2,負けたら


.近接戦闘に長けたルナ。射撃戦に長けたエリス。この二体はセットだったのだろうか。携行火器は直接のダメージソースとはせず、張り巡らしたトラップがメインソース。遠距離からの射撃で、トラップへと誘い込む。射撃に長けたエリスらしい戦術だ。コレなら、十分実戦でも通用するだろう。

人型巨大兵器の重力下での脆弱さは、旧世紀からずっと語られていた。エリスもそれは十分習熟しており、トラップのダメージも、足首を着実に狙っている。

蓄積されたダメージで、もはや足首は動かない。今のドロシィはボディブローで足を止められたボクサーに等しい。ガードの腕も上がらず、ただトドメの一撃を待つだけの、時間。

彼女なりの復讐なのか、その一撃は未だ来ない。首に縄を掛けられ、床が抜けるのを待ち続ける。ただ、死の恐怖と、緊張感が、心臓を締め付ける。

いつだ。
どこからだ。

肺が、空気を求めて喘ぐが、吸い込めるのは恐怖と緊張だけ。

体内に潜り込んだ恐怖が、心臓を追い立て、心音は耳鳴りとなり、拍動が震えとなる。
たのむ、後生だ。慈悲をくれ・・・



検索エンジンにより、直接このページに来てしまった方へ。一度、TOPページへ、お越し下さい【TOPへ行く】