サクラ大戦


色々と賞を取った、初代サクラ大戦です。別段、悪いゲームじゃありません。ゲームとしてのバランスは、少々ぬるいモノの、バランス的には良くできています。が、シナリオが矛盾だらけ。良識ある人々からは「あかほりは終わった」と言わしめた作品。まぁ、キャラ萌えゲーなので、シナリオなんて、どうでも良いのかも知れないけど。原画の藤島キャラで保ったようなものだな。

その証拠に、ゲーム本編よりも、花札のプレイ時間の方が長い人は、ユーザー総数の8割を越えるだろう。本編のストーリーは、ハッキリ言って、つまんないのである。

このゲームが、賞を総なめしてしまったために、原画に有名人を持ってくれば、シナリオなんてへろへろでも、それなりに売れる。と言う風潮を産んでしまった罪は、かなり重い。と思う。

ちなみに、これの元原稿は、通常版の発売間もなくのころ。ただし、知人向けの個別の手紙だったので、それらの口調や文体の調整し、小ネタを排除しました。主旨は、当時のままです。

PS2版に触れ、ちょいと補強を。斜体が補強部位


それでは、行ってみよう『帝劇の謎』。って、ホントは、この手のギャルゲーつーか、真面目ぶったバカゲーに、ツッコミ入れるのは、野暮ってモンなんですけどね。

シナリオ
前半のオープニングムービーを見た瞬間、葵サタン、コイツ裏切るな。と思ったらやっぱり裏切ったし、底浅いな、赤堀。

天海上人を前半のボスに据えておきながら、後半、キリスト教へ流れる節操の無さ。しかも、父性を代表するミカエルを女性にしてしまう、浅はかさ。せめて、ガブリエルにして欲しかったよ…。ルシファーとミカエルと言う安易な対極設定にも腹が立つ。本当にミカエルだったら(ガブリエルでもだけど)、人類育成に失敗したので、メギドの炎か、洪水でリセットしよう。つーのが妥当でしょうな。

そもそも、ルシファーの言い分も、ミカエルの言い分もめちゃくちゃで、行き当たりばったりくさい。人間が地上を汚すから。と言うなら、降魔は良いのだろうか。しかも、降魔の上位種とも言える、黄昏の三騎士が、人間型なのはどう説明するのだろうか。

あやめの処遇もだが。自分で、あやめにミカエルの意識を封印しておいて、殺女として覚醒させるという、封印にとってのショックを与え、ミカエルの意識が戻ったら「よみがえったか、ミカエル〜」ってのは、どうかと思う。

その前のシーンで「常に貴方(サタン)と共にある」と、殺女に言わせているんだからさぁ…「人間なんて分からない。お互いに殺し合うと思えば、庇いあう」等と言ったからには、リリスだよね。絶対。しかも、大神庇うんだぜ。

人間は、アダムとリリスの子で、神によって引き離された後、産んだのが降魔。ってコトにすれば、丸く収まるのに。聖書ひもとけよ。赤堀。

私が懸念するのは、あやめ本来の魂は、どこに行ったのだろう。殺女は、ミカエルのシャドウの発現としても、本来のあやめの肉体の持ち主は、一体ドコへ行ったのだろう。一番哀れなのは、あやめ本来の魂と、翔鯨丸の発進ゲート上に住んでいる人だろう。あの中には、ようやく手に入れたマイホームと言う、サラリーマンも居ただろう。発進の度に、家をひっくり返されたのでは、たまったものではない。

まだ、岸和田博士の方が可愛げある。何たって、脳天号の発進は、一回だけだからね。


細かく言うと、ルシファーは「人間は地上を汚すから」と言う理由で滅ぼそうとするのだが、 聖書においてルシファーが天界から追放されたのは、神への反逆であるがその反逆の詳細は「人間に知恵を与えた事」であり、ギリシアのプロメテウスと同じ罪である。火は叡智を示す。それ故に、地球を汚す文明を与えたのはルシファー当人であり、やっぱ、本能だけの獣のがいいや。と言うならば、なんと節操のない話か。さらには、降魔が自然共生生物の完成型という設定もなく、上にも書いたが、幹部は人間形態という矛盾が。

まぁ、聖書から名前だけ借りました。って言う事なんだと思いますがね。それはそれで、非常に安易な仕事をしており、モチーフとした意味が全くない。 サタンじゃ手垢がついてるから、ルシファーにしましたレベルですわな。

