冬の北海道・青春18切符の旅
  〜女ひとりぶらリ旅(函館から旭川・網走・釧路・帯広・苫小牧)〜

前 編



帯広遠征から戻ってきたばかりの店主から、2枚の切符を手渡された。1枚は今日までしか使えないが、道内ならどこでも特急、普通列車に乗れる「北海道フリー切符」、もう一枚は、普通列車のみ乗り放題の「青春18切符」ただし残り3回分。「いいかい、とりあえずこの切符をもって北へ向かうんだよ!旅を楽にしたいなら、今日中にこっちの方(北海道フリー切符)で遠くまで行ってしまう事だね。」ニヤリ。むむ。このニヤリはもしかして私にはそんなに遠くまで行く勇気はないだろうのニヤリでは!実際さっきまで、店主がいない間の店番で疲れていたし、札幌のギャラリーを見た後、実家のある苫小牧でまったりするのもいいかな〜なんて思っていたのも事実だ。でも、こんなチャンスは滅多にないし、店主も見返してやりたい!!、、ということで、体力勝負の鈍行列車で北へ向かう旅に出る事にした。
(これって、店主の思惑どうり!?)  
函館|札幌 函館札幌間は、スーパー北斗でたったの3時間ちょっと、あっという間に札幌駅到着。成人式帰りの振袖姿の娘さん達を横目に、駅で軽い夕食をとる。(右写真 おにぎりと豚汁セット) おなかも落ち着いたので、いつもお世話になっているHOTEL DORAL内ギャラリーどらーるさんの展覧会を見に行くことした。札幌市街は思ったよりも雪が少なく、タクシーの運転手さんも今年は楽だよ〜と話していた。確かに雪も少ないし、いつもなら駅で列車待ちなどしていたら、寒くて仕方がないのだが、今日は全然寒くもないし、ホントに楽だわ〜。
おにぎり豚汁セット
札幌|旭川 札幌発旭川行き特急列車は、30分おきに出ているので選び放題。札幌って便利だ〜!スーパーホワイトアローには、前回の旅でも乗っているので、それほどワクワクもせず、ぼ〜っと冊子に目を通しているうちに旭川駅に到着。ここもまた札幌同様、想像以上に雪が少なく、雪祭りは大丈夫なんだろうかなんて、いらぬ心配までしてしまった。(右写真 駅前通り) 今夜は美味しいご飯をたくさん食べて、宿の温泉にゆったりつかり、明日からの旅に備えて鋭気を養っておこう!!
旭川駅前通り
旭川|上川 普段より早起きし、旭川から次の目的地上川町へいよいよ鈍行列車に乗る。上川駅に降りると大きな除雪車が2台、もの凄い音をたてて忙しそうに働いているだけで、あとは人も車もあまりみかけない。目的の「氷の美術館アイスパビリオン」へは歩いては行けなさそうだし、途方に暮れていると、1人のおばあちゃんがやっぱりタクシー待ちをして困っているのがみえた。待つこと5分。1台のタクシーが駅前に来たので、おばあちゃんに相談し、美術館まで同乗させてもらうことにした。おばあちゃんは膝が悪く、旭川の病院に通院しているとの事。降りる際にお金を払おうとすると「どうせ帰る途中なんだから、あんたは払わなくていいよ」と言ってくれたがそれでは申し訳ないので初乗り料金だけでも払うことにした。「たくさん楽しんで行くんだよ〜!」と握ってくれた手の温もりが忘れられず、思い出してはニヤニヤしてしまう自分がいた。良い旅のスタートが切れたぞ!アイスパビリオンは、10年の歳月をかけて造られた雪と氷の世界ということで、わざわざ冬の寒いときに行かなくても、、という声も聞こえてきそうだが、係りの人曰く「夏は、入った時は気持ちが良くても、一歩外に出た瞬間入る前よりも暑く感じて、滝のような汗が流れるので、冬の方がいいですよ〜」とのことなので、だ〜れもいない館内を私のためだけに案内してもらい、得した気分になった!
館内の雪だるま

