旅人(たびにん)の心得


旅の恥はかき捨て。は嘘。

元々は、嘘ではありませんでしたが、マナーやモラルが欠損した現代では、嘘です。まぁ、恥を捨てるぐらいなら良いのですが、マナーやモラルを捨てている人も多いので。

そんなわけで、野宿ツーリングをやる際のマナーに付いて、一緒に考えてみましょう。

まず、初めに大切なことですが、野宿は、実は犯罪です。日本には、浮浪罪は無かったと思いますが、公園や、駅で寝泊まりすると、公共物を占拠する罪状が発生しますし、民有の山ならば、不法侵入罪です。

だからこそ、ドコで寝泊まりしていても、泊めていただいている。軒下を貸していただいている。と言う感謝の気持ちを忘れてはいけません。自分が出したゴミを持ち帰るのは、当然ですが、目に付いたゴミも一緒に持って帰るぐらいの気持ちが必要です。来たときよりも美しく。それが、旅人のマナー。

土地の所有者への感謝ではなく、一泊させていただいた土地、一晩保護してくれた土地神様(森の精でも良いです)への感謝の気持ちとして、清掃するぐらいの奉仕はしましょう。

また、地元の人と出会ったら、挨拶をし、「ここでキャンプをしたい(一夜を明かしたい)のですが、良いですか」と尋ねるべきです。人によっては、民家へ水を貰いに行くついでに、挨拶をする。と言う人もいました。物騒な世の中ですから、正体不明の男がキャンプしているだけでも、近隣住民の不安をあおります。無人駅でビバークしているとき、警察に通報され、職務質問を受けたことが私もあります。

それ以降、無人駅でビバークするときは、大抵、近所に万屋(今で言うコンビニ)がありますので、食事を購入するついでに、挨拶をすることにしています。

加えて、野宿では、裸火(要するに焚き火)は、かなりの注意が必要です。アホウどもが、通ぶって焚き火をしたせいで、無料キャンプ場がいくつ廃止されたことか。キャンプ場では、かならず指定区域で行い、人知れぬ山や川で、野宿でやる場合も、必ずそばに大量の水を用意して、不測の事態に備えて下さい。

少なくとも周囲四〜五メートルに、下草が無いこと。消火できるぐらいの、水が準備できること。それが、最低限の条件です。風で火の粉が飛び散り、山火事の危険性があるので、絶対に注意して下さい。


場所ごとのマナー。

無人駅
例え、一日数本しかない駅でも、利用者は必ずいます。終電が出たあとに、チェックインし、始発が出る前に、チェックアウト。これが、無人駅でビバーク(宿泊)する際の最低限のマナーです。

駅は、トイレは近いし、水もある。屋根も、ベンチも、自販機もあり、かなり便利なスペースです。ただ、常時、明かりがついているため、虫の被害は覚悟しておいて下さい。

道の駅/峠の駅
一般道のサービスエリアである、この二つは、大変便利な場所です。トイレや自販機、食べ物の自販機もあります。ただし、場所によっては、暴走族の集会所になっていたり、夜通し人の往来が絶えなかったりと、眠れない場所も結構あります。

類似場所に、展望台の駐車スペースや、オフシーズンの海水浴場があげられますが、これらは、まず暴走族の集会場になっていますので、避けた方が賢明です。誰もいないからと、宿泊を決めると、あとから集合してくるのです。

屋根付きバス停
田舎、特に北の方に行くと、冬場の傍観のためか、小屋になっているバス停が多く見られます。ここも屋根が付いており、粗大ゴミから回収したような、ソファーがあって、なかなかの寝心地です。当然、最終バスが出たあと、始発バスがくる前に引き払うのがマナー。

また、意外と民家の近くに設置されているので、不穏な行動はしないようにしましょう。

公園
実は、都市部の公園の方が危険だったりします。スクワッターの方が、襲われて殺されたりしていますし、輩(素行不良者)の集会に出くわしたりと、あまりお薦めは出来ません。実は、暴走族の方は、ごくまれに、バイクつながりで、フランクに接してくれる場合もありますし、バイクで取り囲むぐらいですむのですが、公園の方が、質が悪いので。

ダムや川のそばの休憩所風の公園ならば、ほとんど人通りもなく、安心ですが、霊感の強い人は水辺は避けた方が賢明でしょう。

一番のお薦めは、林道の行き止まりや、退避場所。林道工事のロータリーなどです。



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