かまいたちの夜2


かまいたちの夜2を今さらながらにプレイ。これだけ日にちが経っていれば、ネタバレOKだと思うので、ゴリゴリいきます。新作買わないのは、ネタバレ前提でしか書けないからかも。

当初、ミステリー主軸と思っていたのですが、どうやらホラーがメインだった模様。作家陣の代表作見ても、ミステリーと言うよりは、オカルトホラーっぽいタイトルが列んでるし。

んで、そのホラーシナリオも、心理的、精神的な恐怖感に触れるものでなく、生理的嫌悪感に依存したホラー。言い換えれば、スプラッタゲームですな。血や虫に依存しすぎかな。クリープショーとかゲラゲラ見れた人は、合うと思います。

私としては、生理的な恐怖は、心理的精神的な恐怖より格下と思っております。まぁ、心理的、精神的恐怖ってスンゲー難しいのですけどね。

あと、予想以上に不条理エンドが多い。たぶん、波長が合えば笑えるのだろうけども、合わないらしく笑えませんでした。わらべ唄編の不条理エンドには、なんじゃそら、とか、はぁ?とか良く思いました。

ゲームシステムに関してなんですけど、これは減点と言うよりも、大失敗と言えるモノがあります。メッセージスキップなんですけども、ページ送りなんですね。いくつかの選択肢で、ルートが変わる際に、このページ送りをやってしまうと、古いルートに乗ってしまい、新しいルートに入れないのです。コレは、このゲームの性質上、欠陥です。

文字の表示スピードも変えられないと言うのも、ルートやエンディング探しの阻害です。この手のゲームスタイルならば、既読メッセージのスキップないし、次の選択肢までのスキップのどちらか、両方がベストですが用意すべきです。ページ送り型スキップのせいで、エンディングにたどり着けない原因となってます。

ネタバレ暴走。各シナリオの感想。そういえば、攻略サイトで、お気に入りのシナリオ投票ってあったけど、官能編の尻フリや、陰陽編のダンスとか上げてたけど、それはイベント。シナリオつーのは、全体の流れ、わらべうた編とか編丸ごとがシナリオよ。たぶん。

わらべ唄編:表題にもなってるミステリータッチのシナリオ。古典的な大がかりな仕掛けの密室トリックが骨。チャンドラー至上主義の私は、大がかりな密室トリックってどーでもいいのですわ。

金田一と言うより、明智小五郎型かなぁ。ゲームシステムとしては、犯人名を入力させるのが推理ってのを的確に表現してていい感じ。

サイキック編:結構好きなシナリオです。サイキックアクションなんですかね。ただし、あくまで日本のライトノベルノリ。ライトノベルとしてなら良い出来ですが、クーンツやキングと比べると・・・って感じ。

重箱の隅をつつくと、パイロティクスは、視線の先の焦点温度を上げるってのがスタンダードな解釈かなと。あれだけ自在に炎を操ったら、火焔魔人だぁね。

そう言えば、超能力を母親に見られてバケモノ呼ばわりされて、殺してしまうってのは、火焔魔人の桃源津那美とも重複しますな。さすがに、火種は使わないけど。あと、パイロティクスだと、低温から徐々に上がっていくらしいので、水膨れとか表現して欲しかったかなぁと。

そーそー、アポートできるなら、ニョグタの鷲掴みもやって欲しいなぁ。相手の心臓を取り寄せるっての。脳内に血液に酸素が残っている間、自分の心臓が脈打っているのを見せつけられるって結構怖いと思うのだけど。

陰陽編:発売当初はブームの頃だっけ?。えと、しっかり調べてあるとは思うのだけど、なぜか、設定の屋台骨がきしんでる印象があります。前半のオカルトホラーから、後半ゾンビチックなパニックホラーになると、出来は格段に良くなります。序盤の両部神道とかのうんちく、いらんのでは?