−41度体験後
アイスパビリオン 館内はマイナス20度30度とまるで大きな冷凍庫に入っているようだ。中でも一番寒かったのが、ボタンを押すと前後左右からブオ〜っと冷気が出てきて一気にマイナス41度を体験できるというスペースで、思わずこのまま雪女になるのでは、、なんて思ってしまった。(右上写真 あまりの寒さのためほっかぶりをしてー41度を体験)白い氷は年月が経ったもので、透き通っているものはまだ新しい氷らしい。係りの人は、お客さんが空いた時間に会場の上から水を撒いて氷を作っているそうだ。至るところに作られている雪だるまがなんとも愛らしい。
            
                         アイスパビリオン内
アイスパビリオン 会場から出ると、併設されている喫茶店で入場者のみサービスのカバノアナタケ茶をご馳走になった。カバノアナタケは、滅多に取れない貴重なもので、寒冷地の厳しい寒さで割れた、木の隙間などからどんどん樹液や栄養が漏れ出し、最後には枯れて死んでしまう「白樺の癌」ともいわれているらしい。見た目はグロテスクだが、その中にはとても栄養価の高い成分や免疫力を高める成分が含まれているので、煎じて飲むと健康にいいという。姿カタチは変わってしまっても、最後まで誰かの役にたてる生き方ができたらいいなあとじみじみ思いながら、樺に感謝しつつゆっくりと全部飲み干した。(右写真 カバノアナタケ)
 カバのアナタケ
上川

遠軽
アイスパビリオンで軽い昼食をとり、網走に向けて出発。ここは列車の接続が悪いので、少々もったいないが、遠軽まで特急オホーツクに乗ることにした。列車は意外に混んでいて、最初座る事ができなかったが、もう少しで遠軽というところでなんとか座る事ができた。ほっ。冬の北海道を旅行しているのは、年配のご夫婦、冬休み中の学生、アジアの団体旅行者などが多いようだ。ってことは、私はちょっと浮いているかも。ま、そんなことはいいか。なんて考えているうちに列車は遠軽駅に到着。(右写真 遠軽駅ホーム)
 遠軽駅ホーム
遠軽

網走
特急列車から一転、今度はワンマン一両列車に乗車。列車はガタンゴトンと音をたてて、のんびり網走に向けて出発。夕方になってきたので、途中学生が乗り降りし、車内は賑やかになった。日が落ちてきたせいか、網走に近づいてきたせいか、はたまた一人旅のせいか、少々寒くなってきたので、マフラーをまいて寒さをしのいだ。ぼ〜っと外を眺めていると美幌ですずらん印の砂糖工場がみえた。スーパーでよく見かける砂糖がこんなところで日々作られているんだ〜と妙に感心しているとまもなく終点網走についた。(右写真 すずらん印の砂糖工場)
 美幌甜菜工場
網走

