状況を確認する。
何とか上体を起こし、周りを見渡すと、バスの中は、まるで攪拌されたようになっている。うめき声と、血の臭いに混じって、なにかが焦げた臭いがする。
揺れる頭を、なんどか振り回し、ようやく視界と思考を安定させる。車内や、窓からみえる景色から判断すると、どうやら交通事故を起こしたらしい。このバスが原因かどうかは分からないが、ここから確認する限り、結構な数の車がからんだ玉突き事故のようだ。
不意に、視界が歪み、自重に耐えきれず、意図せず、座席へ身を沈める。深く息をついて、目眩が収まるのを待つ。その間に、身体を調べるが、体中が鈍く痛むモノの、出血などは無いようだ。
どこか遠くから、サイレンの音が聞こえる。
警察か、消防かが、やってきたようだ。
1,とにかく、自分の脱出路を確保する。
2,負傷者の確認と確保を行う
3、救助活動を待つ