3.パドリングギア

3−2.パドリングギア



では、パドリングギアを考えてみましょう。

 パドル
まずは、カヤックには絶対に必要なパドル・・・・当たり前ですね(^^)
パドルにも様々な種類があります。ブレードの形状ではスクエア型、非対称型、ナロー型等の種類があり、


それぞれ、ダウンリバー、ツーリング、ロングツーリング向きに区分けされています。

シャフト部分では分割式と一体型があります。

分割式                 一体型

分割式は携行性に優れ、フォールディングカヤック、シーカヤック及び、ホワイトウオーターの予備として使われます。
パドルサイズの選び方としては、流れの速い川では短めを、海や湖なら長めのパドルを。
川用のサイズ選びの基準としては、パドルを立てた状態で手を伸ばしてチップ(パドルの先端部分)に手がかかる程度がいいでしょう。

★パドルを選ぶ
長さは個人的な体型によるものが大きく、一概には言えませんが、成人男性の平均値でいくと長さは身長170センチで196センチ位のもの165センチなら194センチ位がよいでしょう。
これは、使っていくうちに変わります。自分の一番使いやすい長さを探すしかありません。

重さ:1000g前後。あまり軽いと(900g)使いにくいかも。持ってバランスの優れたもの。
ブレードの形状や角度は、遊び方によって変わりますがロデオ系ならロデオと称されてるもので45°がよいでしょう。ツーリングだと角度は60〜90°がよいかも。

パドルは一日中持っているので、ある程度の軽さがありバランスの優れたもの、および水抜けのよいもの。
となると、4万円〜6万円になっちゃうんですよね。良いパドルで実際に漕いで見ると違いがよくわかります。
パドルは4万円ぐらいのものがお勧めです。


 スプレイスカート


カヤックで流れを下るときにはコクピット内に水が入らないようにカヤックのコーミング部分に装着するものです。コーミング部分は艇の種類によって異なるため、これに合ったものを選びましょう。基本的には純正のものがいいです。胴回りのフィット感はしっかりとフィットし、緩みがないようなサイズを選びましょう。







 ヘルメット
流れの中で沈した場合に頭を守ってくれるのがヘルメットです。海・湖みたいに流れがあまりなく沈しても頭をぶつける恐れがないときは、さほど必要がありませんが、川など流れが速く岩等がある場合には必ず着用しましょう。カヤック専用ヘルメットには、頭部に水抜用の穴があいており水が抜けるようになっています。水抜きの穴がない場合、沈して流された時に水圧でヘルメットが押し上げられあご紐で首をしめることになり兼ねませんから、穴あきタイプがお勧めです。






 P.F.D(Personal Floating Device)
P.F.Dとは、一般にはライフジャケットと呼ばれるものです。実際には補助具の意味であってライフジャケットとは違いますけど。まあ、そんなことはどうでもよくて、カヤックをする際には必ず着用しましょう。P.F.Dを付けずに沈して死んだ人もいるくらいですので、着用せずにカヤックをしたら自殺行為ぐらいの気持ちで。
上のものはカヤック用で、丈が短めになっています。スプレイスカートを着用するため丈が長いと邪魔になって動き辛いからです。なお、サイズを選ぶ時は体にフィットしたものを選ぶこと。ブカブカのものを着用した場合、流れの中で脱げてしまう恐れがあるからです。





下のものオープンカヤックもしくはカナディアン用のものです。これはジュニア用で我が家の子供に着用させています。(ファンカヤックに乗せるときに着用させてます。)








 浮力体

艇の浮力を補強するもので、浮き袋のような働きをします。カヤックの前とうしろに入れておきます。カヤックのフィットしていないと沈したときに水がカヤック内に入りこみ、艇の回収が困難になってしまいます。ましてや、入れてない場合は沈んでしまう恐れもあります。






