
 油 絵 編


 燥
Q.冬期は、絵具の乾燥が遅くなりますが、どうしてですか?
  早く乾かす方法はありますか?

A.油絵具は、水彩絵具の水分が乾燥して固まるのとは違い、油が空気中の酸素を吸収して化学反応することで固まります。なので、酸素が豊富にあり適温(20度以上)になると、乾きは早くなりますが、無理にドライヤーの熱風をかけたり、天日干しなどで乾かす事は、絵にとって好ましくありません。どうしても、急ぐ時には、「速乾性オイル」を使うか、「シッカチーフ(乾燥促進剤)」や「クイックドライメディウム」などを絵具に混ぜるなど工夫することをお勧めします。
*シッカチーフは、多量に使うと画面にシワができたり、ひび割れが入ったりするので、使用量を制限量以下にしたほうがいいようです。

Q.描いているときは、画面に艶があり色もはっきりしていますが、乾いていくと色が失せ、艶がひけてカサカサしてくる気がします。艶を保つには、どうすればいいですか?

A.これは、絵具が乾く過程で水分や揮発成分が逃げた後に穴が空き、そこに光が当たると乱反射して艶を鈍らせているのです。艶を維持させるには、樹脂類やスタンドオイルを効果的に使う事で解決できます。初心者の方には、最初から樹脂類が混ざっている調合油がお勧めです。
又、一度制作を休んでいた後、描き加える時に艶を復活させるには、加筆用ルツーセを使うと仮の艶が出ます。(*指触乾燥している事)






Q.作品完成後、色が変色してきました。何が原因でしょうか?変色しない良い方法はありませんか?

A.
油絵は、保護せずにほおっておくと、色々な汚れがつき変色してきます。主な原因は、タバコの煙のヤニ、料理時の煙や油気、湿気、ホコリです。又、光が当たると紫外線が絵具成分を痛めつけ、退色も進みます。それらの天敵から作品を保護するには、完成後6ヶ月たったら(完全に中まで乾いてから)保護用ワニスタブローを塗り、ガラスの入った額縁に入れて飾ると、直接汚れが付着せず、紫外線も弱めてくれます。タブローは、5〜10年で黄ばんできますが、ペトロールで溶けるので、軽く汚れを拭き取り、その後、またタブローを塗りなおすと復元します。(*ニスの中には、乾燥後、除去できるものと、できないものがあるので、説明書きを読んでからお使いください)
絵 

Q.白い絵具には、色々種類がありますが、どのような違いや特長がありますか?

A.同じホワイトでも、名前やメーカーにより、違った性質をもっているので、使用前に説明書きを読むことをお勧めします。
シルバーホワイト
は、白さが際だつホワイトで、固着力、堅牢性が強く、着色力が適度なので、混色に向いています。物質感をともなう重厚でこくのある発色をします。(混色制限あり)

ジンクホワイトは、着色力、隠ぺい力が弱く、やや透明性を帯びたホワイトです。濁りを生じにくく仕上げ段階での混色に適しています。

チタニウムホワイトは、白の強さが抜群に強いホワイトです。着色力、隠ぺい力とも強く、不透明性を生かした混色に適しています。

パーマネントホワイトは、標準的な性格をもったホワイトです。適度な着色力をもち、使用に際し制限がないため、使いやすいホワイトです。
Q.同じブラックでも、アイボリー、ピーチ、ランプなど種類がありますが、どこが違いますか?

A.一瞬見ただけでは、あまり違いがわかりませんが、混ぜた時の色のニュアンス、着色力、隠ぺい力がそれぞれ違います。
アイボリーブラックは、かつては象牙より得られていたので、この名が残っています。現在では、他の動物の骨を蒸し焼きにした炭から作られています。色は、深みのある黒色で、ホワイトとの混色で暖かみのある灰色を作る事ができます。

ランプブラックは、油煙からできています。アイボリーホワイトほどの黒さは得られませんが、粒子が大変細かく、着色力も大きいです。

ピーチブラックは、(別名バインブラック)は、本来、植物炭の意味ですが、現在では入手難という事情により、イミテーションが多いです。(例、ランプブラックとプルシャンブルーの混合など)ホワイト、特にシルバーホワイトの混色により、青みがかった独特の冷たい灰色ができます。ただ、乾きが遅く、ひび割れしやすいので、下書き時点での厚塗りは避けた方がいいでしょう。
Q.同じ絵具名でも「**チント」「**ヒュ―」「**ノーバ」とつく絵具がありますが、元の色との違いは何ですか?

A.例えば「バーミリオン」と「バーミリオンチント」では、色は似ていますが、価格は6号チューブで1600円と350円(チントが安い)と何倍も差があります。元の色の顔料が高価だったり、毒性が強い等の理由から、他の顔料を代用し作られる絵具が「チント」「ヒュ―」「ノーバ」等と表示されています。代用といっても、必ずしも元の絵具に劣るという意味ではないので、使う方の経済面、体質、好み等で選ばれると良いと思います。
Q.毒性のある絵具には、どんな絵具がありますか?どういう点に気をつけたらいいですか?

A.絵具の中に人体に有害の恐れのある物質を含む製品にはこのシンボルマークとともに「警告」の見出しで有毒性物質の種類と製品の取り扱いについて表示されています。有毒物質含有の製品には、カドミウム、セレン、鉛等の化合物、溶解性コバルト、硫化水銀等を含む等の表示があります。絵具は、口、鼻、傷口から入らないように気をつける事と、サウンドペーパー等でこすった粉塵を大量に吸うような時は、換気をする、マスクをつける等の工夫をして下さい。万が一、絵具を口に入れたり、触った後に調子が悪くなった場合は、速やかに病院に行かれることをお勧めします。(*画溶液や有機溶剤も同じです

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