ファイアーウーマン纏組


 PCFX版の発売は1996年。やはり、96年という年代は、当たり年だったのだなぁと、痛感する。その出来たるや、現在プレイしても十分に面白い。と言うか、下手な近年のゲームよりも面白いという、なんとも言えない感覚をもたらしてくれる。

 ゲームの内容は、一言で現すのは難しいゲームで、曲解して言うと「戦闘のある、ときメモ」ないし「学園生活限定のエロ無し下級生、戦闘あり」と言った感じ。校内をかなり自由に歩き回れるのだが、逆に言うと、校内以外にマップがない。よって、デートなどは、自動イベントとして処理される。長期休暇も自動で処理される為、少々、ボリューム不足を感じさせる原因となっている。

 シナリオとしては、まぁ、恋愛SLGなので、あってなきがごとし。一応のメインストーリーは存在するのだけれども。個々のヒロインのイベントというか、シナリオも並。言い換えると、ときメモ並み?。

 どこがスゴいかというと、展開以前の行動によって、イベントが微妙に変化していく。と言う事に尽きる。一般的なゲームだと、その場に存在していなくても、そのシーンだけ現れる。と言うものが多いが、纏組では、キッチリ変化する。その為、選択によって展開が変化していくのが見て取れる。と言う事かな。

 選択肢が登場しても、展開に変化のないものが多い2000年代のゲームに比べると、ちゃんとプレイしている気分にさせてくれる。そもそもにおいて、校内を走り回ってイベントを捜すタイプなので、行動による状況変化は当たり前。と言えなくもないのだけど。

 そんな具合なので、選択肢があると、ちゃんと展開は変化する。オープニングで、不良に絡まれている女子を助けるか否かで、まぁ、終着点は同じなのだけど、展開と好感度にかなりの差がある。こう書くと当たり前なんだけど、その当たり前が出来てないゲームの多い事、多い事。

 で、戦闘はと言うと、4コマンドを先行入力して、技の優劣でダメージを与え合う。まぁ、いわば、じゃんけんバトル。ただ、技の種類は30以上あり、そこいらのじゃんけんバトルとは密度が違う…とは言うモノの、使える技はかなり絞られるのだけれども。それでも、優劣に関しては、かなり調整しているようで、なかなか飽きの来ない作りになっている。

 こうしてみると、言葉で評価するのが非常に難しいゲームだと痛感するなぁ。シナリオやキャラクター性とか、全てが並というか、次第点なんだけど、プレイすると、妙に面白い。と言うのは、やはり、プレイしていると思える。と言う事なのかなぁ。要は、制作側のお仕着せを眺めるのではなく、物語に関与出来ている。と言う事なんだろうか。

 ちなみに、不満点はと言うと、夏休みなどの長期休暇が、イベントムービーで、日曜祭日も、自動で処理されて、すっ飛ばされてしまう。つまり、デートイベントが皆無という感じ。自動イベントとしてはあるのだけど。授業時間も、さっくりカットなので、若干、ボリュームに不満を感じる。と言う事かなぁ。

 あと、学年を選べるのは良いけど、一年生は遠足。二年は修学旅行。と学年イベントがあるのだけど、三年生だけ無いのね。三年を選ぶと、同級生3人だしなぁ。まぁ、一年生も4人なんだけど。二年生も4人か。

 もっと言うと、ヒロインの幅がちょっと狭い。せっかくのケンカありシステムなのだから、不良系女子がいても良かったのかなぁと。たとえば、お涼さんをかってにライバルとして追いかけるスポーツ少女。番長(?)の座を勝手に競い合う不良娘とかねー。怪しい日本語使う留学生とか。もう少し、幅があればなぁ。

 ネットオークションだと、プレミア付いて高いのだけど、意外と中古屋だと、安く売っていたりするので、捜してみるのも一興。特に、FX版は、本体とセットで買ってもPS2のソフトより安かったり。ときに、プレステ版との違いってあるのかなぁ。


