by Melow77
うつの状態を、その起こり方と、治療について、水力発電に例えて説明してみます。 | |
これは、うつが起こっていないふつうの状態です。 ダムの水で発電していると考えて下さい。 これを人間の活動に置き換えると、 ・ダムの水位:精神的エネルギー ・発電量:日々の活動の源 ・ダム上流の雨:休息 となります。 発電の量がほどほどで、上流で適度に雨が降れば、ダムの水位は、一定に保たれています。 |
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うつに陥りやすい人は、真面目で、頼まれたら断れず、物事をきちんとやりこなそうとします。 その上、やりこなせなかったらどうしようとか、うまくゆかなかったら他の人にどう思われるだろうか、などと色々と考えます。 そうするとどうなるでしょうか? 発電量は普通以上に増加し、それを補うために水を余計に使いますから、水位は下がります。 一方、うつの方は、休むことを罪悪のように考えてしまい、休息を取りません。すると、上流の川からダムへの水の流入が不足するため、ダムの水位はますます下がることになります。 |
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これがうつに陥ってしまった状態です。 ダムの水位が著しく低下し、底が見えるばかりになっています。 水がないので、発電はままなりません。すると、色々な活動ができなくなり、活力が低下し、集中力を欠き、体がだるいなあ、と感じるようになります。 これまで興味を持っていたことにも関心が向かなくなり、新聞やテレビを見ることすらおっくうになります。 |
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これは治療のイメージです。 まず、ダムに流入する水を増やすためには、上流で雨が降ること、すなわち休息を取ってやることが必要です。こころも体も休ませてやらなといけません。 水位の下がり方が少ないうちに気が付けば、休息だけで治ることももちろんあります。 抗うつ薬の役割は、発電に使った水を再利用するなどして、水位が上がるのを助けることです。抗うつ薬の種類は幾つもありますが、おおむねこのような作用と考えてよいでしょう。 うつの治療に抗不安薬を併用することがあります。これは、発電のし過ぎを防ぐ、すなわち、先々に対する余分な考えを減らすことに役立ちます。 これらを総合してうつの治療を行うことが必要です。 |
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