人形ながしに九字ならば、両部と言うより、天社土御門神道かと。神道が修験を取り込んだと言うよりも、修験の方が生き残るために、神道の形を取ったって感じだろうし。鎮魂の石碑に、十宝の神宝、布留を書くのはどうなん?。死者をも復活させるのが、十種の神宝と言われているし。

鎮魂も、そもそもは「みたましずめ」と「おおみたまふり」の二義があり、荒ぶる神を鎮めるのではなく、自らの御霊を(神から分けていただいて)殖やし、自分から遊離しようとする御霊を招き返す、いわば自己強化の技。

セーマンドーマン(五芒星がセーマン、九字がドーマン説やその逆もありどっちがどっちとも言えないつーか、両方とも使うやろ。殺人現場をつなぐと五芒星になって、その中心に九字が書かれているとかまで行って欲しかったなぁ)とかも、なんとなくなんですけど、知識の列記になってて、上滑りしてる臭いがするんです。

そもそも九字は破邪に使うことはあっても、召喚には使用しない。やはりやるならば、五芒星かな。とは言え五芒星だと手垢が着きすぎているからねぇ。

ともあれ、他人様のことは全く言えないのですが、知識と設定が、消化できてない。融合されてないって感じかなぁ。

あと、陰陽道は妖術使いじゃねぇべさ。まぁ、そう言う設定が一般的だろうけどもさ。そう言えば、学研のブックエソテリカの呪術の本で、陰陽道は妖術使いではないって、記述があってイェーイって感じィ。私の方が古くから書いているのですが、製本された本に書いてあると重さが違いますなぁ。

底虫村編:一番好きですし、一番良くできていると思います。設定と知識や資料が良く解け合って居るかと。

どんでん返しも、いくつか用意されているし、ラストもいい感じで、シナリオとして一番出来と思います。謎解きありのホラーって感じですかね。最後の辺りで、ちょっと怪獣モノっぽくなりますけど(笑)。きっと書く人が書けば、常世の虫の名前は、ヨグトースとか書いてそうです。

タジマモリとか徐福伝説、人魚伝説ときたら、仙桃も入れて欲しかったな、宮下文書とかも(笑)。ともあれ、良く消化されていて好感。あー、コノハナサクヤとイワナガヒメを絡めても面白かったかも。

ちと合点がいかないのは、土蜘蛛の伝説を知っていて、ライコーさんと言われたら、源頼光を知らない人はいないと思うのですけど。序盤の段階で、頼光であり、蜘蛛切り丸の存在を告げてもなんら支障はないと思うのですけど、後半に出した方がインパクトがあると思ったのでしょうか。そこら辺は演出としてどっちが良いかの判断ですので、後半に出した方が良いと思ったのでしょうねぇ。

次に、スクナヒコナですけど、小人でありながらも、優れた知識と知性を持つ神で、オオクニヌシを良く助けたハズなんで、作中の扱いはどうなんでしょうねぇ。客人神ですし。

ヨモツシコメとヨモツイクサでいいじゃん。そーそー、イザナギがヨモツシコメたちから逃げる時に、投げた果物も虫のみに似せたモノを投げたと解釈すれば、さらに広がるし。

個人的に、ラストの辺りで「土蜘蛛、俺の身体を使え」って選択肢も欲しかったなあ。

ぼくの青春編:出オチの一発ネタ。

ボクの恋愛編:なんともコメントできん

わらび唄編:スタッフコーナーみたいなもの?

官能編:官能ではない気がする。正しくはピンク編?

惨殺編:生理的嫌悪感の連発ネタ。怖いと気味が悪いを混同してる気がせんでもない。違いはない気もするけども。

妄想編:類型的狂気ネタ。

洞窟探検編:むかーしのFCディスク時代のアドベンチャーゲームってこんな感じだったね。シリアスともコメディーとも付かない感じで。致命的なツッコミとして、こんな仕掛け作る財力あるなら、真っ当な村おこししたまいよ。

ちまたでは、わらべ唄編と官能編が面白く、妄想編が怖いとされるとか。まぁ、一般的なミステリーといえば、巨大ギミックの密室トリックだし、いまもそれが乱造されているから、そう言う価値観が一般的なんでしょうね。

妄想編は、狂気ネタは・・・体験的に踏み込んだことあるからなぁ。この程度ではなぁ。まぁ、唯一とも言える精神的・心理的恐怖ネタなんですけど・・・そーかー、一般的な感じ方ってそうなんかぁ・・・

私としては、一番怖いのは、わらべ唄編のマニキュアエンドかな。



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