剣と魔法と学園モノ。final


「確かに君のアイディアだ。だが、私の方が面白くできる」
−アレクサンドル・デュマ(真偽不明)

 


これもAkiba'strip+と同じく、書かなきゃと思いつつ後回しにしてしまったゲーム。イイモノだとイイヨ。としか書けない私の悪癖のせいです。さすがにこちらは、再プレイできるほど時間がないので記憶で書いてます。やりたいんですけどね 、面白いですから。

いろいろと黒い噂が絶えないこの「とともの」シリーズ。1と2は(3も?)、プログラム的にも酷いことになっているそうですが、未プレイなのでなんとも。故にファイナルだけに焦点を絞ります。

一言、ダンジョンRPGとしては最高峰にあると言える。 逆に、RPGはストーリーを追いかけるモノで、ダンジョンは障害物でしかない。と思う人には最低のゲームだろう。

ストーリーのドライブ感は特筆すべきで、お使いにならざるを得ないダンジョンモノにおいて、見事にお使い感を薄めたその技量は見事の一言。また、学園ものであると言う設定も見事に活かしており、出オチインパクト系のキャラと思わせておきながら、その設定を見事に利用してボス戦時に活躍 させると言った熱い展開がそこかしこにある。カルテの凹みイベントは見え見え過ぎて若干ウザイが。

クラスメートたちも、学生らしい悩みとそれを振り切っていく姿も、ストーリーに花を添え、学園モノという事を満足させてくれる。 と言うか青春モノに近い。ヘヴィな展開とライトな展開のペース配分も上手く、ヘヴィな発端をライトにまとめたり、その逆もあるなど上手いとしか言いようがない。 ザッハとキルシュの和解から、一気に展開していく盛り上がりときたら、ない。

本来ならば、切り捨てられてもしかたがないような、脇役同級生にも見せ場があり、それらもおざなりでなく、ちゃんと個性を生かしたモノになっていることにも驚嘆する。むしろ、主要NPCの方が普段のセリフが多いせいか、パッとしない事も多かったりする。

学校生活を丸出しにして、学園モノ感を保ったペルソナ4や、学園モノといいながら、学校生活とは無縁のXTH。学園生活はほとんど描かれないのに、学生生活を感じられると言うのは絶妙の感覚と言えるだろう。

青春モノでありつつも、世界を救う冒険で、最後を綺麗に締めてくれる当たり、すごいとしか言いようがない。やり込み要素として、平凡な日常に戻るのも非常に上手い。 ただまぁ、全体の話としては、ローティーン向けのベタファンタジーなので、背伸びしたい年頃の人には、かなりイラっとするかもしれないが(そのわりにP3を褒めるのはなぜだ?、あっちのがシリアスにやってる分 、痛い中二的なハズだが)。


ダンジョンの解放やキャラクターレベルの管理も上手く、ダンジョンモノでありながら、ほぼ作業的なレベル上げはしないままに進行できたという、レベルデザインもすばらしい。つまりは、新ダンジョンの解放>探索>レベルアップという至極簡単な図式を、絶妙のさじ加減で繰り返してくれる。谷間がないこともないのだが、サブクエストをこなすことで、機械的なレベルはしないで済む。これは本当に、レベル上げることが目的の 「MPが尽きるまで、通路を往復することだけを強要する」本家のチーム村正には勉強して貰いたい。 むろん、やり込みの域にはいると作業になるが。


XTH2で見られたパーティスキルも磨きがかかり、パーティー内の人間関係の設定で増減していく。また、賛否あろうがコマンド入力が要求される。成功すれば威力割り増しというのも、単調を通り越して、ボタンを押すだけになりがちなwizの戦闘システムに、ちょっとした刺激を与えてくれるシステムと私は思う。面倒でもあるが。

ステータスも、wizの呪文回数をやめ、普及している総MP方式となったのもありがたい。使用回数方式だと、どうしても使える呪文のグループとそうでないグループの落差が出る。まぁ、そのやり繰りが肝。と言えなくもないが、D&Dのように、上手い設定がしてあるならともかく、XTHの場合はダンジョンからの脱出が簡単なので、使い切ったら帰るになりがち。だったらMP消費の方が良い。

キャラクターレベルと学科習熟度が分けてあり、新しい学科(職業)についたら、HPがガッツリ下がって、初期エリアで作業開始という事態を避けられるのも、嬉しい。HPMPは高いまま、学科スキルがヘボイまま戦うことになるので、戦力は落ちるが即死とかはしないので、すぐに追いつける。


ただ、肝心のクラス(学科)は、数は多いが、あれとこれを足して二で割ったクラス。がほとんどで、正直、バランス調整投げてるだろうと、掴みかかりたくなる。また、戦闘そのものもの、パーティースキルでごり押し。がベストで通常攻撃や魔法類でチマチマやっているとジリ貧になるのも、詰められてない証拠。


肝心のダンジョンも、底意地の悪いモノ(ex.テレポーターと落とし穴の二択、外れたらスタート/下の階に戻される)はほとんど無い(運任せテレポーターダンジョンはあるけど 。つか、ダークゾーン+なにかなんて初代Wizからある鉄板コンボで、それで泣き言、言われたらなぁ…)。基本的なところは、XTH系なので、クロスブラッドと同じハズなのだが、退屈感は雲泥の差だ。これはやはり、各層にきっちりとしたイベントがある「ととものfinal」と、あっても分け分からんクロスブラッドの違いだろう。

