同人、オフィシャルを問わずガンダムワールドでは、准尉と言う階級を好む人はとても多いです。しかし、その実状を捕らえたモノは少ないようです。
准尉、つまり、尉官に准ずる階級と言う事で、最下級士官。と思っている人も多いようですが、実際は異なります。
まずは、辞書を引いてみましょう。旺文社の国語辞典では『准尉:もと、陸軍の准士官。少尉と曹長の間の位。特務曹長の改称』とあります。ちなみに、准士官は、「もと、士官と下士官の中間に当たる階級。陸軍の准尉と海軍の兵曹長」とあります。
ここで、大切なのは、准尉は士官階級ではないと言うこと。特務曹長の改称であると言うことからも、最下級士官ではなく、最上級下士官であると言うことです。士官と下士官の間には超えられない壁があり、将校クラブへ下士官が入れない(士官のお供としてなら入れる)のはもちろん、下士官以下がたむろする酒保へ、士官は入れない(下士官のエスコートがあれば入れる)ことからも明白です。
くわえて、辞書の解説に常に「もと」と言う言葉がついていることから、日本帝国軍の階級であることが分かります。地球連邦軍が日本帝国軍の階級をベースにするとは思えませんが、まぁ、ガンダムワールドの設定なので、この点はスルーします。
下手なゲームやアニメだと、特務曹長の上に准尉を置いていたりしますのでねぇ。
曹長と軍曹では、階級ランクが異なるような印象を受けがちですが、実はあまり差がありません。
それは、英語で考えるとよく分かります。、英語だと、特務曹長は、サージェント・メジャー。曹長は、マスターサージェント。一等軍曹はサージェントファーストクラス等々、サージェント、つまり軍曹のランクであることがよく分かります。
要するに、准尉(つまり特務曹長)というのは、士官学校を出ていない人がたどり着ける最上級の階級と言うことで、兵卒の元帥と言われる所以です。
さらに付け加えるなら、准尉や特務曹長というのは、特別職であるとも言え(「特務」な曹長と言う訳ですから)、そうした点から考えると、逆に、士官への道が閉ざされた人。と言う意味にも取れます。
士官の資質あり。と見込まれたなら、それなりの時期に、士官候補生として打診されているでしょう。性格的、もしくは思想的に士官に向かない。と判断されたか、高齢である(と言っても、30そこそこぐらいでしょうけど)との理由で、士官への道が閉ざされたと言えるのではないかと。
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