簡易攻略情報

ワタシ的に使える技
空手
正拳突き:対わたる用。防御効果にくわえて、相手のガード破りも可能だが、判定がイマイチ弱い。序盤用
旋風脚:対不良用。不良の多用する頭突きに対して100%優位を誇る上に、全周攻撃。ただし、出が遅い

中国拳法
連環腿:垂直ジャンプの二段蹴り。判定が強く、出もそこそこ速く、高威力という事無し。一対一ならかなり強い

ボクシング
ブーメランクラッシュ:バックステップからのダッシュストレート。攻防一体だが、前方においておくタイプの技に弱い。不良の頭突きや、一般生徒のキックなど。

合気道
当て身投げ:防御技の最高峰。なんだけど、出の遅い技だと、受付時間を過ぎて、モロに喰らう事も多い。

特殊
纏オーラ:無敵技。出しておけば負ける事はない。しかし、修得する為には纏組とのハンデ戦(三対一)に勝つ必要がある。

基本ライン
まずは、空手に通って、旋風脚まで。纏組以外のヒロインがらみのイベントでは不良戦がメインなので、ともかく旋風脚。その後は、中国拳法に通って、一対一に無類の強さを誇る連環腿。次は、特殊戦に向けて、ブーメランクラッシュを。技の習得だけなら、簡単だが、実際はヒロインとのイベント、好感度の為の文系クラブなど結構、ギリギリ。

恋愛の基本ライン
基本は追っかけ。GPSに反応しないイベントも多いので、極力歩き回るように。他のヒロインと連動しているイベントも多いので、八方美人になっていると最後の最後で失敗するかも。とりあえず一週間スゴして、ジョーから情報を聞いてからロードする。と言うのも一つの手。

また、GPSに反応するイベントは基本的に一週間固定。月曜から金曜ないし土曜まで、該当者は困ったまま。ただし、当日のみのイベントもあるので、気が抜けない。

戦闘指南。勝てないあなたに
100%ではありません。勝率を高める方法です。

不良:旋風脚。無いとかなりキツイ。
一般生徒:防御から正拳など、技数が少ないので後半まで耐える。

対わたる。正拳出しておけば勝てる。
対京介。防御>正拳>足払いで安定。正拳の前にパンチ入れてもイイ。

メロン:ジャンプ攻撃が多く、判定も強い。連環腿の連打が一番楽。
オレンジ:正攻法の防御>正拳>連環腿。旋風脚は潰されやすい。
レモン:小西さーん(はぁと)はさておき、当て身を使うので、連環腿が基本。ブーメランあると楽。
スカッシュガールズ:上記三人とのハンデ戦。当て身と旋風脚を上手く使おう。スキップ可。

ひろみ:特殊技である、纏フィールドがくせ者だが、ブーメラン>ジャブ>ワンツー>連環腿は決まる
さやか:当て身と連続攻撃が難。だが、上記のブーメランセットは入る。
涼子:強いのだが、実は上記のブーメランセットがバッチリ入る。当て身などで投げると、受け身を取って戻ってくる特性があるので、当て身>旋風脚か連環腿としておくと、投げが決まればモロに入る。

纏組:上記三人とのハンデ戦。スカッシュガールズ戦をこなしてないと、やたら強い気が…
問題は、三人の配置。ともかく当て身で投げ続けるの基本なのだが、涼子は投げ無効(受け身を取って戻ってくる)ので、涼子を投げてしまうと、さやかの連続攻撃を喰らいやすい。喰らうと、のけぞりでひろみの攻撃も喰らう、あり地獄。

なんとか、一人を倒すと、ブーメランが使えるので楽になる。体力は4500は欲しいところ。ここまであげるには、菜園部で農作業をする必要と纏会の前はキッチリ休む。と言うことも必要。運もある。

バレヱ団:4対1のハンデ戦。白鳥の湖が完全防御っぽいが、頭部に判定はあるので、連環腿か、旋風脚は当たる。剣の舞を喰らうと、最低でも二人からフルヒットを喰うので、1000ダメは覚悟。一対一ならかなり弱い。

志岐:彼は無敵です。纏オーラが無いと勝つのは無理。



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