1.スイスへ

 昨年、中東(トルコ)を訪れたこともあり、今回はヨーロッパがターゲット。当初は北欧を考えていたが、最終的にはスイスに決定することになる。


インターネットで情報収集してみたが、日本よりも物価が高いということが非常に目に付く。これまでバックパッカースタイルでの海外旅行をしてきたこともあり、物価が高いことに若干抵抗をおぼえる。


次に航空チケットを「エイビーロード」を利用して比較検討してみる。最も価格が高い直通便以外はアジア経由(南まわり)とヨーロッパ経由(北まわり)の2つのルートがあるが、予算と相談し価格の安いアジア経由の便に絞ることとなった。


結果としてANAマイレージをためることができる「タイ国際航空」(スターアライアンス)のチケットを約12万円で購入。
また、スイス国内での移動は鉄道がメインとなるため鉄道パスを検討。旅のスタイルに合わせ多くのパスが用意されていたが、今回の旅行内容に適した8日間乗り放題のスイスパス(1等車)を購入した。


ちなみに、これまでの経験則からパスの購入は現地到着後にしようと考えてたが、念のためスイス国鉄(SBB)のHPで値段を確認したところ510SF(約4.5万円)と思ったより高いことがわかった。
次に日本の旅行代理店数社に問合せてみると相場は4.3〜4.4万円。どうやらスイスフラン(以下SF)のレート次第では、日本の方が安く購入できるらしい。
結局、購入した時期が翌月のレート適用という要素も加わり、旅行代理店(JTB)で41,700円で購入することができた。
(参考情報:ここ数年は日本購入の方が安いとのこと)


最後に、スイスを訪れた日本人観光客は必ず一度は乗ると言われている氷河特急の予約も併せて行う。旅行ピーク時期に現地手配ではリスクが高いため事前予約としたが、予約だけで手数料5,000円とはハッキリ言って高すぎでしょう。ちなみに、運賃はスイスパスでOKです。


何はなくとも足の確保は無事完了。
残るは宿泊先だが、アジアのような格安ゲストハウスはないようでユースホステルでも30〜50SF(約3〜4千円)。安いホテルでも80〜100SF(7〜9千円)と日本のビジネスホテル並の価格である。
色々悩んだが、宿の事前予約により旅の自由度が狭まることを嫌気し、これまで同様現地手配することにした。





 2004年7月17日(土)17時の便で成田を発ち、バンコクを経由しスイスのチューリッヒに翌朝午前7時(日本との時差−7時間)到着。過去最高の移動時間(計21時間)を記録する。

 空港を出ると向かいの駅ビルへと進み、駅のカウンターでスイスパスにスタンプを押してもらう。
(日本でパスを購入の場合、旅行代理店でもスタンプ押下可能。気分を味わいたいので今回は自分で持ち込んでみました)

チューリッヒ空港駅

プラットフォームへと降りるとザンクトガレン(St.Gallen)行きの列車(1等車)へと乗り込む。 早朝ということもあり、まだ乗客はまばら。席についてしばらくすると車掌が見回りにきたのでパスを見せると「ダンケシェーン」と言って去っていく。ヨーロッパに来たことを実感。なんかワクワクしてきた。



本日のルート
(チューリッヒ→ザンクトガレン→マイエンフェルト→クール)



列車は、郊外を進み50分ほどで東スイスの中心都市「ザンクトガレン」へと到着する。この街を訪れた目的は世界遺産に登録されている大聖堂を見るためである。駅から10分ほど歩いていくと大聖堂が見えてくる。早朝にも関わらず次々に人々が聖堂内に入っていくので、続いて中へと進んでみることに。



町並み(ザンクトガレン)

大聖堂入口
ここでようやく状況を理解する。考えてみれば今日は日曜日。

そう「ミサ」の日である。仕方がないので最後部席にしばらく座り、大聖堂内の様子を見ることにする。少し遠くで分かりにくかったが煌びやかな装飾などを目のあたりにし、感動する。


ザンクトガレン修道院
(世界遺産)
そうこうしているうちに9時になったのでミサがはじまる前に退席する。退席後は大聖堂付近の聖ロッツィオ教会などを見て歩きながら鐘の音を楽しむ。



1時間ほどザンクトガレンの街を歩いたあと、次の目的地「クール(chur)」へと列車で向かう。
車窓から美しい山々の景色を見ながら1時間半後スイスの古都クールへと到着する。

