WIZというと、まず思いつくのは、やり込み度。と思うのは、私だけではないと思います。そのやり込み度が、今ひとつ欠けると言うのが、物足りなさを感じる原因でしょうか。
その最たる例が、クラス調整の甘さ。ではないかと。初期クラスの戦士、盗賊、魔法使い、僧侶のうち、スペルキャスターの二つは、まだ使い出があるのですが、戦士と盗賊には、てんで利用価値が見いだせません。
盗賊の方には、モンスター討伐後の宝箱出現率UPがあるのですが、およそ5%と言われてまして、それならば、義賊で盗んだ方が確実。 戦士の方は、とくにアビリティや能力があるわけではないので、上級職になると完全に忘れ去られてしまいます。
後発のXTHでは、クラスごとに固有のアビリティを与えることで、特色を出していましたので、それぞれに使い出がありました。それを考えると、クラス調整に失敗したと言えるのではないかと。
あとは、WIZ定番の、常駐魔法が存在しないので、活路が見いだせないんですよねぇ。
転職によって、スーパーキャラや理想のキャラを作るのも、やり込み要素と思いますが、魔法の修得が、モンスタードロップによる素材を錬金術によって合成すると言う魔法石システムであるために、該当する素材を落とす敵がいる階層に行くまで、その魔法が作れない。
すなわち、転職予定が、かなり遅延することでのモチベーションの低下も、おおきな失策と言えるでしょう。
また、仲間になるNPCも、色々と背景を背負って仲間になるにもかかわらず、イベントシーンが設定されているのは、ヴェーラ、エーリカ、コンデ、イーリス、フリーダーという初期に仲間になるNPCのみ。と言うのもなんだかなぁ。と。イベントシーンを捜すのもやり込み要素と言えば、そうなので。
まぁ、イベントと言っても、個々人が思いの丈を、一人で呟く。という程度なのですが。
あとは、モンスターの落とす宝箱は自動開錠というのも。WIZと言えば、やはり鍵開け。ダンジョンに落ちている宝箱には鍵があり、開錠は、いわゆる「ボタン早押しゲーム(ぶっちゃけると、パラッパラッパーやスペースチャンネル5の様な、ランダムに表示されるコントローラーのボタンを正確に時間内に押す感じ)」となっていて、面白いアイディアと思います。
アイディアと言えば、武神では、アンデッドは特別扱いしてある珍しいゲームとなってます。不死者たるアンデッドですから、普通の武器では倒せない。と言う珍しい設定。序盤では、ディスペルと魔法頼みとなります。コレは別に苦にならなかった。ディスペルの使い出がありますから。
◆シナリオ
シナリオに関しては、特に言うべきコトはない…まぁ、細かい疑問点があることはあるのですが、ネタバレになるので後述するとします。
面白い試みとしては、イベントシーンが始まると、サウンドノベルのような体で、地の文というか、情景描写が盛り込まれる。コレによって、少々、ねちっこい表現をすることが出来、自己視点のダンジョンタイプロープレという事と相まって、臨場感が高まりやすい。
根本的に、ダンジョンの1階層が、1ワールドの様に独立していると言える作りで、滝があったりするのは良いんですが、この水はどこから出て、どこへ行くのかと考えたり。ダンジョンギミックとしては、立体交差とか、スイッチ操作とか、色々あって、探索そのものは、なかなか面白いです。
ただ、私の好みからすると、1階から4階へのショートカットは、無人販売所の向かい側ぐらいに設定して欲しかったです。ちょっと遠いかなぁ。
あと、シナリオ関連で気になったのは、本作の評価とは関係ないのですが、フリーダーの設定と、P3のアイギスの基本設定部分が、なんかニアヒアしているような気がして。シンクロニシティって奴ですかね?。
懸案だった、岡田COZY氏は、前作とは違い、今作では、スーパーバイザー止まり。このスーパーバイザーという立ち位置ほど、よく分からないものはなく、ドコまで関与して居たのか。名前だけ貸してるレベルから、総監督レベルまで、色々とあると思うので。
私個人の感想として、岡田cozy氏が直接関与していたら、各ショートカット。特に、1F−4Fのショートカットは、もう少し使いやすいところに設置してくれたのではないかと。と、個人的な崇拝から、善意解釈します。
◆総括
ネタバレに行く前に、総括を。
シナリオは、まぁ、WIZなので…というぐらいの、特筆するような…まぁ、ちゃんと、どんでん返しが用意されていたり、ラスボスの撃退も、NPCがポンと現れて、秘密兵器ドカーンで終わるような事はしませんので…と言っても、近い状況ではありますが、入手課程が書いてあるだけマシと。
システム面では、トラップ開錠は面白いアイディアなんですが、ある程度なれてくると、めんどくさい。と思うこともあり、一長一短と言ったところでしょうか。