永井豪のデビルマンの様に、ルシファーが愛でた人間とは、実は悪魔であり、人間は実はその後神によって作られたモノ。とかなら話は分かるが、降魔は人間の代替であるような論調だったし。あー、なんか、デビルマンとか、つまみ食いしたイメージが…「勝利のポーズ決め」も、師匠である小山氏のヤッターマンシリーズの丸バクリだしなぁ。
 


加えて、ルシファーであるが、神に刃向かう気概はあるが、パワーは無かったようで、なんちゃら砲と言う、秘密兵器が無ければ世界を滅ぼせないらしい。その、最終兵器も、12時間もかけて、パワーチャージしたクセに、空中戦艦ミカサを消滅させるどころか、貫通も出来ず、体当たりを喰らって破壊されている。

そんな出力の砲で、世界が滅ぶか?。つーか、他の国は何している?(サクラ3で、パリ支部が出来たらしい。つーコトは、サクラの世界では、日本は世界のリーダー?。ちなみに元原稿は、サクラ大戦1の発売まもなくに書いています)。

私個人としては、帝都東京を謳うならば、彼を出して欲しかった。東京、いや関八州の守護者、新皇相馬小次郎将門公である。公の登場無くして、なにが帝都東京を守るか?。東京人には、やはり鬼門なんだろうか…

加えて、太古より降魔との戦いが連綿と続いているならば、光武誕生以前の主力は、仏僧や神職たちであろう。彼らのコトも触れられていない。シナリオの浅さ。更に、脇侍(序盤の雑魚ロボ)を天海(江戸の基盤を作った人)が操っていると言うことは、徳川家康は、ロボ軍団だったわけだ。馬の代わりに、メカ侍かよ。ああ、その技術に、霊力エンジンつんだのが、光武か?

さらに、蒸気機関のスチームパンクな世界で、結構こだわっているはずなのに、蒸気鉄道見て「あ、電車が来た」ってセリフで、一気に萎えましたわ。電気の汽車だから電車で、蒸気の汽車なら、汽車だと思うわ。それとも、蒸気エンジンで電力を発生させて、電気モーターで動いておるのか。あの路面汽車は。本気で命名するなら路面鉄道かの?。略称:路鉄 。ちょい進めてみたらリメイク版では蒸気鉄道になってる模様

で、空中戦艦やら、翔鯨丸を飛ばす技術があるのに、飛行機がない矛盾。あれだけの質量を浮かばせるエンジンなら、何でも飛ぶと思うぞ。さらに、弾丸鉄道で間に合わないときに使う。って設定なんだから、弾丸鉄道よりも速いはずだし。
リメイク版だと明確に「応用したい」って言うな。元々いってたっけ?


キャラクター編
とは言っても、葵サタンとミカエルと言う、根幹キャラをすでに切ってしまっているので、オマケだ。

大神少尉
海軍出身なのに、陸上歩行兵器の指揮を執る男。厳密な出自が分からないので、海軍陸戦隊士官とか、海軍航空隊の士官とかも考えられる。が、天才科学者の紅蘭が、飛行機作るのが夢。と言っているようでは、航空部隊は存在していないな。

リメイク版だと、紅蘭の飛行機話も強化されているんだけど、飛行機は不安定な乗り物って言うけど、1914年にはもう空爆が行われていたり、2発エンジンの爆撃機が、それこそロシアで製造されていて、ロシア革命中にも、赤軍に接収されて使用されております。てゆーか、第一次世界大戦で、すでに軍用飛行機はあった訳ですが。さらには、1920年にはニューヨーク・サンフランシスコ間の航空郵便サービスをアメリカ郵政省が開始しております。ゲーム中は大正12年ですから西暦だと1923年。商業航空路は確立してますな。

逆に、支配人は、陸軍中将なのに、空中戦艦の指揮を執る始末。逆だろ、逆。支配人が海軍で、大神を陸軍にすれば、丸く収まるのに。まぁ、海軍の方がエリート気味と言うのに、こだわったんだろうけど。馬鹿すぎ。

あ、そうそう。光武から神武に乗り換えるときの特訓で、大神はマリアと銃の訓練してるんだよね。お前の武器、二刀流じゃんよ?。それぞれの特技を活かした、武器選択ではなかったのか?。馬鹿チンが。