ここまで予定通りに来れたこともあり、お昼には宿を無事確保。と同時に過去最高の宿代85SF(約7,500円)を記録する。

日本からまる1日移動続きだったため部屋に入ると真っ先にシャワーを浴び、昼食をとりに出かける。
日曜日でお店が軒並み休みだったこともありオープンカフェへ。(参考情報:スイスは日曜日お店は休み)
一番安いメニューを頼んでみたが値段は19.5SF(約1,800円)、やっぱり物価は高いようだ。

食事後、近くのATMで海外初めての預金引き出しに挑戦。
今回日本を発つ前に旅行のために新生銀行で口座を作っていたのだ。新生銀行は海外の銀行との連携が多いため、日本の口座から現金引き出しが可能。
手数料は若干かかるが両替所は手数料がバラバラであったり、場合によってはぼったりされるのでこちらの方が安全。
ドイツ語の表記に少し戸惑ったりしながらも無事完了。思った以上に簡単だった。


ハイジの泉

現金引き出し後、先程降りたクール駅から本日のメイン「マイエンフェルト(Maienfeld)」へと向かう。

マイエンフェルトはクールから各駅停車で2駅ほどの小さな村であるが、「アルプスの少女ハイジ」の原作となった場所であり、今も多くの観光客が訪れている。

駅を出ると、「ハイジウェイ」という立て札に沿って、歩いていく。ハイキングコースには2種類あり、赤が2時間、青が4時間程度かかる。

立て札が非常に分かりにくいこともあり、かなり迷ったりしなが、ハイジの泉を経由しハイジ・ドルフへと到着。
「アルプスの少女ハイジ」の影響が大きいのだろう、博物館(入場料SF5:450円)のまわりには日本人観光客が多く見られた。

ハイジドルフ(左がハイジ、右がペーター)

 博物館を出ると標高1,000mにある「ハイジ・アルプを」目指し歩いていく。 途中の坂道では老婆が2人ほど前の方を歩いていたので、「この暑いのに元気だなー」と関心しながら追い越していくとドイツ語で道を尋ねられる。
英語は全くだめらしいのでガイドブックを広げて話をすると、隣村のイエニンス村に行きたいらしいことがわかる。
かなり方向がずれていたので、「この上り坂の先は、ハイジアルプ。イエニンス村は右下方向にありますよ」と英語とジェスチャーで村のある方向を指差すと、理解してくれたようで、「ダンケシェーン」とお礼を言われ指差した方向へと向かっていく。
ちなみに、イエニンス村は「アルプスの少女ハイジ」の著者ヨハンナ・シュピリが滞在した村である。


 
それからはひたすら山道を登る。

ゆるやかな坂道とカーブが続くカルヴァの森を抜けるこの山道の途中には12の掲示板とモニュメントが点在しており、物語を思い出しながら山を上っていく。


2時間後ようやく標高1,000mにあるハイジアルプへと到着する。

ハイジアルプ
ハイジアルプには、夏小屋をイメージした小さな小屋があり、アルプスの少女ハイジのお爺さん・ペーター風の服装をした男性が2人迎えてくれた。
ペーターの第一声が「Would you like something to drink?(飲み物はいかがですか?)」。どうやら、観光客相手に商売をしているらしい。喉が渇いていたこともあり、ミネラルウォーターを購入し景色を眺める。



  既に、午後5時を過ぎていたこともあり、暗くなる前に下山していると、車が山上から降りてくる。こんな山の上のどこから来た車だろうとよく見てみると先ほどの男性2人(爺さん&ペータもどき)である。
「仕事の時間が終わったのだろう」と見送りながら1時間ほど歩いて下山していく。

19時に宿へ戻ると4時間ほど歩き続けたこともあり、真っ先にシャワーを浴びて汗を流す。
まだ、あたりも明るい20時だったが歩き疲れたこともあり、ベットに倒れこんだまま眠りについた。



出発前 旅の費用 SF 換算レート 金額(円)
航空券(往復)
※空港税込み
- - 118,116
スイスパス
(1等車、8日間有効)
- - 41,700
氷河特急予約 - - 5,100
合計 - - 164,916
 
1日目 旅の費用 SF 換算レート 金額(円)
宿泊代 85 89.188 7,575
昼食 19.5 90.000 1,755
ハイジ博物館入場料 5 90.000 450
ウォーター(2) 5 90.000 450
夕食
(キオスクで購入)
8 90.000 720
合計 123.5 - 10,950
累計額 175,866



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