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トロンボーンの話 番外編その6
長い眠りとレストアの夢

 今から40年くらい前に製造されたニッカンのドイツモデルバストロンボーンです
 ある高校で捨てるというものをもらってきました。スライド内管と支柱が折れていて修理できる状態ではありませんでした。ベルは約9インチ。スライドのボアは太管相当。ロータリー部は細めです。ベルに厚みがあるせいかバックやヤマハなどの太管のスライドを組み合わせて吹くとタイトな音がします。プロモデル中細管のスライドはベルセクションとぴったり合ったサイズでネジまできちんと締められますが吹いてみると音が「ビー」という感じに散ります。

 ドイツ規格による(?)マウスピースレシーバーは中途半端な太さです。アメリカ製の細管マウスピースはカップ手前まですっかり入ってしまいますし、太管マウスピースだと全く入りません。ロータリーは板バネ式で、システムとしてしっかりできており、ゴムやコルクでストップ位置をきちんと決められれば問題ありません。

 当時の職業バンドや学校バンドではこのドイツモデルバストロにアメリカンタイプの細管を組み合わせてサウンドを作っていたところがけっこうあったのでしょう。修理して本来の音を確認してみたいという誘惑が頭をもたげますが、それは夢としておくのがいいのかもしれません。