宇宙空間では、AMBAC(手足の挙動による方向転換:まぁ、競泳のターンの様なもの)によって、絶対的優位を誇ったMS(航宙機だと方向転換にもバーニアを使うため、燃料食い過ぎるし、旋回半径も莫大に)ですが、地上ではどうでしょうか?。
コロニーのような、平坦な地形ならともかく、地球上では起伏も多く、塵芥も多い。二脚歩行で関節の多いMSには、とてもではないが、好ましい環境とは言えないでしょう。全長18メートル、重量100トン近いものが動いていれば目標にもされやすいし、重力下では機動は制限されます。おそらく、攻撃ヘリや、航空機の爆弾の餌食になっていたでしょう。
また、立っているだけで100トンが両足と股関節ユニットの負荷となり、戦闘で飛んだり跳ねたりすれば、負荷は倍加します。MS最大の売りである機動力があまり活かせません。
しかし、それでも地上制圧が出来たのは、MSの装甲が優秀で、攻撃ヘリのロケット弾程度では、致命打を与えられなかった(怪獣を攻撃する自衛隊のように)と言うのと、もう一点、MSが核動力であり、下手に攻撃すると、核爆発が起こると言う恐怖心でしょう。実際は、撃墜されても、核爆発しない様な工夫(絶対ではないですが)されているのですが。
MSは、陸上では、それほど優秀な兵器では無いと言えるでしょう。MSに61式戦車10台分の戦闘力があったとしても、コストは戦車の何台分になる事やら。
まぁ、それはともかく、MSと現用兵器の対戦を考察してみましょう。
VS戦車
遠距離戦では五分でしょう。全長が高い分、視野が広いMSが若干有利かとも思いますが、デカイ分視認されやすいと言うマイナスもあります。武装面で、戦車砲と同サイズながら、マシンガンなみに連射出来る武器を持っているMSに若干有利でしょうか。また、MSは、バーニアなどでの急制動が出来るので、回避面でも有利ですね。
近距離戦ではMSが圧倒的に有利なのは、疑いようもありません。
・・・・意外と、有利じゃんMS・・・
VSヘリコプター
これはヘリの方が機動力に関しては優勢でしょう。機動力、最高速ともにヘリの方が優位ですから。ただし、それでもヘリが活用されなかったのは、無力だからでしょう。ミノフスキー粒子で、ミサイルが使えず(有線ミサイルは危険です。切れたワイヤーがローターに絡んだりしたら・・・)、ロケットランチャーが通用しないとなれば、無力です。無誘導でミサイルを打つ手もありますけれども。航空管制ぐらいは出来るかも知れませんが。
VS航空機
戦法は、ヘリの延長線上にありますから、これも武装面で航空機不利でしょう。ただし、航空機の場合、大型爆弾が使用できますから、使い方によっては、十分な戦果があげられると思います。MS一機当たりに相当数の爆弾が必要そうですが。
VS歩兵
意外と思われるかも知れませんが、実は歩兵が有利です。もちろん、遮蔽物が無い広野などでは無理ですが、十分な隠蔽物がある市街やジャングルでは、圧倒的に歩兵が有利でしょう。対戦車砲や、対MSロケットを手に、チョコマカと近寄ります。18メートルの視点から、隠れている人間をカメラで捜すのはかなりの注意力を使用します。
歩兵が狙うは、膝の関節です。後ろから狙えばベスト。関節という機構上、装甲はほとんど無いはずです。膝が曲がらなくなったMSの機動は格段に落ちますし、下手をすれば、行動不能になるでしょう。
08小隊のシローアマダの様に股関節を狙えば、確実に行動不能に出来ます。塹壕などを掘っておき、跨いだ瞬間に狙うならば、十分可能でしょう。アマダ少尉のように、残骸の下に隠れるのは、少々ギャンブルが過ぎます(笑)。踏まれたらアウトだし。
市街ですと、ビルに隠れていて、コクピットやバーニア噴出口を直接狙うことも可能でしょう。7〜8階建てのビルがあれば、狙えるかと。
初代ガンダムでは、ワッパで取り憑いて、直接爆弾を張り付けたりもしてましたな。あそこまでの危険を冒さなくても、レーザー誘導装置をトリモチ弾とかで、ぺたっとくっつけて、ミサイルを誘導するという戦法もアリかも。
もう少し不利かと思っていたMSですが、意外と有効な事にちょっとビックリ。現有兵器で最も有効なのが、歩兵なのもアレですが。まぁ、装甲材が有利となっているからで、ヘリ搭載のロケット弾で、有効打が与えられるのならば、MSの価値はないでしょう。ですが、地上の半分近くを制圧できているので、ザクの装甲はかなり優秀だったと思われます(06C型は、耐核だしねぇ)。
ただし、これらはMSの整備が万全で、ほぼ、一対一の状況下での考察です。整備や維持コスト、生産コストもかかるMSでは、長期戦では不利でしょうし。いかなMSといえど、一個MS小隊と、一個戦車中隊では、戦車のが優勢でしょう。
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