最大の問題点は、やり込み要素に欠ける。と言うこと。正直なところ、シナリオクリアして、自動生成ダンジョンにこもりたい。と言う人がどれくらい居たのでしょうか。WIZの楽しみの一つに、マップの完成。と言うのもあると思うので、入る度に形が変わるのでは、なんかやる気が起きない。と感じるのは私だけ?。
クラス調整も今ひとつで、これはアレイドの調整仕切れていないことが、あるでしょう。戦闘は、基本的にアレイドに依存するため、アレイドに必要なクラスとそうでないクラスの落差が激しく、通常攻撃の威力も控えめだったりしますので。
例えば、苦労して、高い攻撃力を持つ。と言う説明文の侍を作ったとしても、結局は、武器の性能に依存するため、アレイドの発動に必要なクラスでないなら、何でも良い。と言う感じになってしまいます。刀も、気絶じゃなくて、即死にしてくれれば、使い出があったと思うのですが。
敵にも、魔法無効化能力を持つモノが多く、魔法の威力調整を諦めて、敵の耐性あげて調整したんじゃ…と思ってしまうぐらいですし。10階移動中に、メガデス(いわゆるティルトウェイト)を使っても「ブロック」で無効化されて、ショボン。
キャラクターエディットも、こうなんか、何とも言えない物足りなさがあります。
WIZ系としては珍しく、シナリオクリアしたら、即、終わる感じになっています。ダンジョンの探索自体は、面白いので、こうした3Dダンジョンを探索するのが好きなには、良いと思います。シナリオやシステム関連で、過剰な期待をしないという前提ですが。
そうそう、マップが非常に見にくい。高低差で、切り替える必要があるので、例えば、踊り場一マスの階段があると、階段>踊り場>階段と三層になるため、全体の現在地が、確認できない。これは困ったものでした。
ネタバレに行くための空白ですのでご注意
ではそろそろ。
アウローラのみが、人工皮膚すら持つ特殊タイプの最終決戦兵器。と言うことなんでしょうけども、特例がすぎるような気も少々。
アウローラが各国を滅ぼしたわけではなく、その国に魔孔の候補が存在したため、その煽りを食って各国が滅んだという事なんでしょうけど、バンクォーの戦いは、どうなんでしょう。
色々な語りがあるモノの、貴族達の反乱と、蠢くものの登場と、アウローラの登場は、まったくの偶然だったのでしょうか。まぁ、バンクォーの戦いが蠢くモノに操られて。と言う感じのようですので、大軍勢を集めて、美味しくいただくと言う筋書きだったのか。
それにしても、アウローラが、王に呪いを掛ける必然はあまりなく、冒険者を倒して回る必要もなく、なにかこう、微妙に、つじつまが合わない印象が無くなりません。1階層の探索が長めになりますし、細切れに伝えられますから、忘れてしまう。と言うのもあるのかも知れませんが。
一応、根幹である、アウローラや王の話だけでなく、サブシナリオと言える感じで、他のNPCも目的を持って、それぞれ暗躍している人がいるのですが、前振りがほとんど無いため、突飛に始まって、突飛に終わる感じがします。
あー、ダンジョン探索と言うことで、冗長になるせいか、シナリオの山場をあまり感じられない。と言うのも物足りなさの一因かなぁ。XTH2の方が、シナリオのピーク配分は上手かったかも。
◆鋼の乙女
さて、フリーダーの設定と、アイギスの設定ですが、どちらも前大戦の生き残り。かつ、前大戦の幕引きをした個体。そして、どちらも記憶が不完全であると言うこと。などなど…
くわえて、フリーダーが覚醒して、心が芽生える。アイギスの覚醒と言う当たりにも、なにか感じ入るモノがあるような気がしてなりません。
心のない機械だったはずが、心を持つようになる。と言うのは、アンドロイドモノの定番と言えるのですけども。良くある、ネタかぶり。と言えるような…しかし、両方アトラスだしなー。武神の開発は、落人ですけど。
簡易攻略
主人公の性格は、あまり考慮しなくても大丈夫。性格同士の相性もありますが、気にするほどではない。
絶対に避けたい性格
自虐的:なにをしても、信頼度が下がるので、コレは避けたい。死に神が付いて喜ぶと言う一点のみ。
好戦的:敵のレベルが、パーティーの平均レベルより低いと信頼度ダウン。低階層移動中に敵に出会う度にダウン。
冒険家:一軍確定なら良いですが、二軍や一軍半だと、下がりまくり。
エコロジスト:全員のカバンがいっぱいで、敵が宝箱を出した場合、結果として捨てるので信頼度ダウン
信頼度が上げやすい(と思う)性格
浪費家:アイテムを誰かが使えば上がる。回復、魔法覚えるための魔法石。なんでもあがる。
知的:魔法を覚える度に上がる。敵の攻撃で、魔法忘れると大幅ダウンですが。
使えるアレイド
ソウルクラッシュ:スレイクラッシュをモンク込みで行う(必要レベルあり)。
要は、スレイクラッシュを二回行う。また、アンデッドにも有効。命中は100%と隙はない
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