総括


新規顧客の参入のみを狙うあまり、顧客や、リピーターをないがしろにしたツケが、今(と言っても2000年ぐらいの話)のテーブルトークの衰退を招いた気がします。一時期、ロードス島戦記などの流行による第二次テーブルトークブームでは、一般の本屋でさえ、BOXタイプのルールを販売していた時代も、あったのですが。今では、ホビーショップですら扱われなくなっています。TCばっかりで。

この業界、PBMを含めて、リピーター。購入者のケアーをしっかりして欲しかったですね。アンケートはがきを返信しても、ユーザー登録されず、エラッタは提携した雑誌のみで公開したりだとか、詳しい解説はサプリメントで、と言いながらルールだけでポシャったりと、まぁ、今で言うベンチャー企業だったのですから、仕方ないとは思いますが。

あと、やはり、テーブルトークと言う物には、圧倒的に理系の人の方が興味があるらしく(純粋な文系は、キャラメイクの計算やキャラシートの数値で後込みする人が、意外と多い)、やたらシステムだけにこだわって、ソフト面(シナリオ)をないがしろにしたのも原因かなと。判定時の確率分布の調整など、システム面では、確かに理系の独壇場ですから。

業界で規格統一が行われなかったと言うこともあって、シナリオの書き方や、最低限必要な情報の設定が成されなかったため、ほとんどのシナリオ集は、大変扱いにくく、読みにくいものが多かった気がします。そうなると、シナリオに対する理解が曖昧なままの運用となります。逆に、運用しやすい物、つまり読みやすいモノは、NPC主導で話が動き、自由度のほとんど無いシナリオになってしまうのです。

大御所の朱鷺田さんの絡んだルールでのシナリオには、ゲーム運営時に陥りやすい状況を、トラブルシューティングとして、記載するなど、おのおの努力はされているようですが、この辺は、未だに解消されていないと思われます。シナリオの記述スタイルに、共通フォーマットがあれば、読みやすく、また、初心者マスターも、それに従って記載することで、力量を高めやすいと思います。

テーブルトークは、その辛いところ、苦しいところは、ナゼかマスターが、一人で背負うハメになります。シナリオを作り、運営し、NPCを演じ、判定し、まぁ、コレらが楽しいし、その達成感や、プレイヤー達の笑顔が好き、と言う菩薩のようなマスターもいるかと思いますが、ほとんどのマスターは、4〜5シナリオもやると、俺もプレイヤーしたい。と考えるものです。

その辺の苦しみを知っているはずなのに、なぜ…って、知ってるからシナリオ集なんて苦しみの塊、作りたくなかったのか(笑)。

たたシナリオは水物で、マスターの力量、運営能力次第でどうとでもなるものなので、一概に市販のシナリオが悪いとは言えません。


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