標茶
今晩宿泊予定の標茶町へ向け最後の列車に乗る。今度は網走と釧路を結ぶ釧網線ワンマン二両列車だ。列車入口に向かうと丹頂鶴のマークを発見!一人で写真に収めている姿を見て可哀想に思ったのか、運転士さんが私を入れて写真を撮ってくれた。ラッキー(*^v^*)vこの車両は、真中に向かって椅子が両方向から向き合っている変わった列車だった。進行方向に向かって座れた人はいいが、反対方向に座った自分は、まるでジェットコースターでバックしているような気分になった(笑)あと半月ほど経てば、期間限定のお座敷列車や流氷ノロッコ号も走るのだが、それは次のお楽しみということで、今回は我慢我慢。もうすっかり日も落ちたので、車窓からの景色も楽しめず、列車の揺れに合わせて船を漕いでいると、3時間ほどで目的地の標茶町茅沼駅に到着。駅には宿の方がワゴン車で迎えにきてくれていた。
 釧網線のマーク
後  編
標茶町茅沼 宿は駅から車で3分ほどだが、歩くと結構時間がかかるらしいので、迎えに来てもらってとても助かった。チェックイン後、夕食会場へ。宿泊客はもうとっくに夕食を済ませ会場では明朝食の準備にとりかかっていた。自分だけの為に接客してもらい申し訳なかったが、担当の人は終始ニコニコ笑顔で接してくれ、料理も陶板焼きや新鮮なお刺身、大好きな茶碗蒸、煮物など、1人では食べ尽くせないほどのボリュームで、気が付かないうちにかなりパクついていたのだろう。おひつには三膳分ものごはんが入っていたというのに「ご飯足りますか〜、まだお持ちしますよ〜!」と言われてしまった。うう、いくら美味しいからって、さすがにそんなには食べれないよ〜(^^;)(右上写真 夕食)カエルのようなお腹をさすりながら部屋へ戻り、ゴロリと布団の上に大の字になった。店主に、とっても美味しいご飯を食べたと自慢のメールを打っているうちに大分おなかもこなれて来たので、温泉に入りに行く事にした。浴場は岩風呂や打たせ湯があり広くて快適。露天風呂も木の香りがしていい感じだったが、さっきまで降っていた雨が濡れ雪に変わりボツボツと頭を濡らすので、風邪をひいては困ると早々に上がった。翌朝、風は強いが雪は止んでいたので露天風呂にまったりつかり、美味しい朝食を食べ満足していると、他の宿泊客と宿の人の会話が聞こえてきて、ちょっと不安になった。話の内容は、これから大荒れになるので、下手に移動しないでもう一泊していったほうがいいのではという事だった。列車で移動していてニュースなど見ていないうちにそんなことになっていたとは。でも、もう一泊していったらという言葉に笑いも入っていたし、そんなに大したことはないだろう。しかし、予想どうり昨日から予約していた「犬ぞり体験」がキャンセルになったのは悲しかった。(ToT)泊まった宿はこちら
   宿の夕食


茅沼駅舎前
茅沼駅 また駅までワゴン車で送ってもらい、釧路行きの列車を待った。天気がいいと、この場所でも丹頂が見られるはずだけど、こんな強風じゃあ、鶴だって外へ出たくないよな〜。今回は待合所の天井から吊られている鶴で我慢しておこう。風はますます強くなり、手動のはずのドアがパタンパタンと開閉し自動ドアになっている。そのお陰で?作り物の鶴もクルクルと回りだし、まるで本物みたいにみえてきた。(右上写真 茅沼駅)列車は時間よりも10分近く送れて到着。列車に乗ろうと外に出ると今度は自分まで飛ばされそうになった。これ以上悪天候にならなきゃいいけど。(右写真 作り物の鶴)


 茅沼駅天井の鶴
茅沼|釧路 列車には、観光客や釧路に買い物にでる地元のおばちゃん達が乗っていた。ワンマン一両列車はほぼ満員だったが、そんなにうるさくする人もおらず、車内にはのんびりとした空気が流れていた。が、ある事を境に一気に盛り上がりをみせた。事の始まりは、思いがけずかけられた急ブレーキだった。キキキーッガッタン!!私の窓ごしにおいていたジュースもゴロリと床に落ちた程だ。窓が曇っていたので果たしてここがどこかの駅なのかどうかさえ確認できず、みんなが騒ぎ出したとき、いきなり運転手さんが皮の手袋をはきながら通路を急ぎ足でかけぬけた。1人の男性が運転士さんにどうしたのか尋ねると「鹿をはねてしまった!」と言い捨てて後ろのドアからポンと飛び降り、今来た方向に線路伝いに走っていくのが見えた。ええ〜っ!鹿をはねるなんて〜(@o@;)と驚いていると、隣に座っていたおばちゃんがとても冷静に「この辺じゃ〜よくある事だよ。ひいた後に死体をそのままにしていると次の列車が脱線するから危ないんだよ」と教えてくれた。なるほど、それで運転士さんは皮手袋をはめたんだ〜。よくひかれるポイントはカーブらしい。親鹿を追って子鹿が横断する際ひかれることもあるとか。なんだか可哀想な話だが、この辺では仕方のないことなのだろうか。みんな不安気に待っていると、はあはあ息を切らして運転士さんが戻ってきた。やっぱり鹿は2頭で移動していたらしいが、戻ったところには姿がなく、遠くでもう1頭が走っていくのがみえたという。結局その場では息絶えなかったらしい。それを聞いて少しだけホッとした。そんなことがあり、乗客全員が前々からの知人のように色んな事を話しだし、車内は一気に賑やかになったのだった。(右上写真 鹿と接触後の線路 右写真 釧路王子製紙工場)


