EZV計画


概要

あまりに量産を急いだため、初期生産分のRGM−79ジムは、劣悪な機体が多く、二割近くが基準をパスできない不良品であった。それには、各工場におけるMS技術者の絶対数の不足。生産ライン転換不十分など多様な問題がかみ合っていた。

MSの各部品の再設計を計画。また、当初のV計画立案当時の想定よりも、ジオンの地球制圧範囲は広く、RGM−79は宇宙戦を想定したものであったため、改めて地上戦を想定した、地上用MSが必要であった。これらの構想は、簡易V計画。すなわち、EZV計画として可決された。

加えて、サイド7襲撃事件からの、驚異的なガンダムの戦果は、すでに各方面に知れ渡っており、味方の戦意高揚、敵への誤認による威圧をもふまえ、また、より高いレベルでの各パーツの完成度を促すために、RX−78を開発素材として採用した。同時にそれは、現行のリメイク・マイナーチェンジではなく、現有技術の粋をつくした新機種の開発せよ。と言うことである。この計画により、RXシリーズでありながら、量産機であるという鬼子の誕生となったのである。

しかし、従来のRXモデル開発計画と異なり、生産工場での生産性をも考慮せねばならず、有能な現場技術者をサイド7の事件で失った連邦には、かなりの難題であった。


◆開発の流れ◆
そもそもにおいて、V計画とは、コアファイターを機軸においた、パーツ換装による多目的MSの開発である。つまり、部隊に課せられた命令が、中距離支援であれば、ガンキャノンを。長距離支援であれば、ガンタンクを。MSの要撃、近接戦闘にガンダムと、コクピットを共通化し、作戦内容によって機体を変更できるシステムであった。

しかしながら、操縦方法は同じでも、機体重量、武装、センサー半径などが明らかに異なり、全く別機種に乗り換えることに変わらないと言う事実に、現状では、コアブロックシステムは、脱出ポッドとしてのみ機能していた。

EZV計画では、再度、換装システムの実験機としての意味合いもあり(共通フレームによるコストダウン、生産性の向上も考慮の上)、バックパック換装による多目的化と言うプランが実行される。しかしながら、共通フレームでは局地での許容量が足りず、中途半端な成果しか残せなかったため、結局のところ、目的別のフレームや基礎設計がされて行き、三体は別MSとして開発される。

しかし、このバックパックや装備換装による多様化のシステムは、F90によって完成・達成されるが、戦果に対するコスト面の悪さ、運用の煩雑化により、それ以後、研究、開発が継続されることはなかったが、小型MSの熟成期Vガンダムの時代に再評価される。


◆開発の詳細◆
初期段階での開発モデルは三機。飛行能力を有するEZ1。陸戦用のEZ2、水陸両用のEZ3である。
計画終了までに、計画立案は8機、実制作は7機が行われた。

RX−79EZ1:大気圏内飛行MS
RX−79EZ2:陸戦用他用途MS
RX−79EZ3:水陸両用MS

以上三機は、EZ2のバックパックシステムを機軸として、最小限の換装で汎用化しようとしていた機体であった。が、やはり、陸戦と水中戦では、フレームの設計思想が明らかに異なり、求められるモノに違いがありすぎたため、以降、別のMSとして開発されていく。そのため、EZ2はより、簡易な兵装コンテナシステムに置き換えられ、RX−79(G)として、量産される。

RX−79EZ4:宇宙用高機動MS
RX−79EZ5:陸戦ホバー走行MS
RX−79EZ6:水陸両用MS

以上の三機で基本的な開発は終了を遂げる。オデッサ作戦に勝利し、地上用MSの必要性が薄れ、また戦後が見え始めており、予算の削減が始まったからである。

RX−79EZ7:企画のみ。RX78NT1へスイッチ
RX−79EZ8:番号のみ。EZ2でRX79(G)を補修したモデル
RX−79EZ9:水陸両用他用途MS

マトモに、開発されたのはEZ9のみで、水中戦用は開発が難航したうえ、ジオン側の抵抗ももっとも長く激しかったため。
補足:水中戦闘に関する考察


戻る