2、繁華街での聞き込み


もしかしたら、昼間よりも明るいかも知れないと思わせる電飾の海を渡りきる。電飾という人魂に吸い寄せられるように、賤民たちが群れ集う。目の下のクマを隠すために、ケバケバしく厚塗りを重ねた夢魔が、獲物を物色している。もっとも、彼女たちの狙いは、財布の中身だが。

裏通りでは、群れから離れた哀れな羊を、革の鎧を着込んだ小鬼たちが食い散らかしている。この電飾の海を覗いていると、我々、血族よりも、堕落しているのではないかと思える。

この街の物置であるクラブハウスへ向かう。血族を模したような、青白いメイクをした少年少女が、行儀良く列んでいるのを見るのは、とても滑稽で、心が和む。結局のところ、彼らは、背伸びをしているだけの素直な少年少女なのだ。

門番である大男のグールが、頭を垂れる横をすり抜ける。それは、暇をもてあましていた少年少女たちには良いネタだったらしい。だが、生活指導の教師のごときグールの一瞥で静寂が戻る。

狩りをするつもりならば、彼らの一人に声をかければ簡単に済ませるだろう。
狩りを行うか?


行うならば
情報収集を優先するならば