生理データ |
心拍数…70〜80回/分,呼吸数…12〜15回/分,体温…平熱39.5℃ |
@胃 |
胃袋は4つあり,4番目の胃袋が消化液を出す普通の胃袋と同じものです。胃の中の微生物(原虫;プロトゾア)が繊維を食べて増殖し,それが4番目の胃でタンパクとして消化,吸収されます。微生物の働きによって,かれ葉でもエサにすることができます。胃袋は,腹の左側にあるので左側がふくらんでみえます。
妊娠(赤ちゃん)ができると右側の腹もふくらんできます。 |
A歯 |
ヤギ,ヒツジ,ウシの歯数は32本です。上あごには切歯がなく,かたくなった歯床板(ししょうばん)があります。乳歯の生えかわりを見ることで,おおよその年齢は知ることができます。見分け方は,前歯上あごには歯はないので,下あごを見ます。前歯下あごが乳歯だけなら1歳未満,中央の一対のみが永久歯だと1歳,2対が永久歯だと2歳,3対が永久歯なら3歳,4対(前歯は全部で4対です)とも永久歯なら4歳以上です。歯がすれていたり,歯と歯の間にすき間があると高齢(こうれい)ということになります。
ヤ
ギ
の
乳
の
歯
式 |
|
乳切歯 |
乳犬歯 |
乳 前臼歯 |
上
あ
ご |
0 |
0 |
3 |
下
あ
ご |
4 |
0 |
3 |
ヤギの永久歯の歯式 |
|
切歯 |
犬歯 |
前臼歯 |
後臼歯 |
上
あ
ご |
0 |
0 |
3 |
3 |
下
あ
ご |
3 |
1 |
3 |
3 |
このようにヤギは,上の切歯(前歯)はなく,歯がぬけたように見えますが,歯ぐき(上あごの歯茎の部分が固くなった歯床板というものになっています。この歯ぐき(歯床板)は,「草をおさえてちぎる」のに適しています。ヤギの乳歯は,人間と同じように永久歯に生えかわりますが,永久歯は生えかわりません。7〜8歳になると,永久歯が抜けてくるので,その時は,固いエサは,小さくして与えるようにします。 |
B目 |
ヤギの目は顔の横についていて,瞳孔(どうこう)の形は横長になっています。眼球(がんきゅう)が黄色の中に茶色の瞳孔(どうこう)があって,貯金箱の入り口のように見えます。明るい所では横に細くなり,暗くなると真ん丸くなります。明るいところで瞳(ひとみ)が横に長くなるのは,視野を広くして外敵に気づき,広い範囲が見渡せるためだとされ,ほぼ360度が見えます。 |
Cあごひげ |
シバヤギは,肉ぜん(あごからぶらさがっている肉のかたまり)はなく,あごひげはオス,メスどちらにもあります。 |
D角(つの) |
無角が優性。オス,メスともに角があります。(無角の場合もある)角は,少しわん曲していてメスの角は細長く,オスの角は太くて大きいのが特徴です。成長とともに,後ろへ伸びていきます。ヤギはよく首を横に振るので,ヤギの横に立つ時には注意します。 |
E足の指 |
ヤギの足の指は,進化の過程で,中指(第3指)と薬指(第4指)が残りました。副蹄(ふくてい)と呼ばれ,人差し指と小指はその上についていて,ウシやヒツジも同じです。ヤギの2つに分かれたひづめは,中指と薬指です。ヤギは高い所が好きなので「登り台」を設置してあげます。ストレス発散と運動をすることで蹄(ひづめ)が伸びすぎるのを防ぎます。ひづめがのびすぎると,姿勢(しせい)が悪くなることや足に障害(しょうがい)が起きるので,定期的にのびすぎた蹄(ひづめ)は切ってあげるようにします。 |
Fヤギの蹄 |
ひずめの外側は固くて伸びが早く,中側が柔らかく,岩場や木にひずめを引っかけやすいようになっています。ヤギを地面や小屋,囲い(かこい)の中で飼っている場合にはひづめが伸びすぎて,感染(かんせん)が起きたり,快適(かいてき)に歩くことが難しくなります。 ひずめは,1ヶ月に約2mm伸びるので最低6ヶ月に1度は万能ばさみか剪定ばさみなどで削蹄(さくてい),つめ切りをしてきれいに取りのぞきます。メスの場合は2ヶ月に1回,オスは体重が重いので1ヶ月に1回は削蹄,つめ切りをします。ひづめが変形(へんけい)している場合は,のびている方を先に切り,その高さに合わせて切り,つま先側をかかと側より少し多めにけずるようにします。妊娠したメスヤギは,分娩前(お産)の1ヶ月以内は,削蹄(さくてい)はしません。 |
G耳・聴覚 |
ヤギの耳は,赤ちゃんの時たれていますが,成長すると立ってきます。耳の形は細長く,よく動かせます。聴覚に優れて,音にすごく敏感です。ヤギの耳は,小さな音も見のがさないよう長くて,ぴんと張っています。遠くで何かの音や声が聞こえただけで「ピクッ」と耳が動き,ピタッ!と体の動きが止まり,すぐに危険の存在を感知することができます。 |
Hウンチ |
ヤギは,歩きながらでもパラパラとまんまるのウンチを落としていきます。草食動物(ヤギ,ヒツジ,シカなど)は,ゆっくりウンチをしていると肉食動物にねらわれ,危険にさらされるからだと考えられています。ヤギの食べる草は,繊維分(せんいぶん)が多くふくまれているのでウンチの量は多いです。健康な時は,ころころと黒豆のようなウンチがでますが,時々くっついて出てくることがあります。これは病気か濃厚飼料のやりすぎです。こんな時は,濃厚飼料や青草(生の草)から,柿の葉やビワの葉などの木の葉,干草(ほしぐさ)を与えるようにします。ヤギのウンチは,家畜の中でも特に水分が少なく,堆肥(たいひ)は短期間で利用することができます。我が家では,ミカン栽培でヤギのウンチを堆肥として土壌改良(どじょうかいりょう),肥料として使い,良い効果がでています。 |
Iオシッコ |
ヤギの腎臓(かんぞう)が正常で,適切に機能している時は,オシッコがすんだ黄色をしていて健康です。 |