 ウエア選び
ウエットスーツ&パドリング・ジャケット

夏にカヤックをする場合は必要ないかもしれませんが、春・秋などの気温(水温)が低い場合は着用した方がよいでしょう。特に川で流された場合は低体温症候群(ハイポサーミア)になってしまうことがあり、十分な注意が必要です。


※低体温症候群(ハイポサーミア)
長時間ぬれたままでいたり、水に浸かっていると体が震えたり唇が青くなったりした経験があると思います。これは体内温度が下がってしまうことにより起こる現象で一種の疾病です。ほおって置くと死に至ることもあります。冬ならず夏でも発症しやすいので注意が必要です。



真夏の服装は、Tシャツに短パンで十分ですが、ポリエステル生地のような材質のものがいいでしょう。渇きが速いため、体温の低下を防ぐ事ができます。
ちなみに、私は皮下脂肪がないので、ショートのウエットの上下で体温低下を防いでいます。Tシャツと短パンではすぐに寒くなってしまうのです。



=季節から見たウエアリング=

ここに書いてあるものは、あくまで平均的な気温、水温だった場合のウエアリングです。その日の気温、水温によりウエアが変わります。その日の天候によって自分なりにチョイスするべきと考えます。
基本的には濡れてもすぐに乾くもの。濡れないもの。を選択するべきでしょう。
この他に、ヘルメット、PFD(ライフジャケット)は必需品です。


★春(4月〜6月)★
・ホットカプセル(化繊でできた伸縮するアンダーウエア)
・ウエットスーツ(ロングジョンと呼ばれるもの)
・パドリングジャケット(防水ではありません。ウインドブレーカー程度と思ってください。)
・専用シューズ(ソックスだけの人や、サンダルの人もいる)
パドリングジャケット ロングジョン シューズ ソックス



★夏(7月〜8月)★
・半そで、半ズボンのウエット。(長時間、川の水に浸かってると寒いんだもん。)
肉襦袢をお持ちの方は、化繊で作られたTシャツ、タンパンでOK
・専用シューズ(ソックスだけの人や、サンダルの人もいる)
ウエット半そで ウエット半ズボン



★秋(9月〜11月)★
・ホットカプセル
・ウエットスーツ(ロングジョンと呼ばれるもの)
・パドリングジャケット
・専用シューズ(ソックスだけの人や、サンダルの人もいる)
※基本的には春と同じ服装でよい。


★冬(12月〜3月)★
・ウエットスーツ(ロングジョン)、
・ソックス(ネオプレーンで出来たもの)
・フリース
・ホットカプセル
・ドライジャケット(ドライトップ)
・キャップ(ネオプレーン製)(沈すると冷たくて頭が痛い)
  スイミング用のゴムキャップの方がオススメかな?安いしね。
・手袋(ネオプレーン製)
  100円のママ手袋が最高っす。
・最後にロングジョンの上にカッパのズボンをはけば完璧です。

ドライジャケット キャップ(ネオプレン製) 手袋(ネオプレン製)

※ドライジャケットがどうなっているか?
ドライジャケットの首周り。
うすいラバーで機密性を保っている。
袖回り。首と同様にうすいラバー
で機密性を保っている。
この機密性により、水の侵入を防いでいる。ほぼ完璧な防水である。

※ドライジャケットの手入れ
シールセーバー 左:未塗布  右:塗布済
ラバー部分の乾燥による劣化を防ぐためにシールセーバーと呼ばれるシリコンを含むオイルを塗布する。



 その他
眼鏡をかけている場合は、眼鏡バンドは必須です。また、ロールの練習時には鼻栓もあると便利です。
そのほかにも、レスキュー時に必要な
スローバッグ・カラビナ、艇の水を出すためのビルジスポンジ及びビルジポンプがあります。
スローバッグ レスキューベルト



 番外編

カヤックを運ぶために必要なキャリアもお忘れなく!





4.カヤックの漕ぎ方(基本編)・・・・・・・へ続く


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