3.カヤックとパドリング・ギア

3−1.カヤックの構造と名称
前ページでカヤックの種類がたくさんあることが分かったと思います。皆さんはどのカヤックを選んだのでしょうか?私は、リバーカヤックを選びました。なぜなら、リバーツーリングと瀬遊びがやりたかったからです。確かに、カナディアンカヌーやフォールディングカヤックも魅力的だし、シーカヤックもいい。インフレータブルも捨てがたい。

しかし、面倒くさいのが嫌いで貧乏な私は、カナディアンカヌーやフォールディングカヤック、シーカヤックは手が出ませんし、インフレータブルは面倒くさい。そうなると、川で遊べて、リバーツーリングもこなせるリバーカヤックを選んだわけです。長期に及ぶリバーツーリングとなるとリバーカヤックでは役不足かも知れませんが、値段を考えると背に腹は変えられないといったところでしょうか。

でも、結局、ファンカヤックとリバーカヤックを購入してしまいましたが・・・・。2艇合わせて、カナディアンカヌーの値段でしたから、2通りの遊び方が出きると言う意味では、満足しています。よって、ここからはリバーカヤック中心に書いていきますのでご了承ください。

では、初めにカヤックの構造と名称を見てみましょう。



 カヤックの構造と名称
カヤックには各部所に名前がついています。聞きなれない言葉も多いので初めは覚えられないと思いますが、カヤックをやる上で必要になってきますので、図を見ながら場所と名前を覚えておきましょう。



では、左の上より時計回りに・・・・・
・グラブループ バウとスターンの先端に取り付けられていて、艇の持ち運びやレスキュー時に使われます。
・デッキ 艇本体の上部を指します。形状により水はけや波きりなど艇の操作性に関わります。
・サイブレイス 艇と体をフィットさせるためのもので、ひざからももで艇の内側から持ち上げる感じで密着させるものです。
コーミング コクピットの開口部の縁のことで、ここにスプレイスカートを引っ掛けます。
・スターン 艇のうしろ側のことを指します。
・ドレンプラグ 艇内にたまった水を抜くために取りつけられている穴。艇を傾けて水を抜きます。すべてのカヤックにつけられているわけではありませんが、後から付けることも可能です。
・セキュリティーループ ルーフキャリアにとりつけられたカヤックの盗難防止用のもの。岩等の張りついたカヤックを回収する時にも使えます。
・バックレスト シートの後方の背もたれでカヤックと体をフィットさせるために使います。
・ボトム 吃水線から下側の舟底のことを言います。水の影響を直接受けるため、ここの、形状によって艇の性格が大きく変わります。※下図参照
・バウ カヤックの艇首のことです。

大体、覚えたでしょうか?次は内部構造です。


 カヤックの内部構造


浮力体 艇内に侵入する水を最小限に食い止めるためと、浮力の補強。
・フット・ブレイス 車でいうフットレストのこと。パドリングの際に足の踏ん張りを利かせるもの。
・センターウォール 艇内の中央部を支えるためのもので、水圧を受けても変形しないようにするためのもの。



 ボトム

さて、ここからはカヤックを選ぶ上でもっとも重要な部分を書いていきます。
リバーカヤックの中にもいろいろな形があり、その形によって、艇の性格が大きくかわります。特にボトムの形状によって、艇の性格が変わるといっても過言ではないでしょう。そのボトムの形状を下図でみてみましょう。



ボトムの形状を見るのには大きく分けて二通りあリます。正面から見るか横から見るかです。
まず、横から見た場合(図の左側)左右の形状が丸みを帯びているか、角張っているかで、安定性と回転性が決まってきます。丸みを帯びた方は、静水時では不安定ですが、流水時には安定します。反対に角張った方は静水時は安定しますが、流水時は不安定になります。横から見た場合はロッカー(赤い点線)と呼ばれる反りの角度が重要になってきます。ロッカーがきついほど回転性は高まり、ゆるいほど直進性がよくなります。初心者はあまりロッカーのきつい艇は選ばないようにしましょう。



 キール



キールとはボトムの中央に前から後ろにかけて伸びた突起です。水流をガイドする役目がありますので、キール付いている艇は直進性がよくなります。シーカヤック、リバー・ツーリング、フォールディング・カヤックにはキールが見られますが、ダウンリバー・カヤックにはほとんどキールは見られません。ということは、キールが付いている艇は直進性はいいが回転性を犠牲にし、キールのない艇は直進性を犠牲にするかわりに回転性、運動性を手に入れることになります。このキールの有無によって艇の操作性が大きく変わります。
艇を選ぶ時は、どういった目的で遊ぶのかを明確にしておく必要があります




ONE POINT
スペックから見たカヤックの性能

カヌーなどのカタログを見ると、たいてい艇の全長、最大幅、総重量、容量などのスペック(規格)が記載されています。これによって、おおよその艇の性能が予測できるのです。
全長:長い程艇の直進性が高まり、逆に回転性が悪くなります。
最大幅:艇の安定性に関係し、広くなれば安定しますが、逆に水の抵抗が大きくなります。
総重量:素材にも関係しますが、一般には重くなれば頑丈になります。
容量:艇内に入れた水の体積で量られます。この容量が一番問題で、水圧を利用した遊び方をするなら容量は小さいものを、ただし、自分の体重との兼ね合いや水量にもよって変わってくるので、ショップと十分に相談して決められるとよいでしょう。




3−2.パドリング・ギア・・・・・・・へ続く


TOPへ
2.カヤックとカヌーの違い3−1.カヤックの構造と名称3−2.パドリング・ギア