1.シェムリアップ



2002年9月22日午前0時過ぎ、2度目の海外旅行へ。
もちろん、また1人。


今回の目標は、アンコールワットを訪れること。
アンコールワットは、カンボジアの西部に位置するシェムリアップという町の近くににある。
しかし、シェムリアップには当然のことながら、日本からの直通便はない。


方法としては、@バンコク経由、Aベトナム経由、Bシンガポール経由の3通りがあるが、今回は、予算の関係で最も安い@バンコク経由を選択。

ただ、安いといっても、往復で8万8000円(税込み)もかかってしまう。
ビザも日本で取得すると高いため、、日本ではビザをとらず飛行機チケットだけ持って、カンボジアへ旅立つこととなった。
午前1時25分に日本を発ち、現地時刻で午前4時50分(日本との時差2時間)、2年ぶりにバンコクへ到着。
トランジットカウンターでチェックインを済ませ、午前8時発のバンコクエアウェイズでシェムリアップへ。


約50分ほどのフライトであっという間にシェムリアップに到着する。

深夜の関空。
ひとりでいるとちょっと寂しい・・・。
シェムリアップ到着後は、空港内のビザ発行カウンターで、ビザの発行を受ける。
予想はしていたものの、思った以上に時間がかかってしまった。
ただ、日本でビザを旅行代理店経由で取得した場合は8000円なのに対し、シェムリアップ空港では$20(約2400円)ですむため、節約には十分。
イミグレーションも無事通過し、カンボジアに入国を果たすことができた。



空港を出ると、予想通り多くの客引きが見えた。しかし、客引きが入れるエリアは決まっているらしく、空港の出口からはちょっと離れていた。
まずは、町までの足を確保しようとあたりをキョロキョロしていると、案の上おじさんが声をかけてきた。


「タクシーとバイクタクシーのどっちがいい」と聞いてくるので、迷わずバイタクを選択。
$1を支払い、紹介してくれたバイタクのドライバーに身を委ねることにする。
空港から、シェムリアップの町までは8kmくらいらしいので、$1は紹介料で、ドライバーから別にお金とられるんだろうなーと思いつつ、値段交渉もせずにバイクにまたがる。ドライバーの名前は、モンテン。この旅の大半を供にする男との出会いである。


バイクで移動しながら、モンテンが「ホテルそれともゲストハウス?」と聞いてきたので、「ゲストハウス」と答えると、「いくらくらいがいい?」と聞いてくる。

「$5(約600円)くらい」と答えると納得してくれたようだが、念のため、事前に調べていたゲストハウスがあるので、そこへつれて行ってくれと伝えてみる。
しかし、「他にいいところを知っている」「そこは遠い」等、色々理由をつけてはぐらかされ、結局モンテンが薦めるゲストハウスへ連れていかれてしまう。






仕方がないので、部屋を見せてもらい「1泊いくら?」と聞くと「$15(約1800円)」だと言うので、もちろん断る。
$5くらいと伝えたにもかかわらず、こんな高いゲストハウスに連れてくるとは何て人の話を聞かない不信感を抱くこととなった。


次も、ダメだったら1人で探そうと思いつつ、他のゲストハウスへ連れていってもらう。
部屋を見せてもらうと、部屋も広くきれいで、ファン・トイレ付と設備もなかなかだった。また高いんだろうな〜と思いながら、値段を聞くと、「$8(約960円)」だという。
そこで、「6日間泊まるから、$6(約720円)にしてくれ」というと、OKだと言うので、チェックインをすることにした。

部屋の様子



チェックインをすませたところで、モンテンに遺跡のガイドをしてもらう話になったが、「7日間で$100(約1万2000円)」だと言い出す。あまりに高いので、30分ほど交渉するが交渉は難航。色々なパターンで値段を聞いてみるが、近場なら半額くらいでいけるが、遠いところまで行くならそれくらいかかるとのことだった。
当初は近場だけまわって、あとは街でゆっくりする予定だったが、折角来たんだから、見れるところは行ってみようと、最後には、根負けして、この値段で決定する。(ぼられてます、かなり・・・)


交渉がまとまったところで、モンテンが早速一番遠い遺跡に行こうという。まだ、午前10時過ぎであったが、部屋で一息入れる間もなくシェムリアップから80km離れたベンメリアへと向かう。
この往路では、カンボジアという国を目の当たりにすることとなる。

まず、舗装されていない道路は砂にまみれ、路面は雨季という季節柄もあって、デコボコ。
某テレビ番組の「アンコールワットへの道」で見た、そのままの光景が広がる。
しかも、その道を、2人乗りのバイク(もちろんヘルメットなし)で、時速60kmくらいで走っていくという危険きわまりない移動が何時間も続く・・・。


カンボジアの道 水田が広がる

2時間ほどでようやく、ベンメリアに到着。
山道の入口には、軍人と多くの子供達がいて、まず軍人に$2(約240円)払い山道へと進んでいく。
しばらくすると、見えてきたのは森の中に眠る巨大な寺院だった。
例えるなら、宮崎駿の「天空の城ラピュタ」に出てくる、ラピュタの景色のようであった。


遺跡の中では、入口から一緒についてきた子供達が案内をしてくれ、荒れ果てた遺跡の石上を歩いて見て回る。
崩れ去った寺院が森に呑みこまれている幻想的な風景が目の前に広がる。

最後に、子供達にチップとして$1をあげ、ベンメリアを後にした。
山道を歩いていくと・・・ 崩壊が進む 残っている部分も 幻想的な風景


あとで、「地球の歩き方」を見て分かったことだが、この遺跡の周辺には、まだ地雷が撤去されず
残っているらしい。そのときは、知らなくて幸運だったと思う。


地球の歩き方より(ベンメリアに対しての注意文)

2000年から道路が整備されシェムリアップから2〜3時間(約80km)で行けるようになった。乾季は乗用車でも行けるが、雨季は四輪駆動車かピックアップトラックでないといけない。
この道は山裾を迂回するため山賊に遭う危険があることも頭に入れておこう。また、遺跡周辺では地雷撤去作業が行われている。信用のおける現地の旅行会社の車をチャーターし、ガイドの同行が望ましい。

ベンメリアから1時間ほど戻ってきたところで、この旅初めての昼食をとる。
シェムリアップからかなり離れていることもあり自分以外は、カンボジア人しかいない。ちょっと不安になりながら、昼食をとる。昼食代は$1くらいで思ったより安く済む。
食事を終えたところで、一度ゲストハウスへ戻る。


夕日を見るために、シャワーを浴び夕方まで2時間ほど昼寝をしたが、起きてみると大雨であった。
雨季を痛感することとなったが、昼間に降らなくて本当に幸運だったとも思う。


結局、外にも出れず、することもないので、夕食まで寝ることにする。
19時に起きて、夕食をとりに外へ。雨もやんでおり、モンテンがカンボジアの伝統的なショーを見れるところにつれていってくれるというので、おまかせする。


モンテンが連れて行ってくれたのは、バイヨンというお店で、観光客向けのレストランだった。
料理はバイキング方式で、様々な料理を食べながら、カンボジアの伝統的ダンス「アプサラショー」を見て楽しむ。
値段は、高めで$15(約1800円)だったが、良いものが見れたので、納得はできた。
ただ、こんな豪華な食事は今日だけにしようと強く心に誓う。

その後、ゲストハウスに戻り就寝。

カンボジアに着いて最初の食事($1)


アンコールビール


アプサラショー