鹿と接触後の線路


釧路王子製紙工場
釧路|帯広 釧路駅では次の列車まで数分しかなかったので、残念ながら駅前を見る事ができなかった。ガッカリしながら乗り換えホームに行くと何やらあやしい「顔ハメ看板」発見!お、これはなんとかして撮らねば!!と思い、あたりを見渡したがシャッターを押してくれそうな人は誰もいなかった。どうしよう〜、あと3分程で列車は発車しちゃうしな〜。ようし、こうなったら旅の恥はかき捨てだ!もう列車に乗ってのんびりしていた50代くらいのおばちゃんに「すみませ〜ん、ここで私を入れて写真撮っていただけますか!?」と言ってみた。突然指名されたおばちゃんはびっくりしていたが、私の熱意にほだされ、笑いをこらえながらシャッターを押してくれた。いい人で良かった〜!まもなく発車のアナウンスが流れ、あわてて飛び乗ると列車は静かに帯広に向けて走り出した。無事釧路での記念ができて満足満足!(右写真 釧路駅ホームの顔ハメ看板 さて、私はどこでしょう!?)



釧路駅ホームの
顔ハメ看板


列車の中から、店主の水泳仲間Kさんにメールを送り、次の列車時間まで帯広市内を案内してもらうことにした。帯広駅は規模こそ札幌に劣るが、都会的な雰囲気を漂わせていて驚いた。何より、広い地下駐車場が完備されていて、ここを利用できる帯広市民が羨ましくなった。函館は駅こそ立派にはなったが、まだまだ駐車スペースが充実しておらず、不便を感じることが多いのでなおさら感じたのかもしれない。Kさんは、約束どうり駅に赤い車で迎えに来てくれ、早速、白鳥を間近で見られるスポットに案内してくれた。そこは「十勝中央大橋」のたもとで、よく白鳥が餌を求めて羽を休めているので「白鳥大橋」ともいわれるらしい。この日は残念ながら、何日か前に降ったどか雪が行く手を阻んでいたので、白鳥の姿は遠くからしか見る事ができなかった。その後、美人の湯で有名な「十勝川温泉」に入り、しっとりすべすべのお肌になり!?もう1人の水泳仲間Mさん家にお邪魔することにした。そこの家は、猫5匹、犬3頭、亀一匹、、と動物大好き家族が住んでいるので、ちょっとしたムツゴロウ体験ができ、ほんわかあったか気分になれた。でも、人間だけでも食費がかかるだろうに、こんなに大家族では、どんなにお金があっても足りないだろうな〜〜などと思っているうちに、帰りの列車時間が来たので、慌しくまた駅まで送ってもらう事にした。駅には発車時間ギリギリに着いたので「もし遅れたら、ここでしばらく待っているから、戻っておいでよ〜!」という優しい言葉までかけてもらい、新得行き普通列車に飛び乗った。おお、なんとか間に合った〜!
               