リメイク版だと一人で山ごもりしてました。うーん、見られてますか?。ってまぁここは誰しも突っ込むシーンだけども。その後の「マリアさんとは…いえ良いんです」「え?マリアとは別だったけど」と言うのは、旧作へのファンサービスですかね?。


マリア・橘
彼女の過去って・・・ナニが知られたくないわけ。それほど完璧主義者だって事か。私は、赤軍の闘士で、当時は赤は厳禁だったから、知られたら当局としては、不味いからかなぁ、と思ってたんだけど。単なる、バックアップミスかいッ。でも、ロマノフ王朝滅ぼしたのは、共産党だったっけか?。ロシア史は興味がないから、記憶がない。

しかも、戦場でビビってしまって、バックアップが遅れた。と言うのは判断ミスではなくて、兵士としての素養の問題と思う。しかも、ゲーム中のシチュエーションの場合(子供を庇った場合)の判断ミスは、バックアップの遅れたマリアの判断ミスだ。攻撃命令って、敵が目の前にいるのに・・・立ちつくすなよ。しかも、大神着任前まで、指揮を執っていた人物がさ。

あ、子供がっ、あ、少尉が飛び出した。あのバカ。って、黙って見てるんじゃないよ。君たち。特にマリアの機体は、射撃兵器重視なんだから、きっちり、弾幕張ってやれば、防げたと思うんだけどなぁ。射界に大神機が入っていたとしても、射撃の達人という触れ込みだろうがぁ。って、思うのは俺だけだろうか。一番言いたいのは、どこが知られたくない過去やねん。ちゅう事かな。

補記:PS2版において、だいぶん補強、しかも上記提言に近く(サターン版の頃から、革命の闘士とか、赤軍とか言ってましたっけ?)、思わず笑ってしまいました(大神が子供庇った場合、明らかに傍観しているマリアらの会話イベントが撤廃されてます)が、それでもまだまだ大穴が中穴になった程度で、つまるところ、マリアがビビってバックアップが遅れたという個人の資質問題であり、八つ当たり感が目立ち 、やや支離滅裂、尚かつ、指揮能力を否定する理由になっていないのが原因。まぁ、当初から、八つ当たり話にしたかったのなら良いのですが。

ワタシ的提案
恐怖からバックアップが遅れたのではなく、物理的要因から援護できなかった事にし、尚かつ、その要因を招いたのが自己の増長からとする。

あだ名まで付けられるほどの戦功をあげていたがゆえに、増長し、他部隊への援護も独断で行っていた。とある戦闘で無謀にも飛び出した新人をフォローしたが、その際に爆煙をもろに浴び、目に煙が入り援護が出来ない状態となる。かろうじて目が開けるようになったときに、見たモノは、援護なく進撃し、銃撃を浴びる隊長の姿だった。

「あの日、自分の任務に集中していれば、隊長は死ななかった。隊長は私を信頼して進撃したのに、私は隊長を裏切ってしまった。指揮官がいなくなった部隊は、みっともないぐらい混乱して、精神的支柱だった隊長の死は、戦意を喪失させ、部隊はほぼ壊滅したわ。私が助けた新人も敵の追撃をうけて結局死んでしまった。私たちの敗走が、戦争を長引かせ、死ななくて済んだ人たちが何千人も死んだ…隊長とは…指揮官とは、それほど重いモノなのです。兵卒の代わりはいくらでもいるんです、指揮官の代わりはいないんです」

ぐらいで、無謀にも飛び出した大神への叱責理由となるはず。それでもなお、飛び出した大神への援護を怠ったマリアの怠慢は庇いきれないので、飛び出した大神にとどめが刺されようとするのを防がせるべき。

大神が突撃した瞬間から
マリア「カンナは子供の保護。さくらとスミレは援護を。紅蘭は砲撃準備。子供の退避と同時に全弾を打ち込んで!」
さくら「だめ、間に合わない」
トドメを刺そうとしている爪に銃撃を浴びせてカバー
マリア「長モノは不利ね、スミレは大神機の確保。さくらは陽動を。」
カンナ「よっしゃあ、安全圏に出たぜ」
通信と同時に、発射する紅蘭。さくらがバックステップすると同時に着弾。
ぐらいで。

