RX−79EZ5


膠着したアフリカ戦線を解決すべく、EZ2をマイナーチェンジした機体。開発スタッフは、ほとんどEZ2のメンバーである。

乾燥しており、細かい砂や小石が舞うアフリカ戦線では、歩行兵器に適した戦場とはいえず、両軍ともに苦戦を強いられていた。砂漠戦での均衡を破ったのは、革新的な思想と機能を有しているMS−09ドムであった。地盤の悪い砂地を歩行するのではなく、ホバーで滑走させるドムの有用性を認めた連邦軍も、ホバー走行可能なMSの開発を発令、それがEZ5である。

もともと、低重心に設計されたドムと異なり、細身の連邦軍MSには、ホバー走行は向いていなかった。
その帳尻を合わせるために、脚部が肥大化。特に足首より下は、子供が大人のスリッパを履いているかのような、不格好さであった。

それでも、若干安定性を欠いていたモノの、ドムにも劣らない性能を残している。
しかしながら、ジオン軍でさえ、ドムへのパイロット転向は難しいとされるほどであり、MS開発から間もない連邦のパイロットが乗りこなすのは、至難の業であった。

9機ほどが生産され、6機がアフリカ戦線へ実戦テストのために送られたが、輸送中にミデアがおそわれ、その後、機体は消息不明になっている。そのときの非公式の報告書では、ジオンの襲撃部隊のドムと互角に渡り合えたという。


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