回避。と一般的に言いますと、身をそらして避ける。と言うのを思い浮かべるかと思いますが、細かく言うと、回避には、ボクシングで言うところのブロッキングを含めた、防御方法全般を指すことも可能です。
機動兵器における代表的な防御、回避方法は三つあります。
1、機動回避
2、着弾回避
3、迎撃回避
と言う三つです。
1つめの、機動回避は誰もが回避というと思い浮かべる、身を晒したりして機動力で回避する方法です。ボクシングで言うところの、スウェーですね。この回避方法を第一義とした場合、求められるのはまさに機動力です。そのため、装甲を薄くして、重量を軽くしようとするものです。
どうせ一発喰らえば落ちるんだ。と言う割り切りから、装甲がほとんどなくなった零戦まで行くと極端ですが。
2,着弾回避
2つめの着弾回避ですが、シールド防御。と言いかえると分かりやすいかと思います。相手の弾を分厚い装甲ないし、余剰装甲(シールド)で受けるという回避方法です。ただし、盾で受けるだけが着弾回避ではありません。シールドのない機体でも、装甲の一番厚いところで、敵の弾を受けてダメージを減らす。と言う戦法は、戦車にもあります。と言うか、機動力という点では、たかが知れている戦車の回避方法は、この着弾回避です。
ソビエトの戦車に、持っている武器が全く通用せず、ドイツ軍が難儀した。と言うのも有名な話ですな。
余談ですが、テーブルトークのT&Tでは、戦士は防御点を二倍できます。と言うのは、戦士は技術として、相手の攻撃を、鎧のもっとも固い部分で受ける技術を持っているから。と言う理由です。ボクシング等、打撃系格闘技でも、当然、攻撃側は、筋肉の薄い部分を狙ってきますが、受け側は単純に相手の攻撃を受けるのではなく、少しでもダメージを減らすべく、筋肉の厚い部分で受けているのです。
3、迎撃回避
これは攻撃が弾頭であることが必須です。要するに、飛んでくるミサイルを打ち落とす。と言う事です。もちろん、携行兵器で打ち落とすのは、無理ですから、迎撃用のミサイルとか、コンピューター制御のファランクス機銃とかで、落とすことになります。ガンダムワールドでは、バズーカは、炸裂弾頭と言うか、携帯ミサイル発射砲的な扱いですので、バズーカの弾も落とせるかも。
もちろん、この二つを組み合わせたり、三つ全てを同時にやることも可能…と言うより、常に組み合わせているでしょうね。例えば、盾を構えたまま、回避すれば、着弾回避と機動回避を同時にこなしていると思います。
で、「ガンダムワールドの謎:直撃だと?」に関することですが、装甲というモノは、すべからく、攻撃から守るために装備されています。「ザクを一撃で」とシャアが驚いたのも、ザクの装甲は、無敵とは言えないまでも、それまでの連邦軍に対して、かなり優位な素材を使用していたと言うことが伺えます。
中世ヨーロッパでは、わざわざ汲み倒した相手のチェインメイルをめくり、腹部を短剣で刺して致命傷を与えたぐらいですから、装甲の防御力は、意外と侮れないものです。とは言え、圧倒的な威力を持つ鉄砲が登場すると、重いだけの甲冑は、捨てられました。ナポレオン時代、ど派手な軍服しか着ていない事からも、鎧の無力ぶりが伺えます。
つまり、ガンダムのビームライフルは、中世ヨーロッパの騎士が、初めて鉄砲の被害に遭ったときのようなモノなのだと言うことですかね。
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