 Kさんの愛車            十勝中央大橋        Mさん宅の愛犬3頭
帯広|新得 新得行きの列車には、授業を終えた学生や買い物帰りのおばちゃんたちがまばらに乗っていた。新得から新夕張までは普通列車がないので、このあとは特急に乗れるし、ちょっとくつろげるかな〜などと考えていると、まもなく新得駅に到着。帯広駅とは打って変わって、こぢんまりとした駅舎だ。特急が来るまではまだ時間があるし、せっかくだから駅前の写真でもとっておこうかな。駅前には、かわいいイルミネーションが輝いていたが、他にめぼしいものはなかった。風もかなり強くなってきたし、あとは中で待っていよう。駅の待合席に座ると、いかにも道外からきた家族と女性3名が添乗員さんらしき人と神妙に話していた。なんだか変な雰囲気を感じ、窓口の駅員さんに念のため特急列車の到着時刻を尋ねた。すると、ちょっと苛立ち加減で「特急ってあんた、朝札幌を出た特急オホーツクが、強風と雪の為に折り返し途中の北見付近で立ち往生しているんだよ!だから、その後の特急なんていつ走れるか見通しもたたないよ!!」「えっ!?てことは、新旭川へは行けないんですか?」と、まだ事の重大さを把握しきれずにいる私にしびれを切らして「あと40分ほどしたら帯広行きの普通列車が来るから、それに乗って帯広にもどるのが賢明じゃないかい!」と駅員さん。ガ〜〜ン(:>_<;) そ、そんな〜〜!!せっかく時間ギリギリ間に合ってここまで来たというのに、また、帯広に戻らなきゃ行けないの〜!これじゃ〜まるで人生ゲームの現実版だ〜。しかし「一人お気楽イルミネーションを撮影してて、列車に乗れず、10コマ戻る」なんていうストーリーはゲームでもないか〜と、自分につっこみを入れながらトボトボ帯広に戻るのだった。ふ〜。
新得駅前の
イルミネーション


帯広駅前の
 モニュメント
ふたたび帯広 見慣れた帯広駅で、日中食べれず心残りだった「豚丼」をお腹一杯食べたら、少し元気も出てきた。(右写真 豚丼)そうだ、今この瞬間にも不安を抱えながら列車で過ごしている人がいるんだ。それを思えば、自分は難を逃れてこんなに美味しい物も食べられたし、とりあえず泊まれるホテルも確保できたんだから、とっても幸せじゃん!そう自分に言い聞かせて、強風吹き荒れる駅前の未完成の氷像を見ながらホテルへ向かった。
 帯広名物 豚丼
帯広柳月 夜通し吹き荒れていた風も朝になると大分収まっていた。今日は帰れるかもしれない。起きてすぐにニュースをチェック。その後、駅に列車の状況を確認。午後からは列車も走れるようだ。今回ばかりはのろのろ普通列車に乗ってはいられないので、途中まで特急列車で帰ることにした。昨日見送ってくれたKさんは、今日も時間まで車で案内してくれると朝一番にホテルに迎えに来てくれた。なんて優しい人なんだ!お言葉に甘えて、昨日話題にあがった柳月の工場に連れて行ってもらった。ここでは、地元の人のみ買える「三方六」の耳の部分が売られていたので、すぐにゲットし、無料のあずきお茶を飲みながら優雅にティータイム。Kさんは甘い物に目がないらしく、あちこちのお菓子を試食しては、満足気な笑みを浮かべていた。函館にもこんな気のきいた所ができたらいいな〜と贅沢をいっているうちにそろそろ本当に帰る時間が迫ってきた。今度こそ、帰れますように!再び帯広駅に降り立ち、昨日同様、しばらく待っててくれるという優しい言葉を背に受けながら、余裕で改札を抜け、特急列車とかちをホームで待つことにした。Kさんには、ちゃんと列車が着そうだとメールを打ち、語り尽くせぬ感謝の気持ちを込めて送信!本当にありがとうございましたm(..)m
 三方六の端っこ
 と あずきお茶

 柳月製造工場
帯広|追分 とかちは、昨日の影響もあり40分遅れでホームに到着。一時間程、自由席に座るべく長蛇の列にガタガタと体を震わせ並んでいると、共に辛い経験をしているせいか、見ず知らずの人でもお互いを気遣い「荷物は私がみているから、交代で中で温まりましょう」等という会話まで出てきた。それは、待ち時間が長い先頭集団での事だが、後ろの方の比較的短い時間しか並ばない人たちにはみられない光景のようだった。人間の心理とは不思議なものだ。寒い中待った甲斐があり、自由席ゲット!!車内は一瞬南国のように暖かく感じたが、芯から冷え切った体はなかなか温まらなかった。次の列車は追分から苫小牧行きの普通列車だが、この分だと間に合いそうもないので、車掌さんにその旨を話すと、私の他にも2名その列車に乗る人がいるので、接続をとってくれることになった。良かった〜。その2名は、さっき私と一緒に先頭で並んでいた70代のおばあちゃんと連れのおばちゃんだった。おばあちゃんは沼ノ端に住んでる息子さん家族と一緒にグアムに行くのだと嬉しそうに教えてくれていた。列車は追分到着。
追分

