タクティカルファイター


格闘ネタ育成ゲームなんですが、背景の流れが、著名な格闘家の息子である主人公は、父の元を勘当同然で離れ、別の格闘家(父の兄弟弟子)の所へ、入門。師範代にまでなったが、些細なことから破門され、失踪した父を捜す日々を送ってた。そんなところに、師匠の娘が転がり込んできて、道場が乗っ取られ、師匠も行方不明。年に一度開かれる大会が、奪われた道場に入る唯一のチャンス。そんな流れで、師匠の娘を鍛える。と言う流れです。

まぁ、この段階で、主人公が出場せいよ。と言う疑問が沸き起こります。当初は、やる気が無かったにせよ、父の失踪にも関係があると知れば、意識は変わるでしょうに。せめて、体を壊して、選手としては無理とか、一言欲しかったですねぇ…妄想せよと言うことですか?。

んで、メインの育成なんですが、一週間ごとにスケジュールを組むプリンセスメーカー方式。変わっているのは、日々の食事メニューも設定すること。一応、食事によって、能力の増加に一役買っているようだ。炭水化物ならスタミナ付きやすいとか。

期間は三年なのだけど、ヒロインの容姿が1年ごとに変わるのも良い。ただ、三年目は二十歳越えてるような顔つきだけど。無意味に、スリーサイズと、身長体重が表示され、成長具合で変化するのだが、だいたいで良いから、それに併せて絵も変えて欲しかったなぁ…普通にやってると、バスト70、体重40ぐらいまで落ちるんだよね…尻はでかくなるのだけど。

育成期間中は、単なる作業になってダレてしまうゲームが多いのだけど、このゲームでは、程良い間隔で、各種イベントが起こるので、飽きにくいのが良い。イベントと言っても、ライバルとの出会いとか、能力増減、トレーニングメニューの追加と言った小イベントなんだけど、これがあるだけでも、ずいぶんと違う。ほぼ、何事もなくスケジュールをこなし続ける「有限会社地球防衛隊」のスタッフは、見習って欲しいなぁ。

で、問題は育成メニュー。トレーニング、セミナー(技術トレーニングと言いたいようだ)、アルパイト、入門(必殺技の収得)って所かな。

トレーニングメニューが、中途半端というか、いい加減というか。開発スタッフの中に、本格的なスポーツトレーニングをした経験者がいない。あるいは、トレーニングに関して勉強しなかったなんじゃ無いかと思うのだけど、走り込みや、水泳でスタミナが上がらないってどういうこと?。心肺機能を鍛えるために、走っているのであって、足の筋力鍛えるのなら、それは短距離選手のトレーニングだ。

マシントレーニングで、スタミナが上がると言うのも疑問だ…ランニングマシンとかやってるの…ならジョギングでも上がるだろうし。普通、マシントレーニングだと、瞬発力(速筋)の方を鍛えるよなぁ。

だいたい、師範代まで務めて、弟子をとったのなら、主人公が技術講習するべきなんじゃないの?。単なるマネージャーじゃん。実際のセミナーなら実技を含んでいるかも知れないけど、ゲーム中では、完全な座学扱い。そもそも、セミナーでやるような格闘技講習は、健康維持が目的のモノで、頂点を極める選手育成とは質が違うハズ。

座学のみで、技術が学び取れるなら、本屋で本買えばみんなプロ選手だ。いくら正拳の撃ち方を本で学んでも、身体がその通りに動くかどうかは、全くの別モノでしょ?。バッティングセンターと実戦が違うように、その場の雰囲気というのも大切なのよ。スパーリングも、条件を満たさないとメニューに登場しないのだけど、それもどうなんかなぁ…師範代てしょ、あんた…組み手ぐらいやってあげなさいよ…

やはり、トレーニングは、基礎トレーニング(身体能力強化)、技術トレーニング(組み手、乱取り中心)、メンタルトレーニングと三つぐらいには分けて欲しかったなぁ…その上で、座学や試合観戦を入れて欲しかったよ。人体構成講座と格闘技講座とか、ごちゃごちゃなんだもん。

で、入門も、実戦形式で戦い、三回勝つと必殺技を学習。なんだけど、負けると怪我して一週間お休みなのね。それって、道場破りっていわんか、普通?。入門なら、その流派にあった能力値を増減させて欲しいものだ。つーか、主人公に入門したんじゃ…他流試合とか、言い方あるじゃん?。

パラメーターも無駄なモノが多くて、腕速度だっけパンチスピードなんだけど、拳速が速いけど、腕力が無いと言う人は、少ないんじゃないかなぁ…勁を使わない限り、筋力と速度は比例関係だろうし。筋力はあるけど、速度が遅いって言うのは、身体能力ではなくて、技術面だと思うよ。動きに無駄が多いから、遅いんだわ。

筋力と与ダメージは別だけどね。物質を破壊する蹴り方、物を遠くへ飛ばす蹴り方、人体へダメージを与える蹴り方は、それぞれ異なる。と、佐山悟さんも言っていたはずだ。単純筋力とダメージは比例しない、と言うのが私の自論だ。

あと、実戦(戦闘モード)も、ちょっと…SLGなんで、見ているだけって言うのは別に良いし、ゲージが溜まって必殺技を出すタイミングだけ指示できるって言うのも別に構わない。ただ、必殺技ゲージはね、攻撃を当てたら溜まる。のではなく、ダメージを喰らったら溜まる。にしないと、逆転必殺技にならんではないですか?。だから、ゲージが溜まる頃には決着が付いていることが多いし、負けるときは、ナニも出来ずに、通常攻撃から必殺技とラッシュを喰らって、秒殺される。これは、ちょっとストレス溜まるよ。

ストーリーも今ひとつ盛り上がりにかけるしねぇ…ヒロインも趣味じゃないし。その辺が、ハマり切れなかった理由かなぁ…

ゲームとして、良くできているが故に、設定ミスが惜しまれる。そんなゲームですわ。いま、ゲームパッケージ背面の売り文句に「従来のSLGとは違う、画期的なシステム」とあるのだけど…どこが?、食事決定かな?。



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