人型機動兵器、いわゆるロボットをモビルスーツと呼ぶために、ガンダムワールドでは、宇宙服の事を、ノーマルスーツと呼びます。このノーマルスーツも、何種か存在します。大別すると二種類。パイロットスーツと、ノーマルスーツですね。
パイロットスーツ
モビルスーツや、航宙機のパイロットが着用する宇宙服です。運動性が第一義に設定されているため、宇宙服としての機能は最低限となっているでしょう。その証拠に、一般のノーマルスーツと比べて薄手になっています。特に、モビルスーツは、結構なスイッチ操作とレバー操作を行うはずなので、手袋はかなり薄手になっているでしょう。
とは言え、搭乗機が破壊、ないし大破した場合に備えて、外宇宙服としての最低限の機能と、高機動戦闘に備えて、耐Gスーツとしての機能は必須でしょう。また、基本的に、長時間の着用は想定されていないため(パイロットの実働時間は、長くとも2時間程度でしょうから)に、着心地は最悪の部類にはいるでしょう。
宇宙服としての最低限度とは、電磁波からの防御、気密、体温調節機能が挙げられるでしょう。真空状態の宇宙空間では、太陽からの有害な電磁波をモロに浴びてしまうので、その遮断は必須です。気密は、酸素がないので当然必須。耐Gは、現在の戦闘機パイロットも着用しています。圧力をかける事で、血流の流れをコントロールするハズ。
OVAの第08小隊で、シロー・アマダが、初の地上戦でノーマルスーツを着用し「暑いな…こんなの着てられない」と言うシーンがあるのですが、体温調節機能がないと、宇宙服としては失格でしょう。外気温、しかも気密コクピットで暑い。と言ったならば、宇宙空間に放り出され、太陽光を浴びたときは、どうなるのでしょうか。
地上でのMSでは、それほど高機動にならないかも知れませんが、それでも、バーニアでの緊急回避などを考えると、せめて、ヘルメットと耐Gスーツは着ておいた方が賢明でしょう。
ちなみに、0083では、地上用のパイロットスーツとヘルメットがデザインされていました。
ノーマルスーツ
ブリッジ要員などが着用する、少々、いかつい宇宙服です。パイロットのように、高機動にさらされる事も、指先の繊細な作業も、基本的には要求されないのですが、反面、長時間の着用が前提となっているので、長時間の着用に適した機能がついているはずです。ヘルメットを着用したままでも、命令伝達が可能なように、通信機だけでなく、スピーカーなども、突いてるかも知れません。
簡易トイレや、食事チューブの接続口などが考えられ、着心地は非常事態に備えて、着たまま眠れるほど高いクッション性を有していると思われます。
そのため、ノーマルスーツで、白兵戦を行うのは、着ぐるみや、肉じゅばんを着て、戦うようなものでしょう。
ノーマルスーツ(一般用)
軍用でなく、民間用のノーマルスーツは、さらに、着心地と生命活動の維持が重視されているはずです。反面、防御力や耐久力、と言ったモノが犠牲になっているでしょう。また、快適に着用するためのオプションは充実しているはずです。
上記三点は、大抵言及されていますが、さらに考察すると、高機動にはさらされないが、動きやすさと、繊細な作業が要求される整備兵は、パイロットスーツとノーマルスーツの中間ぐらいの機能のモノが必要でしょう。
また、海兵隊員や、拠点にいる歩兵も、専用の宇宙服が必要でしょう。耐G機能の代わりに、防御力を高めたモノが必要でしょうし、隊員間の連絡のために、高い通信能力も必要でしょう。パイロットスーツは、通信機能はMSに依存しているため、スーツに通信機能は、ほとんど無いハズです。また、予備弾倉や、爆破機材などを携行・装着する機能も求められるでしょう。
パイロットスーツやノーマルスーツ、特に民間用のノーマルスーツは、遭難、救難のために宇宙空間でも視認、発見されやすいような工夫がされているでしょうが、歩兵用のノーマルスーツは逆に、見つかりにくくなっているはずです。
ア・バオア・クーで、パイロットや、水兵も白兵戦に参加した経歴からか、ゼータ時代のノーマルスーツは、汎用性の高いモノになっている気がします。アムロの時代は、ピッタリとした運動性重視だったノーマルスーツも、ゼータ時代には、若干の厚みが出て、防御力も上がっていそうです。
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