しかし、あらためてクリアしてみたんだけど、マリアの回、支離滅裂な気が…内戦時のバックアップミスを知られたくないって時点でおかしい。 知られたくない過去と言うからには、革命のために暗殺(政治家とか貴族の家族丸ごと殺戮してました)ぐらいでないと釣り合わないよね?。
1,判断ミスするな→砲火に脅えて隠れていたのは判断ミスでなく、ただのチキン。てゆーか、砲撃続いているのに突撃するのは蛮勇です隊長。どっちが悪いのやら

2..一時の感情に流されるな→挑発に乗って一人で一人で乗り込んじゃいます。

もう、むたくたよね?、ぽりりん?。 リメイク版は誰が書いているのだろう?。まぁ、クリアできたら注視しておきます。


とはまぁ、軽くこれだけの設定矛盾とか、シナリオのムラと言うか、穴というか、そんなモノがボロボロと出てくるわけ。とてもじゃないが、名作の部類に入れても良い作品じゃない。反面、これらの大穴を、すぐには感じさせないだけのパワーのある作品であったことは確か。

花屋敷に駐屯する、補欠グループの星組とか、妄想して、サクラ大戦のサイドストーリーを書きそうになったぐらいだからねぇ…嫌いなゲームだったら、ここまで文句はつけん。好きだからこそ、改善して欲しい。と思ったのだけど、世間はキャラ萌えだけで満腹らしいね。

PS2版、事務系三人娘が風組ってヽ(´―`)ノ
ちなみに、我がの星組は、「花になり損ねチーム」予定だった。霊力が低く、起動は出来るが実戦は無理と判断され、花屋敷で開発とテストを繰り返していたという。部隊長は、光武戦術のタクティカルマニュアルを作成すべく、陸軍からスカウトされた人で、当然、普段は切符もぎりだ(゚∇゚)。降魔の帝都襲撃時には、攻撃に出た花組に代わり、帝都防衛をしていたという感じ?。
「所詮、俺たちは、花になり損ねた闇夜に瞬く屑星よ。だがな、このわずかな星明かりを頼りにしてる連中もいるんだ。」

超絶今さらだけど、サクラ5が星組なのね(笑)。つーことは、サクラ3は月?。まぁ、元原稿、サクラ1のサターン版の頃書いた訳だし。

とか書いたら、PS2リメイク版で、月組は諜報部門。星組は欧州実働テスト部隊(サクラ3に似たヤツとか、5のラチェットみたいなのいたんすけど。)だったそうな。テスト部隊は欧州だったらしいから、結局、霊子甲冑ってドコの技術やねん。どういう経緯で日本に流れてきてるねん?。華撃団の横のつながりってどういう形やねん?。

ついでにリメイク版に触れると、シナリオの補完は進んだ(補完できてないけど)が、ゲームの完成度は落ちた。とくに、秀逸だったミニゲーム群が、ボタン入力ゲームに置き換えられており、かなーりのグレードダウン。戦闘パートも、 無制限回復出来るようになって、楽すぎる(アイリスの存在意義消失)。この楽さが現代風という事なのか?。

まとめると…この天外魔境サブタイトルなんだったけ?…って感じ。

細かいツッコミ。ロシア人が、「教えてエンフィールド」はおかしいです。モシンナガンだっけか、あの時代のロシア製。拳銃はナガン?。


ついでに恥をさらすと、当時の我がの星組設定下における光武バージョン。

一式
初期型。設計図通りに組んだもの。これの運用試験部隊が星組

二式
技術革新や素材の発展により、機体そのもの強化と、運用データから再設計

三式
制式光武。二式を花組用にカスタマイズ・特化。

光龍
新型の霊子反応炉を二式に搭載したテスト機。二機のみの完全試験機

二式光龍
光龍のデータを元に、新型反応炉の出力に合わせ、新規に機体設計をおこなったモノ。略称二光

三式光龍
ドイツ製霊力増幅器(オーラコンバーターでも可)を搭載したモデル。出力が2倍強に。

神龍
出力増加を受けて三光を再設計。しかし、花組の霊力では、増幅器が振り切れてしまうためお蔵入り。星組メイン機予定

二式神龍
二光をベースに、神龍の技術を導入。さらに、花組隊員用に特化カスタマイズしたモデル。

神武
二式神龍に、紅蘭製の回路を取り付けたモデル。完成型。

まで当時の私は考えていたようだが、話の着地点が見いだせず、お蔵入りだった模様。


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