第1幕 出発 ・オークランド経由クライストチャーチまで
はたして飛行機は飛ぶか?

出発の朝、前夜から降っていた雪はかなりの量。
これまでは、まったく雪がなかった札幌だったが、誰の行いが悪いのか?。ときおり吹雪き状態になる ほどで、千歳空港までは十分に時間をもって出るからいいが、最悪の事態は飛行機の欠航。
雪国はこういう心配がつきまとうから、ヤダネェ。でも何もトラブルもなく、関西空港に行きつき、午後 7時30分オークランドに向け離陸できた。

ところで、雪の国から夏の国へ行くにあたって、服装はどうしたかというと、私は”ヤッケ”形式の被る ウィンドブレーカーを着て出た。札幌ではちょっと寒かったが、脱いでも小さくなるし、ニュージーランドでも 十分だろうと判断した。・・・これはのちになって分かったが、良い判断だった・・・。
申し遅れたが、今回の私の同行者を紹介しておくと、私の父(79歳)と母(74歳)の3人で、ホテル も難なく3人一部屋を確保できた。ヨーロッパだと、これが難しい。

機内にて

日本からの直行便は日航とN.Z航空の共同運行便で、曜日によってオークランド乗り継ぎクライストチャーチ 行きと、クライストチャーチ直行便がある。私達の場合は乗り継ぎありのケースである。
飛行機はN.Z航空のボーイング767で、窓側に2列ずつ、中央に3列の座席がある中型機である。
乗客はというと、さすがハイシーズンの国へ向かう便らしく、ほぼ満席。 意外なことに年配の夫婦ものが多い。添乗員同行のツアーらしく、それが3グループほどいる。
私の席は中央3列のはじで、隣が空席、向こうはじには二十歳前後のニュージーランド人らしい男性。
このニュージーランダーがものすごく行儀がいい。
ふだんは音楽を聴いたり、読書したりの間中、背筋はパシッとしたままで、機内食を食べてる時もマナー がいい。頭上の荷物入れから小さなリュックを降ろして、中から何やらしょっちゅう取ったり、しまったり するんだけど、隣席が空いているからと、決して置きっぱなしにはしない。
席を立つ時も、ひざ掛け毛布を毎回きちんとたたんでおく。うーん、親のしつけかなあ?。とにかくフライト を楽しんでる。こっちは死ぬほど退屈だよ。

客室乗務員は男性3人と女性1人。この女性、太ってる!、腰の幅が通路の幅ぎりぎり!。
だから肘掛けからちょっとはみ出していた、私の肘が2回もあの腰で”どつかれ”てしまった。あれ以上 太ったらクビだね、間違いなく。
”サイズオーバー”で通路を真っ直ぐ歩けなくて、カニのように横向きになって歩く スチュワーデスなんて、見たことないもんね。

ばーさん、持ち物検査にひっかかる

そんなこんなで大阪を出てから11時間後、オークランド空港に着陸。
入国手続きはスイスイと進み、最後に荷物検査の段になった時、"Open this suitcase"と係官から指示が 出た。開けるとリンゴが4,5コ。これで終わらない。
更にばーさんの手荷物もOPEN指示。中からはミカンが5,6コ。・・・し・知らなかった、持ってきたなんて。
ニュージーランドは農業国、果物や種なんかの持ち込みは超厳禁です。
日本語の警告書をもらったばーさんは、「せっかく食べようと思ってたのに・・・」と懲りずに、不平たらたら。

ここでフリーで行く人は注意!。
オークランドに乗り継ぎだけでも降りた場合は、ここで入国手続きを受けますが、乗り継ぎのためには ちょっと離れた国内線ターミナルへ移動しなければなりません。歩いても行けますが、無料バスが走って ます。

私達の場合は、現地係員が来てくれて案内してもらいましたが、乗り継ぎ個所にも来てくれるとは思って なかったので、意外な思い。
この乗り継ぎの合間に外に出て、思いっきり深呼吸、・・・札幌の6月頃の感じで、初夏真っ盛り・・・疲れも吹っ飛ぶ とは、こういう事を言うのか。

ニュージーランドで初めての食事

オークランドから1時間あまりのフライトで、クライストチャーチ 到着。ここでも係員さんが迎えに出てる。
彼の案内でサーッと市内を見せてもらって、ホテルへ向かった。エルムス(THE ELMS)というホテルという のは事前に分かっていて、中心部から遠そうだなと予想していたが、その通り、車で20分くらい走った 郊外にそのホテルはあった。

この写真はモナ・ヴェイル(Mona Vale)
という、公園なのか庭園か、の中を流
れるエイヴォン川を遊覧するボート。
パンティングというそうです。
さて日はまだまだ高いが、時刻も午後5時近くなったし、夕食も食わなきゃということで、旅装を解くのは父母に任せて、私は 周辺の偵察に出た。土曜日というこもあってか、店という店は休業している。
ホテルの前の道路は車の切れ目がないほど走っているが、一歩裏へ入ると本当に静かな住宅街。
10分ほど歩いた所に開店準備中の手軽そうなレストランを見つけた。私があんまり覗くもんで店のオヤジ さんが出てきて、「入れ、入れ」と言ってくれたが、「後でね」と両親を迎えに戻った。

