導入(教授)


一応、インディージョーンズ風味なので、主役格扱いになっています。考古学者が好ましいですが、歴史学でもかまいません。
このシーンで登場しやすいのは、教授のキャラクターとすでに知り合いである。とか、古物に興味のあるキャラクターとなるでしょう。


シカゴのとあるオークション会場に来ています。

教授:学部長の付き添いで、人気教授の研究に必要な化石を競り落としに来ています。必要なモノは、無事に競り落とし、学部長は事務処理を行っています。その手続きは長大で、暇になった教授は、一般参加できる会場を覗くことにしました。

古物商や作家は、なにかネタを捜しに来ているのでしょう。


その会場では、遭難して破産してしまった探検家の負債処理が行われている。
負債処理なので、ほとんど古道具屋の仕入れの様相をていしており、どこにでもある、棚や家具、本の類が売りに出されている。

特にめぼしい物が無い中、ひときわ異彩を放つ、チェストボックスが出展される。いわゆる宝箱といった風体で、考古学ロールに成功すると、確かに16〜17世紀の物で、まともに機能すれば、かなりの値打ち物だ。

会場からは、小さなどよめきが起こるが、司会者の
「ただし、どうしても鍵が見つからず、置物にしかならない」と言う説明で、会場は一気に醒めきってしまう。


20ドルから競りは始まるが、開始早々、一人の男が100ドルを付ける。男は、背が低く、ずんぐりとしているが、小太りと言う感じではなく、骨太な印象を受ける。りっばな口ひげを生やした白人(NPCフレデリック・フェーダー参照)

フェーダーの予算は、120まで。無理をしても140止まりです。

競らなければ、フェーダーの物となり、競りに参加したならば、フェーダーは「いったいどんな物好きだ」と、いった顔で見つめ、落胆します。

探索者が競り落としたならば、すぐに、フェーダーからの接触がある。
「申し訳ありません。あのチェストボックスを競り落とした方ですね。決して損にならない、お話なのですが…聞いて貰えますか?」
言語学や英語ロールに成功すると、ガチガチのクィーンズイングリッシュ、つまりアメリカ人ではないことが分かる。


「私はシカゴ・フィールド博物館のフレデリック・フェーダーと申します」

「植物学を専攻しているのですが、研究を続けた結果、貴重な植物が自生しているとおぼしき場所が判明しまして、探検家に調査をお願いしたのです。ところが、彼は遭難してしまったらしく…しかし、最後に届いた手紙から、植物の採取に成功し、自宅へ送ったというのです。帰国後、直接あって、引き渡していただく予定だったのです」

「しかし、手紙そのものが、かなり遅れて届いたようで、書面の日付を信用するならば、一ヶ月は遅れています。すぐに家族と連絡を取ろうとしたのですが、上手く行かず、なんとかたどり着いたときには、負債の処理のために、オークションに出品されていたわけです。なんとか取り戻そうとしたのですが…あなた達に競り落とされてしまったのです…」

「証拠と言えるかどうかは、分かりませんが…そのチェストボックスの鍵を持っています。手紙に同封されていたのもです。その箱には、学術サンプルが入っているハズなんです。」

「どうでしょう、鍵があれば箱の価値も上がります。私は、中に入ってるサンプルと調査レポートが欲しいだけなんです」

それでも、ゴネるようでしたら、フェーダーの箱を競る予算であった100ドルで、サンプルとレポートを買い取ると言います。もちろん、鍵は付けます。


確かに、箱はフェーダーの鍵で開きます。

箱の中には、マヤ・アステカ系の小さな像、ジャガー神像など、十数点が入っていますが、他にめぼしい物がありません。全部を売れば、300ドル近くになるハズです。フェーダーは、「無い、無いッ」と言いながら、必死で捜しています。

目星ロールで、箱の見かけの高さと、実際の高さが違うことに気が付きます。誰も気が付かなければ、フェーダーが、憎々しげに箱を蹴り飛ばしたショックで、見せかけの底板が外れ、丁寧に梱包された包みが出てきます。

小包の中身は、手帳を千切ったようなメモと、デスマスクを思わせる精巧な人間の顔を持つ、人面花。ひまわりの中央部に、顔があるような感じだと思って下さい。調べても見ても、作り物とは考えられず、触った感触もまた、明らかに生物の物です。(−SAN0/1d4)

人面花の薄く笑った口元をよく見ると、歯が全て、純金で出来ています。
フェーダーは、恍惚とした表情で、気味の悪い人面花をなで回していますが、しばらくすると我に返り、箱を引っかき回します。
「手かがりと報告書がない…これだから、アメリカ人は…」

メモには、ディレッタントPCの住所と電話番号が、記されています。


もし、探索者が競らなかった場合、フェーダーが単独で、ディレッタントに連絡を取ります。
ディレッタントの家に届いた、粘土板は資料ですから、状況を話し、強力を要請します。ディレッタントも、叔父さんの消息が気になるでしょうから、比較的話は早いと思います。

専門家の意見を聞くという事で、教授には、再度の登場の機会があるでしょう。



戻る