苫小牧
自分達だけを待っているというプレッシャーを感じながら、橋を渡って別のホームへ。急がねばという気持ちと、よろよろ階段を下りるおばあちゃんは大丈夫かなという気持ちが混ざり合いながら、無事列車に乗車。考えたら自分達が悪いわけではないのだけれど、こんな時はとてもバツが悪い。ワンマン2両列車には、小さな子供連れのお母さんと地元の若者数名しか乗っていなかったのが、ちょっとだけ救いだった。まもなくお嫁さんらしき人が迎えにきていた沼ノ端駅到着。降りる際「気をつけて旅をするんだよ!」と握手してくれたあばあちゃん。列車を降りてからも背後のお嫁さんそっちのけで二人でいつまでも手を振ってくれ、とっても嬉しかった。おばあちゃんも気をつけて、ホントの南国楽しんできてね〜!!
苫小牧

函館
あったかい気持ちで終点苫小牧に降り立つと、なんとここ数年見た事もないほど雪の積もった苫小牧が目に飛び込んだ。ほ〜、やっぱりこの前の大荒れは本当に凄かったんだ〜!でも、雪が降ると暖かく感じるとよく言うが、確かにいつもの苫小牧よりもほんわか暖かく感じた。いよいよ鈍行列車の旅も明日で最後。今晩は実家で美味しいものでも食べて、ゆっくり体を休めようっと。(右写真 苫小牧駅前の雪の積もった像と王子製紙の煙突)
  苫小牧駅前
苫小牧|函館 苫小牧から長万部までは前回の旅でも経験済みだが、今回は函館までだから少し長くなるんだな〜。まずは苫小牧から東室蘭。発車してビックリ!!あんなにあった雪が30分もしないうちにあとかたもなく消えていて、茶色い芝生が見えている。正しくは、雪が降った形跡がどこにもないのだ。昨日まですごい雪ばかり見ていたので、狐にでもつままれているような気分になった。旅の疲れが出てきたのか、まもなく眠気が襲ってきて気がつけば終点東室蘭だった。ぼ〜としながら二階の駅キヨスクに行き、文庫本と得意の天津甘栗を買い、再び長万部行きの列車へ。東室蘭から長万部へ向かう列車は、やはり札幌付近の雪の影響か、すれ違う列車待ちの時間が長く、またまた長万部へ10分ほど送れて到着。今回も私の他3名の男性と共に、長万部で列車を待たせてしまった。う〜ん、冬の北海道では仕方がないことなんだよね、と自分に言い聞かせて無事最後の列車に乗車。あたりはすっかり暗くなったので、甘栗を食べながら読書をして過ごした。今回の旅は、当初の予定では、3泊4日の貧乏旅行だったのに、道東道央での強風大雪の影響で4泊5日のリッチな旅!?になった。帰れなくなった帯広での不安な一夜も今ではいい思い出になったし、色んなところで良い人たちにも出会えたし、またまた楽しい思いができたな〜。などと振り返っているとやっと函館が近づいてきた。駅に着いたら、まずは店主に1日余計に泊まったことを詫びねば。店主は約束通り駅に迎えにきてくれた。おお、やっぱり函館にも雪が見当たらない。と驚いていると「君が出かけてから函館は一度も雪降ってないよ〜!」だって。んん、やっぱり北海道は広いな〜!今度行く時は、今回体験できなかった「流氷観測」や「犬ぞり体験」「お座敷列車」を堪能したいと伝えると、随分たくましくなったもんだとちょっと呆れ気味に笑われた。挑発されて北へ向かった旅は大満足に終わった。又いつか、余った切符、ちょうだいね(*^v^*)v!

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