3人でテーブルにつき、メニューを見るが"Burger"というのがやたら目に付いて、「うーん、ステーキない のかな」と言い出すと、ウェイトレスが心配そうに寄ってくる。
こんな郊外まで日本人は来ないだろうネ。
あーでもない、こーでもないとお互い訳の分からない会話をしたあげく、頼んだのは”何とやらバーガー” でハンバーガーでないことは確か。
出てきたのは、丸パンを二つに切って片方にはステーキ、ベーコン、コーンなどが盛ってソースがかけて あり、もう片方にはレタスが盛られたもの。ナイフとフォークで切って食べるのだが、これがウマイ! 、ソースがピッタリ合っておいしいのです。
途中で様子を見に来たウェイトレスも「おいしいよ」の一言でホッとした顔。
店を出て、ニュージーランド特有の木造平屋作りの住宅街を、庭や家を見ながらブラブラとホテルへ向かう。
時刻はもう午後7時を回っているが、一向に日が沈む気配なし。結局この時期、10時近くまで明るいニュージーランド でした。

えっ、ビデオカメラがこ・わ・れ・た?

翌朝はホテルのレストランで朝食。ホテルの外観はパッとしないが、レストラン はシックで落ち着く。中国人と思われる10人ほどの団体が食事している。子供から年配者まで、一族郎党 てな感じで旅行しているようだ。
さあ、中心部にとりあえず行こうかと、・・・タクシーなんか走ってるのかなあ、バスなんかいつ来るか分からん しなあ・・・ホテル前のバス停留所で3人ともボォーとよそ見していると、いつのまにかバスが止まってる!。 女性ドライバーが「乗るのか、乗らんのか?」という顔で見ている。
それぇ、って乗ったが小銭が出てこない、ドライバーは「何処まで?」て聞いてる。そんなもの分かるわけ ない、そうだ!「City」だ・・・たぶん・・。通じたようで1人$1.8也(1NZ$=55円)。
まずは大聖堂前へ。

クライストチャーチの象徴といっても
いい大聖堂。
市内散策の起点ともなる広場が正面に
広がる。鳴り出した鐘のにぎやかなこと。
じーさんが、おもむろにビデオカメラを取り出し撮影に入ろうとしている。
「???」「ん?・・・?」「へんだな?」
「ビデオが動かない!?」ええーーっ?
バッテリーも充電したし、テープを替えても同じという。
かくして、2日目でビデオカメラは旅の飾りと化したのでした。・・・帰国してから分かったのですが、テープ の録画防止ツメを折っていることが判明・・・。

クライストチャーチ散策

次に中心部をくるっと回る路面電車(トラム)に乗ろうということで、大聖堂前から乗車した。1周20分 程度で一周し、動いてる間中、運転手が名調子で説明する。ゆったりと町並みを眺めるにはうってつけ。
私達は電車から見た、フリーマーケットへ行ってみることにした。日曜日にしか開かれないので、今日は タイミングが良くて、日曜日も捨てたものでないと感謝(日曜は店のほとんどが休みなので、つまらない かと思っていた)。
フリーマーケットの会場はアートセンターの広場で開かれており、大道芸も人気を集めている。 アートセンターの中にもちょっと変わったクラフト系の店があって、これは平日も営業している。
外の会場 で木工細工を買って、包装してもらっている時のこと、突然ヌッと現れた日本人のオッサンが「安くさせた かい?、ダメだよ手にそんな高額紙幣なんか握ってちゃー」と言う。私はすっかりそんな事忘れていて、確かに手 には$100紙幣を握っている。
オッサンは私に変わって、結構うまく値切ってくれるが、時すでに遅し。
聞けば、この人二ヶ月間オーストラリアを周って、ニュージーランドに来たところだそうで、いい旅をしてる。

この後、昼食にパスタを食べて、エイヴォン川に沿って歩き、追憶の橋を渡ったり、ショッピング・ モールを歩いたりして過ごし、早めの夕食を摂ってホテルへご帰還。
実は、私は二度目のニュージーランド訪問で、この夕食のレストランは前回も使ってる。一皿にいろんな ものを盛ってそれがセット料金になっていて、気軽に食べられるということで入ったのだが、前にも感じた けどやっぱりまずかった。それだったら、昨日のレストランへ行った方がよかったナと思っても、後の祭り。
それにしても、今年のクライストチャーチは暖かくならないと聞いたが、今日は寒いくらいの気温。昼の 数時間ウィンド・ブレーカーを脱いで過ごしたが、あとは着っぱなしの状態である。

ここでフリー旅行のための情報。
大聖堂から電車軌道沿いに2,3分歩いた地点にある"i"インフォメーションをのぞいてみた ところ、日本人スタッフがおり、日本人観光客に応対していた。
クライストチャーチを起点に足をのばすには、心強い味方になるだろう。
参考として、私が前回来た時に使ったのが朝7時出発の1日コースで、観光バスで出て途中からグレイマウス 行きの鉄道に乗ったりしながらサウザン・アルプスの上まで行き、バスで戻ってくるツアーである。
ちょっとしたウォーキング、ジェット・ボート、羊の毛刈り、農家でのティー・タイムなど盛りだくさん のなかなかいいツアーでした。

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