2、逃げ出す
機械人形相手に言い訳するのも面倒だし、味方を攻撃するわけにも行かない。ここは、逃げ出すことにしよう。軽くバーニアをふかして、ダッシュ。ルナを一気に引き離す。
ルナの警告をBGMに、逃走を続ける。バーニアの風圧で、人間サイズのルナは、追撃は不可能だろう。エレベーターの使用は出来なかったが、しかたあるまい。
>ZMD321 ERIS 距離1
>正面より熱源反応
巡回にでも出ていたのか。メカドールのエリスが待ちかまえていた。バーニアダッシュが裏目に出た。圧倒的な推進力に押し出されている状態で、回避方法は皆無だ。
考えてみれば、メカドールに声帯はない。バーニアの風圧の中でも、味方への通信は出来るわけだ。
アイリーンの安否が気になるが、寸分の狂い無くコクピットを貫いたレーザー光が、俺の肺に穴を開けたらしく、声を出そうにも声が出ない。
呼吸するたびに、すきま風のような音を立てる自分の身体と、バカさ下限に苛立ちながら、パイロットキットの奥底にあるアンプルを飲み干す。これで痛みとはおさらばできる。この世からも、おさらばだけどな。
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