本作では、ボスエリアに近寄るほどに、同時期に潜入しているクラスメートとのイベント会話がある、着実に追い詰めている感が盛り上げられて、気分も盛り上がると同時に、こっちの通路が正解なのねとも思えるのだが。クロスブラッドでは、なんや意味分からん会話が脈絡無くあるだけ(過去牢獄だったエリアで「ようこそ、新しい囚人を歓迎する」みたいな…いや、鍵開けまくり、先輩囚人や看守倒しまくったあとなんすけど…とか)。

ダンジョンそのもののデザインとしては、過分に単純な迷路であり、XTH系らしい縦構造ではなく横構造となっている。そこはかなり減点。


XTHのシステムという同じ土俵を使っている分、試合内容の善し悪しの差が、明確に出てしまったと言えるだろう。デュマの逸話で、真偽はよく知らないが、盗作を問い詰められた時に「確かに君のアイディアだ。だが、私の方が面白くできる」といったとか。

どんなに良くできたシステムでも、面白く作られなければ意味がない。どんなにダメなシステムでも、面白く出来たりもする(Akiba'STripとかね)。基礎理論は基礎理論で評価されるべきだが、そこから商品化できるかはまた別問題なんだよねぇ。


まぁ、色々と言われているが、本当に窃盗まがいならば、さすがにオリジナル種族をそのまま出す事はないと思う(フェルパー、バハムーン等々)。やましいことがあれば、こっそりと変えるハズだ。固有名詞をもダイレクトに出したと言うことは、それ相応に正当性を主張しているモノと考える。不味いと思えば、パブリッシャもダメ出しするはずだ。まぁ、単に盗っ人猛々しいとか、面の皮がアダマンチウムとかの可能性もあるが、退職金代わりに、相応の正当性をもって譲渡されたのではないかと私は見ている(もしくは、システムの使用料支払い済みとか、使用料で借金棒引きとか)。

ただfinalの次に出た「時の回廊」だかなんだかは、凡作以下なので、このファイナルはあり得ない確率の壮絶なクリティカルヒット。と言う感じはしなくもない。スタッフが同一かどうかは、比べてないから分からないけど。1−3もあまり良くないらしいしねぇ(伝聞だから何とも言えないけど。評価者にかなりのバイアスがかかっているっぽいし)。

ネットの評価者は、盗人にも三分の理と言うけど、それには一分の理もないよね。と言うのが、絶大な評価を受けたりする不思議があるのが困りもの。例えば「トーンの使用量が少ないから、この絵は下手」とか。ととものは絶対悪とするのに、クローンゲームは擁護したりするしね。Mr.Loみたいなコピーは困るが。

 
もらい物だったので知らなかったが、新品でも安ッ。これなら買いだ!。
この出来でこの価格なら、三倍の価値はある


なんとなくアマゾンレビューを見たが、やはり、レールライドと言うか、ストーリーライド嗜好の人には、かなり厳しいらしい。つまり、FFやらDQあたりを至高とする人(要は、多数派のユーザー)には、ダンジョンはストーリーの障害物でしかないのだなぁと痛感した。彼らには、探索するものではなく、通過すべきものなのだと。つかまぁ、ネットにありがちな「コレは叩いて良いモノ」的な空気はヒシヒシと感じたワケだが。

罠がウザイというが、ダークゾーンにターンテーブルぐらいは、初代wizからある鉄板コンボなんだけどなぁ…マッピングしながら、着実に歩みを進める。なんて時代ではないのは分かるが…まぁ、なんだ、ダークゾーン+なにかで、イライラするなんてのは、 ダンジョンは通り過ぎるモノと言う認識だからだろう。こまめなマッピング(の代わりにマップ確認)しつつ苦心して進み、クラスメートに出会うからこそ、やっとこっちが正解通路かと思えるのだが。

XTHのときにも言っている人が居たが迷路デザインはヘタじゃない。迷路デザインとしては上手いと思うぞ?。ダンジョンデザインとしては、まぁ、ちょっとアレだが。

さらには「前作キャラが出てきまくりで覚えてられない」と言うのも失笑モノで、そんなのはファンへのサービスであり、私はfinalしかやっていないが、個々のキャラの動き にはなんの問題も感じない(カルテ除く)。つまり、知らなくても関係なく、知っていればより楽しめると言うことにすぎない。 それがファンサービスというモノだろう。

唯一、納得の意見は「罠になんの前触れもない」だけかな。確かに、探索がメインなんだからFind Trapsや罠感知はあって良い。と言うかあるべき。シーフ系が箱開け係を脱却できるし。バルダーズゲートはおろか、98FD時代のプールオブレディアンスですら、ファインドトラップスは実装しているのだから。

wiz系ダンジョンRPGも終わったジャンルなんかなぁ。活路は、ダンジョンの数でなく、質で勝負する方向に行けば何とかなるだろうか。無理か。RPGももはや、ストーリーを追いかけるゲームになってしまったしな。探求するモノではなくなってしまった。と言うことだろう。私がマップデザインヘタ通り越してるからなぁ…マトモなのできたらなぁ…
 


初稿 2013/07/07 追記2014/04/04


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